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Wednesday, September 12, 2018
Advanced Rappel Techniques
先進的な懸垂下降の技術
というタイトルに引かれて見た映像。AAAより。(全米アルコール中毒患者の会ではなく、アルパイン協会です 笑)
その名も、アルパイン爆弾、というラッペル時のロープの投げ方が勉強になった。
下降器をエクステンションしないでバックアップをレッグループに掛けるやり方は、”オールドスクール(=古臭いやり方)”と指摘されています。バックアップつきの懸垂のやり方は、山岳総合センターで教わったのと同じで、後輩にもこれで教えています。
2本(ダブルストランド)かけたつもりで、1本しか下降器にかかっていない(シングルストランド)なんていう初歩的なミスも多いみたいですね。
Thursday, April 7, 2016
2年目のアイス 自前ルート
■残雪期 ジョウゴ沢から硫黄岳 初めての自前アルパイン
時間:金川の森4:30 美濃戸口6:00 美濃戸6:30 北沢林道終点7:25 鉱泉8:14 鉱泉出発8:50 F1 9:05 F2 9:13 乙女の滝出合い9:53 大滝終了10:20 トップアウト11:35 硫黄岳山頂 出発11:55 鉱泉12:30 出発 12:47 美濃戸中山前鞍部 13:17 行者小屋13:43 小滝14:32 美濃戸15:36 甲府17:00解散
1月、飯田山岳会のK房さんから、悲鳴にも似た山行の誘いが来た。山岳総合センターリーダー講習会の同期だ。複数の山岳会の合同アイスクライミングに誘ってくれたが、あいにく私のパートナーが見つからず不参加。それで「今度、御坂のクライミングに遊びにおいで~」と言っておいたが、御坂でも機会がなく、そのままになっていた。いつもアイスに連れて行ってくれるK村さんが凍傷になってしまい、ルートどころかゲレンデも不可能だ。それで、鈴木昇己ガイドの岩根アイスツリーに出かけた。「先輩が凍傷になっちゃって…」と事情を話すと、気の毒がってくれ、「もう帰るよ~、最後の一本だよ~」と日が暮れるまで登らせてくれた。11本登った。
K房さんによると、あちらの会も地域山岳会で御坂と似ており、アルパインに行くような山をしたい人は少なく、人材難だそうだ。行きたいルートに一緒に行く相手がおらず、講習会同期でもある、諏訪山岳会の新人と一緒に行こうとしたら、会から許可が出なかったそうだ。諏訪山岳会は、一回の地方山岳会とは違い、雑誌の岳人にバリエーションルートの登攀記録を出すような硬派な会で、遭対協の副隊長が指導している。そんなガチな会の新人でしっかり教育を受けている人とでも、一緒に山へ行けないのだ。飯田で山行許可を得るのは、そうした手続き的な困難が大きいらしい。それだけ新人に対して責任を感じている会で、大事に育てているということだ。見ず知らずの人との困難なルートには許可を出さないのだ。誰とどこへ行ってもOKの御坂とは厳しさが違う。それでもなんとか、2月末に互いに多少の無理をして、南沢小滝アイスクライミングにこぎつけた。ゲレンデだ。
ただ、この時も同行者が見つからず、結局二人だけで出かけた。2年ぶりの再会。互いにストレスが溜まっていたのか、朝6時に集合したのに、集合場所へは双方、約束の時間前に到着した。そのうえ、帰りは暗くなって月が出るまで遊んだ。ヘッデン下山ギリギリで叱られちゃう。この時は、ブナの会、相模アルパインクラブと一緒になり、合同クライミング会のごとく、互いのロープを貸し合い、クライミングの指導をしてもらった(笑)。ブナの会には知り合いがいる。友達の友達は友達だ(笑)。この時は一回リードフォローを練習し、懸垂で降りた。クライミング力が上のK房さんにセカンドの確保をしてもらい、トップを務めてもらう。支点回収は私で、懸垂は、体重が軽いほう、つまり私がバックアップを回収して降りる。
2週間後、小滝アイス2回目。この時は、S間さんが同行してくれ、初心者を入れて四名で出かけた。講習会のアイドルだったキリちゃん。アイスは初めて。ひさしぶりの再会だったこともあり、すごく楽しいクライミングだった。S間さんは、今冬の初アイスクライミングだったが、余裕のある登り。私はゲレンデのアイスクライミングが三連チャンだった。夏に偵察済みだった、小川山の唐沢の滝、ふとしたことでアイスでも登れると知り、出かけたら、非常にアルパインっぽいアイスで面白すぎた。ハマって、翌日も美濃戸口の滝へ行き、その滝は寝ていて易しかったので、擬似リードまで進んでいた。そこで、この日はK房さんに擬似リードまで進んでもらった。そのために30mロープを持っていった。S間さんも出来そうだったが、急かす必要はないので、この日は足慣らし。今回は行儀よく、15:30に下山完了した。
S間さん、K房さんのクライミングは安定感があり、私もバーチカル以外ならリードでき、バーチカルも長くなく、セカンドなら問題ないことが確認できた。互いの登攀力も大体が分かったし、このメンバーで、アイスの初級ルートがこなせる見通しがついた。S間さんとは、1月に金石沢から八幡尾根に上がって、ルートファインディングを摺合せしていた。K房さんとはゲレンデしか経験がないが、沢はルートは明瞭なことが多いので大丈夫だろう。リーダーシップ等も我ままな人はいないので問題なさそうだった。
そこで、1年ほど念頭にあったアルパインアイスのジョウゴ沢から硫黄登頂をやるかどうか、帰り際に二人に聞いてみたら、S間さん即答でOK。K房さんは、それを聞いて予定をやりくりしてくれた。このルートは、初心者でも遡行可能な、希少なアルパインアイスルート。滝が怖いと思ったら、すべての滝を巻くことができる。ヒロケンの『チャレンジ!アイスクライミング』(amazonで12241円!)に詳細がある。ルートは厳しいなと思えば、支流にいくつかある滝をゲレンデ使いして、遊んで帰ることもできる。『八ヶ岳研究(上)』には、無雪期に先輩から「自分たちだけで行ってきなさい」と指示されて出かけた記録があり、初心者同士が自分たちの力だけで解決する、最初の山にぴったりのルートのようだった。
思うに、初心者同士はどのようなルートに行ったらよいのか?そこのところが一番難しい。先輩からはそうした指導が欲しい。八ヶ岳なら『八ヶ岳研究』を読まねばならず、奥秩父なら原全教『奥秩父研究』を読むべきだ。そうした事前研究と私の一般ルートでの登山経験によると、八ヶ岳は雪が来るのが遅く、2月より3月が雪が最も多い。沢筋はだいぶ雪で埋まってしまう。それは春先には山の弱点となる。登りやすいということだからだ。そうした弱点となる時期は、どの程度の登攀力があるのか、自分でも判然としない初心者にとっては、都合が良い。
雪の状況はすべての沢筋のルートに対して言えることで、たとえば、アルパインアイスの初級ルート、峰の松目沢は、年内に登らないと、2月にはラッセルの山になってしまう。広河原沢は1月中旬まで。そうしたことをルートに出るようになってから、気にするようになった。そうでないとガッカリしてしまうから。ガッカリするだけなら良いが、思わぬリスクを背負い込むことになったら目も当てられない。たとえ”初心者向き”と題されているルートであっても、実質的な難易度は、時期と条件によるわけだから、”初心者向き”の言葉にほだされて、リスクを迂闊にも見過ごしてしまうかもしれない。
K房さんは、2月、阿弥陀中央稜などが悪天候で何度も山行が流れていた。気の毒だった。裏同心ルンゼと阿弥陀北陵は経験済み。私は敗退でも登山口までは行く。行って敗退原因を明らかにして帰る。それは初心者同士で行くメリットかもしれない。飯田は先輩がしっかりしているから、敗退経験を積めないのかもしれない。日々ロープに触って練習し、体力もあり、登攀もきれいで申し分ない、意欲も情熱もある人が、この時点で人工氷壁だのの、フリーに流れてしまってはもったいないと思った。
私もS間さんも、実はジョウゴ沢は行ったことがなかった。K房さんはジョウゴ沢F2でゲレンデの経験があった。取付までの案内役を頼める点も、このルートの良さだと思った。パーティを組むとき、何かしら役割があると私自身はホッとするから。K房さんも同じかどうかは、分からないが。ただ、案内といっても、そんなに難しい取付ではない。硫黄岳へ向かう登山道で、3つめの沢だ。そうは言っても、尾根と沢を読むことを知らない人にとっては、「3つめの沢」と言った時点でお手上げ。即席パーティではあるが、そういう部分でもまったく問題がない人材が揃っているのは奇跡に近い。
時期的に、3月は厳冬期の厳しさが緩み、2月ほどシビアな天候リスクが少ない。手袋を濡らして稜線へ出たり、パッキングが遅くて出発が遅れたり、食べるべきものを食べなかったり、体力の配分が上手く行かず、立ち往生したり、ロープワークのミスなど…のリスクが致命的な失敗…遭難…へつながる可能性は低い。日中でもマイナス20℃近くなり、風速も15mを越えるような厳冬期は、一般ルートであっても、ちょっとしたことが命取りになる可能性がある。
ジョウゴ沢は「登れないな」と感じれば、巻いても、敗退しても良いルートである点が保障されていた。転進先は南沢大滝のクライミングとした。そのため、ルート自体は、30mのダブルロープ2本でこなせるが、50mを2本持って上がった。南沢大滝が50m必要だからだ。
行こう!と決めてから一週間しか日がなかったが、自分たちだけで登るんだ!という期待以上に、「だいじょうぶだろうか…」という不安がもたげ、一旦は山行が流れるかに思えた。
行くかどうかは、連日気温をチェックして、前日に決定した。雪崩を避けるためだ。2、3日ほどプラスの暖かい日が続き、そのまま暖かいと、沢筋は危険だからだ。日中、ずっとマイナスの気温でないと。雪崩を懸念して、なんと飯田山岳会は、ビーコンを貸し出してくれた。雪崩が予想できるときは入らない方針なので、そこまではいらないと思ったが、それでも、会で共同装備として持っているのがすごい。飯田山岳会は、まだヒマラヤ登山が社会人山岳会で一般的でなかった頃、先駆的にヒマラヤを手掛けた会と聞いている。古い会で御坂より有名だ。御坂は富士山の遭難救助の貢献で、もう少し世の中に知られてもいいのにな、と思う。
雪崩れは、ビーコンを携帯して事故に遭ってから、なんとかすることより、事故に遭わないために何ができるか?が重要という立場だ。気象判断して雪崩リスクに近づかないこと、雪崩れ地形を避けること、現場で雪の安定度を観察することの3つ。それで意見交換をしたうえで、携帯した。S間さんは今回ビーコンを購入するという太っ腹具合。私もそれくらいゆとりがあればいいのだが…。結果、ビーコン、プローブ、ショベルを各自それぞれが携帯。余計な重さだ。これらがあるなら、本来この時期は上越だよな、と思った。雪洞泊の山行が組める。山行の中身は、全然違うようになるが、本来私がしたいのはむしろそちらのほうだ。豪雪のタカマタギが忘れられない。そのために2万5千円もする雪崩講習会に夫と二人で揃って出たくらいなのだ。今回のビーコン携帯は、雪崩リスクは低いので飯田への義理立てだ。厳しい会だから、気心の知れていない、他会の人と山へ行くとなると、説得材料がいるのだろう…。
集合時間は、朝早ければ早いほど雪が締って有利と思われ、一番遠くから来るS間さんに決めてもらった。遠い人の都合が優先が良いと思ったからだ。美濃戸口で6時前に集合して、一台に乗り合わせ、美濃戸へ。S間さんのランドクルーザーで林道を行く。ランクルはS間さん本人のように剛健だ。道は悪く、雪解けの轍が先週とはだいぶ異なる。だいぶ溶けているなぁ。先週はアイスバーンでタイヤが滑るのが心配だったのに。
美濃戸で支度し、北沢コースから鉱泉へ。林道終点から見る横岳の稜線は、黒々としており、木々にうっすら霧氷がかかり、不安が募った。稜線に明らかに雪がない。すれ違った人に聞いても、稜線には雪がないと言う。鉱泉到着は8:14.アイスキャンディはまだ健在。テントが多い。大勢の客を連れたガイドが、ビーコンチェックしている私たちを不思議そうな目で見ていた。ヘルメット&ハーネスは当然として、スノーバーにショベル、ビーコン、チェストハーネス、ヌンチャクにアイススクリュー、これが各自に、50mロープ2本…黄連谷だって登れそうないでたちだ。ロープは私が用意したが、二人が持ってくれた。
さて、がっつりフル装備でジョウゴ沢に向かう。3つめの沢で、登山道を離れ、ロープを越える。踏み跡もあり、迷う箇所はない。途中でK房さんが「違ったかも」なんて言う。御坂隊は二人とも「大丈夫だから」と歩を進める。数分でF1到着。F1は知らないと、気が付かないと聞いていたが、なるほど。アックスはいらないな…。すっかり溶けて、黒々とした岩が見えていた。ここまでくれば取付が間違っていないことは確かだ。
3分でF2に到着。本日の核心一つ目。そこでびっくり!氷がない…。「あらー」と思わず声を上げた。2週間前に小滝で会った、相模ACが前の週にジョウゴ沢でアイスクライミングしており、情報をもらっていた。その最新情報によると、F2は雪でつながっておらず、アイスが出ていた、スクリュー2本必要、だった。今、F2の氷は、見るも無残な有様だ。氷瀑は半分以上崩壊していた。一つ目の核心は存在しなかった。どうみても危なくて、氷瀑は登れないので、誰も何も言わず、左側の雪交じりの草付を巻く。ロープが出ていた。これくらいの傾斜は、S間さんと金石沢で突破した大滝の巻きより易しい。金石沢大滝とこのF2では、ここの方がリスクが少ない。金石沢みたいな僻地の無名沢で負傷したら、お互いだけが頼りだからだ。それに厳冬期だった。滝の落ち口辺りは左からの尾根の末端でガレていた。
それにしても、たったの数日のプラスの気温で、ここまで一気に氷瀑消失とは!S間さんいわく、「山だからね~」。確かに。そう、山だから来てみないと分からないのだ。例年3月下旬~4月の第1週目は、八ヶ岳に来ている。去年はこの時期、御坂と地獄谷へ来たが、十分雪があった。昨年の同時期のジョウゴ沢は立派な氷瀑だった。
F2を超えると、まっ白な広い河原が広がっていた。明るく、気分の良い、巨大な日向の雪原だった。カール地形と言ってもいいのだろうか?そこから見る大同心がすごく立派だ。左側の尾根も登れそうに見える。横岳のバリエーションは、裏同心も今の私には行けそうにない。ハングがあるのはダメだ。白い河原の底から、硫黄岳の奥に大快晴の濃紺の青空。ザックをおろし、皆サングラスを取り出す。このままでは、まぶしくて雪目になりそうだ。大展望に感動。
横岳の稜線の雪はだいぶ消えている。例年、東面の地獄谷は今が適期なのに。うーん、日当たりの差だろうか?もともと硫黄岳は、風の山で知られるので、風で雪が余りつかないのかもしれない。雪面には雪割れも雪しわもない。雪崩れの予兆は全くと言っていいほどなく、右の側面の尾根に小さな表層雪崩の痕跡、あとは古い雪ロールが溶けて再凍結しているのが一個あるだけだった。
進んでいくと、ミニゴルジュが出てくる。日陰になり、少し冷える。今日は暑かったり、寒かったり忙しい。さっき脱いだのに。
さらに進んでいくと、奥に氷瀑が見えた。近づくとつららは下までつながっておらず、これはこれで難しい?ハングのクライミングを強いられそうな、半溶けのつらら状氷瀑だった。これを右股出会いと思っていたら、後で確認したら、これが乙女の滝だった。あまりにあっという間に、河原は通り過ぎて、かの有名なジョウゴ沢のゴルジュを抜けてしまったのだ。
目と鼻の先の、左手に小さなクラゲアイスが見えた。柔らかそう。その尾根の奥に先行パーティが小さく見えた。あの人たちも頑張ってるね、とS間さん。奥にナイアガラの滝がある沢筋だろう。
さらに上がっていくと、左へ屈曲する。ちょっと地面が危ない。アイススケートができそうな、ツルツルのアイス平坦面。しかし、ほんのちょっとで終わる。さらに行くと、どん詰まりに、これも溶けかけた悪い氷瀑があった。F2と同じく溶けているのが危ない、という感じ。だが、直登する。誰も躊躇なし。巻くなんて発想はなかった。S間さんがトップで超える。上から、「ちょっと悪いからロープ出そうか」と言ってきた。私が取り付いてみると、”すごい用心”で切り抜けられそうだった。一瞬の悪場なら、出さない方が早いし、核心部でモタモタするより安全だ。「S間さん、あたし、いけそう」と返事する。何しろこのパーティ編成では弱点は私だ。
こういうケースで、Kさんならなんと言うだろうか。セカンドが取り付く前にトップがロープを出せと言うだろうか?前回のスヤマ尾根の沢のへつりでは、せっかくみんながロープを出そうとしているのに、えいやっ!と徒渉したら怒られたっけな…そんなことを思いつつ、今回、初のアックスを振るう。ここまでの行程では、アックスは強い傾斜であっても、ダガーポジションだけだった。
S間さんが通った岩のラインは、段々にはなっているが、岩の上のブラックアイスで怖そうだった。ので、私はそのままアックスで急斜面を直上した。この雪質は大丈夫だという確信があった。慎重に、滝の落ち口の雪にアックスを効かせて登る。雪の下のアイスに刺さった感じがあり、そのアイスは崩壊までは行かないようだ。一番の核心は、アイス崩壊して滝つぼドボンだなと思った。今冬は、なぜか濡れるリスクが付きまとう。スヤマ尾根も徒渉での濡れがリスクだったし、近郊のアイスもアプローチの徒渉が核心、金石沢もそうだった。ジョウゴ沢でとどめ。
ここを超えると、あとはしっかりした雪質の雪の急斜面をアイゼンのフロントポインティングで登る。今日は雪のコンディションが良く、アイゼンが良く効く固い雪質だ。雨後の雪と同じ。S間さんと二人で平坦部へ行き、後続のK房さんを待つため、振り返ると、阿弥陀の姿がすごかった。滝の落ち口のど真ん中に阿弥陀がデーンと!K房さんのウエアがきれいな色で、クライミングしている姿が阿弥陀にものすごく映えた。彼は用心深い性格らしく、私はシングルアックスで登ったのに、ダブルアックスを出していた。上がったら皆で記念撮影。
さて、と山頂方向を見る。しかし、ここから上には大平原しかない。「えっ?今のが大滝?!」と思わずS間さんに聞いていた。みんな初見なのに(笑)。あっという間の核心部だった。本日の核心はF2と大滝だったのに。あら~っ!もう終わり?!あまりに簡単で、25mとは感じられず、もっと短かく感じた。そのため、もっと上に大滝があるのかと思ったのだった…。去年、友人がこのルートを通った時、4m滑落し、同行者がショックを受けていたが、そんな箇所はどこにも感じられなかった。一体どこだったのだろう?
