新人さんが会に来て、最初に読むべき本を上げておきます。
■ 知識
1)生と死の分岐点 ピットシューベルト
これから入っていく世界がどのような世界なのか?を掴みます。
2)『大人の山岳部』
縦走も人についていくだけだったような方は、こちらから。縦走とアルパインの間くらいの知識が丁寧に解説されています。すでにクライミング寄りの活動をしたいと分かっている方はこれはスキップしても構いません。
3)『ハイグレード登山術』
これも雪稜や比較的易しめのバリエーションを目指す方に良い本です。
4)『最新アルパインクライミング』菊池敏之
こちらは3を済ませて、上級ルートへ行く前に必要です。
5)『イラストクライミング』
ロープワークが詳述されています。
■ バリエーションルートに行くには?
セカンドしかしないとしても、
・懸垂下降、
・ビレイ、
・ビレイヤーの自己脱出、
・宙づり登り返し
の4つは覚えてから、ルートに出ないと、”お客様”と”ガイド”の関係になってしまいます。
■ 懸垂下降の覚え方
1)ギアを買う
2)ロープを買うもしくは借りる
3)経験者に教えてもらう
・支点
・手順
・色々な懸垂下降の方法
・少ないギアで何とかする方法… ハーネスがない場合、下降器がない場合、など
多くは会で教えてくれますし、懸垂下降自体は難しいことではありません。が、失敗が許されないです。ので最初は落ちても死なない距離、高さ、からにしましょう。公園の滑り台程度の傾斜のところで、しっかりとした支点で行います。
■ ビレイの覚え方
人工壁に週2回なら半年、1回なら1年程度通って、墜落をキャッチする経験を積みます。ついでに登攀も上手になりましょう。
■ ビレイヤーの自己脱出&プルージック登攀
この2点は会で教わるほか、本を見たり、YouTubeなどの技術紹介を見ても、マスターできます。仲間を募って自立して勉強することも可能です。個人でコソ錬と呼ばれる自宅でのロープワーク試行でも習得可能です。
■ その他
読図力は必要です。尾根と沢くらい分かってくれないと話が通じないです。
生活技術も、できて当然視されていますので、テント泊の経験がない方は自分で済ませてしまうことです。ツエルト泊まで、個人で実行可能です。
ビバーク経験、も個人で可能です。ハイキングの装備で山中一泊して、寒さや飢えに耐える経験をしておくと、いざというときのビバークが恐怖心なく行えます。
歩き: 山や歩きができていないと、ラクなどを起こしてしまいます。ラン出身だと、悪場の経験がないと思ってください。不整地を歩く経験を積むには、沢登りなどを経験します。
歩荷:一流クライマーになりたい人は、40kg。普通の人は男性30kg、女性25kg。
登攀:フリークライミングはアルパインの基礎力です。ので、人工壁でもよいし、ジムでもよいので通って、フリークライミング能力を高める努力をしてください。このスタートは早ければ早いほど良いです。
経験値を上げるには?山に行く頻度も重要です。毎週末クライミングをし、インドアジムへは月会員になるべしです。また、それ以外の日は山の本を読みます。このような生活をすると、結果的に、一か月で8日ほど山に触れ、一年では、100日前後となるはずです。月に一回山に行く頻度では、現状維持レベルでしょう。一般に2週間に一回山を歩いて、やっと脚力が向上すると言われています。ので、月に一回を期待する人はアルパインには進まないほうが良いでしょう。リスクが大きすぎます。
お勧めは、『ビヨンドリスク』、『日本登山体系』、『チャレンジアルパイン』、『俺は沢やだ!』、『アルパインクライミング考』昔の雑誌で『岩と雪』などです。
講習会の利用: 山岳会は衰退が激しく、期待した内容は得られないことが多いので、その場合、お勧めするのは、講習会の利用です。
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