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Friday, November 19, 2021

アメリカアクセスファンドのボルト再整備事業

 アクセスファンドからこんなお知らせが来ました。



日本でもリボルト進んでほしいですねぇ…。

余談ですが、”リボルト”は和製英語で、英語では、”ボルトのリプレースメント”、です。

うっかり英語でしゃべっているときに、リボルトなんて言わないようにしないといけません。

っていうか、和製英語、辞めたらいいのに…。

こちらは例によって黒田さんの論文です。

クライミングをこれからも楽しむために

Tuesday, January 12, 2021

どこからロープを出すべきか?甘い判断が失命につながった事例

■ヒヤリハットの具現化
 
九州の友人に、初めて行った北鎌尾根で、墜落で山仲間を亡くした人がいます。その人は大変つらかったようで、初めて会ったときに話をしてくれました。

今日は、散歩していたら、天啓のように、なぜ、彼女が死ななくてならなかったのか?が分かりました。

ハインリヒの法則は別名ヒヤリハットの法則。300件のヒヤリハットがあって、1件の重大事故が起きる、という法則です。(参考 https://blog.mcdata.plus/preparation/hiyari-hatto-guide/)

九州の人は習慣として、易しいところでロープを出さない。

そして、それは、おそらく、いまだにヒマラヤ向けに山をしているからなのです。

日向神で簡単マルチに行ったとき、ここはどう見ても、0.1%の失敗も許されないところがありましたが、懸垂しないで、皆、リスクを冒して降りているようでした。私がロープを出して懸垂すると、え?こんなところで?という顔を古いほうの山ヤさんはされました。一方、新しい基準の方は、当然のようにロープで降りました。

登るほうは何ということのない、4級もないような尾根のルートです。ボルトもなくハーケンやリングボルトです。

こういう易しいところは、学習の狙い、としては、安全管理を学びに行くところ、ということで、私は初期に清高さんに阿弥陀中央稜や広河原沢左俣で教わったことでした。大事なことは、めんどくさがらずに出す、です。

山の会の人と行った比叡でも同様でした。これはロープを出すべきところ、と私が、客観的に判断できるところで、ロープを出さない。そして、私が拒むと意外な顔をする、ということがありました。

実は私の先輩も、一緒に行った大長征では、上部の2級トラバースでロープを外そうとしていました。が、それは、まぁ仕方ないかなと思いました。2級だからです。私はガイドとしての知識と見識がすでにある一方、彼は事故経験がなく、12まで登っていて、安全マージンの設定が1軍です。2級トラバースは、岩に引っ掛けてビレイ代わりにするのが定番ですが、そんなこと、ちゃんと教える会あるのかな?彼、山岳会で登った経験値も少ないですし…。

どこからロープを出すべきか?というのは、ある程度、合意したラインがあります。

どんなに簡単でも、失敗が一ミリも許されなければ、念のため出す、が鉄則。

易しいところは出さなくていい、とやっていると、本当に必要な時に素早く出せない…出せないロープは持っていても無駄、です。300:1の法則です。

とはいえ、山岳会でロープを出す基準と登山ガイドが出す基準では、2グレードくらい違います。山岳会だと4級は出さないです。具体的には、赤岳地蔵尾根では出さない。ガイドは出します。対象…登る人が4級がマスターできていないからです。私の九州久住での積雪期ガイド講習でも出しました。なんと3級程度のところでした。

九州の山ヤたちはロープを出す基準が、確実に簡単なところでは出さない系、です。

■ 原因

この原因は何か?と考えると、いまだにヒマラヤ時代を生きているから…のような気がします。時代遅れ、というと言いすぎでしょうか?現代の若い人が、エクストリームアルパインへ進む場合は、アラスカルース氷河などが定番で、ヒマラヤの時代はとうに終わっています。

ヒマラヤの偉大な歴史は、リスペクトするべきですが、現代のヒマラヤ初登ブームは、2番煎じです。ハイキングパーミットで登れるような山が初登されているだけですので、20代の若者が目指すべきチャレンジではなく、私のようなおばちゃんですら、ガイドと一緒なら登れるよ、って山です。