今いる場所は、ジョウゴの口の底だった。仮に雪崩があったら、雪が集中して逃げ場がない。今日は固く閉まった雪で、雪崩の懸念は感じられなかった。硫黄岳の西面は、ものすごく大きな日向の開口部、という感じだった。
後は硫黄山頂まで、急な雪原を詰めるだけだ。硫黄岳の爆裂火口の反対側って、こうなっていたのか。広い雪原だな~。ここは夏はお花畑になるのだろうか?ちょうど滑落停止訓練するのに良さそうな急斜面が続く。だが、時間は10時半で、日当たりが非常に良いため、雪が緩くなってきている筋があった。雪面はしっかりしているが、アイゼンサクサクのところと、シャーベット状雪の筋が混在している。ズボっとなると、脱出に時間がかかる。最初はトップのS間さんだけが被害者だったが、トップと全く同じところを踏むような人はいないパーティなので、次に私がズボッとハマり、終にK房さんもズボっとハマって、これは、ヘトヘトにされそうだと共通理解する。なんだか稜線は遠い。概念図ではすぐなのに。
濃紺の空に白い雪原。山頂方面は、白と青のツートンカラーでシンプルだが、後方を振り返ると、赤岳から阿弥陀、それに横岳の西面の幾筋もの尾根が、技巧を凝らした絵のようで、すごく対象的な眺めだった。
一瞬、敗退して、同沢下降もいいなと思った。今回一回も出していないロープを出す練習になるからだ。せっかく持ってあがったので、もったいない。下降に懸垂下降は必要そうだし、この斜面の下りは、スタンディングアックスビレイが必要そうだ。でも、ピッケルではなくアイスアックスだから、ちょっとやりづらいな。懸垂下降は、他に手段がないときの最後の手段とされているものだし…。
アルパインの基本は、未知のルートをたどって山頂を詰める、ということ。山頂を大事にする方が、覚えたばっかりの技術を使いたいから使う、ということより大事だ。何のための技術か?というと登るためだからだ。
それぞれが、ズボっ!を何度かやって、これは雪ではなくて、土があるほうがよさそうだということに意見がまとまり、土交じりのハイ松の上を行く。途中で赤岩の頭側に、S間さんがもう一度雪渓を渡ろうと試みたが、無駄な試みに終わりそうで、K房さんが制止する。なんとなく雪面が、ズボッ!へ達すること必至のように見受けられた。それでハイ松には悪いが、雪に埋もれたハイ松と巨岩交じりの尾根を直上する。ハイ松の良い香りが漂う。地図読みと言うかルートファインディング。このルートファインディングはあまり神経質にならなくて良い。というのも、とにかく上がれば、硫黄岳の広い山頂のどこかには達する。右に行くと横岳寄りになってしまって、下山の歩く量が増えるので、どちらかというと、左寄りが後が楽だ。ただ最後は、地図ではぐるりと毛虫マークなので、一番弱い私が登れないようなハングとか、いやらしい岩壁があると、弱点を探して、岩マークを右往左往しないといけなくなる。大丈夫かなぁ…。雪でつながっていれば楽勝なのだが。
岩だけになってきたところでアイゼンを外す。私はアックスもしまって、両手を空けることにした。岩だからだ。S間さんトップ、わたしセカンド、ラストがK房さん。S間さんがゾンデ棒役を買って出てくれている形だ。大きな巨岩の陰で、真っ白い破片が一杯落ちているなと思ったら、それは岩についたエビのしっぽが剥がれ落ちたものだった。ホントについ最近まで冬だったのに違いない。今日は風もなく日向は暑いくらいだが。
さらに行くと、穂高によくあるようなザレ。後ろのK房さんに私の落石が行かないかと気にしたら、すぐ後ろにピタッとついていた。分かってますね。落石注意地帯は、離れるか、至近距離か、どちらかしかない。落としはしなかったが安心した。
最後は運良く、腰高くらいの岩をマントリングで乗り越えたら終わり。「もうちょっと足が長かったら楽だな~」とは思ったが、スリングを出してもらわないで、超えれて良かった。これがあと倍の高さあったら、S間さんに引き上げてもらうしかない。上り詰めると、そこは硫黄岳の平坦で分かりにくい山頂のど真ん中だった。どんぴしゃり!会心?のルートファインディング!直上しただけ!後でGPSで軌跡を確認したら、谷から尾根へ気持ち良いラインを描いていた。素晴らしい!今年は谷を遡行して山頂へという山が楽しめそうだ。
山頂へ出ると風が強く、天狗岳と奥の蓼科山の雪解けの黒い山頂が見えた。夏沢峠から下に本沢温泉の建物が見える。春らしく、空は、もうだいぶ霞み、早くもガスが上がっていた。予報は午後から下り坂で、明日明後日くらいには次の低気圧がもう来ている。
景色は山頂より背景の方が凄かった。S間さんが差し出した手に二人が同時に手を出す。握手が終わると赤岳や阿弥陀を背景に各々ポーズを取り合う。来年はS間さんと中央稜と北陵をしたいな。会山行は南陵がいいな。
後はサクッと降りるだけだ。一般道には頭の切り替えが必要だった。これまで地形しか見ていないで歩いてきたから、最初の出だしで、一瞬尾根通しに行こうとしてしまった(笑)。一般道に出たら、歩き方を変えて、トレースを追うこと。再びアイゼンを付けて、赤岩の頭から鉱泉へ。
鉱泉でひと息入れても、まだ12時半だった。K房さんがなぜかパッキングを解きはじめた。出てくること、出てくること!支点用のスリング類が一杯。それもナイロンだから重い。あら~!重かっただろうな~!それで帰りはロープは私が持つことにした。まだ時間が早いので、南沢へ偵察に向かう。4月に入っても、今年最後の大滝が登れるか、ジョウゴ沢の溶け具合を見て、なんだか心配になったのだ。
途中、美濃戸中山への登りで、空腹に気が付いた。今日はちょっと登りがツライんだな。そう言うと、みんな待ってくれた。栄養羹とかクッキーを分けてもらう。どうしたのかなぁ。今日は登り調子が出ないなぁ。朝からそんな調子だった。下りはいつもと同じなんだけどなぁ。美濃戸中山のところで、登攀具を担いだ人にすれ違ったので、どこへ行くのか聞いたら、大同心だった。大滝かな?「そちらは?」「もう一本やってきたの。ジョウゴ沢」「氷ありましたか?」「無かったですよ~!それで、今から南沢に行くの」「なるほど~大変ですね~」という会話を交わした。話が早くて楽だ。
行者小屋前に13:45.トナカイのぬいぐるみの帽子をかぶったお兄さんがいた。楽しそうだ。小滝には14:30到着。すでにアックスの跡で、段々になっていた。もう帰ってしまった後で誰もいなかった。もの寂しげな空気が漂っていた。K房さんは、まだアイスを登る余力がありそうで、登りたそうにしていた。私は今日はなんとなく馬力が不足した感があるので、「トップロープ張ってくれたらビレイするよ」と言う。S間さんは「俺もビレイならしてあげるよ」と言いながら、靴を脱いで足をチェックしていた。うっ血したらしい。御坂二人が”今日は満足”モードなので、K房さんも結局登らず、そのまま小滝で一服して美濃戸に下る。一週間前と違って、登山道は歩きやすく、アイゼンもいらない感じだった。下りは通常通りで問題なく、美濃戸に到着。15時半解散。ゆとりを残した良い山だった。
温泉に行こうと提案したら、なんと二人はタオルを持ってきていなかった(笑)。私も別に入らなくてもいいので、では、と即時解散。御坂では、山では反省会と称して温泉へ行くことが多い。以前、別の会でリーダーが「今日の山行で、質問は何かないかい?」と聞いてくれて、次々と新人から質問が上がっていて、それはすごく役立った。飯田山岳会は反省会はやらないのだそうで、「へぇ、参考になるね」と言っていた。S間さんと一路、甲府へ。高速であっという間に付き、金川の森17時前に解散。良い子な山。なんと夕飯の買い物をする余裕さえあった。
反省点としては、氷瀑がジョウゴ沢ではもう消えてなくなっていたので、小滝に立ち寄ったが、クライミングするなら、たとえ千円払っても、鉱泉で登れば、時間が節約できて良かったのかもしれない。南沢まで歩くのに遠回りしたのに、結局登らなかった。なんか損したかな?12時半の時点なら、まだクライミングする余力があったような気がする。でも無料で登れる滝を知っている時にお金を払う気には、なかなかなれないものだ(笑)。逆に本チャンルートの練習としては、下山も充分負荷がかかった方が良いので、別ルートで降りるのは良かったと思う。
今回は、ロープは出なかったが、それは結果論でしかない。3人とも初見のルートを、ちゃんと荷物を担いで登り、アプローチも下山もこなした。先輩に連れて行ってもらう山でも、単なるゲレンデでもない。行程はちょうど良く、重さもこのくらいは担がないと、軽すぎてトレーニングにならない。皆で、次回は沢行きたいね!とか、城山でマルチだね!とか、縦走もしたいね!とか言いあった。夢が広がる山だった。山岳会に所属して1年…、去年は川俣尾根から権現、今年はジョウゴ沢。歩みはゆっくりだが着実だ。
時間:金川の森4:30 美濃戸口6:00 美濃戸6:30 北沢林道終点7:25 鉱泉8:14 鉱泉出発8:50 F1 9:05 F2 9:13 乙女の滝出合い9:53 大滝終了10:20 トップアウト11:35 硫黄岳山頂 出発11:55 鉱泉12:30 出発 12:47 美濃戸中山前鞍部 13:17 行者小屋13:43 小滝14:32 美濃戸15:36 甲府17:00解散
1月、飯田山岳会のK房さんから、悲鳴にも似た山行の誘いが来た。山岳総合センターリーダー講習会の同期だ。複数の山岳会の合同アイスクライミングに誘ってくれたが、あいにく私のパートナーが見つからず不参加。それで「今度、御坂のクライミングに遊びにおいで~」と言っておいたが、御坂でも機会がなく、そのままになっていた。いつもアイスに連れて行ってくれるK村さんが凍傷になってしまい、ルートどころかゲレンデも不可能だ。それで、鈴木昇己ガイドの岩根アイスツリーに出かけた。「先輩が凍傷になっちゃって…」と事情を話すと、気の毒がってくれ、「もう帰るよ~、最後の一本だよ~」と日が暮れるまで登らせてくれた。11本登った。
K房さんによると、あちらの会も地域山岳会で御坂と似ており、アルパインに行くような山をしたい人は少なく、人材難だそうだ。行きたいルートに一緒に行く相手がおらず、講習会同期でもある、諏訪山岳会の新人と一緒に行こうとしたら、会から許可が出なかったそうだ。諏訪山岳会は、一回の地方山岳会とは違い、雑誌の岳人にバリエーションルートの登攀記録を出すような硬派な会で、遭対協の副隊長が指導している。そんなガチな会の新人でしっかり教育を受けている人とでも、一緒に山へ行けないのだ。飯田で山行許可を得るのは、そうした手続き的な困難が大きいらしい。それだけ新人に対して責任を感じている会で、大事に育てているということだ。見ず知らずの人との困難なルートには許可を出さないのだ。誰とどこへ行ってもOKの御坂とは厳しさが違う。それでもなんとか、2月末に互いに多少の無理をして、南沢小滝アイスクライミングにこぎつけた。ゲレンデだ。
ただ、この時も同行者が見つからず、結局二人だけで出かけた。2年ぶりの再会。互いにストレスが溜まっていたのか、朝6時に集合したのに、集合場所へは双方、約束の時間前に到着した。そのうえ、帰りは暗くなって月が出るまで遊んだ。ヘッデン下山ギリギリで叱られちゃう。この時は、ブナの会、相模アルパインクラブと一緒になり、合同クライミング会のごとく、互いのロープを貸し合い、クライミングの指導をしてもらった(笑)。ブナの会には知り合いがいる。友達の友達は友達だ(笑)。この時は一回リードフォローを練習し、懸垂で降りた。クライミング力が上のK房さんにセカンドの確保をしてもらい、トップを務めてもらう。支点回収は私で、懸垂は、体重が軽いほう、つまり私がバックアップを回収して降りる。
2週間後、小滝アイス2回目。この時は、S間さんが同行してくれ、初心者を入れて四名で出かけた。講習会のアイドルだったキリちゃん。アイスは初めて。ひさしぶりの再会だったこともあり、すごく楽しいクライミングだった。S間さんは、今冬の初アイスクライミングだったが、余裕のある登り。私はゲレンデのアイスクライミングが三連チャンだった。夏に偵察済みだった、小川山の唐沢の滝、ふとしたことでアイスでも登れると知り、出かけたら、非常にアルパインっぽいアイスで面白すぎた。ハマって、翌日も美濃戸口の滝へ行き、その滝は寝ていて易しかったので、擬似リードまで進んでいた。そこで、この日はK房さんに擬似リードまで進んでもらった。そのために30mロープを持っていった。S間さんも出来そうだったが、急かす必要はないので、この日は足慣らし。今回は行儀よく、15:30に下山完了した。
S間さん、K房さんのクライミングは安定感があり、私もバーチカル以外ならリードでき、バーチカルも長くなく、セカンドなら問題ないことが確認できた。互いの登攀力も大体が分かったし、このメンバーで、アイスの初級ルートがこなせる見通しがついた。S間さんとは、1月に金石沢から八幡尾根に上がって、ルートファインディングを摺合せしていた。K房さんとはゲレンデしか経験がないが、沢はルートは明瞭なことが多いので大丈夫だろう。リーダーシップ等も我ままな人はいないので問題なさそうだった。
そこで、1年ほど念頭にあったアルパインアイスのジョウゴ沢から硫黄登頂をやるかどうか、帰り際に二人に聞いてみたら、S間さん即答でOK。K房さんは、それを聞いて予定をやりくりしてくれた。このルートは、初心者でも遡行可能な、希少なアルパインアイスルート。滝が怖いと思ったら、すべての滝を巻くことができる。ヒロケンの『チャレンジ!アイスクライミング』(amazonで12241円!)に詳細がある。ルートは厳しいなと思えば、支流にいくつかある滝をゲレンデ使いして、遊んで帰ることもできる。『八ヶ岳研究(上)』には、無雪期に先輩から「自分たちだけで行ってきなさい」と指示されて出かけた記録があり、初心者同士が自分たちの力だけで解決する、最初の山にぴったりのルートのようだった。
思うに、初心者同士はどのようなルートに行ったらよいのか?そこのところが一番難しい。先輩からはそうした指導が欲しい。八ヶ岳なら『八ヶ岳研究』を読まねばならず、奥秩父なら原全教『奥秩父研究』を読むべきだ。そうした事前研究と私の一般ルートでの登山経験によると、八ヶ岳は雪が来るのが遅く、2月より3月が雪が最も多い。沢筋はだいぶ雪で埋まってしまう。それは春先には山の弱点となる。登りやすいということだからだ。そうした弱点となる時期は、どの程度の登攀力があるのか、自分でも判然としない初心者にとっては、都合が良い。
雪の状況はすべての沢筋のルートに対して言えることで、たとえば、アルパインアイスの初級ルート、峰の松目沢は、年内に登らないと、2月にはラッセルの山になってしまう。広河原沢は1月中旬まで。そうしたことをルートに出るようになってから、気にするようになった。そうでないとガッカリしてしまうから。ガッカリするだけなら良いが、思わぬリスクを背負い込むことになったら目も当てられない。たとえ”初心者向き”と題されているルートであっても、実質的な難易度は、時期と条件によるわけだから、”初心者向き”の言葉にほだされて、リスクを迂闊にも見過ごしてしまうかもしれない。
K房さんは、2月、阿弥陀中央稜などが悪天候で何度も山行が流れていた。気の毒だった。裏同心ルンゼと阿弥陀北陵は経験済み。私は敗退でも登山口までは行く。行って敗退原因を明らかにして帰る。それは初心者同士で行くメリットかもしれない。飯田は先輩がしっかりしているから、敗退経験を積めないのかもしれない。日々ロープに触って練習し、体力もあり、登攀もきれいで申し分ない、意欲も情熱もある人が、この時点で人工氷壁だのの、フリーに流れてしまってはもったいないと思った。
私もS間さんも、実はジョウゴ沢は行ったことがなかった。K房さんはジョウゴ沢F2でゲレンデの経験があった。取付までの案内役を頼める点も、このルートの良さだと思った。パーティを組むとき、何かしら役割があると私自身はホッとするから。K房さんも同じかどうかは、分からないが。ただ、案内といっても、そんなに難しい取付ではない。硫黄岳へ向かう登山道で、3つめの沢だ。そうは言っても、尾根と沢を読むことを知らない人にとっては、「3つめの沢」と言った時点でお手上げ。即席パーティではあるが、そういう部分でもまったく問題がない人材が揃っているのは奇跡に近い。
時期的に、3月は厳冬期の厳しさが緩み、2月ほどシビアな天候リスクが少ない。手袋を濡らして稜線へ出たり、パッキングが遅くて出発が遅れたり、食べるべきものを食べなかったり、体力の配分が上手く行かず、立ち往生したり、ロープワークのミスなど…のリスクが致命的な失敗…遭難…へつながる可能性は低い。日中でもマイナス20℃近くなり、風速も15mを越えるような厳冬期は、一般ルートであっても、ちょっとしたことが命取りになる可能性がある。
ジョウゴ沢は「登れないな」と感じれば、巻いても、敗退しても良いルートである点が保障されていた。転進先は南沢大滝のクライミングとした。そのため、ルート自体は、30mのダブルロープ2本でこなせるが、50mを2本持って上がった。南沢大滝が50m必要だからだ。
行こう!と決めてから一週間しか日がなかったが、自分たちだけで登るんだ!という期待以上に、「だいじょうぶだろうか…」という不安がもたげ、一旦は山行が流れるかに思えた。
行くかどうかは、連日気温をチェックして、前日に決定した。雪崩を避けるためだ。2、3日ほどプラスの暖かい日が続き、そのまま暖かいと、沢筋は危険だからだ。日中、ずっとマイナスの気温でないと。雪崩を懸念して、なんと飯田山岳会は、ビーコンを貸し出してくれた。雪崩が予想できるときは入らない方針なので、そこまではいらないと思ったが、それでも、会で共同装備として持っているのがすごい。飯田山岳会は、まだヒマラヤ登山が社会人山岳会で一般的でなかった頃、先駆的にヒマラヤを手掛けた会と聞いている。古い会で御坂より有名だ。御坂は富士山の遭難救助の貢献で、もう少し世の中に知られてもいいのにな、と思う。
雪崩れは、ビーコンを携帯して事故に遭ってから、なんとかすることより、事故に遭わないために何ができるか?が重要という立場だ。気象判断して雪崩リスクに近づかないこと、雪崩れ地形を避けること、現場で雪の安定度を観察することの3つ。それで意見交換をしたうえで、携帯した。S間さんは今回ビーコンを購入するという太っ腹具合。私もそれくらいゆとりがあればいいのだが…。結果、ビーコン、プローブ、ショベルを各自それぞれが携帯。余計な重さだ。これらがあるなら、本来この時期は上越だよな、と思った。雪洞泊の山行が組める。山行の中身は、全然違うようになるが、本来私がしたいのはむしろそちらのほうだ。豪雪のタカマタギが忘れられない。そのために2万5千円もする雪崩講習会に夫と二人で揃って出たくらいなのだ。今回のビーコン携帯は、雪崩リスクは低いので飯田への義理立てだ。厳しい会だから、気心の知れていない、他会の人と山へ行くとなると、説得材料がいるのだろう…。
集合時間は、朝早ければ早いほど雪が締って有利と思われ、一番遠くから来るS間さんに決めてもらった。遠い人の都合が優先が良いと思ったからだ。美濃戸口で6時前に集合して、一台に乗り合わせ、美濃戸へ。S間さんのランドクルーザーで林道を行く。ランクルはS間さん本人のように剛健だ。道は悪く、雪解けの轍が先週とはだいぶ異なる。だいぶ溶けているなぁ。先週はアイスバーンでタイヤが滑るのが心配だったのに。
美濃戸で支度し、北沢コースから鉱泉へ。林道終点から見る横岳の稜線は、黒々としており、木々にうっすら霧氷がかかり、不安が募った。稜線に明らかに雪がない。すれ違った人に聞いても、稜線には雪がないと言う。鉱泉到着は8:14.アイスキャンディはまだ健在。テントが多い。大勢の客を連れたガイドが、ビーコンチェックしている私たちを不思議そうな目で見ていた。ヘルメット&ハーネスは当然として、スノーバーにショベル、ビーコン、チェストハーネス、ヌンチャクにアイススクリュー、これが各自に、50mロープ2本…黄連谷だって登れそうないでたちだ。ロープは私が用意したが、二人が持ってくれた。
さて、がっつりフル装備でジョウゴ沢に向かう。3つめの沢で、登山道を離れ、ロープを越える。踏み跡もあり、迷う箇所はない。途中でK房さんが「違ったかも」なんて言う。御坂隊は二人とも「大丈夫だから」と歩を進める。数分でF1到着。F1は知らないと、気が付かないと聞いていたが、なるほど。アックスはいらないな…。すっかり溶けて、黒々とした岩が見えていた。ここまでくれば取付が間違っていないことは確かだ。
3分でF2に到着。本日の核心一つ目。そこでびっくり!氷がない…。「あらー」と思わず声を上げた。2週間前に小滝で会った、相模ACが前の週にジョウゴ沢でアイスクライミングしており、情報をもらっていた。その最新情報によると、F2は雪でつながっておらず、アイスが出ていた、スクリュー2本必要、だった。今、F2の氷は、見るも無残な有様だ。氷瀑は半分以上崩壊していた。一つ目の核心は存在しなかった。どうみても危なくて、氷瀑は登れないので、誰も何も言わず、左側の雪交じりの草付を巻く。ロープが出ていた。これくらいの傾斜は、S間さんと金石沢で突破した大滝の巻きより易しい。金石沢大滝とこのF2では、ここの方がリスクが少ない。金石沢みたいな僻地の無名沢で負傷したら、お互いだけが頼りだからだ。それに厳冬期だった。滝の落ち口辺りは左からの尾根の末端でガレていた。それにしても、たったの数日のプラスの気温で、ここまで一気に氷瀑消失とは!S間さんいわく、「山だからね~」。確かに。そう、山だから来てみないと分からないのだ。例年3月下旬~4月の第1週目は、八ヶ岳に来ている。去年はこの時期、御坂と地獄谷へ来たが、十分雪があった。昨年の同時期のジョウゴ沢は立派な氷瀑だった。
F2を超えると、まっ白な広い河原が広がっていた。明るく、気分の良い、巨大な日向の雪原だった。カール地形と言ってもいいのだろうか?そこから見る大同心がすごく立派だ。左側の尾根も登れそうに見える。横岳のバリエーションは、裏同心も今の私には行けそうにない。ハングがあるのはダメだ。白い河原の底から、硫黄岳の奥に大快晴の濃紺の青空。ザックをおろし、皆サングラスを取り出す。このままでは、まぶしくて雪目になりそうだ。大展望に感動。
横岳の稜線の雪はだいぶ消えている。例年、東面の地獄谷は今が適期なのに。うーん、日当たりの差だろうか?もともと硫黄岳は、風の山で知られるので、風で雪が余りつかないのかもしれない。雪面には雪割れも雪しわもない。雪崩れの予兆は全くと言っていいほどなく、右の側面の尾根に小さな表層雪崩の痕跡、あとは古い雪ロールが溶けて再凍結しているのが一個あるだけだった。
進んでいくと、ミニゴルジュが出てくる。日陰になり、少し冷える。今日は暑かったり、寒かったり忙しい。さっき脱いだのに。
さらに進んでいくと、奥に氷瀑が見えた。近づくとつららは下までつながっておらず、これはこれで難しい?ハングのクライミングを強いられそうな、半溶けのつらら状氷瀑だった。これを右股出会いと思っていたら、後で確認したら、これが乙女の滝だった。あまりにあっという間に、河原は通り過ぎて、かの有名なジョウゴ沢のゴルジュを抜けてしまったのだ。
目と鼻の先の、左手に小さなクラゲアイスが見えた。柔らかそう。その尾根の奥に先行パーティが小さく見えた。あの人たちも頑張ってるね、とS間さん。奥にナイアガラの滝がある沢筋だろう。
さらに上がっていくと、左へ屈曲する。ちょっと地面が危ない。アイススケートができそうな、ツルツルのアイス平坦面。しかし、ほんのちょっとで終わる。さらに行くと、どん詰まりに、これも溶けかけた悪い氷瀑があった。F2と同じく溶けているのが危ない、という感じ。だが、直登する。誰も躊躇なし。巻くなんて発想はなかった。S間さんがトップで超える。上から、「ちょっと悪いからロープ出そうか」と言ってきた。私が取り付いてみると、”すごい用心”で切り抜けられそうだった。一瞬の悪場なら、出さない方が早いし、核心部でモタモタするより安全だ。「S間さん、あたし、いけそう」と返事する。何しろこのパーティ編成では弱点は私だ。
こういうケースで、Kさんならなんと言うだろうか。セカンドが取り付く前にトップがロープを出せと言うだろうか?前回のスヤマ尾根の沢のへつりでは、せっかくみんながロープを出そうとしているのに、えいやっ!と徒渉したら怒られたっけな…そんなことを思いつつ、今回、初のアックスを振るう。ここまでの行程では、アックスは強い傾斜であっても、ダガーポジションだけだった。
S間さんが通った岩のラインは、段々にはなっているが、岩の上のブラックアイスで怖そうだった。ので、私はそのままアックスで急斜面を直上した。この雪質は大丈夫だという確信があった。慎重に、滝の落ち口の雪にアックスを効かせて登る。雪の下のアイスに刺さった感じがあり、そのアイスは崩壊までは行かないようだ。一番の核心は、アイス崩壊して滝つぼドボンだなと思った。今冬は、なぜか濡れるリスクが付きまとう。スヤマ尾根も徒渉での濡れがリスクだったし、近郊のアイスもアプローチの徒渉が核心、金石沢もそうだった。ジョウゴ沢でとどめ。ここを超えると、あとはしっかりした雪質の雪の急斜面をアイゼンのフロントポインティングで登る。今日は雪のコンディションが良く、アイゼンが良く効く固い雪質だ。雨後の雪と同じ。S間さんと二人で平坦部へ行き、後続のK房さんを待つため、振り返ると、阿弥陀の姿がすごかった。滝の落ち口のど真ん中に阿弥陀がデーンと!K房さんのウエアがきれいな色で、クライミングしている姿が阿弥陀にものすごく映えた。彼は用心深い性格らしく、私はシングルアックスで登ったのに、ダブルアックスを出していた。上がったら皆で記念撮影。
さて、と山頂方向を見る。しかし、ここから上には大平原しかない。「えっ?今のが大滝?!」と思わずS間さんに聞いていた。みんな初見なのに(笑)。あっという間の核心部だった。本日の核心はF2と大滝だったのに。あら~っ!もう終わり?!あまりに簡単で、25mとは感じられず、もっと短かく感じた。そのため、もっと上に大滝があるのかと思ったのだった…。去年、友人がこのルートを通った時、4m滑落し、同行者がショックを受けていたが、そんな箇所はどこにも感じられなかった。一体どこだったのだろう?
