Tuesday, June 9, 2015

体重差のこと

■ 体重差のこと

岩登り(クライミングではなく)を始めたとき、体重差のことを知った。

あとで確保理論を学んで、やはりトップロープで体重差があると、ビレイは難しいと書いてあった。

その後、ちょっとがっちり目の初心者の男性をビレイしたら、初心者だったので、予告なく落ちる人で、その時は室内壁で支点の摩擦がほとんどないトップロープバー(普段はカラビナなので屈曲が大きくもっと摩擦がある)で、落ちられ、2mくらい浮き上がって、びっくりした。

その彼はクライミングは、まださっぱりのようだったし、その時は、まだ確保上の理論を分かっていない時期だったので、予告なく良く墜落した。その上、私の体重ではビレイヤーは、かなり浮くので、一緒に練習するのも不安になった。

体重が軽いのは、ビレイヤーとしては、別に悪いことではない。自分が浮き上がってしまうので、クライマーに対する衝撃は少なくなる。

ただビレイヤー側は、浮き上がる場所をうまく考えておかないと、頭上の岩に激突することになる。

クライマーは無傷でも、ビレイヤーの方が大けがするパターンは大抵がこれだ。体重の軽いビレイヤーは、自分が請け負うリスクも大きいのだ。

以前、アイスクライミングに誘ってもらって行った小滝で、体重差が25kgくらいはありそうな人をローワーダウンした。

これも滝に吸い寄せられて、ぶら下がった。ぶら下がるのはいいけど、小滝に激突しそうになったので、ローワーダウン程度でも、うまいことやらないと、この場合は、クライマーもビレイヤーもひどい目に遭うかもしれない。

アイスでは落氷を避けるのに、だいぶ離れてビレイする。大概の問題は、降ろされる側が普段のつもりで、その後ずさった位置で、すぐローワーダウンされたがることだ。その位置でローワーダウンを始めると、引かれてアブナイ。

あらかじめ、後ずさった分を近づいておかないと一気に真下にくるまで引かれ、引かれた分ロープは出るので、降ろされる方も落下現象と同じになってしまう。だから、ローワーダウンになったら、荷重を掛ける前に、ロープを手繰って、真下に近づいておく。ロープはできるだけ、短くしておいてからローワーダウンを開始する。そうすれば、安全に降ろせる。

それを分かってくれないで、”テンション”と言ったら、すぐに”ローワーダウン”に行く人が多くて、参っている。テンションを掛けるのはすぐだが、降ろす時は踏ん張りとの兼ね合いがある。

安全に降ろしたかったら、真下に近づいておかないと・・・。高く登っていればいるほど、クライマーが見えないので、ビレイヤーは離れているものだ。その分ロープが余分に出ているワケである。

これは別に岩でも、アイスでも同じで、体重差があるほど、軽いほうはクライマーの真下に行かないとうまく体重を使って、ロープの出を制御できないのだが、降りる側の男性の方は、このことを分かってくれていないことが多く、いつもの感じなのだろう、まだ私が壁から離れた位置にいるのに体重を突然かけたりして、いつも困ったなと思う。

軽い男性は同じ立場なので、良く分かっていらっしゃる。

体格の良い人は、まさかその体格の良さが私にとってのリスク要因になっているとは思っても見ないのだろう・・・

相手をビレイできるかどうかは、いつもそういう意味で不安だった。私の方が吹っ飛んでしまうのだ。

■ カウンターウェイト

カウンターウェイトによるライジングは、まさにトップロープのビレイと同じ理論。自分の重さを使って、相手の重さを引き上げる。

同じくらいの体重の人だったら、理論的には体重が釣り合えば引きあがるので大丈夫。

でも体重が65kgの人を、48kgの私がカウンターウェイトでぶら下がっても、あとの17kg分の力を何かで足さないと引きあがらない。

ロープを引っ張っても、17kg分引っ張るって可能なんだろうか???