私は大した登山者でもクライマーでもありませんが、そんな私ですら、ロープが出ないなら面白くないな、と行く前から分かってしまって、つまんねーと判断してしまうような山です。なにしろ、K2ですら、エベレストのように高所遠足化しているそうです。もちろん、未知の喜びはあると思いますが…困難さが足りず、面白くないと感じさせられてしまいます。

ちなみに私が経験のある、ロープが出る山でもっとも困難な山は、GWの鹿島槍鎌尾根と黒部渓谷の横断がある、立山の真砂尾根です。この程度の山の経験しかなくても、2番目の師匠によると、デナリは、君には、たぶん退屈するよ、ってことでした。

一般ルートとそうでないバリエーションでは、それくらい違いがあるのです。言ってくれた当人も行ったものの、退屈したそうでした。(一緒に炬燵でNHKのデナリのスキー滑走の記録を見ながら、のことでした…)

ということで、一般に

  中高年登山の上がり、とされているのが北鎌尾根

ですが、ロープを出すか出さないか、ちょうど基準が図りにくい微妙な難易度のところです。

・登山者が4級も登れないような場合は出す
・念のため出す
・足が揃っていたら出さない

ヒマラヤに将来行く前提でトレーニングを積んできており、5.9ならどんなところでもオンサイトでき、40kgが担げる1軍レベルの人なら、北鎌尾根くらいノーロープでソロで行けないようでないとダメです。

しかし、高尾山すら一人で行けない山ガール(おばちゃん)を連れて行くのなら、当然ロープを出すべきです。

なにしろ、ヨーロッパからの登山者はジャンダルムですら、ロープがないと歩かないくらいです。その登山者はフリークライマーで、ロープを付けたら、華麗なムーブでスイスイ登って行ったそうです…。そんなところを、普段、クライミングに触れていない、中高年の運動能力も落ちた登山者が、いちかばちかで歩いている、というのが、日本の中高年登山者の、上がり、の姿です

Wednesday, May 1, 2019

雪上のルート選択


こちらは、雲ノ平ナビ 北アルプス黒部源流域/Peak2Peak写真山岳ガイド事務所からFBで回ってきた画像です。

今年は積雪が多く、特に雪崩での遭難が心配されています。

GWは雪山にデビューされる方が多い時期ですが、人のトレースを歩くことが山だと思ってしまう人も多数の時期です。初心者の傾向として、そうなります。

一方安全の中で大事なことは、地物があるところを歩く、ということです。雪庇の上かどうかの判断は、夏道を知らないと想像できないかもしれません。

あらかじめ無雪期に山の形状を頭に入れてから、GWに舞い戻ってくるような、用心深い登山者は昨今だいぶ減ったのではないでしょうか?

山でも、日本的な、みんながやっているから大丈夫、が目につきやすいですが、この画像でも示されている通り、安全な選択肢(左側)を取れば、より高度な雪上歩行技術が必要になります。

 ・安全なルート選択を知っているということと、
 ・その道を歩ける技術がある

の2点が必要です。

Monday, October 2, 2017

人工壁の安全管理

■ 大前提

確保について、今までの経験から本当に危険だなと思う…のは、一般に大前提を教えられていないため、のようだ。

大前提1)確保とは、相手の命を預かること、です。

大前提2)確保ができないとクライミングには連れて行けない。クライミングとは、クライマーとビレイヤーが互いに安全を守り合うものだから、です。

大前提3)スポーツクライミングの確保は、落下係数が0.2(要するに衝撃が軽い)で済むように計画されています。つまり、より安全ということです。ロープも人工壁用に太いものを使います。

いわゆる外岩=フリークライミングでは、落下係数2もあり得ます。ので、より危険であり、より高い確保技術が必要になります。

同様に、いわゆる、アルパインクライミングでは、さらに危険が増え、対応する力も別に必要です。したがって、別の種類のクライミングをする度に安全について再考する必要があります。