今いる場所は、ジョウゴの口の底だった。仮に雪崩があったら、雪が集中して逃げ場がない。今日は固く閉まった雪で、雪崩の懸念は感じられなかった。硫黄岳の西面は、ものすごく大きな日向の開口部、という感じだった。
後は硫黄山頂まで、急な雪原を詰めるだけだ。硫黄岳の爆裂火口の反対側って、こうなっていたのか。広い雪原だな~。ここは夏はお花畑になるのだろうか?ちょうど滑落停止訓練するのに良さそうな急斜面が続く。だが、時間は10時半で、日当たりが非常に良いため、雪が緩くなってきている筋があった。雪面はしっかりしているが、アイゼンサクサクのところと、シャーベット状雪の筋が混在している。ズボっとなると、脱出に時間がかかる。最初はトップのS間さんだけが被害者だったが、トップと全く同じところを踏むような人はいないパーティなので、次に私がズボッとハマり、終にK房さんもズボっとハマって、これは、ヘトヘトにされそうだと共通理解する。なんだか稜線は遠い。概念図ではすぐなのに。濃紺の空に白い雪原。山頂方面は、白と青のツートンカラーでシンプルだが、後方を振り返ると、赤岳から阿弥陀、それに横岳の西面の幾筋もの尾根が、技巧を凝らした絵のようで、すごく対象的な眺めだった。
一瞬、敗退して、同沢下降もいいなと思った。今回一回も出していないロープを出す練習になるからだ。せっかく持ってあがったので、もったいない。下降に懸垂下降は必要そうだし、この斜面の下りは、スタンディングアックスビレイが必要そうだ。でも、ピッケルではなくアイスアックスだから、ちょっとやりづらいな。懸垂下降は、他に手段がないときの最後の手段とされているものだし…。
アルパインの基本は、未知のルートをたどって山頂を詰める、ということ。山頂を大事にする方が、覚えたばっかりの技術を使いたいから使う、ということより大事だ。何のための技術か?というと登るためだからだ。
それぞれが、ズボっ!を何度かやって、これは雪ではなくて、土があるほうがよさそうだということに意見がまとまり、土交じりのハイ松の上を行く。途中で赤岩の頭側に、S間さんがもう一度雪渓を渡ろうと試みたが、無駄な試みに終わりそうで、K房さんが制止する。なんとなく雪面が、ズボッ!へ達すること必至のように見受けられた。それでハイ松には悪いが、雪に埋もれたハイ松と巨岩交じりの尾根を直上する。ハイ松の良い香りが漂う。地図読みと言うかルートファインディング。このルートファインディングはあまり神経質にならなくて良い。というのも、とにかく上がれば、硫黄岳の広い山頂のどこかには達する。右に行くと横岳寄りになってしまって、下山の歩く量が増えるので、どちらかというと、左寄りが後が楽だ。ただ最後は、地図ではぐるりと毛虫マークなので、一番弱い私が登れないようなハングとか、いやらしい岩壁があると、弱点を探して、岩マークを右往左往しないといけなくなる。大丈夫かなぁ…。雪でつながっていれば楽勝なのだが。
岩だけになってきたところでアイゼンを外す。私はアックスもしまって、両手を空けることにした。岩だからだ。S間さんトップ、わたしセカンド、ラストがK房さん。S間さんがゾンデ棒役を買って出てくれている形だ。大きな巨岩の陰で、真っ白い破片が一杯落ちているなと思ったら、それは岩についたエビのしっぽが剥がれ落ちたものだった。ホントについ最近まで冬だったのに違いない。今日は風もなく日向は暑いくらいだが。
さらに行くと、穂高によくあるようなザレ。後ろのK房さんに私の落石が行かないかと気にしたら、すぐ後ろにピタッとついていた。分かってますね。落石注意地帯は、離れるか、至近距離か、どちらかしかない。落としはしなかったが安心した。
最後は運良く、腰高くらいの岩をマントリングで乗り越えたら終わり。「もうちょっと足が長かったら楽だな~」とは思ったが、スリングを出してもらわないで、超えれて良かった。これがあと倍の高さあったら、S間さんに引き上げてもらうしかない。上り詰めると、そこは硫黄岳の平坦で分かりにくい山頂のど真ん中だった。どんぴしゃり!会心?のルートファインディング!直上しただけ!後でGPSで軌跡を確認したら、谷から尾根へ気持ち良いラインを描いていた。素晴らしい!今年は谷を遡行して山頂へという山が楽しめそうだ。
山頂へ出ると風が強く、天狗岳と奥の蓼科山の雪解けの黒い山頂が見えた。夏沢峠から下に本沢温泉の建物が見える。春らしく、空は、もうだいぶ霞み、早くもガスが上がっていた。予報は午後から下り坂で、明日明後日くらいには次の低気圧がもう来ている。
景色は山頂より背景の方が凄かった。S間さんが差し出した手に二人が同時に手を出す。握手が終わると赤岳や阿弥陀を背景に各々ポーズを取り合う。来年はS間さんと中央稜と北陵をしたいな。会山行は南陵がいいな。
後はサクッと降りるだけだ。一般道には頭の切り替えが必要だった。これまで地形しか見ていないで歩いてきたから、最初の出だしで、一瞬尾根通しに行こうとしてしまった(笑)。一般道に出たら、歩き方を変えて、トレースを追うこと。再びアイゼンを付けて、赤岩の頭から鉱泉へ。
鉱泉でひと息入れても、まだ12時半だった。K房さんがなぜかパッキングを解きはじめた。出てくること、出てくること!支点用のスリング類が一杯。それもナイロンだから重い。あら~!重かっただろうな~!それで帰りはロープは私が持つことにした。まだ時間が早いので、南沢へ偵察に向かう。4月に入っても、今年最後の大滝が登れるか、ジョウゴ沢の溶け具合を見て、なんだか心配になったのだ。
途中、美濃戸中山への登りで、空腹に気が付いた。今日はちょっと登りがツライんだな。そう言うと、みんな待ってくれた。栄養羹とかクッキーを分けてもらう。どうしたのかなぁ。今日は登り調子が出ないなぁ。朝からそんな調子だった。下りはいつもと同じなんだけどなぁ。美濃戸中山のところで、登攀具を担いだ人にすれ違ったので、どこへ行くのか聞いたら、大同心だった。大滝かな?「そちらは?」「もう一本やってきたの。ジョウゴ沢」「氷ありましたか?」「無かったですよ~!それで、今から南沢に行くの」「なるほど~大変ですね~」という会話を交わした。話が早くて楽だ。
行者小屋前に13:45.トナカイのぬいぐるみの帽子をかぶったお兄さんがいた。楽しそうだ。小滝には14:30到着。すでにアックスの跡で、段々になっていた。もう帰ってしまった後で誰もいなかった。もの寂しげな空気が漂っていた。K房さんは、まだアイスを登る余力がありそうで、登りたそうにしていた。私は今日はなんとなく馬力が不足した感があるので、「トップロープ張ってくれたらビレイするよ」と言う。S間さんは「俺もビレイならしてあげるよ」と言いながら、靴を脱いで足をチェックしていた。うっ血したらしい。御坂二人が”今日は満足”モードなので、K房さんも結局登らず、そのまま小滝で一服して美濃戸に下る。一週間前と違って、登山道は歩きやすく、アイゼンもいらない感じだった。下りは通常通りで問題なく、美濃戸に到着。15時半解散。ゆとりを残した良い山だった。
温泉に行こうと提案したら、なんと二人はタオルを持ってきていなかった(笑)。私も別に入らなくてもいいので、では、と即時解散。御坂では、山では反省会と称して温泉へ行くことが多い。以前、別の会でリーダーが「今日の山行で、質問は何かないかい?」と聞いてくれて、次々と新人から質問が上がっていて、それはすごく役立った。飯田山岳会は反省会はやらないのだそうで、「へぇ、参考になるね」と言っていた。S間さんと一路、甲府へ。高速であっという間に付き、金川の森17時前に解散。良い子な山。なんと夕飯の買い物をする余裕さえあった。
反省点としては、氷瀑がジョウゴ沢ではもう消えてなくなっていたので、小滝に立ち寄ったが、クライミングするなら、たとえ千円払っても、鉱泉で登れば、時間が節約できて良かったのかもしれない。南沢まで歩くのに遠回りしたのに、結局登らなかった。なんか損したかな?12時半の時点なら、まだクライミングする余力があったような気がする。でも無料で登れる滝を知っている時にお金を払う気には、なかなかなれないものだ(笑)。逆に本チャンルートの練習としては、下山も充分負荷がかかった方が良いので、別ルートで降りるのは良かったと思う。
今回は、ロープは出なかったが、それは結果論でしかない。3人とも初見のルートを、ちゃんと荷物を担いで登り、アプローチも下山もこなした。先輩に連れて行ってもらう山でも、単なるゲレンデでもない。行程はちょうど良く、重さもこのくらいは担がないと、軽すぎてトレーニングにならない。皆で、次回は沢行きたいね!とか、城山でマルチだね!とか、縦走もしたいね!とか言いあった。夢が広がる山だった。山岳会に所属して1年…、去年は川俣尾根から権現、今年はジョウゴ沢。歩みはゆっくりだが着実だ。
Tuesday, March 8, 2016
やっと行ったアイスルート 峰ノ松目沢
■初リード
鉱泉フェスで知り合ったOさんと、峰ノ松目沢へ。彼は初ルート。私は初リード。
冬の沢である、アイスクライミングは、比較的順調に成長し、去年は、ジョウゴ沢で、連れて行ってもらうのではない、自前で行くルートのデビューを果たした。が、ジョウゴ沢の氷瀑は溶けかけており、アイスクライミングの必要がほとんどなく、ほとんどドライツーリング。結局、ロープを引いて登ることなく、全部の滝をフリーソロで抜けてしまった・・・。なので、正式なリードはしていない。核心部のF2や大滝でも出さなかったので、このことについては、”そんな山は教えていない”と師匠から、お叱りを受けた。
実は、フリーソロで抜けるより、スクリューを打ってリードするほうが難しい・・・のは、
・レスト体制をうまく作ったり、
・スクリューを打つのに適した氷質の面をきちんと見つけたり、
・落ち着いてアックステンションしたり、
・きちんとラッキングしてクライミングの妨げにならないようにしたり
という、もろもろの判断や技術が必要になるからだ。フリーソロは、そうした技術が欠けていることを示すのみで、実は何の自慢にもならない・・・セカンドで登っているのと同じことだからだ。
という去年の実績だったので、今回は、曲がりなりにも、
きちんとリード
して、大満足。後輩の確保という大役も果たせた。
■ 初ルート&大役
一方、今回、相方の0さんは、今年アイスクライミング元年。そして、アイス初ルート!アイス用クラインポン初おろしのアイスクライミングだ。
私もアイスクライミング元年に、当時、師匠だった方に、ルートに連れて行ってもらった。同じことが後輩にできて、よかったよかったとホッと胸をなで降ろす。
■ 同沢下降
しかし、似た者同士と言うか・・・言うこと&やること、似ていて参る(笑)。
師匠に連れて行ってもらった当時、トップアウトしない点に不満を持っていた。同沢下降だったからだ。
しかし、今は同沢下降は何のためだったのか分かる。敗退の技を身に着けさせるためだ。登ったところは、降りれなくてはならない。
というか、下りれるところしか登らないようにしないといけない。敗退する力があれば、どこへ行ってもいい。
たかだか3年前だが、初心者の私はヤル気満々だったので、トップアウトする気でおり、師匠が提案したルートに、トップアウトして別ルートで下降する提案など、色々と初心者チックな提案をしていた。
ある沢では、大滝を前にラッセルして、稜線に出る予定だったのだが、雪が多く腰までのラッセル。師匠がすぐさま中止にしたのに多少不服。もうちょっと試してみてからではだめだったのだろうか?と考えていた。
が、今回、私は、自分が頑張れば、トップアウトできたかもしれないところで、あまり執着せず、すぐさま同沢下降に切り替えた。
同行者の0さんは、体力満点、伸び盛り。トップアウトしたい気持ちがあったのが見て取れたが、彼は自分で核心部を越えられない。
ので、二人の実力を平準化したところだと、峰の松目沢も、F8敗退が適当な所だった。
しかし、感心したのは、地図読みが良くできることだった。普通、一般ルートの登山からステップアップしてアルパインへ移行する場合、地図が読めないことが多い。地図が読めないということは、まだクライミング要素が出る山ではなく、地図読みの山をしっかりやらないといけない、ということを意味する。しかし、彼とは尾根二つ向こうを試してみましょう、など取付での会話もスムーズで、現在地もとくにGPSへ依存せずに理解しているようだった。
■ ゆとりを残した山
峰ノ松目沢は、トップアウトするのに、3~4時間程度の沢なので、12時山頂とすると、8時には取り付きにいたいところだ。逆算して、6時には美濃戸口にいないといけない。
今回は、特に車で美濃戸まで入れないため、40分の林道歩きがプラス。おおよそ鉱泉まで2時間だ。(一般コースタイムは3時間) 峰ノ松目沢の取付は、鉱泉から5分程度のところ。
今回のコースタイムは
3時起き 4:00出発
美濃戸口 6:09
3つ目の橋 8:16
F1 8:49
F8 11:00
下降開始 12:00
3つめの橋 13:49
美濃戸口の滝 15:30頃
美濃戸口 16:00頃
樅の湯 16:20頃 待ち合わせ17:00
甲府帰着 19:30頃
(3つ目の橋は便宜上の名で、実際の橋は3つ以上渡った。地形図で沢を確認して行く方が良いと思う)
だった。私が喘息のため、体調が悪く、アプローチの北沢で通常よりもペースが遅い。
懸案の取付での試行錯誤は、Oさんが偵察に行ってくれたり、踏み跡を作ってくれたりしたので、比較的スムーズに済んだ。F1についたら、8:49だった。あまり遅れてもいない。
核心部のF8到着は、11時。そこで、リードに試行錯誤しているうちに、11時半となったので、早めに意思決定し、同沢下降とした。核心部のF8で、景色を見ながら、のんびりランチ休憩して、12時下降開始。
下降終了が13:49.美濃戸口へ下ると、まだ15:30だったので、美濃戸口の氷瀑を見学。去年師匠が私のリード練習に選んでくれた場所だ。16:00美濃戸口の駐車場。
■ 当日
甲府を4時に出て、6時09分美濃戸口出発した。ちょうど夜明けとともに出発し、ヘッドライトが不要だった。7:40に北沢堰堤に着く。ここから用心した。峰ノ松目沢は取り付きが迷いやすいことで知られている。
三つ目の橋を渡って、2つ目の沢(戻る方向)、
と覚えて行ったが、橋は3つ以上あり、地形的に、ここではないか?と思われる橋に着いたのが、8:16.景色が開け、峰ノ松目沢が展望できる場所だ。
目で見て、峰ノ松目のピークと赤岩の頭の間のコルを確認する。峰ノ松目ピークから派生する顕著な尾根がある。
その尾根で分けて、峰ノ松目沢は、南西沢と南東沢があるそうだ。通常、峰ノ松目沢とされているのは、南西沢と書いてあった・・・が、南西沢とすると、その顕著な尾根の西側となり、取り付きとしては、北沢堰堤から上がった方が合理的になる。写真では、峰ノ松目沢は、コルへ突き上げているので、その南西沢は間違いで、本物は南東沢だろうということで、意見が一致していた。
実は、その点にも感動した。たぶん、私が取付を解決しないといけないだろうと想像していたからだ。今まで一緒に行った人は、大抵は、お任せ路線で、取り付きも何もかも私が解決し、案内しないといけなかった。
ここかな、と思われる橋につくと、右岸へ渡ってすぐに、後退する方向に踏み跡があった。踏み跡は、一人分。
そのトレースは無視して、自分たちの考えで取付を探す。二つ目の沢ということで、進行方向を探す。
前回、別の同行者と鉱泉に行った時に取付を偵察したが、その時はもっと鉱泉寄りのトレースがあった。
しかし、とりついた沢は写真で見た取り付きと少し印象が違うため、反対側に二つ尾根を越えてみることにする。
・・・と、先行パーティがいた。F1、15m滑、と覚えて行った。取り付いているので、ちょっと聞いてみる。
「これ、峰ノ松目沢ですか?」「初めてきたので分からないんです」。我々も初めてで、ワカラナイ(笑)。
先方パーティがいたことに気をよくし、そのまま登ることにする。
F1は2段で、左の雪面から上がれば、別にロープはいらなさそうだった。もしソリ遊びがしたいなら、格好のそり遊びができそうな傾斜。
1段目を上がってみると、下から見たより高かったので、やっぱりロープを出した方が良かったかな?と思い、同行者に聞いてみるが、いらないという答えなので、そのまま、右にトラバースし、2段目をすこしノーザイルでアイスクライミングして、すぐに滝上に出る。
すると、すぐにF2が見えた。 F2は結構しっかり立った滝だった。これはロープを出して、スクリューを打ち、きちんとリード。言いつけを守る。
その後はしばらく、”念のためロープがいる”という程度の滝が出るが、技術的に困難さを感じる滝はなく、普通にリードしていく。
■ 後続の確保が問題
・・・が、ビレイが問題で、後続のビレイに良いようなビレイポイントとなる残置がとても少ない。
今までルートで見たことがあるような、リングボルトやハーケンで出来ているアンカーは一個しかなかった。
うーんと考えて、適当な自然物がないので、スタンディングアックスビレイだな~と思うが、SABをするほど雪がない。ので、結局、肩がらみとした。
F5かF6だろうか、短いが立っている滝で、肩がらみでテンションかけかけだったが意外に平気だった。
しかし、ビレイのスタイルの向上は課題だ。シビアな登攀で肩がらみはないだろう。
■ 難しいラインの方が安全
滝は、ひとつ大きな穴が開いているのがあった。直上が氷が厚かったが、くぼんでいるほうが登攀が楽だ。結局穴に落とさないでね、と釘を刺して、穴の上のアイスにスクリューを打つ。
でも、もし登攀に自信があれば、直上して氷の厚みを取っただろう。
登攀と安全は相矛盾するんだな~と思う。登攀が易しいと危険が大きい。だから、安全のためには自分の登攀力を上げるしかないってことなんだろうな。
10時ごろ、お腹が空いたので、休憩。振り返ると、素晴らしい阿弥陀の眺め・・・気が付くと南アまで見えていた。
ぜんそくのためか、なんだか馬力が出ず、登攀は問題ないのだが、歩きがダメな日で、雪を歩くのがつらい。
あまり長い休憩は冷えるので、さらに進む・・・と、その先に先行パーティが見える。先行パーティはベテランと新人のセットのようで、私たち二人のような、新人二人組とは違うようだ。その割には、先行パーティに追いついているじゃないか、と気をよくする。
二股に沢が分かれるF7に来てみると、先行パーティがどうも懸垂下降しているようだ。普通に短い垂直の氷瀑(左)を越える。
落ち口では、氷が大量に落ちる。うーん・・・落ち口の氷は丸い。丸い箇所の氷はアックスを指すと割れやすい。案の定、ちょっと叩いただけですぐ割れる。
しかし、落ち口はマントリングと同じことで、全体重を掛けるので、バチ効きでないと嫌だ。だいぶ氷を落としてしまい、アックスで進路の氷を叩き割って石橋をたたいて渡るのではなく、叩き壊しているのではないか?くらいな勢いだった。まだアックスの効きを信頼していないから、無駄が多いってことだ。
F7滝上で先行パーティに合流。どこの山岳会かと聞くと、「うんりょう会です」との答え。ピンと来ず、”?”となり、「私たちは知り合い同士です」と答えた。聞いた手前・・・。しかし、良く考えると、あの雲稜である・・・登山大系を読む人なら、誰でも知っているってば、な感じ。 あとで、超老舗、雲稜会と岩田さんに教えてもらって分かった。すぐ分からなくて、すみません(^^;)。
で、先行Pは、二股で右俣へルートを取ってしまったのだそうだ。「二股で左と覚えてきました」と答える。
右は段々で、左は短いが垂直、どっちを詰めても、愉しく登れそうだった。
少し行くと、すぐにF8.これは写真で見たな~と思い、ここはちゃんと峰の松目沢だと確信する。
これを見るまでは、いまひとつ、本物なのかどうか確信がなかったのだ。
■ F8 核心部
先行パーティがもっとも長い滝芯をリードで取り付いた。アックスにリーシュが付いたクラシックスタイルの登りで、垂直のつららの集合体の氷柱であるにもかかわらず、きちんとアックスが横に2本そろった正対の登りだった。正対だと、とても腕の負担が多い。
ので、岩根アイスツリーなどの人工壁では、垂直の氷は、体のフリを使って、傾斜を殺して登る。フリが入ると、まったくムーブはフリークライミング的になる。アックスは交互に出す。足は片足切ってしまう。
そのF8の滝は、記録では5~6mと出ていたが、みたところ8mくらいはありそうだった・・・。普通に鉱泉のアイスキャンディーや岩根アイスツリーと同じ長さがありそう。
予想より長い。先行Pのリードではスクリューが4本刺さっていた。うーん・・・峰ノ松目沢のガイドでは、スクリューは2本で十分と書いてあった。私たちは、余裕を見て、4本持ってきたが、あの滝をリードすれば、4本は使い切ってしまう。上でアンカー構築用に2本の予備が欲しいなぁ・・・。
ただこのF8は、巻けるとガイド本や記録には書いてあったのだが・・・。と、見やるが、左は急な草付の雪面で支点がなく、リードより危なさそう。右は、弱点となる3m2段で垂直の氷があり、頑張ればリードできそうだが、足元のスタンスになる部分に氷がなく、出だしが核心になりそう。さらに右は、岩が出ていて、支点がなく、短いがアイゼントレの成果が試されそうなドライツーリング系のスラブ。
とりあえず、取り付きまで行くために、急な雪の斜面を上がり、氷瀑の真下まで行ってセルフを取る。
凸凹の凸は氷が厚く、登れそうだが、凹より凸が登るのは難しい。
とりあえず、ビレイヤーのアンカーを氷柱で作る。NOという返事を期待して、「Oさん、リードどう?」と聞いてみる。期待に反し、なんと!やってみますとの答え。まだ擬似リードも経験していないのに!
