Tuesday, September 8, 2020

槍と明神ではどちらが安全か?

私は、(困難)vs(安全)が天秤に掛けられる時、常に(困難)を乗り越えて(安全)を取る選択肢を取ることにしています。

それで槍は登ったことがありません。登りに行こうとしても、おそらく、アルパインの最初の師匠、鈴木さんから止めに入られたでしょう…彼はジャンも私には行かないように、とアドバイスしたからです。
槍は、長い渋滞で知られています…そして、毎年だれかが亡くなっています。亡くなったこと自体がさらに槍のステータスを高める結果になっていますが、その理由が上から人が落とした落石とかです…。
困難なチャレンジに挑んで亡くなった人が多いというわけではない…。上から人が落ちてきたときに自分が落ちてしまうのは、自己コントロール可能な要素とは言えない。つまり、一か八か要素が増えているだけで、事故率があがっているだけです。

■ ロープは安全のため

ロープが出る山をする、ロープを使う、習得する、というのは、安全性を増す、という意味です。

槍ヶ岳だって、ロープにつながっていれば、落ちても死なずに済むのです。
■ 誤解に基づく安全と危険

ですので、槍や剣などを志向される方…南アルプス深南部などではなく…が、ロープを習得されない、というのは、思い込みがどこかにある可能性があります。あるいは試してみる前にあきらめてしまったという可能性もあります。

かつては、先鋭的な山岳会の、さらに先鋭的な人たちだけのものであった(ように見受けられただけだと思いますが…)ロープが出る山、は、当然ですが、ロープが出ない山の延長線上にあり、それは、習得に時間がかかり、頭も使い、慣れも必要と、努力を要するのは事実ですが、危険は増さず、むしろ安全が増えるために行うことです。

私は槍には登ったことがありませんが、明神はあります。それはこのような事情です。

Monday, September 7, 2020

危険なフォール事例2件

■危険なフォール事例2件

1)手繰り落ち&下手くそビレイヤー

どっかりぶりのルートでは、手繰り落ちの危険がつきものですが…。

外岩行く前に人工壁で練習すれば、間に合う程度のビレイヤーの習熟度もなかった事例がこちらです。

ビレイ超下手くそです。手繰る時間はあります。

いきなり外岩でビレイを教えてもいい、というベテランもいますが、この練習をいきなり外でやるのは問題です…落ちる役をする人のリスクが高すぎます…

こうしたビレイヤーを基に、外岩でいきなりビレイを教えるのは良くないという根拠になります。


2)スモールカムで落下

スモールカムは落ちれますが、きちんとセットしてこそ。このクライマーはどか落ちする前にテンションしてみるべきでした…全然カム効いていないのに、ギリギリにトライしすぎ。つまり、安全マージンが少なすぎます。

ルーフにチャレンジする資格がまだできていないのにチャレンジ中です…。

スモールカムはルーフでなくてもフィンガークラックで出てきます。十分、フィンガーの課題をやれば、ルーフになっても効かせられる、=大丈夫なはずです。

習熟する順序は、おおよそ、ハンド→フィンガー→ワイド→ルーフ です。

ルーフは見栄えがしますが、プロテクションを確実にしないととりつけません。とりあえずエイドで登ると、プロテクションの技は磨けます。

Wednesday, September 2, 2020

登山に登山用のガスはイラナイ…

■ 尼僧物語

昨日しみじみ思ったんですけど…私にとって、登山って『尼僧物語』みたいな感じ…
最初はすごいことをするのだと思っていたので、非常に光栄に感じ、色々な人の意見を拝聴していました… ところが、実際に経験してみると、どうも…
その象徴になっているのが、登山用の調理器具…ガスですけど、登山用のは非常に高く、100円ショップで買える一般の缶の4-5倍の価格ですが…その上、ガスバーナーも、高い。8910円と今調べたらありましたが、イワタニのジュニアバーナー、たぶん元は2000円くらのもの…で十分なんですよね…。

標高が高いから…というのが高額商品を購入させられる時の理由だった思いますが…ヒマラヤに行く人がイワタニでいいって言っているんだからなぁ…
 
一般登山者は全体に、オーバースペックで、ハイキングの山に行っており、本当のお上りさんは、えっと驚く無知具合という風に2極化しています…どのくらい無知かというと、山は標高が高くなるとー1cとか知らないくらい。

登山者のレベル低下、と言われるときに指摘されている登山者像は、アルパインを志す若者、という意味ですが、クライミングしない、雪の山をしない、沢をしない、ということになると、レベル低下は避けられない…ワンダーフォーゲルでは、山の一部しか分かるようにならない…もちろん、ワンダーフォーゲルと名乗っていても、沢も岩も雪もやる部活もあると思いますが… 今ある道を歩くだけだったら、何の能力もイラナイ…いるのは常識だけというのが日本の山です。

その常識がない人が山に来て大量にゴミを捨てていくのが問題化していますが…それは登山者のレベル低下と指摘されるうちの中には、入らない。マナー低下というほうに入る…
ガスバーナーは、私の失望の象徴のようになっています…
この失望は、山岳会を辞めたときも同じなのですが…。

行きたいところが一杯過ぎて人生の時間が足りないな!と思っていたようなワクワクする気持ちを取り戻すには、何ができたら、もっと楽しくなるのか?というと…

登山という世界にはあまり余白がないと思えます…

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