大前提4)確保理論を読みましょう。ビレイ器とロープ径のマッチングは重要です。人工壁では頻繁な墜落が前提となっていること、距離が短いため、10.2mmから、9mm後半の径のロープが一般的で、施設によっては8.9mmのシングルロープは使用禁止となっているところもあるそうです。

このように人工壁であっても、ある程度知識のベースがなければ、安全にクライミングを行うことはできません。ちゃんと予習してきましょう。

■ スポーツクライミングでの確保

大前提: 制動手は死んでも離してはいけない。
     確保器と制動側の屈曲が、墜落を止める力の法則である。

1)登り始め 1ピン目を取る前の挙動

クライマーが登り始めたら、1ピン目を取る前までは、スポットをするのが通例です。1ピン目以前は、ノービレイと同じだからです。クライマーの真下に立ち、クライマーが墜落したら、着地を補助します。

しかし、スポットの仕方が問題です。大事なのは頭の保護です。そのためには、頭が後ろにならないように、背中の部分を押してやったり、腰を誘導して、足から着地させるように、誘導します。

2)1ピン目~3ピン目

1ピン目を取った後、グランドさせたら、それはビレイヤーのビレイミスです。

1ピン目ではクライマーの真下に立つことはできません。しかし、ロープが出ていると、墜落を止めることができません。ので、妥協点として、壁際の1ピン目を避けた位置に立ちます。

1ピン目から3ピン目までは、決して気を緩めてはいけません。ロープは出しすぎてはいけないと言う意味です。墜落した場合にグランドする可能性が高いからです。

一般的に、1ピン目で落ちるようなクライミングをしてはいけないと言われています。3ピン目辺りまでは、絶対に落ちない自信があるようになってから、クライマー側もとりつくべきです。落ちて比較的安全なのは、それ以上だからです。

3)基本的に壁から離れない 妥協点を見出す

基本的に、1ピン目とビレイヤーまでの距離が離れれば離れるほど、オイラーの法則が働いて、ロープは出しにくくなります。

とはいえ、人工壁ではビレイヤーはセルフビレイを取っているわけではなく、前後に体を動かす自由があります。ビレイヤーが壁から離れるとクライマーが良く見えます。壁に近づくと、近づいた分ロープが出るので、ロープの繰り出しを素早くすることができます。

しかし、1ピン目からのロープの屈曲が90度になってしまうほどに壁から離れるのは離れすぎです。

人間のカラダは横に引かれる力には弱く、踏ん張れない可能性があります。踏ん張れなかった場合、1ピン目からビレイヤーまでのロープの長さ分、墜落でロープが出ることになり、かりにそれが地面までの距離よりも長かった場合、クライマーはグランドしてしまうことになります。

しかし、クライマーが見えないと、クイックドローにロープを掛ける繰り出し動作が見えず、ワカラナイ訳なので、繰り出しが遅いとロープを引っ張ってクライマーを引っ張り落とします。

と言う訳で、壁からどの程度の位置にいるか?というのは、その場その場で判断し、最適解は妥協点、であることが多いものです。その妥協点は、経験が増えれば増えるほど、多くの場合、多くの人が一致することが多いです。

体の小さい軽いビレイヤーはあまり下がることができない場合が多いです。

4)3ピン目以降から、終了点まで

クライマーの動作を邪魔しないよう、素早く繰り出します。テンションと言われたら、後ろに下がってテンションします。

素早い繰り出しのためには、確保器とロープの径がマッチしている必要があります。スポーツクライミング(=人工壁)で使うロープはふと目が多いこと、セカンドの確保機能は必要ないことから、私は、スタンダードなバケツ型ATCを使っています。ルベルソ4は細い径のロープ=ダブルロープ向けです。

グリグリは使用禁止のクライミングジムもあるくらいです。持っていますが、使用したことがないので、出番がありません。

5)終了点にて

終了点ではクライマーは、終了点にロープを掛けます(2点)。その動作にしばらく時間がかかりますが、その後はテンションと言うはずです。ビレイヤーは、それに備えておきます。つまり、すぐ後ろに下がるつもりでいる、ということです。したがって、これ以上、下がれないほど後ろに下がっている位置だったら、ダメってことです。