ヤル気あるなぁ!ということで、まずできるだけ高い位置にスクリューを一本打ち、1ピン目を確実にする。彼は凹を選んだので、凹角を登ってみてもらうが、右足にスタンスがなく、厳しそう。
落ちると、ビレイしている私の真上に来てしまい、具合が悪い。無理して落ちても、ろくなことはないので、あとワンアックス、という感じではあるが、1段目に上がらないうちに降りてもらう。スクリューにはテンションかけかけだが、スクリューはびくともしない。
さて、私のリードの番だ。私の狙いは凸角。
とりあえず、落ちた場合、ビレイヤーの真上に落ちないように、ビレイポイントを後退させ、雪に埋まった枯れ木でビレイヤーのセルフにしてもらう。急な斜面でビレイヤーもセルフが必要だった。
が、垂直をリードするにはビレイ位置が悪いな~と思いつつ、とりあえず取り付いてみる。
うーん・・・頑張れば行けそうだが、よいスタンスがない。氷が固く、爪が刺さらない・・・と思っているうちにパンプが来そうだ・・・というので、とりついてみたものの敗退。
技術的には越えられそうな、2mあるかないか、の垂直の氷柱だ。段になっているところに乗れば、その上の氷柱に、もう一本スクリューを打ち、それが打てれば落ちても安心なので、安心してリードしトップアウトできそうだが、何しろ、ビレイとの位置関係が悪く、落ちるかもしれないリスクを取る気になれない。
まぁ落ちても雪面に落ちて、死にはしなさそうだったのだが・・・まだ垂直で、なおかつ、つつら集合体の凸面アイスのリード練習が足りていない。ので、あっさり辞める。
下りたら、まだ11時半。ふと見やると、先行パーティのセカンドが、セカンドなのにスクリューのぬんちゃくを引っ張って登っている。そんな状態でルートに連れて来られてしまい、気の毒な気もするが、まだクライミングの基礎力自体が足りていないみたいだな~と思う。
それを思うと同行者のOさんはすごい。まだアイスは実質4回目なのに、登攀力的には、先行Pのセカンドより上だと思われた。
”強点”であるその長い氷柱は、二人とも、トップロープなら楽勝で登れるんだが・・・。弱点の短い氷柱でも、ほんの”一歩”のリスクを取る気になれない。
自分で登るということは、こういうことなんだな~と思いながら、後輩になっているOさんには申し訳ないが、先輩がビビりだということで、納得してもらい、二人で美しい赤岳、中岳、阿弥陀の稜線を眺める。阿弥陀北陵や北西稜、御小屋尾根を眺め、次のルートへの夢を膨らませる。
まぁ、まずははじめの一歩と言うことで・・・。
つららにセルフを取り、そのセルフにザックをぶら下げ、ランチ休憩。二人とも食料があまり足りていないようだ。
■ 懸垂下降で帰る
さて、懸垂で帰るか・・・でも支点があんまりなかったんだよな~。登りで懸垂支点を見ながら、登ったが、あまり良い支点がなかったのだった。
登りは、カンタンな滝だらけだったが、下るとなると、やっぱりすべての滝で懸垂下降が必要だった。クライムダウンで済んだのは1か所だけ。
一回目の懸垂は、指三本しかない太さの枯れ木で、これはマジでまずいと思ったので、バックアップを取り、体重の重いOさんのほうから降りてもらい、私は回収で後に降りる。他にも立木があったが、ブッシュのようになっていて、回収でノットがひっかかりそうだったのだ。
その枝が一番怖く、他はまぁなんとか信頼できると思われた。が、懸垂は荷重がかかる方向、降りる方向が大事なので、トップは交代して、懸垂慣れしている私の方が先に降りる。
途中、立木にかかった残置スリングが数か所。最後の残置は、しなっている枝で、私が降りたら、ミシッと言ったそうで、あの残置は、かなりマズイ残置だった。きっと初心者ルートだから、初心者が設置した残置なのだろう・・・。
奥に良い立木があったので使えば良かったが、F1は長かったので、ザイルが届くかどうかが不安だったため、近いほうの残置スリングで懸垂したのだった。
実際、降りてみたら、ギリチョンだった。ギリだったので、セカンドのことが心配になり、短いほうの末端に結び目を作っておいた。
■ 回収
・・・ら、回収の時にその結び目をほどくのを忘れてロープを引いてしまい、そのノットが引っかかって回収不能になった。
これはセカンドが回収に出かけてくれた。F1は登るのはカンタンだったので、お任せした。でも、回収してまた懸垂で降りないといけないので、もう一本のほうのロープも持ってあがらなくてはならなくなった。
実は50mシングルでガイドブックには書いてあったが、今回は、Oさんの自分のロープ(30m)に使い慣れてもらいたいと思い、各自が30mを1本づつ持ち寄って、2本で登っている。滝自体は、30m1本で登れたからだ。敗退用に30m1本。すると、60mになり、ガイド本にあった50mシングル一本より、敗退するときの長さが取れ、確実なハズだった。が、2回ほど懸垂の長さはギリだった。
2本の方がロープワークは複雑だ。師匠も最初の頃、私に自分のロープを持ってこさせていたし、同じことを後輩にしてあげるのが良いと思われた。シングルがないと、どこも登れないと思っているようだったからだ。
登り返しでは、アイスは登らないで、沢と同じように端の方の岩の手掛かりが多いほうを登ったのが意外だった。その方が早いと思ったのだそうだ。沢に良く行くそうなので、さすがに登り慣れていた。私ならアイスを登るが、アイスは彼、今年、初めてだもんな。
F1からは、正規の取り付きを確認するために、普通に沢を下降する。まるで教科書のような美しい逆ハの字のトレースが規則的な並びでついていた。降りてみると、他の記録の写真でみた景色が出てきて、やっぱり、これであっていると確信。
一般道へ着くと、まだ13:49だった。ゆとりだな~。やっぱり同沢下降は早い。下りは登りの半分だ。
トップアウトしたかったが、まぁ、それはまた今度でいいだろう。
■ おまけ
その後、順調に北沢を下り、美濃戸口の滝へ立ち寄る。保科さんがガイド中だった。保科さんで私はアイスをスタートしたので、挨拶する。メンバーには中年の女性もいて、アイスには比較的女性クライマーが多いようだ。
美濃戸口の氷柱は、登るのよりも、トップロープを張るのが大変だ。
その後、美濃戸に着くと、まだ16時だった。本日の山、終了。帰りに、駐車料金を払うと、コーヒーをもらうことができた。
J&Nというカフェが美濃戸口にできたが、そちらは食事などをすると無料。オシャレな感じの店だが、節約派は500円払うかもしれない。頭数で割れるから(笑)。
Oさんとは、岩根2回と小滝1回の仲で、今まではOさんとの山で温泉に入ったことがないが、今回は、ゆとり付き山行なので、樅の湯へ。
会ではかならず温泉が付いていたし、山で寒い目にあったら温泉へと思うが、今回は、天候はあまりにもよく、濡れも寒さもなく、しかもルートも比較的短く、あまりたくさんは動いていないので、温泉は贅沢の部類だ。
甲府へ帰るとまだ19時過ぎ。渋滞も比較的避けることができた。天候は翌日霞がかり、この日が最後の冬のピーカン日のようだった。
■ おまけ
翌日は小瀬の人工壁。メニューは、
・5.8でリードフォロー&空中懸垂 役割を変えて2回
・回収&架け替え練習。5.8でリード後、トップロープ支点を作り、ローワーダウン、セカンドの人はトップロープ&ローワーダウンで単純にで登り、最後の人が回収するという一連の流れを役割を変えて2回
・5.10Aの被った壁をリード練習。単純にトップロープでクライミングムーブの習得練習
という流れで4時間。リードデビューしてもらう。5.9でもかぶっていれば、なかなか大変。ランチを食べて解散。
小滝や岩根に行くにも、漫然と登って降りるを繰り返すだけではなく、何を実現したいか、リアルに課題が見えた山行だった。モチベーションを作る山。
≪課題≫
・凹凸では凸を登る
・10m程度の氷柱のリード
・アックステンションしながらのスクリュー設置
・後続の適切なビレイ方法
■ まとめ
今回は無理のない計画で良かったと思う。帰宅して、GPSの軌跡を確認すると、あと200mあるとおもっていたトップアウトまでの距離は、あと標高差80mしかなく、それなら、トップアウトしたらよかったな・・・とも思うが・・・これは初心者のルートデビューに最適な沢だった。
■ 記録
実施日: 3月3日(木) 前夜泊日帰り
メンバー: 2名
ギア: ダブル30m ×2 スクリュー×4 (6本がベター &ハーケン、イボイノシシ)
参考コースタイム:
3時起き 4:00出発 美濃戸口 6:09 3つ目の橋 8:16 F1 8:49 F8 11:00
下降開始 12:00 3つめの橋 13:49
美濃戸口の滝 15:30頃 美濃戸口 16:00頃
樅の湯 16:20頃 待ち合わせ17:00 甲府帰着 19:30頃
■ ルートグレード 3級上 Ⅳ+ 日帰り
■ 参考サイト
支点と滝の姿が参考になる 三ちゃんのサイト
F8の右岸の草付を大きく巻いている記録
南西沢と南東沢が混乱していると思われる記録
雲稜会
■ 参考画像
F1 2段15m 滑
F2 12m 穴あき カンテ
F3~F4 35m? 長い滑
F5~6 ??
F7 二股 休憩ポイント?
F8 垂直氷柱 核心
F9 滑?
F10 5m?