と思うので、たとえセカンドで登ってもらっても、すぐ落ちそうな人で自分で登り返しができない人だと、困るなぁ・・・。体重が重かったら、私もカウンターウェイトで引き上げられないし、リスクの量としては大きいかもしれない…。

今回は、体重が自分よりは少々重い人をカウンターウェイトで、ライジングしてみた。女性ならなんとかなった。

会の女性の先輩くらいは、ライジングできそうだ。

カウンターウェイトでライジングすると、当然だが自分は下がっていくので、登り返しをしないといけない。それはいつもの宙吊り登り返しと一緒(プルージック登攀)。最初からセットして行く。

つまり、ぶら下がった相手は意識がないか、もしくは、自分でプルージック登攀する術を知らない、という前提(ガイド登山状態)。

そう言う意味では、自分と体格が同じくらいで、持っているセルフレスキューの知識も同じくらいの人が一番岩パートナーには向いているんだろうな。

連れて行ってください♪ と言う時に、「プルージック登攀できます☆」というのはアピールポイントにならないんだろうか(笑)? 

私にとっては大いになるんだけどなぁ・・・

9 comments:

  1. アピールポイントってゆうより必須条件、マストアイテム、マストテクっすね♪

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    1. そうなんですか~?! 私なんて、最初からできるようになって、岩を始めましたけど、イマドキの人は、みんな知らないみたいですよー

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    2. イマドキの人とオトモダチでなくて良かったです。

      私は一緒に行く人には聞いてみて、「したことない」って返事なら、練習してもらってました。。。
      そういえば、最近一緒に行くようになったhtynはどうかな。。。訊くのが怖いな。

      リードクライマーが登れても、フォローが登れないケースあるんですよね。
      その時、プルージック登攀が出来れば、ほぼ問題なし。

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    3. そうなんですよね。私の気に入っている先輩は、最初にクラミングウォールに誘ってくれたときに、アブミの練習がてら、プルージック登攀を復習でさせてくれて、「分かっていらっしゃる~」と思ったと同時に、「セカンドでも私が登れないところに連れて行く気なのかなぁ~」とも思いました。

      ロックテリクスのシンプルアセンダーを使っていますが、非常に使いやすくて良かったです。
      http://www.amazon.co.jp/roc%E2%80%99teryx-%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC-BK/dp/B00KF0CH9M
      ユマールより安いのです(笑)。

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    4. 114gやったら軽くていいですね。私はロープマンってのを使ってます。あと、足につけるやつも持ってるんですけど もう何年も使ってません。。。

      http://workingperson.com/petzl-b02-pantin-foot-ascender.html

      空中をぶら下がってるロープを登るならいいんですけど、
      傾斜のついたフェースを登るのは結構大変ですよね。この時はリアルプルージックを付け替えて登ったりしてます。

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    5. そうですね。プルージック登攀は基本傾斜がついたところは逆に大変ですね。傾斜があるところは普通にクライミングしたほうが、早いです。 シンプルアセンダーを傾斜があるところで使ってみましたが、使えました。 プルージックだと握らないといけないので、これだと上に引っ張り上げるだけですから、一応楽は楽です。でも適合するロープ径があります。10mmで記載がありましたが、8.5mmでも全然平気。中身はバネでロープを抑え込む仕組みなので、かなり細くてもいけそうではありますが、取説的には10mmです。あと雪が付くと滑るのでは?というベテランの意見あり。

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    6. 「傾斜があるけどクライミングで登れない」ところもありますよん。

      その条件で、アセンダーがズラし難いところの場合に どうするかって話で
      プルージックが役立つこともあります。

      まぁ君子危うきに近寄らずで そんなとこ行くことないってんなら無視して下さい♪

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    7. たぶん、大丈夫ですよ。一度試してみてください。って言っても持っていないか。

      プルージックは基本形だから、もちろん、出来て当然ですが、プルージックだって、岩が寝ているところで岩に密着している状態だったら握ってずらせないです。

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    8. 「試す」て何をでしょう?

      私が書いてるケースではズラさないです。

      お邪魔しました。

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