ロープのたるみがあれば取っておきます。

6)ローワーダウン

ローワーダウンでは、スキルがうかがえます。上手なローワーダウンには、よどみがありません。ローワーダウンでは、少しずつ、前に歩いて、1ピン目とビレイヤーの間のロープの屈折を取ります。屈曲が大きいと摩擦抵抗が大きく、ロープの痛みも激しく、流れづらいからです。

とはいえ、流れ過ぎも良くないですので、一定のスピードでうまく流れるような、自分にとって最適の状態を発見するという慣れが必要です。

ローワーダウンでは体重差により、ビレイのスタイルも変わります。体重がクライマーより重ければ、前に引かれコントロール不能になるリスクは非常に小さいですが、逆に、体重が軽ければ、そのリスクに備えておかなくてはなりません。自分よりも重いクライマーをビレイする場合は、足を前の壁に突っ張るなど、前に引かれた場合の対応をあらかじめ考えておく必要があります。

また、一般的にローワーダウンは両手で制動側のロープを握ります。制動していない上のロープに手があっても仕方ないです。空いた手をどうするかということですが、片手でも十分制動できるのが一般的な男性ですので、その手はどう使っても良いです。一般的には、両手制動側のロープを持てば、さらに制動がかけやすくなるというわけです。

ローワーダウンでいったん、ロープがするすると流れたら、それを止めるのは至難の業です。手がロープバーンして、焼けどしてしまいます。したがって、ビレイグローブは必携とすべきです。特に初心者の場合は、ロープを流してしまう確率が高いため、グローブは必携です。

ロープが流れてしまうミスについては、コミュニケーションのミスが大きいです。テンションと言われたら、テンションしますが、下のビレイヤーに声が聞こえていない場合も想定し、確実にテンションを感じてから、クライマーは体重を預けるべきです。ビレイヤーは、終了点間際でのよそ見は厳禁です。

避けるべきビレイのまとめ
・だらりんビレイ
・パツパツビレイ
・よそ見ビレイ
・制動手を離しているビレイ
・ロープの径と確保器の相性が悪いビレイ
・壁から離れすぎたビレイ
・ビレイグロープなしのビレイ
・注意力散漫なビレイ
・テンションと言われたときのテンションが遅いビレイ
・ローワーダウンがスムーズでないビレイ

■ 確保器の保持の仕方

確保器は、ロープが入る側、制動手の側の屈曲で、制動しています。確保器の取扱説明書にその旨書いてあります。

一番大事なことは、その点をよく理解しておくことです。角度、が重要なのです。これはオイラーの法則、という力学法則です。難しいサイン、コサインの数式が出てきますが、大事なことは数式の理解ではなく、

 確保器の屈曲がすべて

というポイントがしっかり理解できているかどうか?です。確保器を上下反対でセットしている人がたまにいます。

もし、その人が「このロープは太いから、制動が効きすぎて確保づらいな、ロープが出しづらいから、摩擦を減らそう」と思って、上下反対にセットしたなら、それは正解です。

しかし、クライミングの安全はビレイヤーとクライマーの相互で守るもの、という原則から、確保者は、確保器を上下反対にセットしたことをクライマーに告げ、了承を得るでしょう。

そうではなくて、ただ単純に確保器が上下反対だった場合は、ただのセットミスです。制動力は少なくなっていますから、「確保器が上下反対ですよ」とクライマー側は指摘してやらなくてはなりません。

■ 反転防止機能つきカラビナ

カラビナの基礎知識ですが、一般的に、メジャーアクシスで使うとカラビナの強度は22kNまで耐えれるように作られていますが、マイナーアクシスで使うと、たったの7kNです。ですので、カラビナが反転して、マイナーアクシスに力がかかると危険です。