アプローチ2h ルート3~4h
■コスト
交通費 往復2000円
駐車料金 500円 (無料コーヒーサービス付)
行動食 800円
温泉 500円
鉱泉フェスで知り合ったOさんと、峰ノ松目沢へ。彼は初ルート。私は初リード。
冬の沢である、アイスクライミングは、比較的順調に成長し、去年は、ジョウゴ沢で、連れて行ってもらうのではない、自前で行くルートのデビューを果たした。が、ジョウゴ沢の氷瀑は溶けかけており、アイスクライミングの必要がほとんどなく、ほとんどドライツーリング。結局、ロープを引いて登ることなく、全部の滝をフリーソロで抜けてしまった・・・。なので、正式なリードはしていない。核心部のF2や大滝でも出さなかったので、このことについては、”そんな山は教えていない”と師匠から、お叱りを受けた。
実は、フリーソロで抜けるより、スクリューを打ってリードするほうが難しい・・・のは、
・レスト体制をうまく作ったり、
・スクリューを打つのに適した氷質の面をきちんと見つけたり、
・落ち着いてアックステンションしたり、
・きちんとラッキングしてクライミングの妨げにならないようにしたり
という、もろもろの判断や技術が必要になるからだ。フリーソロは、そうした技術が欠けていることを示すのみで、実は何の自慢にもならない・・・セカンドで登っているのと同じことだからだ。
という去年の実績だったので、今回は、曲がりなりにも、
きちんとリード
して、大満足。後輩の確保という大役も果たせた。
■ 初ルート&大役
一方、今回、相方の0さんは、今年アイスクライミング元年。そして、アイス初ルート!アイス用クラインポン初おろしのアイスクライミングだ。
私もアイスクライミング元年に、当時、師匠だった方に、ルートに連れて行ってもらった。同じことが後輩にできて、よかったよかったとホッと胸をなで降ろす。
■ 同沢下降
しかし、似た者同士と言うか・・・言うこと&やること、似ていて参る(笑)。
師匠に連れて行ってもらった当時、トップアウトしない点に不満を持っていた。同沢下降だったからだ。
しかし、今は同沢下降は何のためだったのか分かる。敗退の技を身に着けさせるためだ。登ったところは、降りれなくてはならない。
というか、下りれるところしか登らないようにしないといけない。敗退する力があれば、どこへ行ってもいい。
たかだか3年前だが、初心者の私はヤル気満々だったので、トップアウトする気でおり、師匠が提案したルートに、トップアウトして別ルートで下降する提案など、色々と初心者チックな提案をしていた。
ある沢では、大滝を前にラッセルして、稜線に出る予定だったのだが、雪が多く腰までのラッセル。師匠がすぐさま中止にしたのに多少不服。もうちょっと試してみてからではだめだったのだろうか?と考えていた。
が、今回、私は、自分が頑張れば、トップアウトできたかもしれないところで、あまり執着せず、すぐさま同沢下降に切り替えた。
同行者の0さんは、体力満点、伸び盛り。トップアウトしたい気持ちがあったのが見て取れたが、彼は自分で核心部を越えられない。
ので、二人の実力を平準化したところだと、峰の松目沢も、F8敗退が適当な所だった。
しかし、感心したのは、地図読みが良くできることだった。普通、一般ルートの登山からステップアップしてアルパインへ移行する場合、地図が読めないことが多い。地図が読めないということは、まだクライミング要素が出る山ではなく、地図読みの山をしっかりやらないといけない、ということを意味する。しかし、彼とは尾根二つ向こうを試してみましょう、など取付での会話もスムーズで、現在地もとくにGPSへ依存せずに理解しているようだった。
■ ゆとりを残した山
峰ノ松目沢は、トップアウトするのに、3~4時間程度の沢なので、12時山頂とすると、8時には取り付きにいたいところだ。逆算して、6時には美濃戸口にいないといけない。
今回は、特に車で美濃戸まで入れないため、40分の林道歩きがプラス。おおよそ鉱泉まで2時間だ。(一般コースタイムは3時間) 峰ノ松目沢の取付は、鉱泉から5分程度のところ。
今回のコースタイムは
3時起き 4:00出発
美濃戸口 6:09
3つ目の橋 8:16
F1 8:49
F8 11:00
下降開始 12:00
3つめの橋 13:49
美濃戸口の滝 15:30頃
美濃戸口 16:00頃
樅の湯 16:20頃 待ち合わせ17:00
甲府帰着 19:30頃
(3つ目の橋は便宜上の名で、実際の橋は3つ以上渡った。地形図で沢を確認して行く方が良いと思う)
だった。私が喘息のため、体調が悪く、アプローチの北沢で通常よりもペースが遅い。
懸案の取付での試行錯誤は、Oさんが偵察に行ってくれたり、踏み跡を作ってくれたりしたので、比較的スムーズに済んだ。F1についたら、8:49だった。あまり遅れてもいない。
核心部のF8到着は、11時。そこで、リードに試行錯誤しているうちに、11時半となったので、早めに意思決定し、同沢下降とした。核心部のF8で、景色を見ながら、のんびりランチ休憩して、12時下降開始。
下降終了が13:49.美濃戸口へ下ると、まだ15:30だったので、美濃戸口の氷瀑を見学。去年師匠が私のリード練習に選んでくれた場所だ。16:00美濃戸口の駐車場。
■ 当日
甲府を4時に出て、6時09分美濃戸口出発した。ちょうど夜明けとともに出発し、ヘッドライトが不要だった。7:40に北沢堰堤に着く。ここから用心した。峰ノ松目沢は取り付きが迷いやすいことで知られている。
三つ目の橋を渡って、2つ目の沢(戻る方向)、
と覚えて行ったが、橋は3つ以上あり、地形的に、ここではないか?と思われる橋に着いたのが、8:16.景色が開け、峰ノ松目沢が展望できる場所だ。
目で見て、峰ノ松目のピークと赤岩の頭の間のコルを確認する。峰ノ松目ピークから派生する顕著な尾根がある。
その尾根で分けて、峰ノ松目沢は、南西沢と南東沢があるそうだ。通常、峰ノ松目沢とされているのは、南西沢と書いてあった・・・が、南西沢とすると、その顕著な尾根の西側となり、取り付きとしては、北沢堰堤から上がった方が合理的になる。写真では、峰ノ松目沢は、コルへ突き上げているので、その南西沢は間違いで、本物は南東沢だろうということで、意見が一致していた。
実は、その点にも感動した。たぶん、私が取付を解決しないといけないだろうと想像していたからだ。今まで一緒に行った人は、大抵は、お任せ路線で、取り付きも何もかも私が解決し、案内しないといけなかった。
ここかな、と思われる橋につくと、右岸へ渡ってすぐに、後退する方向に踏み跡があった。踏み跡は、一人分。
そのトレースは無視して、自分たちの考えで取付を探す。二つ目の沢ということで、進行方向を探す。
前回、別の同行者と鉱泉に行った時に取付を偵察したが、その時はもっと鉱泉寄りのトレースがあった。
しかし、とりついた沢は写真で見た取り付きと少し印象が違うため、反対側に二つ尾根を越えてみることにする。
・・・と、先行パーティがいた。F1、15m滑、と覚えて行った。取り付いているので、ちょっと聞いてみる。
「これ、峰ノ松目沢ですか?」「初めてきたので分からないんです」。我々も初めてで、ワカラナイ(笑)。
先方パーティがいたことに気をよくし、そのまま登ることにする。
F1は2段で、左の雪面から上がれば、別にロープはいらなさそうだった。もしソリ遊びがしたいなら、格好のそり遊びができそうな傾斜。
1段目を上がってみると、下から見たより高かったので、やっぱりロープを出した方が良かったかな?と思い、同行者に聞いてみるが、いらないという答えなので、そのまま、右にトラバースし、2段目をすこしノーザイルでアイスクライミングして、すぐに滝上に出る。
すると、すぐにF2が見えた。 F2は結構しっかり立った滝だった。これはロープを出して、スクリューを打ち、きちんとリード。言いつけを守る。
その後はしばらく、”念のためロープがいる”という程度の滝が出るが、技術的に困難さを感じる滝はなく、普通にリードしていく。
| F7?二股では左を取る |
・・・が、ビレイが問題で、後続のビレイに良いようなビレイポイントとなる残置がとても少ない。
今までルートで見たことがあるような、リングボルトやハーケンで出来ているアンカーは一個しかなかった。
うーんと考えて、適当な自然物がないので、スタンディングアックスビレイだな~と思うが、SABをするほど雪がない。ので、結局、肩がらみとした。
F5かF6だろうか、短いが立っている滝で、肩がらみでテンションかけかけだったが意外に平気だった。
しかし、ビレイのスタイルの向上は課題だ。シビアな登攀で肩がらみはないだろう。
■ 難しいラインの方が安全
滝は、ひとつ大きな穴が開いているのがあった。直上が氷が厚かったが、くぼんでいるほうが登攀が楽だ。結局穴に落とさないでね、と釘を刺して、穴の上のアイスにスクリューを打つ。
でも、もし登攀に自信があれば、直上して氷の厚みを取っただろう。
登攀と安全は相矛盾するんだな~と思う。登攀が易しいと危険が大きい。だから、安全のためには自分の登攀力を上げるしかないってことなんだろうな。
10時ごろ、お腹が空いたので、休憩。振り返ると、素晴らしい阿弥陀の眺め・・・気が付くと南アまで見えていた。
ぜんそくのためか、なんだか馬力が出ず、登攀は問題ないのだが、歩きがダメな日で、雪を歩くのがつらい。
あまり長い休憩は冷えるので、さらに進む・・・と、その先に先行パーティが見える。先行パーティはベテランと新人のセットのようで、私たち二人のような、新人二人組とは違うようだ。その割には、先行パーティに追いついているじゃないか、と気をよくする。
二股に沢が分かれるF7に来てみると、先行パーティがどうも懸垂下降しているようだ。普通に短い垂直の氷瀑(左)を越える。
落ち口では、氷が大量に落ちる。うーん・・・落ち口の氷は丸い。丸い箇所の氷はアックスを指すと割れやすい。案の定、ちょっと叩いただけですぐ割れる。
しかし、落ち口はマントリングと同じことで、全体重を掛けるので、バチ効きでないと嫌だ。だいぶ氷を落としてしまい、アックスで進路の氷を叩き割って石橋をたたいて渡るのではなく、叩き壊しているのではないか?くらいな勢いだった。まだアックスの効きを信頼していないから、無駄が多いってことだ。
F7滝上で先行パーティに合流。どこの山岳会かと聞くと、「うんりょう会です」との答え。ピンと来ず、”?”となり、「私たちは知り合い同士です」と答えた。聞いた手前・・・。しかし、良く考えると、あの雲稜である・・・登山大系を読む人なら、誰でも知っているってば、な感じ。 あとで、超老舗、雲稜会と岩田さんに教えてもらって分かった。すぐ分からなくて、すみません(^^;)。
で、先行Pは、二股で右俣へルートを取ってしまったのだそうだ。「二股で左と覚えてきました」と答える。
右は段々で、左は短いが垂直、どっちを詰めても、愉しく登れそうだった。
少し行くと、すぐにF8.これは写真で見たな~と思い、ここはちゃんと峰の松目沢だと確信する。
これを見るまでは、いまひとつ、本物なのかどうか確信がなかったのだ。
■ F8 核心部
先行パーティがもっとも長い滝芯をリードで取り付いた。アックスにリーシュが付いたクラシックスタイルの登りで、垂直のつららの集合体の氷柱であるにもかかわらず、きちんとアックスが横に2本そろった正対の登りだった。正対だと、とても腕の負担が多い。
ので、岩根アイスツリーなどの人工壁では、垂直の氷は、体のフリを使って、傾斜を殺して登る。フリが入ると、まったくムーブはフリークライミング的になる。アックスは交互に出す。足は片足切ってしまう。
そのF8の滝は、記録では5~6mと出ていたが、みたところ8mくらいはありそうだった・・・。普通に鉱泉のアイスキャンディーや岩根アイスツリーと同じ長さがありそう。
予想より長い。先行Pのリードではスクリューが4本刺さっていた。うーん・・・峰ノ松目沢のガイドでは、スクリューは2本で十分と書いてあった。私たちは、余裕を見て、4本持ってきたが、あの滝をリードすれば、4本は使い切ってしまう。上でアンカー構築用に2本の予備が欲しいなぁ・・・。
ただこのF8は、巻けるとガイド本や記録には書いてあったのだが・・・。と、見やるが、左は急な草付の雪面で支点がなく、リードより危なさそう。右は、弱点となる3m2段で垂直の氷があり、頑張ればリードできそうだが、足元のスタンスになる部分に氷がなく、出だしが核心になりそう。さらに右は、岩が出ていて、支点がなく、短いがアイゼントレの成果が試されそうなドライツーリング系のスラブ。
とりあえず、取り付きまで行くために、急な雪の斜面を上がり、氷瀑の真下まで行ってセルフを取る。
凸凹の凸は氷が厚く、登れそうだが、凹より凸が登るのは難しい。
とりあえず、ビレイヤーのアンカーを氷柱で作る。NOという返事を期待して、「Oさん、リードどう?」と聞いてみる。期待に反し、なんと!やってみますとの答え。まだ擬似リードも経験していないのに!
ヤル気あるなぁ!ということで、まずできるだけ高い位置にスクリューを一本打ち、1ピン目を確実にする。彼は凹を選んだので、凹角を登ってみてもらうが、右足にスタンスがなく、厳しそう。
落ちると、ビレイしている私の真上に来てしまい、具合が悪い。無理して落ちても、ろくなことはないので、あとワンアックス、という感じではあるが、1段目に上がらないうちに降りてもらう。スクリューにはテンションかけかけだが、スクリューはびくともしない。
さて、私のリードの番だ。私の狙いは凸角。
とりあえず、落ちた場合、ビレイヤーの真上に落ちないように、ビレイポイントを後退させ、雪に埋まった枯れ木でビレイヤーのセルフにしてもらう。急な斜面でビレイヤーもセルフが必要だった。
が、垂直をリードするにはビレイ位置が悪いな~と思いつつ、とりあえず取り付いてみる。
うーん・・・頑張れば行けそうだが、よいスタンスがない。氷が固く、爪が刺さらない・・・と思っているうちにパンプが来そうだ・・・というので、とりついてみたものの敗退。
技術的には越えられそうな、2mあるかないか、の垂直の氷柱だ。段になっているところに乗れば、その上の氷柱に、もう一本スクリューを打ち、それが打てれば落ちても安心なので、安心してリードしトップアウトできそうだが、何しろ、ビレイとの位置関係が悪く、落ちるかもしれないリスクを取る気になれない。
まぁ落ちても雪面に落ちて、死にはしなさそうだったのだが・・・まだ垂直で、なおかつ、つつら集合体の凸面アイスのリード練習が足りていない。ので、あっさり辞める。
下りたら、まだ11時半。ふと見やると、先行パーティのセカンドが、セカンドなのにスクリューのぬんちゃくを引っ張って登っている。そんな状態でルートに連れて来られてしまい、気の毒な気もするが、まだクライミングの基礎力自体が足りていないみたいだな~と思う。
それを思うと同行者のOさんはすごい。まだアイスは実質4回目なのに、登攀力的には、先行Pのセカンドより上だと思われた。
”強点”であるその長い氷柱は、二人とも、トップロープなら楽勝で登れるんだが・・・。弱点の短い氷柱でも、ほんの”一歩”のリスクを取る気になれない。
自分で登るということは、こういうことなんだな~と思いながら、後輩になっているOさんには申し訳ないが、先輩がビビりだということで、納得してもらい、二人で美しい赤岳、中岳、阿弥陀の稜線を眺める。阿弥陀北陵や北西稜、御小屋尾根を眺め、次のルートへの夢を膨らませる。
まぁ、まずははじめの一歩と言うことで・・・。
つららにセルフを取り、そのセルフにザックをぶら下げ、ランチ休憩。二人とも食料があまり足りていないようだ。
■ 懸垂下降で帰る
さて、懸垂で帰るか・・・でも支点があんまりなかったんだよな~。登りで懸垂支点を見ながら、登ったが、あまり良い支点がなかったのだった。
登りは、カンタンな滝だらけだったが、下るとなると、やっぱりすべての滝で懸垂下降が必要だった。クライムダウンで済んだのは1か所だけ。
一回目の懸垂は、指三本しかない太さの枯れ木で、これはマジでまずいと思ったので、バックアップを取り、体重の重いOさんのほうから降りてもらい、私は回収で後に降りる。他にも立木があったが、ブッシュのようになっていて、回収でノットがひっかかりそうだったのだ。
その枝が一番怖く、他はまぁなんとか信頼できると思われた。が、懸垂は荷重がかかる方向、降りる方向が大事なので、トップは交代して、懸垂慣れしている私の方が先に降りる。
途中、立木にかかった残置スリングが数か所。最後の残置は、しなっている枝で、私が降りたら、ミシッと言ったそうで、あの残置は、かなりマズイ残置だった。きっと初心者ルートだから、初心者が設置した残置なのだろう・・・。
奥に良い立木があったので使えば良かったが、F1は長かったので、ザイルが届くかどうかが不安だったため、近いほうの残置スリングで懸垂したのだった。
実際、降りてみたら、ギリチョンだった。ギリだったので、セカンドのことが心配になり、短いほうの末端に結び目を作っておいた。
■ 回収
・・・ら、回収の時にその結び目をほどくのを忘れてロープを引いてしまい、そのノットが引っかかって回収不能になった。
これはセカンドが回収に出かけてくれた。F1は登るのはカンタンだったので、お任せした。でも、回収してまた懸垂で降りないといけないので、もう一本のほうのロープも持ってあがらなくてはならなくなった。
実は50mシングルでガイドブックには書いてあったが、今回は、Oさんの自分のロープ(30m)に使い慣れてもらいたいと思い、各自が30mを1本づつ持ち寄って、2本で登っている。滝自体は、30m1本で登れたからだ。敗退用に30m1本。すると、60mになり、ガイド本にあった50mシングル一本より、敗退するときの長さが取れ、確実なハズだった。が、2回ほど懸垂の長さはギリだった。
2本の方がロープワークは複雑だ。師匠も最初の頃、私に自分のロープを持ってこさせていたし、同じことを後輩にしてあげるのが良いと思われた。シングルがないと、どこも登れないと思っているようだったからだ。
登り返しでは、アイスは登らないで、沢と同じように端の方の岩の手掛かりが多いほうを登ったのが意外だった。その方が早いと思ったのだそうだ。沢に良く行くそうなので、さすがに登り慣れていた。私ならアイスを登るが、アイスは彼、今年、初めてだもんな。
F1からは、正規の取り付きを確認するために、普通に沢を下降する。まるで教科書のような美しい逆ハの字のトレースが規則的な並びでついていた。降りてみると、他の記録の写真でみた景色が出てきて、やっぱり、これであっていると確信。
一般道へ着くと、まだ13:49だった。ゆとりだな~。やっぱり同沢下降は早い。下りは登りの半分だ。
トップアウトしたかったが、まぁ、それはまた今度でいいだろう。
■ おまけ
その後、順調に北沢を下り、美濃戸口の滝へ立ち寄る。保科さんがガイド中だった。保科さんで私はアイスをスタートしたので、挨拶する。メンバーには中年の女性もいて、アイスには比較的女性クライマーが多いようだ。
美濃戸口の氷柱は、登るのよりも、トップロープを張るのが大変だ。
その後、美濃戸に着くと、まだ16時だった。本日の山、終了。帰りに、駐車料金を払うと、コーヒーをもらうことができた。
J&Nというカフェが美濃戸口にできたが、そちらは食事などをすると無料。オシャレな感じの店だが、節約派は500円払うかもしれない。頭数で割れるから(笑)。
Oさんとは、岩根2回と小滝1回の仲で、今まではOさんとの山で温泉に入ったことがないが、今回は、ゆとり付き山行なので、樅の湯へ。
会ではかならず温泉が付いていたし、山で寒い目にあったら温泉へと思うが、今回は、天候はあまりにもよく、濡れも寒さもなく、しかもルートも比較的短く、あまりたくさんは動いていないので、温泉は贅沢の部類だ。
甲府へ帰るとまだ19時過ぎ。渋滞も比較的避けることができた。天候は翌日霞がかり、この日が最後の冬のピーカン日のようだった。
■ おまけ
翌日は小瀬の人工壁。メニューは、
・5.8でリードフォロー&空中懸垂 役割を変えて2回
・回収&架け替え練習。5.8でリード後、トップロープ支点を作り、ローワーダウン、セカンドの人はトップロープ&ローワーダウンで単純にで登り、最後の人が回収するという一連の流れを役割を変えて2回
・5.10Aの被った壁をリード練習。単純にトップロープでクライミングムーブの習得練習
という流れで4時間。リードデビューしてもらう。5.9でもかぶっていれば、なかなか大変。ランチを食べて解散。
小滝や岩根に行くにも、漫然と登って降りるを繰り返すだけではなく、何を実現したいか、リアルに課題が見えた山行だった。モチベーションを作る山。
≪課題≫
・凹凸では凸を登る
・10m程度の氷柱のリード
・アックステンションしながらのスクリュー設置
・後続の適切なビレイ方法
■ まとめ
今回は無理のない計画で良かったと思う。帰宅して、GPSの軌跡を確認すると、あと200mあるとおもっていたトップアウトまでの距離は、あと標高差80mしかなく、それなら、トップアウトしたらよかったな・・・とも思うが・・・これは初心者のルートデビューに最適な沢だった。
■ 記録
実施日: 3月3日(木) 前夜泊日帰り
メンバー: 2名
ギア: ダブル30m ×2 スクリュー×4 (6本がベター &ハーケン、イボイノシシ)
参考コースタイム:
3時起き 4:00出発 美濃戸口 6:09 3つ目の橋 8:16 F1 8:49 F8 11:00
下降開始 12:00 3つめの橋 13:49
美濃戸口の滝 15:30頃 美濃戸口 16:00頃
樅の湯 16:20頃 待ち合わせ17:00 甲府帰着 19:30頃
■ ルートグレード 3級上 Ⅳ+ 日帰り
支点と滝の姿が参考になる 三ちゃんのサイト
F8の右岸の草付を大きく巻いている記録
南西沢と南東沢が混乱していると思われる記録
雲稜会
■ 参考画像
| 峰ノ松目沢を望む |
![]() |
| F1 |
![]() |
| F2上の残置 |
![]() |
| F4 |
| F8 |
F1 2段15m 滑
F2 12m 穴あき カンテ
F3~F4 35m? 長い滑
F5~6 ??
F7 二股 休憩ポイント?
F8 垂直氷柱 核心
F9 滑?
F10 5m?
アプローチ2h ルート3~4h
■コスト
交通費 往復2000円
駐車料金 500円 (無料コーヒーサービス付)
行動食 800円
温泉 500円
| F8 これくらいリードできなくては! |
![]() |
| コルへ突き上げる沢です |
Wednesday, March 18, 2015
和気あいあいが一番大事
■ ベテランに感謝
ある人が何気なく発した言葉が、ひどく胸に響くことがある。
最近の一言は

「フレンドリーが一番です」
この言葉は奥深い。
その奥深さが分かるようになることが、成熟の証かもしれない。
クライミング力をプライドの源泉にしてはいけない。
登れることを鼻に掛けても仕方ない。
登れれば、楽しいし、登れなくてもそれなりに楽しい。それがクライミングの良さだ。
登れない人を馬鹿にする人は、例えて言うなら、がん細胞みたいなものだ。
結局、愉しくクライミングしないことで、自分が損をするのだ。そして、変なプライドをもつと、墜落リスクも高まる。
■ 美濃戸口の滝
先日行った唐沢の滝がプチアルパインチックで、強烈に面白く、ツボに嵌って、翌日も美濃戸口の滝に出かけた。すごく面白かったので、どこかにカチッとギアが入り替わったのだった。
結論で言うと、美濃戸口の滝は、まったく同じことをしたのに、唐沢の滝ほど面白くはなく、まぁ、こんなもんか、だった。
師匠と二人で色々なラインで、滝の形状を味わってみたら、どれも困難がなかったので、二人とも早々に飽き始めていた。
その時、誰もいなかったゲレンデに、3人の男性グループがやってきた。下の方でザックをまとめている。
案の定、同じ滝に来た。それで わたしから、「こんにちは~☆」と声を掛けた。
しかし、返事なし。
余談だが、挨拶は人と人との基本だ。あまりに基本的な社会マナーなので、挨拶できない人は、単純に、子供っぽく見える。
人見知りだから、という言い訳も良く聞く。が、それで許されるのは、子供だけ。仲間は許してくれるだろうけど、大目に見ているだけ。社会では通用しない。
だから、大人で人見知りをやっていると、どうしても子供っぽく見えるし、実際に子供であることは否めない。もちろん、悪い人ではない。
ただ精神年齢が幼く感じられる、と言うだけでなく、実際に人見知りを乗り越えられないのだから、本当に幼いのだ。ちなみに夫は人見知り派なので、私がいつもフォローしている。
子供っぽさというのは、クライミングでは、ちょっとリスクに感じられる。大事なこと…、例えば、ビレイでは、ブレーキハンドを離さないとか、そういうことを忘れるんではないだろうか?と不安にさせられる。
子供は責任能力を十分持たない。うっかりした、とか、自分が至らなかったから、ということで失敗を大目に見てやらなければならない。責任能力が問えない=子供。
だから、クライミングで子供っぽく見えることは損だ。リスクと認識される。
その3人を見ると、ひとりの男性が残り二人を連れてきた風だった。流行の明るい色のブランド物、ファッション山ウエア。
山でかっこいいことは悪いことではないと思うが、この時の印象は、”初心者だな”だった。全部新品だとそう見える。ベテランと初心者では、同じようにウエアが新しくても、印象が全然違う。
中の小柄な男性は、日焼けサロン的な日焼けの仕方をしていて、金のイヤリング。歌舞伎町にいる黒服みたいな感じだった。山よりスキーに、スキーよりサーフィンにいそうな感じ。
ひとりは太目さんで、他の二人をカッコいいと思って追従してワルを気取っているような感じ。残り一人は全然印象にない。きっと”黒服”の取り巻きだろう。
私の中にはワルの文化がない。ワルってかっこいいのだろうか?
