基本の”1本のロープに二人がぶら下がる懸垂下降のセット”ができたら、要救助者(要救)のところまで降りて行きます。
その後、どうするか?です。
①意識がある場合 → 介助懸垂
②意識がない場合 → 振り分け救助 A.背負うまたはB.抱きかかえる
です。
結局、同じことで、①の介助懸垂の場合も、PAS(セルフビレイ用のランヤード)の末端に、相手をぶら下げます。①はハーネスを引っ張って降ろします。
②の場合は、
A.太目のナイロンスリングで要救助者を背中におんぶしてぶら下がる
B.目の前に抱きか抱えながらぶら下がる
の2パターンありますが、どちらも1つのブレーキングデバイスに二人分の重さがぶら下がることには変わりありません。
私はAのとき、背中に背負うために使ったスリングとPASが干渉して、PASがスリングを肩から外すように移動しようとするので、要救を落としそうで焦りました(汗)。一応、自分より重い人を背負って懸垂下降することができました。
背負うのは非常に大変で、Bのほうがまだ私にとっては可能性がありそうで、楽でした。
これはどの場合も、完全に宙吊りになってしまう場合の方が、斜度がある場合より楽です。
しかし、考えてみると、ブレーキングデバイスとフリクションノットの制動にすべてがかかるわけですから、ブレーキングデバイスは、確保器かエイト環として、フリクションノットの重要性は非常に大きいものだと思います。
振り分け救助とは、
一つのブレーキングデバイスに二人ぶら下がること
です。
ひとつのブレーキングデバイスに二人がぶら下がっている |
さらにプルージックとワンターンをセットして懸垂下降のセットが完了 |
肩のところを見てください。
スリングを使って、背負いの補助としています。
これは補助なので、ザック搬送の時に使うザックやレインウェアでの補助でもOKです。要するに背負う補助になればよい。
ところが、この補助が、細いダイニーマだと、肩に食い込んで補助になりません。
この用途には、テープ幅の広いナイロンのテープスリングが一番です。
これはチェストハーネスでも一緒です。
≪まとめ≫
・フリクションノット用には、効きの良いギアが必要
・幅広テープスリングは背負いやチェストハーネス作りに有効
・完全にぶら下がった方が楽
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