それを防止するために反転防止用のカラビナが販売されています。こうしたカラビナを特に経験が浅く、コントロールの悪い初心者ほど使うべきです。

■ 安全環

ロープと体を結ぶカラビナには、安全環付を使うと言うのが基本であるため、ビレイ器をぶら下げているカラビナも、安全環付を使います。大事なのは、

 ・安全環がしっかり閉まっていること。
 ・ロープと干渉していないこと。

です。ロープと干渉するようなセットはセットが間違っています。また安全環付のカラビナにはいくつか種類があります。オートロックは便利ですが、雪では使えません。また動作に慣れや指の力が必要です。

ちなみにスクリュー式の安全環付カラビナが基本形ですが、スクリューをきつくしめすぎる必要もなく、最後に一回しは不要です。きつく締めすぎると解除が難しくなります。

解除しづらいと余分な時間が喰うことになります。

■ アンザイレン

アンザイレンは基本的にエイトノットで、末端処理を行います。変形ブーリンで登る人は、ほぼいなくなりました。エイトノットをほどきやすくするために、末端を戻すのは、NGです。

アンザイレンはタイインループに行いますが、エイトノットが結べない人が増えた現代では、ガイドさんのクライミング講習会では、既にラビットノットで結ばれたロープの末端に、安全環付カラビナが2枚ぶら下がっていることが多いです。その場合、ビレイループに掛けても大きな問題はありません。しかし、これは、あくまでエイトノットを覚えていない人のための処置です。

アンザイレンのベストプラクティスは、エイトノット+末端処理をタイインループに結ぶことです。

■ パートナーチェック

クライマーとビレイヤーは登りだす前にパートナーチェックを行います。これは双方が安全を確認しあい、互いに互いの安全を守り合うためです。

一般的傾向として、往年のクライマーになるほど、パートナーチェックはおろそかになっていく傾向があります。理由は、1ピン目をかける前までは、ビレイがあっても、なくても一緒だからです。つまり、1ピン目を掛けるまでで落ちてもクライマーの責任、1ピン目かけるまでの時間で、ビレイヤーは確保器をセットしてくださいね、というわけです。

往年のクライマーは、往年だけに、今更やり方を変えるのは難しいですから、その意図は汲んで、こちらは、それだけしっかりと安環を締め、確保してあげましょう。

一般に人間は、自分の安全管理はおろそかだが、相手の安全には、より大きな心配をするもののようです。

自分の安全管理がおろそかな人には、より多く観察や注意を向けてあげる必要があります。

■ 1ピン目を掛ける前のロープ長

1ピン目を掛ける前にどれだけロープを出しているか?それは、(ビレイヤーから1ピン目まで)とちょうど同じくらいの量を出しておくのです。

したがって、1ピン目は人工壁では、一歩か2歩上がって(登って)、クイックドローにロープセットくらいの距離ですから、2m~2.5mくらいでしょう。これが短すぎるとと、繰り出さねばならないし、3mも出していて長すぎると、手繰らねばならないし、ちょうど良い量を確保器にセットしているか?どうか?と言う点も、慣れがうかがえる部分です。

慣れていないクライマーなら、用心の量を多めにしないといけません。こうした動作を見ても、慣れが重要だということが分かります。余談ですが、慣れということは、自動思考、ということですので、慣れている人にどうしてこうするのか?と質問しても、答えがすぐには出てこない場合が多々あります。

■ その他危険行為

ビレイ器の持ち方が間違っている場合がある。親指が自分側を向く=肘が上がっているような制動手の保持は、ビレイヤーの手の皮膚が確保器に巻き込まれる可能性がある。

また、テンションの時にロープにかがみこむように座る(ロープに自分の頭が近づく)と、頸動脈をロープがこすれてしまう位置関係となり、ローワーダウンの擦過で、頸動脈を切る、と言う可能性もある。

髪の毛等をロープに巻き込んでしまうと、頭皮が剥がれる大けがになると、『生と死の分岐点』には書いてある。

■ クライミング

初対面の人とのクライミングでは、相手のビレイを信用しないようにするのがクライマーの暗黙の了解です。

したがって、クライマーはビレイしてもらう人に指示を明瞭に出さねばなりません。

またリスクが大きいため、安全マージンは大目に採って、絶対に墜ちることのない課題を選んで登ります。

1)パートナーチェック 

相手の安全環が締っているか、よく見る。確保器が上下反対にセットされていないか?