高校生の頃、仲良しだった中学のクラスメートに久しぶりにばったり会ったら、坊主頭の額の生え際に剃り込みを入れていた。私の印象は、「ショウちゃん、苦労しているんだな…」だった。
同じような印象をこの人たちに持った。
で、リードの準備をし始めたので、「右にも支点がありますよ」と教えたら、返事なし。まぁいいけど…。
で、登っている姿を見たら、可愛かった。全然下手くそだったのだ。
それでも一生懸命リードしているからエライ。怖いのだろう、そんなに氷をたたかなくても、もうすでに段々だらけなのに、これ以上叩けないくらい氷をたたいて、えらい大きな塊を落としていた。叩き壊して石橋を渡れなくしちゃうよ。
短いので、スクリューも一本、2本で一瞬で終わるはずだが、結構長い時間、かかっていた。私はその間に一本登って降りてきた。
ムーブは、全然ダメで、スマートさがなく、カエルのようになってしまっていた。
でも、教えたら、プライドがガタガタになって、メンツ丸つぶれと言うことになってしまい、立場が悪くなるだろうなぁ・・・。
・・・と思ったので、黙っておいた。
■ 教えてもらったとき
先月、講習会仲間だった飯田山岳会の友達と小滝へに出かけた。お見合い。彼と会うのは、すごく久しぶり。
私たちは、小滝で20本ノックくらいしたかったのだが、実際は、私は6本で腕がダメになってしまった。
その時は、となりにブナの会の4人、相模アルパインクラブの2人がいて、女性はわたしを入れて2人。ブナの会の女性は上手だった。きっとフリーもうまそうだ。フリーのムーブがバッチリだった。
その中では、私が一番下手くそな人と言うことになった。
だんだん腕がダメになり、ムーブもいい加減になってくる。
私が「えいっ!」とアックスを刺すと、「効いてない!」とか、「うん、今のはいいよ」とか、皆から声がかかった。
「足をもっと開いて」とか「三角バランスを作って」と、下からどんどん声がかかり始め…
「アックスを振る時は剣道の竹刀を振る時みたいに・・・」
「剣道って言っても女の人に分かるかよ」 (・・・私のために争わないで?(笑))
「男性の例えは、分からないよね、最後に引くといいのよ」
と、ブナの会の女性も横に来て振り方を教えてくれた。
最後は、終に「このアックス、効かないんじゃない?」それで、「僕のん、貸してあげるよ」という話になった。
振ってみたら、「あ!ホントだ~」
一家総出で、末っ子のスキルアップ対策に出た感じだ(笑)
それでありがたいな~と思った。和気あいあいってこういうことだ。みんなで上手になるってこういうことだ。
・・・と身を持って体験した。
この”場”の形成には、ベテランの存在感が一役買っていた。父親の安全な監視の下で、楽しく遊ぶ子供たち、な感じだった。
相方は、ムーブはきれいで無理があまりなく、力んでいない。ちょっと鼻が高い気がした。誰も彼にはアドバイスしない(笑)。
私は、この時はすごく力んでいたのだろう…
■ 本当のところの分かり方
翻って、美濃戸口の滝だが、
黒服組のとなりで、私がリード練習を始めた。皆、注視。
降りてきて、「こっちのラインは、もうそろそろ片付けますから、使っていいですよ」と言うと、初めて黒服グループが口を聞いてくれた。
それで、私の方が上手だったんだナーと分かった(笑)。
単純な人たちだ。悪い人たちじゃないんだろう。損してるよ~と教えてやりたいが無理だろう。
この事件で、私はカエル登りよりは実力があり、フリーが上手な人よりは実力がないことが分かった。
でも、カエル登りでもリードを頑張るくらいなんだから、頑張らないといけない。
■ 初心者は愛される
2度目の小滝へは、会のサクちゃんとアイス初めてのキリちゃんと、前に一緒だった飯田の友達と4人で出かけた。
となりは6人の各会の寄せ集め部隊。さらに二人後でクライマーが来た。
さくちゃんは今年のアイスは初だったので、たぶん、ガチガチに緊張して登れないのではないかと思ったら、ゆとりのクライミングで、なんか問題どこにもなさそうだった。なんだ~。足慣らしOKって感じ。
キリちゃんはアイス初めて。だから、クランポンの調節から。
女の子は女の子が教えた方が良いから、振り方から教えた。それで、周囲の人も、「あ、初めてなんだな~」と分かってくれたみたいだった。
キリちゃんが登り始めると、小滝にいる全員がフリーズ状態になって、自分が登る手を止め、キリちゃんにアドバイス。
「次、右足」 「次は右手」「足は蹴らないとダメだよ~」「サッカーで蹴るみたいに」
「もう降りる~」と半分も行かないで根を上げると、皆の空気が、ちょっと残念そうに下がる…が、一回目だから仕方ない。
いきなりバーチカルだからなぁ…
そして、二人目、三人目が登り始めると、もう誰も注目しない。それぞれのパーティで好きに登る。
またキリちゃんの番になる。このラインが短くて簡単だよ~と一番楽なライン。
すると、また全員注目。下から「頑張れ!」「腕を閉じろ!」「ちょうど真下にスタンスがある!」と声がかかる。
登っているほうは、色々声がかかりすぎて、どうしていいか分からなくなっている。
それでも、粘っていると、さらに皆の士気が上がる。「そうだ!いいぞ!」「そこでちょっと休んで」「三角形を作って」
やっと登り終え、降りてきて、「癖になりそう…」と言った時には、全員がにっこりした。
めでたく一本完登だ。
プレッシャーではなく、励ましを与えること、これが大事なことだ。
■ 登れるようになりたいのは普通
思うに、クライミングにおいて、登れるようになりたいのは、人間が生きることにおいて、成長したいのと同じだ。
進化するという一方向しか方向性はない。
だから、誰がクライミングしても、回を重ねれば重ねるほど上手になるし、回が重ねられるか、重ねられないかは、ただ都合によるだけだ。
都合がついて登れるようになった方がリードすればよく、リードできるほうがより楽しいのであるから、別にリードしたくない人がリードしなくても構わない。
子供の成長に、色々なスピードがあるように、クライミングだって、個々人にふさわしい成長ペースがあり、個人の中でも成長は線形的ではなく、ある日突然プラトーを脱し、上手になったりする。
毎日毎日、クライミングすれば、誰もが上手になる。
だからと言ってなんだろう?クライミングはしょせん遊びだ。
絵がうまくても実生活に特に役立たないように、クライミングが上手くても、実生活に特に役立たない。
遊びに人生を掛けてしまってはいけない。自分を賭けてしまってもいけない。
クライミングが上手い人と妬むようになったら、それは少しヤバいかもしれない。
ただの遊びがただの遊びでなくなってきている傍証だ。
何事も下手を羨ましがる人はいない。だから、と言って、上手だからって、それが人格のすべてではない。
つまり、登れるほうがエライのでもなんでもない。カッコは良い。でもカッコ悪くても別にかまわない。
遊びだから、本人が楽しく登れれば、正解なのだ。
ある人が何気なく発した言葉が、ひどく胸に響くことがある。
最近の一言は
「フレンドリーが一番です」
この言葉は奥深い。
その奥深さが分かるようになることが、成熟の証かもしれない。
クライミング力をプライドの源泉にしてはいけない。
登れることを鼻に掛けても仕方ない。
登れれば、楽しいし、登れなくてもそれなりに楽しい。それがクライミングの良さだ。
登れない人を馬鹿にする人は、例えて言うなら、がん細胞みたいなものだ。
結局、愉しくクライミングしないことで、自分が損をするのだ。そして、変なプライドをもつと、墜落リスクも高まる。
■ 美濃戸口の滝
先日行った唐沢の滝がプチアルパインチックで、強烈に面白く、ツボに嵌って、翌日も美濃戸口の滝に出かけた。すごく面白かったので、どこかにカチッとギアが入り替わったのだった。
結論で言うと、美濃戸口の滝は、まったく同じことをしたのに、唐沢の滝ほど面白くはなく、まぁ、こんなもんか、だった。
師匠と二人で色々なラインで、滝の形状を味わってみたら、どれも困難がなかったので、二人とも早々に飽き始めていた。
その時、誰もいなかったゲレンデに、3人の男性グループがやってきた。下の方でザックをまとめている。
案の定、同じ滝に来た。それで わたしから、「こんにちは~☆」と声を掛けた。
しかし、返事なし。
余談だが、挨拶は人と人との基本だ。あまりに基本的な社会マナーなので、挨拶できない人は、単純に、子供っぽく見える。
人見知りだから、という言い訳も良く聞く。が、それで許されるのは、子供だけ。仲間は許してくれるだろうけど、大目に見ているだけ。社会では通用しない。
だから、大人で人見知りをやっていると、どうしても子供っぽく見えるし、実際に子供であることは否めない。もちろん、悪い人ではない。
ただ精神年齢が幼く感じられる、と言うだけでなく、実際に人見知りを乗り越えられないのだから、本当に幼いのだ。ちなみに夫は人見知り派なので、私がいつもフォローしている。
子供っぽさというのは、クライミングでは、ちょっとリスクに感じられる。大事なこと…、例えば、ビレイでは、ブレーキハンドを離さないとか、そういうことを忘れるんではないだろうか?と不安にさせられる。
子供は責任能力を十分持たない。うっかりした、とか、自分が至らなかったから、ということで失敗を大目に見てやらなければならない。責任能力が問えない=子供。
だから、クライミングで子供っぽく見えることは損だ。リスクと認識される。
その3人を見ると、ひとりの男性が残り二人を連れてきた風だった。流行の明るい色のブランド物、ファッション山ウエア。
山でかっこいいことは悪いことではないと思うが、この時の印象は、”初心者だな”だった。全部新品だとそう見える。ベテランと初心者では、同じようにウエアが新しくても、印象が全然違う。
中の小柄な男性は、日焼けサロン的な日焼けの仕方をしていて、金のイヤリング。歌舞伎町にいる黒服みたいな感じだった。山よりスキーに、スキーよりサーフィンにいそうな感じ。
ひとりは太目さんで、他の二人をカッコいいと思って追従してワルを気取っているような感じ。残り一人は全然印象にない。きっと”黒服”の取り巻きだろう。
私の中にはワルの文化がない。ワルってかっこいいのだろうか?
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| これは違う人だが、右の人があまりよくないので参考に |
同じような印象をこの人たちに持った。
で、リードの準備をし始めたので、「右にも支点がありますよ」と教えたら、返事なし。まぁいいけど…。
で、登っている姿を見たら、可愛かった。全然下手くそだったのだ。
それでも一生懸命リードしているからエライ。怖いのだろう、そんなに氷をたたかなくても、もうすでに段々だらけなのに、これ以上叩けないくらい氷をたたいて、えらい大きな塊を落としていた。叩き壊して石橋を渡れなくしちゃうよ。
短いので、スクリューも一本、2本で一瞬で終わるはずだが、結構長い時間、かかっていた。私はその間に一本登って降りてきた。
ムーブは、全然ダメで、スマートさがなく、カエルのようになってしまっていた。
でも、教えたら、プライドがガタガタになって、メンツ丸つぶれと言うことになってしまい、立場が悪くなるだろうなぁ・・・。
・・・と思ったので、黙っておいた。
■ 教えてもらったとき
先月、講習会仲間だった飯田山岳会の友達と小滝へに出かけた。お見合い。彼と会うのは、すごく久しぶり。
私たちは、小滝で20本ノックくらいしたかったのだが、実際は、私は6本で腕がダメになってしまった。
その時は、となりにブナの会の4人、相模アルパインクラブの2人がいて、女性はわたしを入れて2人。ブナの会の女性は上手だった。きっとフリーもうまそうだ。フリーのムーブがバッチリだった。
その中では、私が一番下手くそな人と言うことになった。
だんだん腕がダメになり、ムーブもいい加減になってくる。
私が「えいっ!」とアックスを刺すと、「効いてない!」とか、「うん、今のはいいよ」とか、皆から声がかかった。
「足をもっと開いて」とか「三角バランスを作って」と、下からどんどん声がかかり始め…
「アックスを振る時は剣道の竹刀を振る時みたいに・・・」
「剣道って言っても女の人に分かるかよ」 (・・・私のために争わないで?(笑))
「男性の例えは、分からないよね、最後に引くといいのよ」
と、ブナの会の女性も横に来て振り方を教えてくれた。
最後は、終に「このアックス、効かないんじゃない?」それで、「僕のん、貸してあげるよ」という話になった。
振ってみたら、「あ!ホントだ~」
一家総出で、末っ子のスキルアップ対策に出た感じだ(笑)
それでありがたいな~と思った。和気あいあいってこういうことだ。みんなで上手になるってこういうことだ。
・・・と身を持って体験した。
この”場”の形成には、ベテランの存在感が一役買っていた。父親の安全な監視の下で、楽しく遊ぶ子供たち、な感じだった。
相方は、ムーブはきれいで無理があまりなく、力んでいない。ちょっと鼻が高い気がした。誰も彼にはアドバイスしない(笑)。
私は、この時はすごく力んでいたのだろう…
■ 本当のところの分かり方
翻って、美濃戸口の滝だが、
黒服組のとなりで、私がリード練習を始めた。皆、注視。
降りてきて、「こっちのラインは、もうそろそろ片付けますから、使っていいですよ」と言うと、初めて黒服グループが口を聞いてくれた。
それで、私の方が上手だったんだナーと分かった(笑)。
単純な人たちだ。悪い人たちじゃないんだろう。損してるよ~と教えてやりたいが無理だろう。
この事件で、私はカエル登りよりは実力があり、フリーが上手な人よりは実力がないことが分かった。
でも、カエル登りでもリードを頑張るくらいなんだから、頑張らないといけない。
■ 初心者は愛される
2度目の小滝へは、会のサクちゃんとアイス初めてのキリちゃんと、前に一緒だった飯田の友達と4人で出かけた。
となりは6人の各会の寄せ集め部隊。さらに二人後でクライマーが来た。
さくちゃんは今年のアイスは初だったので、たぶん、ガチガチに緊張して登れないのではないかと思ったら、ゆとりのクライミングで、なんか問題どこにもなさそうだった。なんだ~。足慣らしOKって感じ。
キリちゃんはアイス初めて。だから、クランポンの調節から。
女の子は女の子が教えた方が良いから、振り方から教えた。それで、周囲の人も、「あ、初めてなんだな~」と分かってくれたみたいだった。
キリちゃんが登り始めると、小滝にいる全員がフリーズ状態になって、自分が登る手を止め、キリちゃんにアドバイス。
「次、右足」 「次は右手」「足は蹴らないとダメだよ~」「サッカーで蹴るみたいに」
![]() |
| 初めてアイス |
いきなりバーチカルだからなぁ…
そして、二人目、三人目が登り始めると、もう誰も注目しない。それぞれのパーティで好きに登る。
またキリちゃんの番になる。このラインが短くて簡単だよ~と一番楽なライン。
すると、また全員注目。下から「頑張れ!」「腕を閉じろ!」「ちょうど真下にスタンスがある!」と声がかかる。
登っているほうは、色々声がかかりすぎて、どうしていいか分からなくなっている。
それでも、粘っていると、さらに皆の士気が上がる。「そうだ!いいぞ!」「そこでちょっと休んで」「三角形を作って」
やっと登り終え、降りてきて、「癖になりそう…」と言った時には、全員がにっこりした。
めでたく一本完登だ。
プレッシャーではなく、励ましを与えること、これが大事なことだ。
■ 登れるようになりたいのは普通
思うに、クライミングにおいて、登れるようになりたいのは、人間が生きることにおいて、成長したいのと同じだ。
進化するという一方向しか方向性はない。
だから、誰がクライミングしても、回を重ねれば重ねるほど上手になるし、回が重ねられるか、重ねられないかは、ただ都合によるだけだ。
都合がついて登れるようになった方がリードすればよく、リードできるほうがより楽しいのであるから、別にリードしたくない人がリードしなくても構わない。
子供の成長に、色々なスピードがあるように、クライミングだって、個々人にふさわしい成長ペースがあり、個人の中でも成長は線形的ではなく、ある日突然プラトーを脱し、上手になったりする。
毎日毎日、クライミングすれば、誰もが上手になる。
だからと言ってなんだろう?クライミングはしょせん遊びだ。
絵がうまくても実生活に特に役立たないように、クライミングが上手くても、実生活に特に役立たない。
遊びに人生を掛けてしまってはいけない。自分を賭けてしまってもいけない。
クライミングが上手い人と妬むようになったら、それは少しヤバいかもしれない。
ただの遊びがただの遊びでなくなってきている傍証だ。
何事も下手を羨ましがる人はいない。だから、と言って、上手だからって、それが人格のすべてではない。
つまり、登れるほうがエライのでもなんでもない。カッコは良い。でもカッコ悪くても別にかまわない。
遊びだから、本人が楽しく登れれば、正解なのだ。
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| 超特急クライム |
Sunday, March 15, 2015
アイス擬似リード
今日も山は悪そうですが、甲府は穏やかに晴れています。
夫と二人で寝坊。自家製イチゴジャムでトーストを食べて、まったり休日モードです。
昨日のギアを片づけたり、洗濯物をしたり、の一日にします☆
擬似リード
夫と二人で寝坊。自家製イチゴジャムでトーストを食べて、まったり休日モードです。
昨日のギアを片づけたり、洗濯物をしたり、の一日にします☆
擬似リード
Thursday, March 5, 2015
勝負グローブと冬グローブ
![]() |
| 防寒ウレタン |
アイスクライミングでは、
勝負グローブ
が要る。というのは、スクリューのセットや、アバラコフの制作など、細かな作業が多く、ごつい手袋でやっていると時間がかかり、リスクも高まるからだ。
操作性&グリップの良さ
が重要だ。
私の使っているのは、防寒ウレタン手袋。これは暖かくて、かつ手のひらがウレタンなので、非常に滑りづらい。
ネオプレンのもよさそうだ。
![]() |
| 一体型 |
一体型
と言われる手袋。ライナーが一体になっている。中はポリエステルライナーだが、とても暖かく、一般的な冬山では、縦走時の稜線もこれで済んでしまう。
ポイントは
手のひらが全部皮
暑すぎず薄すぎず
ということだ。ラッセルには使わないので、肘まで長い必要はない。
ノーズワイプまで皮のものが良い。
![]() |
| 冬グローブ |
次が、一般的な
冬山用
と言われるグローブで、ウールのライナーと透湿防水素材のアウターがセットになっている。
一般的には、これは縦走時、稜線で使う。が、風がなければ、要らないことも多い。
これも手のひらが皮だと、ピッケルを持っても滑らず良い。ポイントは、腕に通すゴムを付けておくこと。
手袋を落とすとシャレにならないが、稜線で使うので、よく飛ばされる。
大体が初心者が行くような冬山では、これは出番がないで使わないで済んでしまうことも多い。稜線に滞在する時間が短いからだ。でも、類似品か同等品くらいは持っていないと、冬山に行く資格自体がはく奪される。 このグローブは、一体型より操作性に劣るので、
・カメラのシャッターを押す練習
・アイゼンを履く練習
・ビレイの練習
はこれでしないといけない。家で練習する。化繊のインナーとセットで使う。
■ ピンチ用グローブ
このグレーの手袋。こだわりのある山ヤさんは、
ハンガロン
を使う。使い込めば目がつんできて
(フエルト化)、毛糸だけでも風を通さないグローブになるらしい。
私は今のところ、これは
予備のグローブ
として控えさせている。ウールは濡れても温かいとは言われている。
が、濡れて稜線の風にさらされるのはちょっとゴメンこうむりたい。
これは二本指のミトン。
ミトンは保温性が高い
というわけで、本当にシビアな時はこれ。当然だが透湿防水。
登りを終えて、下山時には、これを使う。
ラッセルでも使えるよう、
肘まである
のがポイント。
ただラッセル用、雪洞用には他のが良いので、なかなか出番がない手袋だ。
■ ラッセル&雪洞用手袋
ラッセル&雪洞は、風ではなく
濡れ
が問題だ。
それでよいのはゴム手。
防寒手袋の”はなな”は、ホームセンターで売っているが、寒冷地でないと取り扱いがないかもしれない。
農家の御用達品だ。
1800円ほど。中はフリースの二重になっている。
最近、ホームセンターで、テムレスという透湿防水のゴム手
を発見した。650円ほどだった。
これはいいかも・・・と、とりあえずゲット。
春先のアイスは濡れてくるので、一つあっても良いかもしれない。
■ 手袋長者
実は、冬山でも里山では100円ショップで買った毛糸の手袋で十分だったりしている。
歩いていれば、人間は大丈夫なのです。(そのことは、深い示唆があるような気がするのですが)
同じくインナー手袋も、化繊であれば、100円のと600円のとはあまり違いがなかった。それより
体温で雪が解けてすぐ濡れるので、替えがあるのが大事と思う。
濡れた手を風に晒してはいけない
これは夏山でも同じ。夏の方が雨でぬれて稜線に出るので防水性は重要だ。
基本的には厚手のは出番がかぎりなくすくない・・・最近はダウンでできた手袋も出たそうだが、ダウンは温かいが濡れるとダメなのではないだろうか?シンサレートの手袋は暖かくて良かった。
靴下はスマートウール一本で浮気なしだが、手袋は、色々あるな~と気が付いた。
Friday, January 23, 2015
トレジャーハンティング
師匠が、つい最近発見した氷瀑を評価してくれたので気をよくしています♪
これ♪
私の中では、ココと、ココも、もしかしていいのかなぁ?なんて思っている場所なんだが・・・。
北むきだし、登山道で遡行できそう。
この沢の下部には滝があった。不動滝。
北向きの滝。でも傾斜が緩すぎるかなぁ~
大滝はどうなんだろう?
これ♪
この日、装備がアイス装備でなく、長靴で行ったので、当然、登れませんでしたが、登ろうと思えば登れることは確実な滝でした。
混んでるゲレンデより、空いてる無名滝かなぁ・・・。
金ヶ窪沢は山梨の山岳会だけの場所かと思っていたら、そうでもないらしい。遠くからも来ていてビックリ。
この辺は雪が少ない割に寒く、道路の染み出しがいつも凍っています。なので、登れる滝が実はいくつもあるんではないか・・・と思っているんですが・・・。
わざわざ降りて見に行った、堰堤の氷・・・。
なんか登れそう、けど下がね~。靴が濡れるのはなー。もう少し寒いと氷結もよいのか?
こういう風になってくれたらいいのにな~ それでも完全氷結ではないので、濡れそうでやだけど。
アイスの可能性のあるところを見つけるのは、なかなか難しい。
1)北面の沢
2)直瀑 ナメでないところ
3)水量がそう多くないこと
が3大条件か?
北面じゃないと凍らない、とは限らないのだが、南沢小滝も大滝も、金ヶ窪沢も北面だ。やはりあたりが多そうなのは北面か・・・
そして直瀑でないと、流れがあると凍らない。
その次に水量。水量が多くても、直瀑であれば、端っこは凍るみたいだ。
それにしても、夏は南沢大滝はどうなっているのだろうか?アイスの時期にしかのぼれないのではないだろうか?
醤油樽の滝は、無雪期にも遡行記録があって、無雪期も登られていて、それなりに楽しそうだった。
夏の沢歩きでは、北面の沢かどうか、なんて気にして歩かない。それに直上しないといけない長い滝はパスして、巻くことがほとんどだ。滝はプロテクションがとれないから、長いのは危なくて登れない。落ちても軽傷で済むような、小滝が連続するようなところが楽しい・・・それでどうしても、冬のアイスに適したような滝がある沢と夏に遡行に適した沢は違ってきてしまうのだ。
北むきだし、登山道で遡行できそう。
この沢の下部には滝があった。不動滝。
北向きの滝。でも傾斜が緩すぎるかなぁ~
大滝はどうなんだろう?
Friday, January 16, 2015
技術があれば冬の富士山に登れるのか?
■ 海外トレッキングの本
私は海外にいたときにバッグパッカーを羨ましいと思いました。なので、いつかは海外のトレッキングに行って、その夢をかなえるべきですね。
それには、海外のトレッキング用語に、今のうちから、時々接して、慣れておいた方が良い。
で、FBでは海外の雑誌をフィードしています。便利な世の中ですね~。
たまたま来た情報で、アパラチアントレイルを女性初スルーハイクしたおばあちゃんの本を今日は発見しました!
そのついでで、今日は、日本の山々を海外に紹介しているGaryさんのサイトも発見しました☆
■ リバークランポン?
年末、雇い主が、11月のお給金を渡すのを忘れていたみたいで(笑)、先週になって、11月と12月と2か月分来てしまいました(笑)。
おまけに、明日、新年会で、今年のレインジャーの出動分の支払いがあります♪
となると、おもわぬボーナス?!(普通のお給料だけど ^^;)
ということで、昨日からパタゴニアのウェブサイトで、何を買おうかな~と、首っ引きなのですが、こういう時に限ってセール品が貧弱!買いたいのがない!
リバークランポンという製品がパタゴニアにはあり、河原歩きには最強、というふれこみなのですが、どうなのでしょうか?
私は沢はフェルトですが、ときどき、河原でバランスを崩して、ひやっとしましたし、河原歩きは苦手なので試してみたい気がしますが…1.5万円かぁ…。
フェルトシューズは靴底が柔らかいので、このクランポンをつけたら足が痛いかもしれない…。
以前柔らかいアプローチシューズにチェーンアイゼンをつけて雪渓を歩いたら、足が痛かった…
■ 技術がないと山に登ってはいけないのか?
私は登山は、核心部=リスクを中心に計画組み立てると安全登山につながると思いますが、技術がないと、山に行ってはいけないとは言っていません。が、どうもそういう誤解が多いようです。
技術に100%確実がない以上、技術を身に着けなければ行ってはいけないのであれば、行ける山はゼロになります。
でも、セックンしないで、冬山に入りますか?ピッケルの使い方も学ばないでピッケル持ちますか?
たぶん、どの程度、どんな技術をつけたら、どのようなルートに行っていいのか?むしろ、そんな議論をしないといけないんでしょうね。建設的に議論するには。
ビレイできないのにクライミング行って、その人にビレイしてもらっても、無事クライミング出来て、帰ってこられるのが9割でしょう。
しかし、それって時限爆弾ですよね。
技術をないがしろにしたまま、(要するにビレイをマスターしようと思うことなく)、登り続ければ、いつかクライマーが落ちる日が来ます。で、ビレイをマスターしなくてはという意識がない人が、その日には、ビレイの技術が身についている可能性は?ゼロです…。
多少拙い技術でも、出かけて行ってしまう方が良いというのは、私はどちらかというと、賛成ですが、そこから学ぶ人限定です。
例えば、私と夫は権現に登るスキルは、冬山1年目はなかったので、ずっと三ツ頭止まり(笑)
やっと登れたときは成長したなあぁと思いました(笑)
初めて四尾根に行くときに15時間かかって、次に行った時に14時間かかって、その次に行った時に13時間かかって、・・・となって行けば、成長を実感するでしょう。
でも、基本的に例えば、4尾根だと、何が出来ていないと、四尾根に行ってはいけないのか?
つまり、核心が何か?を真摯に理解しようとし、その核心を乗り越えようとする、くらいの努力は必要だと思います。
そうでないと、”行ってみたら行けちゃった登山”の連続にしかなりません。
行って見ていけちゃった山からは人は全然学びません…。
それだけならいいけど、天狗になる。
富士山で亡くなった人がいますが、その人は滑落後、遭難したそうなので、端的には技術のミスです。
技術があれば、冬の富士山に行っていいのか? 私には全然わかりません。
でも、行く限りは死を覚悟して行ったでしょう。
富士山での滑落なんて、技術で防げるものなんだろうか?
強風で煽られたら、ひとたまりもありません。転がり落ちたら、手足がバラバラになるくらいの斜面です。
去年アイスクライミングに行った時に、中が空洞のこんなアイスを登って、スタンスが外れ、ビレイがあったので、ホッとしました。
が、こんなのクライミングの上手下手の問題なんだろうか?
上手でも外れるときは外れるのでは?
というわけで、これだって、死の覚悟がないと行けないと思います。みんなそんなことは考えずに行っていて、私もこのルートに行った時は、ただ脳天気について行っただけです。
でも、やっぱりアイスは落ちたら死にますよねぇ・・・
このリンクのサイトはとっても良いサイトですが、作者が亡くなっています。それもご近所です・・・
私は海外にいたときにバッグパッカーを羨ましいと思いました。なので、いつかは海外のトレッキングに行って、その夢をかなえるべきですね。
それには、海外のトレッキング用語に、今のうちから、時々接して、慣れておいた方が良い。
で、FBでは海外の雑誌をフィードしています。便利な世の中ですね~。
たまたま来た情報で、アパラチアントレイルを女性初スルーハイクしたおばあちゃんの本を今日は発見しました!
そのついでで、今日は、日本の山々を海外に紹介しているGaryさんのサイトも発見しました☆
■ リバークランポン?
年末、雇い主が、11月のお給金を渡すのを忘れていたみたいで(笑)、先週になって、11月と12月と2か月分来てしまいました(笑)。
となると、おもわぬボーナス?!(普通のお給料だけど ^^;)
ということで、昨日からパタゴニアのウェブサイトで、何を買おうかな~と、首っ引きなのですが、こういう時に限ってセール品が貧弱!買いたいのがない!
リバークランポンという製品がパタゴニアにはあり、河原歩きには最強、というふれこみなのですが、どうなのでしょうか?
私は沢はフェルトですが、ときどき、河原でバランスを崩して、ひやっとしましたし、河原歩きは苦手なので試してみたい気がしますが…1.5万円かぁ…。
フェルトシューズは靴底が柔らかいので、このクランポンをつけたら足が痛いかもしれない…。
以前柔らかいアプローチシューズにチェーンアイゼンをつけて雪渓を歩いたら、足が痛かった…
■ 技術がないと山に登ってはいけないのか?
私は登山は、核心部=リスクを中心に計画組み立てると安全登山につながると思いますが、技術がないと、山に行ってはいけないとは言っていません。が、どうもそういう誤解が多いようです。
技術に100%確実がない以上、技術を身に着けなければ行ってはいけないのであれば、行ける山はゼロになります。
でも、セックンしないで、冬山に入りますか?ピッケルの使い方も学ばないでピッケル持ちますか?
たぶん、どの程度、どんな技術をつけたら、どのようなルートに行っていいのか?むしろ、そんな議論をしないといけないんでしょうね。建設的に議論するには。
ビレイできないのにクライミング行って、その人にビレイしてもらっても、無事クライミング出来て、帰ってこられるのが9割でしょう。
しかし、それって時限爆弾ですよね。
技術をないがしろにしたまま、(要するにビレイをマスターしようと思うことなく)、登り続ければ、いつかクライマーが落ちる日が来ます。で、ビレイをマスターしなくてはという意識がない人が、その日には、ビレイの技術が身についている可能性は?ゼロです…。
多少拙い技術でも、出かけて行ってしまう方が良いというのは、私はどちらかというと、賛成ですが、そこから学ぶ人限定です。
例えば、私と夫は権現に登るスキルは、冬山1年目はなかったので、ずっと三ツ頭止まり(笑)
やっと登れたときは成長したなあぁと思いました(笑)
初めて四尾根に行くときに15時間かかって、次に行った時に14時間かかって、その次に行った時に13時間かかって、・・・となって行けば、成長を実感するでしょう。
でも、基本的に例えば、4尾根だと、何が出来ていないと、四尾根に行ってはいけないのか?
つまり、核心が何か?を真摯に理解しようとし、その核心を乗り越えようとする、くらいの努力は必要だと思います。
そうでないと、”行ってみたら行けちゃった登山”の連続にしかなりません。
行って見ていけちゃった山からは人は全然学びません…。それだけならいいけど、天狗になる。
富士山で亡くなった人がいますが、その人は滑落後、遭難したそうなので、端的には技術のミスです。
技術があれば、冬の富士山に行っていいのか? 私には全然わかりません。
でも、行く限りは死を覚悟して行ったでしょう。
富士山での滑落なんて、技術で防げるものなんだろうか?
強風で煽られたら、ひとたまりもありません。転がり落ちたら、手足がバラバラになるくらいの斜面です。
去年アイスクライミングに行った時に、中が空洞のこんなアイスを登って、スタンスが外れ、ビレイがあったので、ホッとしました。
が、こんなのクライミングの上手下手の問題なんだろうか?
上手でも外れるときは外れるのでは?
というわけで、これだって、死の覚悟がないと行けないと思います。みんなそんなことは考えずに行っていて、私もこのルートに行った時は、ただ脳天気について行っただけです。
でも、やっぱりアイスは落ちたら死にますよねぇ・・・
このリンクのサイトはとっても良いサイトですが、作者が亡くなっています。それもご近所です・・・
Monday, December 15, 2014
そろそろリード
■そろそろリード
昨日はアイスクライミングに行っていて、
そろそろリードしないといけないなぁ…
と思った。
基本的に、パンプしにくい登りを目指すのが、アイスクライミングだが、昨日は6本登って、一度もパンプしていない。
スクリューは、自分のを持って行ったが、混んでいて、ラインを占領すると悪い感じで、練習する箇所がなかったので、一回打ってみただけだ。
■ 去年と今年
去年も一本目のアイスは南沢小滝だった。しかし、私はその前の年に1度、保科ガイド主催の体験クライミングの経験があるだけで、まったくクライミングそのものが初心者だった。岩も知らない。人工壁も知らない。むろんリード経験もない。
去年の一本目のアイスは、そのような初心者がいきなりビレイを任される、という、これまた、”トンデモ”な部類に入りそうな状態だった。
ちなみに人工壁でも岩でも行ったことがないのだから、当然だがビレイしたことはほとんどない。トップロープでのビレイが1、2回のレベルだ。
その状態で、生涯で2度目のアイスクライミング&ビレイヤーデビュー。行くときはハイキングに誘われて出かけたので、そんなことになろうとは、想像だにしておらず、おったまげた。
今思えば、この事態は危険だ。安全マージン=ゆとり、が少ない。しかし、知らされていないのだから、その無謀さが分かりようもない。
幸いなことに、去年小滝には顔見知りの若手ガイドさんがいて、初心者講習中だった。
たぶん、事態を敏感に察して、のことだと思うが、ロープを貸してくれた。ついでにアレコレ技術指導までしてもらったような・・・? 仕方ねーなーってヤツ…ですね。ホントに山は助け合いの世界ですね。
お金を払って講習を受けている人には申し訳ない。が、そういう人達はエリート育ちで、エリートたちはすごく上手だ。羨ましい。
お金がない人は、私のような、アブナイ橋を渡ながら成長せざるを得ないので、ある意味、登山を続けている、ということ自体がサバイバルだ。いつ死んでもおかしくないカモ(笑)?
しかし、このような初心者でも何とかなったのは、アイスだから、でもある。アイスは登山を知らなくてもできるクライミングだ。アイスは難しいけれど、登山経験は要らないのだ。
http://ishidatozanjukunisshi.blogspot.jp/2013/02/blog-post_25.html
要約すると、
私自身もも ”ダメダメ路線”×”非常識者”丸出しだった
わけで… 人のことは言えない。
去年の今頃は、そのような状態で、私は岩さえ知らず、いきなりアイスでビレイヤーデビューしてしまった。次に2回目の小滝に行った時には、すでにもう教える側だった(汗)。
そのような混沌とした状況だったので、師匠がアイスでリードさせようとすることに、根本的に不安が抜けなかった。
なにしろクライミングの安全管理についてまったく無知だったし、アイスと言えば、ベテランが危険だと言って、かなり嫌がる活動だ。なぜ嫌がっているのかは、教えてはくれないが、危険が大きく嫌だと言うことは、小耳に入っている。
何がどう危険なのか?
全く分からなかった。それはつまるところ、危険から自分の身を守ることを知らない、という意味だ。
それを自覚していたので、怖ろしかったのだ。
■ リードについての理解が進んだ今年
しかし、今年の夏は、縦走ではなく、ずっとクライミングしていたおかげで、だいぶクライミングシステム自体に、理解が進んだ。つまり、
何をして良くて、何をしてはダメか?
が分かった。
分かっていない人は、分かっていない場所に立つし、それは分かっている人から見れば自明だ。
アイスにしても、岩にしても、危険が分かる人に、リードさせた方が良いと思う。
もしかしたら、どんなに教えても、一生分からない人もいるかもしれない。
しかし、今年の私は、去年の私とはずいぶん違う。色々と分かっている。説明するのは、非常に難しい。何が、どうした、と話をまとめれば、一冊の本が書けてしまいそうだ・・・。
だが、分かってきたのだ。
なので、そろそろリードしないといけない。
リードが必要なのは、リードが本来の登り方だからだ。 山にトップロープがあるわけがない。
それ以外に理由はない。リードが特別難しいのではなく、その逆だ。トップロープが特別楽なのだ。
しかし、トップロープが必要なのは、リードでの危険性を理解していない人を騙して登らせるためだ。
つまり、トップロープクライミングは、悪魔のささやき、だ(笑)。
■ ビレイヤーがいない…
しかし、ビレイヤーがいない…。
”信頼関係”というが、それは、もしかしたら、単純にクライミングを分かっているか、いないか?っていう問題に過ぎないかもしれない。
クライミングの安全管理が分かっていない人には、初心者のリード練習はビレイさせられない。
初心者だけに落ちる可能性が大きいからだ。落ちたら止めてもらわなければいけない。止める気の無いビレイをする人にはビレイはさせられない。
となると、思い浮かぶ顔は、ほとんどいないと言うのが実情だ。
リードのビレイはシビアだ。特に初心者であれば、どのような氷であっても、自分の限界グレードで登っているリードになるわけで、信頼できないビレイヤーのビレイで、限界グレード近くに行けるはずがない。
アイスは特にシビアで、去年もリードのビレイで落ちて人が亡くなっていたりする。アイスのビレイは少々普通のビレイとは、ことが違うからだ。
≪アイスクライミングの危険≫
1.フォールの危険性 → テラスがあれば、グランドフォールの危険がある。スラブと同じ。
2.氷の見極めに経験が必要 → 支点崩壊
3.支点作業が長い → スクリューを打っても、効いているかどうかの判断が難しい
4.ビレイの難しさ → リードが落ちた時の状況を想像出来る人にでないといけない
5.落氷の危険 → ビレイヤーはクライマーの真下に入れないこともある
6.終了点作業が難しい → アバラコフ
7.手袋での作業 → ダブルロープを連結してトップロープにする。
しかし、安心してリード練習に挑める信頼できるビレイがーがいない・・・本当に困ったな。

≪関連記事≫
初心者をアイスに連れて行ってしまったこと
昨日はアイスクライミングに行っていて、
そろそろリードしないといけないなぁ…
と思った。
基本的に、パンプしにくい登りを目指すのが、アイスクライミングだが、昨日は6本登って、一度もパンプしていない。
スクリューは、自分のを持って行ったが、混んでいて、ラインを占領すると悪い感じで、練習する箇所がなかったので、一回打ってみただけだ。
■ 去年と今年
去年も一本目のアイスは南沢小滝だった。しかし、私はその前の年に1度、保科ガイド主催の体験クライミングの経験があるだけで、まったくクライミングそのものが初心者だった。岩も知らない。人工壁も知らない。むろんリード経験もない。
去年の一本目のアイスは、そのような初心者がいきなりビレイを任される、という、これまた、”トンデモ”な部類に入りそうな状態だった。
ちなみに人工壁でも岩でも行ったことがないのだから、当然だがビレイしたことはほとんどない。トップロープでのビレイが1、2回のレベルだ。
その状態で、生涯で2度目のアイスクライミング&ビレイヤーデビュー。行くときはハイキングに誘われて出かけたので、そんなことになろうとは、想像だにしておらず、おったまげた。
今思えば、この事態は危険だ。安全マージン=ゆとり、が少ない。しかし、知らされていないのだから、その無謀さが分かりようもない。
幸いなことに、去年小滝には顔見知りの若手ガイドさんがいて、初心者講習中だった。
たぶん、事態を敏感に察して、のことだと思うが、ロープを貸してくれた。ついでにアレコレ技術指導までしてもらったような・・・? 仕方ねーなーってヤツ…ですね。ホントに山は助け合いの世界ですね。
お金を払って講習を受けている人には申し訳ない。が、そういう人達はエリート育ちで、エリートたちはすごく上手だ。羨ましい。
お金がない人は、私のような、アブナイ橋を渡ながら成長せざるを得ないので、ある意味、登山を続けている、ということ自体がサバイバルだ。いつ死んでもおかしくないカモ(笑)?
しかし、このような初心者でも何とかなったのは、アイスだから、でもある。アイスは登山を知らなくてもできるクライミングだ。アイスは難しいけれど、登山経験は要らないのだ。
http://ishidatozanjukunisshi.blogspot.jp/2013/02/blog-post_25.html
要約すると、
私自身もも ”ダメダメ路線”×”非常識者”丸出しだった
わけで… 人のことは言えない。
去年の今頃は、そのような状態で、私は岩さえ知らず、いきなりアイスでビレイヤーデビューしてしまった。次に2回目の小滝に行った時には、すでにもう教える側だった(汗)。
そのような混沌とした状況だったので、師匠がアイスでリードさせようとすることに、根本的に不安が抜けなかった。
なにしろクライミングの安全管理についてまったく無知だったし、アイスと言えば、ベテランが危険だと言って、かなり嫌がる活動だ。なぜ嫌がっているのかは、教えてはくれないが、危険が大きく嫌だと言うことは、小耳に入っている。
何がどう危険なのか?
全く分からなかった。それはつまるところ、危険から自分の身を守ることを知らない、という意味だ。
それを自覚していたので、怖ろしかったのだ。
■ リードについての理解が進んだ今年
しかし、今年の夏は、縦走ではなく、ずっとクライミングしていたおかげで、だいぶクライミングシステム自体に、理解が進んだ。つまり、
何をして良くて、何をしてはダメか?