2)落ちないルート選択と確実な登攀

クライマーは自分が決して落ちないルートを選んで登る。3ピン目を掛けるまでは、ビレイヤーの立ち位置を見て、その人のビレイ慣れ度合いを観察する。遠い=慣れていない。近くに寄ってもらうように指示する。たるみが大きい、たるみを取ってもらう。

確実な登攀とは、

1)逆クリップしない
2)ロープを足に掛けない
3)zクリップしない
4)落ちそうな場合は、「落ちるかも」と声をかけ、予告できる、
5)手繰り落ちはもっとも危険

ことです。

3)声掛け

クイックドローにロープを掛ける場合は、繰り出し動作を指示するため、「ロープ」と声を出す。

4)テンション 即時応答性

落ちても安全だと思える高さに来たら、一度テンションを掛けてもらう。テンションの素早さは、落ちた場合の、即時応答性、に直結する。

5)お試し墜落

お試し墜落は、比較的安全である人工壁でも、その人のビレイがある程度信用できると分かった後です。わざと落ちます。

その場合は、落ちても大丈夫と思える場所、空中、あるいは、終了点近くの高い位置、などです。落ちるかもと声を掛けます。

落ちて相手のスキルを確認するわけですから、大きな賭けになります。

一般的になれているビレイヤーの場合は、何も言わなくても、クライマーが落ちそうな具合かどうか、よく見て分かるものです。クライマーが登攀力のギリギリに近づいていそうであれば、ロープのたるみを最小限にして、墜落に備えています。

5)終了点

終了点まで来たら、アンカーにロープを掛けますが、下のロープを持ってから、「テンション」と声を掛けます。下のロープを持つのは墜落防止です。テンションが遅いビレイヤーが、テンションする前に体重を預けてしまうと、ロープが流れます。一旦流れたロープを止めるのは、至難の業です。

6)ローワーダウン

ローワーダウンしてください、と声をかけ、ローワーダウンを開始してもらいますが、この動作も初心者のビレイヤーの場合、クライマーが降りてくる真下に居たりします。クライマーはロープにぶら下がっていて、何もできませんので、ビレイヤー側に、下りてくるときにぶつからない個所に移動するように指示を出します。通常、壁のそばです。

7)着地と解除

ローワーダウンの着地も怪我が多いです。着地ではゆっくりと、確実に着地させてくるかどうか?を見ます。ロープを出さないとエイトノットがほどけませんが、出す時にテンションが抜けて、転ぶこともありますので、出す時は、「出しますよ」と通常ビレイヤーが言うはずですが、言わない場合は、クライマー側はしゃがんだり、自分でロープを引いて、たるみを作り、「解除」と言います。ビレイを解除してください、という意味です。

■ 安全は互いに守り合うもの

以上が人工壁での安全を守りながら登る場合の基礎的な知識です。

しかし、一般に、日本の人は、相手が分かっているもの、という前提で登り、クライマー側が、「ロープ」としたのビレイヤーに声掛けするのは、外国的な習慣のようです。

ラオスでは、ほとんどの人が初めてのビレイヤーと組むため、このように互いに安全を守り合う、と言う姿勢で、互いに協力し合うことがごく普通の行われていました。

■ 皆がしているから安全、は認知の誤り

人工壁では後ろに下がりすぎて、1ピン目のロープの屈曲が90度くらいになってしまっている人たちも多いです。

そう言う人たちをたくさん見てしまうと、それが正しいと感じてしまうかもしれません。

が、皆がしていることだから、やってもいいことだという思考回路は、日本人独特のリスクかもしれません。

■ 安全とは何か?今落ちたらどうなるか?

大事なことは、思考停止せず、

 今落ちたらどうなるか?

それを常に考えていることです。人工壁はその考え方が身についているかどうか、それを比較的安全に観察する場となっています。

また、上記は、落下係数が0.2になるように計算された人工の壁での安全管理の話です。自然岩になれば、落下係数はもとより、ビレイエリアも不安定なことが多く、マルチピッチになれば、ビレイはほぼハンギングとなります。つまり後ろに下がるなどできないことが多いです。

ので、上記は基本中の基本で、これらをマスターする以前に、より危険が大きい場所に出かけてしまうと、よりリスクが高くなる、というのは、理解できると思います。

ちなみに、現在の日本での山行形態で、もっともリスクが大きいのは、沢山行です。

安全な順に スポーツクライミング>外岩クラッギング>外岩マルチ>高山でのマルチピッチ(アルパイン)>沢となっています。 



Wednesday, November 11, 2015

ヒヤリハットアーカイブ&登山大系 増刷など

■ みんなのヒヤリハット事件を読めるサイト

ヤマレコは、山岳会の人には嫌われている・・・のだが・・・

ヤマレコは、年々進化しているようだ。なんと、今はヒヤリハット事件がアーカイブされている。



1) ヤマレコトップページに行き、≪チーム安全登山≫をクリックする。

2) 会員登録している人はそのまま、していない人は登録(無料会員)。

3) チーム安全登山トップページで、≪ヒヤリハット≫を押す。

■ 登山大系が増刷?

今アマゾンでは、新しい日本登山大系が、販売中です!





思わず、ポチッとしてしまった・・・。

■ カム

どうも、カムは今は買い時ではないらしい・・・。

来春くらいに、各メーカー新モデルが出るそうなのだ!! となると、ちょっと待てば、いいのかな!

■ ビックリ仰天 深南部との出会い

最近のビッグニュースと言えば、深南部との出会いであろう・・・ いやぁびっくりしたなぁ!

大根沢山から、小無間山は、特に新規性を感じなかった。なんだか、いつも、やっている山に近かったからだ。

最近は、登山道を歩く山って全然しなくなったからなぁ・・・。

黒沢山から不動岳への縦走も、笹が深いとはいえ、笹道があり、尾根を外すことがなければ、さしたる危険はなく、おまけにかなりゆっくり歩いたので、困難には感じなかった。山自体が新規性を持ったものとは思えず、「深い藪でも、鹿道利用でラクラクだから初心者向けだな~」「藪山好きの人に教えてあげよー」くらいの感覚だった。

後で資料を読んでみると、そこらへんは、どうも深南部の心臓部らしい・・・ まだ聖・光の縦走だって済んでいないのになぁ・・・。(一般ルート=偵察、山域概念把握)

光岳は、北八つで遊んでいた頃に、「北八つが好きなら行ってごらん」と言われていた山で、去年行こうとしたら、林道が通じておらず行けなかったのだった。

南アでいうと、塩見も積み残し課題なのだが、こういう一般ルートの山は夫と行くことになると、いかんせん、”後回し”になってしまうのだった・・・(^^;)

”後回し”が増えすぎている・・・。夫と歩く、じわじわ実力を底上げする登山が追い付いていない。

・・・と反省中。 とはいえ、例年11月は山は閑散期で、あまり充実しないのが常なのだった。

今年も同じ経路をたどりそうだ。 

■ 予想外に重い15kg!

歩荷散歩を今日は開始しようと思い、ザックの重さを調整していたら・・・ アラ!?

自分が思っていた15kgは、なんだか実際の15kgと違う!

本当の15kgがえらく重いんだけど・・・これはどうしたことでしょう?!

今日はちゃんと体重計に乗って、計って歩いたから確実なハズなのに・・・。

うーん、ヤバい!これは、今まで15kgと思って担いでいた重さは12kgくらいかもしれません。

片手で持って軽いなーと思っていた、オジサンのザック(すごく重い重いと文句を言うので、入れている水を捨てて、すこし背負ってあげようかと思った・・・)は、たぶん7kg位だと思ったのだったが、あれももっと軽かったかもしれない・・・

うーん、沢ではザックが重いと飛び石をできないので、軽量化する癖がついているのだが、これはマズイかもしれない・・・

一体自分の岩装備一式は何キロなのだろう・・・ なんだか急に心配になった15kgなのだった(汗)。

明日は、重量の計測をしよう!