が分かった。
分かっていない人は、分かっていない場所に立つし、それは分かっている人から見れば自明だ。
アイスにしても、岩にしても、危険が分かる人に、リードさせた方が良いと思う。
もしかしたら、どんなに教えても、一生分からない人もいるかもしれない。
しかし、今年の私は、去年の私とはずいぶん違う。色々と分かっている。説明するのは、非常に難しい。何が、どうした、と話をまとめれば、一冊の本が書けてしまいそうだ・・・。
だが、分かってきたのだ。
なので、そろそろリードしないといけない。
リードが必要なのは、リードが本来の登り方だからだ。 山にトップロープがあるわけがない。
それ以外に理由はない。リードが特別難しいのではなく、その逆だ。トップロープが特別楽なのだ。
しかし、トップロープが必要なのは、リードでの危険性を理解していない人を騙して登らせるためだ。
つまり、トップロープクライミングは、悪魔のささやき、だ(笑)。
■ ビレイヤーがいない…
しかし、ビレイヤーがいない…。
”信頼関係”というが、それは、もしかしたら、単純にクライミングを分かっているか、いないか?っていう問題に過ぎないかもしれない。
クライミングの安全管理が分かっていない人には、初心者のリード練習はビレイさせられない。
初心者だけに落ちる可能性が大きいからだ。落ちたら止めてもらわなければいけない。止める気の無いビレイをする人にはビレイはさせられない。
となると、思い浮かぶ顔は、ほとんどいないと言うのが実情だ。
リードのビレイはシビアだ。特に初心者であれば、どのような氷であっても、自分の限界グレードで登っているリードになるわけで、信頼できないビレイヤーのビレイで、限界グレード近くに行けるはずがない。
アイスは特にシビアで、去年もリードのビレイで落ちて人が亡くなっていたりする。アイスのビレイは少々普通のビレイとは、ことが違うからだ。
≪アイスクライミングの危険≫
1.フォールの危険性 → テラスがあれば、グランドフォールの危険がある。スラブと同じ。
2.氷の見極めに経験が必要 → 支点崩壊
3.支点作業が長い → スクリューを打っても、効いているかどうかの判断が難しい
4.ビレイの難しさ → リードが落ちた時の状況を想像出来る人にでないといけない
5.落氷の危険 → ビレイヤーはクライマーの真下に入れないこともある
6.終了点作業が難しい → アバラコフ
7.手袋での作業 → ダブルロープを連結してトップロープにする。
しかし、安心してリード練習に挑める信頼できるビレイがーがいない・・・本当に困ったな。

≪関連記事≫
初心者をアイスに連れて行ってしまったこと
Sunday, March 2, 2014
カシンXドライ、終に購入
■要るモノは要るモノ
夫は先週金曜日に出張で東京だった。
帰りに秋葉に寄るっていうので、秀山荘のセールで、アイスアックスを買ってきてもらった。
アイスシーズンは、終わりだけどね~(笑)。
でも山道具はシーズン終わりが狙い目だ。
X-ドライは最後の一本だった。
けど、4月から消費税が上がるらしいので、思い切って購入。
要るモノは、要るモノ。
要るものなら、買うのが遅くなれば、使用する期間が少なくなるだけ。
だから、要るものを買うのに、躊躇は要らないと思う。
が、
要るものが一体何なのか?
そこのところの見極めは重要だ。
何しろ、ツールは高いので。
(服に全然回らない・・・涙)
アックスは、1本目は定番のクオークにした。
私はテクニカルアイス志向ではないので、タツノオトシゴ型のアックスはオーバースペックで、出来れば普通のアルパインにも使いたいので、ハンドルではなく、スピツェが付いているものが良い、となると、選択肢は、バナナ型になる。
定番のクオークは誰もが持っている。2本目は少し節約して、カシンのXドライ。これは保科さんの講習で、私のために保科さんが持ってきてくれたアックスで、クオークより50gくらい重い。が、定価が25000円で5千円ほど安い。秀山荘のセールで10%オフでした☆ ちょっと節約。
バナナ型 テクニカルアイス
ペツル クオーク ノミック
カシン Xドライ Xドリーム
≪参考≫
アイスアックスの研ぎ方、選び方など。
スクリュー13cmと19cm。6300円もする。短くても長くても同じ価格だ。もう一本16cmがあってもいいかもしれない。スクリューは16cmが最初に売り切れてしまう。
ホントは、新しくペツルから出たスクリューのシャープナーも欲しかったがあきらめた。理由は、まだ研ぐ必要があるほど使っていないから。
アバラコフの治具も欲しかったけど、あきらめた。のは、パーティに一つあれば済む装備だから。
私がリーダーでアバラコフで懸垂するようなルートに行くのは、一体何年先か?それもあるのかないのか、分からない。ということで後回し決定。
これらより、今持つべきは50mシングルロープである。30mのダブルしか持っていないので、トップロープでの練習ができない。
実はもうレインウェアが水をはじかなくなってしまったので、新しいのを買うタイミングらしいが、こうした優先度を考えると、どうしても洋服が後回しになってしまう…。
アックスは、節約しようと思えば、ヤフーオークションで、旧式のクオークとか、カジタックスの古いもの、とか出ていたりする。金物は、古くてもまったく問題なく使えるのでねらい目ではあるが、
・重さが書いていない、とか (重くて振れなかったら、どうしよう・・・汗)、
・振った時の感触が分からない、とか、(刺さりが悪かったら、どうしよう・・・汗)
・もしシャープでなかった時に研ぐ技術がない(汗)とか・・・、
そういう理由で、中古には手が出ない。スイマセン。修業が足りません。だから、中古を買える人は、そもそも、すでに技術がある人だけかもしれない・・・。
あとはフライパン。セールで1680円。これは夏山用で前からフライパン欲しかったんだった。即決価格です(^^v)。
■ カレー晩御飯
夫と山に行っている時は、二人ともバテて伸びてしまっても問題なかった。
が、夫以外の人と山に行って返ってくると、主婦の仕事は、やっぱり待っている・・・(^^;)という訳で、上手な手抜きの技を開発しなくてはならない。
下山が早ければ、道の駅などで、スーパーでは手に入らない野菜なんかを買ってくる。
今回は遅かったので、プラテーロに寄って、翌日のパンを購入。
このカレーはベジタリアンだったので試してみた。コーシャでグルテンフリーらしい。
とってもおいしかった。これは夏山でいいかも?580円。
人参入りのマッシュトポテト、ワイン、チーズで晩御飯にした。
手作りナンとフルーツも入れれば、ごちそうかも?
■ 来週は渋温泉へ
今シーズンは夫と出かけるより、他の人と出かける方が多かった。
夫は、といえば、なんだかそれでもよさそうな顔をしているが、我が家は子供ができなかったので、夫婦二人の生活がこれからも続くしかないんだし、人生は長いと思っていても短い。
それはこれまでの20年を振り返れば分かる。
ちゃんとお互いを楽しむことができる時間に、楽しんでおかないと後で後悔しても遅い。
死んでから妻に愛しているという夫は多いが、それでは遅いのだ。逆も真なり。
という訳で、来週は夫と温泉に行くことに。彼は温泉大好きだから。
行き先は、乗鞍か、新穂高、美ヶ原や霧ヶ峰方面を考えていた。
まだ、黒斑山も行っていないから行ってもいいし、冬の霧ヶ峰も行ってみたいし、また鷲ヶ峰をリベンジしても良いし、今年は車山も当たり年のようだし。西穂独評に行くのも良いような気がする。坂巻温泉から、上高地を散策するくらいならできそうだ。
焼岳も残っているし・・・乗鞍の善五郎の滝、というのも上がっていた。夫はまだ氷瀑をみていないので、滝を見るだけのツアーもいいだろうと。
でも、検索していたら、渋温泉の金具屋が空いていた。
夫は二つ返事で「行く~!」 彼、前から行きたかったのだ。
ここは千と千尋の神隠しのモデルになった温泉の一つらしい。
というわけで、来週は久しぶりに温泉にGO!決定。
志賀高原の近くなので、どこかいいハイキングルートはないかと調べ中。 スキー場が一杯あるので、行けば、適当なハイキングルートがあるような気がする。
夫と行ける、ということを考えると、あまりラッセルの凄すぎる山はいけない。どこも候補がなかったら、ロープウェーが利用できる、唐松岳に行って帰ってくる予定だ。
誰かいいところ知っていたら教えてください☆
夫は先週金曜日に出張で東京だった。帰りに秋葉に寄るっていうので、秀山荘のセールで、アイスアックスを買ってきてもらった。
アイスシーズンは、終わりだけどね~(笑)。
でも山道具はシーズン終わりが狙い目だ。
X-ドライは最後の一本だった。
けど、4月から消費税が上がるらしいので、思い切って購入。
要るモノは、要るモノ。
要るものなら、買うのが遅くなれば、使用する期間が少なくなるだけ。
だから、要るものを買うのに、躊躇は要らないと思う。
が、
要るものが一体何なのか?
そこのところの見極めは重要だ。
何しろ、ツールは高いので。
(服に全然回らない・・・涙)
アックスは、1本目は定番のクオークにした。
私はテクニカルアイス志向ではないので、タツノオトシゴ型のアックスはオーバースペックで、出来れば普通のアルパインにも使いたいので、ハンドルではなく、スピツェが付いているものが良い、となると、選択肢は、バナナ型になる。
定番のクオークは誰もが持っている。2本目は少し節約して、カシンのXドライ。これは保科さんの講習で、私のために保科さんが持ってきてくれたアックスで、クオークより50gくらい重い。が、定価が25000円で5千円ほど安い。秀山荘のセールで10%オフでした☆ ちょっと節約。
バナナ型 テクニカルアイス
ペツル クオーク ノミック
カシン Xドライ Xドリーム
≪参考≫
アイスアックスの研ぎ方、選び方など。
スクリュー13cmと19cm。6300円もする。短くても長くても同じ価格だ。もう一本16cmがあってもいいかもしれない。スクリューは16cmが最初に売り切れてしまう。
ホントは、新しくペツルから出たスクリューのシャープナーも欲しかったがあきらめた。理由は、まだ研ぐ必要があるほど使っていないから。
アバラコフの治具も欲しかったけど、あきらめた。のは、パーティに一つあれば済む装備だから。
私がリーダーでアバラコフで懸垂するようなルートに行くのは、一体何年先か?それもあるのかないのか、分からない。ということで後回し決定。
これらより、今持つべきは50mシングルロープである。30mのダブルしか持っていないので、トップロープでの練習ができない。
実はもうレインウェアが水をはじかなくなってしまったので、新しいのを買うタイミングらしいが、こうした優先度を考えると、どうしても洋服が後回しになってしまう…。
アックスは、節約しようと思えば、ヤフーオークションで、旧式のクオークとか、カジタックスの古いもの、とか出ていたりする。金物は、古くてもまったく問題なく使えるのでねらい目ではあるが、
・重さが書いていない、とか (重くて振れなかったら、どうしよう・・・汗)、
・振った時の感触が分からない、とか、(刺さりが悪かったら、どうしよう・・・汗)
・もしシャープでなかった時に研ぐ技術がない(汗)とか・・・、
そういう理由で、中古には手が出ない。スイマセン。修業が足りません。だから、中古を買える人は、そもそも、すでに技術がある人だけかもしれない・・・。
あとはフライパン。セールで1680円。これは夏山用で前からフライパン欲しかったんだった。即決価格です(^^v)。
■ カレー晩御飯
夫と山に行っている時は、二人ともバテて伸びてしまっても問題なかった。
が、夫以外の人と山に行って返ってくると、主婦の仕事は、やっぱり待っている・・・(^^;)という訳で、上手な手抜きの技を開発しなくてはならない。
下山が早ければ、道の駅などで、スーパーでは手に入らない野菜なんかを買ってくる。
今回は遅かったので、プラテーロに寄って、翌日のパンを購入。
このカレーはベジタリアンだったので試してみた。コーシャでグルテンフリーらしい。
とってもおいしかった。これは夏山でいいかも?580円。
人参入りのマッシュトポテト、ワイン、チーズで晩御飯にした。
手作りナンとフルーツも入れれば、ごちそうかも?
■ 来週は渋温泉へ
今シーズンは夫と出かけるより、他の人と出かける方が多かった。
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| いいコースないかな~ |
それはこれまでの20年を振り返れば分かる。
ちゃんとお互いを楽しむことができる時間に、楽しんでおかないと後で後悔しても遅い。
死んでから妻に愛しているという夫は多いが、それでは遅いのだ。逆も真なり。
という訳で、来週は夫と温泉に行くことに。彼は温泉大好きだから。
行き先は、乗鞍か、新穂高、美ヶ原や霧ヶ峰方面を考えていた。
まだ、黒斑山も行っていないから行ってもいいし、冬の霧ヶ峰も行ってみたいし、また鷲ヶ峰をリベンジしても良いし、今年は車山も当たり年のようだし。西穂独評に行くのも良いような気がする。坂巻温泉から、上高地を散策するくらいならできそうだ。
焼岳も残っているし・・・乗鞍の善五郎の滝、というのも上がっていた。夫はまだ氷瀑をみていないので、滝を見るだけのツアーもいいだろうと。
でも、検索していたら、渋温泉の金具屋が空いていた。
夫は二つ返事で「行く~!」 彼、前から行きたかったのだ。
ここは千と千尋の神隠しのモデルになった温泉の一つらしい。
というわけで、来週は久しぶりに温泉にGO!決定。
志賀高原の近くなので、どこかいいハイキングルートはないかと調べ中。 スキー場が一杯あるので、行けば、適当なハイキングルートがあるような気がする。
夫と行ける、ということを考えると、あまりラッセルの凄すぎる山はいけない。どこも候補がなかったら、ロープウェーが利用できる、唐松岳に行って帰ってくる予定だ。
誰かいいところ知っていたら教えてください☆
Thursday, January 30, 2014
イヴォン・シュイナードのアイスクライミング
■ イヴォン・シュイナード
山の先輩がイヴォン・シュイナードの本を貸してくれていたのですが、すごく面白かった!のでした。
≪参考≫
イヴォン・シュイナードについて
アイスクライミングの本としては、技術が古いと、悪口を言われること確定!な本でしたが、山への飽くことなき好奇心と観察による経験談に溢れていて、山好きなら時間を忘れて読める本です。
すごく共感したのは、山の危険と題する章です。
ただ、ただアイスの道具はさすがに古すぎて、まったく役に立ちません(笑)
・・・が、雪のこと、氷のことに関しての、洞察や知識は、何十年たっても、雪や氷の質が変わるでなし…たぶん現代と同じだよな~と思いました。
私にとっては、「そうだよな~、山は、山そのものが面白いんだよ~」と思えたのでした(^^)。
素晴らしい文だと思ったので、引用します。
ーーーーーーーーーーー山の危険ーーーーーーーー
山の変化
地球は、冷却と歪曲によって山を形成する。一方、重力は山を再び平坦な状態に戻そうとする。山、この摩訶不思議な尖塔群は、常に変幻する大気の大海原に屹立している。
大気の変幻とは、太陽熱で蒸発し、雨や雪となって地表に還元する水の循環である。
大気が空中にそびえる山々の岩に突き当たると、方向を替え、上昇し、冷却され、必然的に風や雨となって降り注ぐ。高い山では、結晶して雪になる。降り積もった雪はやがて海へ向かう長い旅を始め、旅の途中で山々の表面の岩を削り取ってゆく。
山に登る者は、落石、滝、アイスフォール、雪崩など、自然の循環が引き起こす数々の危険をうまく避けて進まないと、そのいけにえになってしまうのである。まさに山に関する知識は、力であり、命の綱でもあるのだ。
地球上で、山ほど活動的で、自然の営みや変化がはっきりと分かる場所はない。
・・・・略・・・
登山者はまさにこの変化の真ただなかに自分を投入するのである。ロッククライマーは、自分たちが登っている世界は安定しており、自然の造形物は永久的なものと思っているが、実際は絶え間なく、山から剥離していくもっとも崩壊しやすい表面の部分を登っているのである。
一方アルピニストは、山は安定したもの、という幻想はあまり抱かない。氷結した岩の中の水分の膨張や激しい寒暖の差で凍る岩や氷のひび割れは結果として岩や氷を崩れやすくし、ホールドがもろくなったりすることを十分しっているからである。
自然の変化は、激しく過酷なものだが、その中にも一定のリズムがある場合が多い。・・・
・・・略・・・
登山者にとって最善の防御策はタイミングをつかむことである。・・・略・・・具体的には荷を軽くし、早く行動することである。
・・・略・・・
初心者が大氷壁の登攀に必要な技術を身に着けるまでに、それほど時間はかからないが、登攀を安全にやりとげるには、長年にわたる試行錯誤の経験が必要である。雪や氷の登攀実技はかなり直線的で単純ともいえるが、コンディションを正確に把握することは非常に奥の深い複雑な技術であるといえよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー引用終わりーーーー
と書いています。最後はそうした自然の法則を自ら「発見する喜び」を記して終わっています。
アルピニストとロッククライマーはどうも違う人種らしい???
以下は一般の私たちのような登山者にも役立つんではないか?という山の行動規範リスト。
ーーーー要約ーーーー(ほぼ引用)
1)出来るだけ早く移動しようという意思を持つこと
2)トレーニングによって体を良い状態に保つこと
3)嵐のために山にくぎ付けにならないように、天候や気象条件をよく把握しておくこと
4)ルートを暗記しておくこと
5)早朝に出発すること
6)休憩をとったり汗をかいたりせずに数時間にわたって行動できるように、着実なペースを身に着けること。
7)行動中トップは一番強いクライマーが務めること
8)エネルギーの消耗を防ぐために少しずつ食べたり飲んだりすること
9)ザックを出来るだけ軽くすること
10)登攀の進行に応じて必要になると思われる品物が簡単に出せるように、荷物の入れ方を工夫しておくこと
11)氷の上でのビレイの回数を減らすために長いザイルを使うこと
12)着脱に手間取るようなハーネスの使用を避けること
13)ハーケンの代わりにナチュラルプロテクションを使うこと
14)短いピッチのアイスが出てきたら、アイゼンを履く前に、なしで行けないか検討すること
15)2,3分でアイゼンをつけれるよう練習すること
16)道具は常に鋭くしておくこと
17)時間に追われている場合はラストはユマールで登る
18)下降では絶対に必要な時以外は懸垂下降をしないこと
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
現代に通じますよね。
整理してみると、
1)体力 (1~2)
2)天候への知識・判断力 (3)
3)行動規範(規律、ディシプリン) (4~11)
となっています。 昨今、登山者の質の低下が叫ばれていますが、
・ルート自体を知らなかったり・・・
・着実な行動ができなかったり・・・
・必要なカロリーや水分を取らないでバテたり・・・
・ザックが不必要に重かったり・・・
・要らないものは持っているのに、必要なものはすぐ出てこなかったり・・・
・道具の着脱に時間がかかったり・・・・
ということなんだなぁ・・・と思いました。
■雪上技術
この本には雪上での確保技術も一通り解説されていました。
ちょっと雪上での確保をもう一回、誰かに講習してもらいたいな~と思いました。
たとえば、バケツを掘って、そこに座り、腰がらみで確保する、などです。
私はスノーボラートでもやりましたが、これ、セカンドを確保するのは、下向きなので分かりやすかったのですが、リードを確保するのは、スタンディングアックスビレイ以外よく分かりませんでした。
でも、そういう確保が必要な山ってどんな山だか、今のところイメージできません(^^;)
山の先輩がイヴォン・シュイナードの本を貸してくれていたのですが、すごく面白かった!のでした。
≪参考≫
イヴォン・シュイナードについて
アイスクライミングの本としては、技術が古いと、悪口を言われること確定!な本でしたが、山への飽くことなき好奇心と観察による経験談に溢れていて、山好きなら時間を忘れて読める本です。
すごく共感したのは、山の危険と題する章です。
ただ、ただアイスの道具はさすがに古すぎて、まったく役に立ちません(笑)
・・・が、雪のこと、氷のことに関しての、洞察や知識は、何十年たっても、雪や氷の質が変わるでなし…たぶん現代と同じだよな~と思いました。
私にとっては、「そうだよな~、山は、山そのものが面白いんだよ~」と思えたのでした(^^)。
素晴らしい文だと思ったので、引用します。
ーーーーーーーーーーー山の危険ーーーーーーーー
山の変化
地球は、冷却と歪曲によって山を形成する。一方、重力は山を再び平坦な状態に戻そうとする。山、この摩訶不思議な尖塔群は、常に変幻する大気の大海原に屹立している。
大気の変幻とは、太陽熱で蒸発し、雨や雪となって地表に還元する水の循環である。
大気が空中にそびえる山々の岩に突き当たると、方向を替え、上昇し、冷却され、必然的に風や雨となって降り注ぐ。高い山では、結晶して雪になる。降り積もった雪はやがて海へ向かう長い旅を始め、旅の途中で山々の表面の岩を削り取ってゆく。
山に登る者は、落石、滝、アイスフォール、雪崩など、自然の循環が引き起こす数々の危険をうまく避けて進まないと、そのいけにえになってしまうのである。まさに山に関する知識は、力であり、命の綱でもあるのだ。
地球上で、山ほど活動的で、自然の営みや変化がはっきりと分かる場所はない。
・・・・略・・・
登山者はまさにこの変化の真ただなかに自分を投入するのである。ロッククライマーは、自分たちが登っている世界は安定しており、自然の造形物は永久的なものと思っているが、実際は絶え間なく、山から剥離していくもっとも崩壊しやすい表面の部分を登っているのである。
一方アルピニストは、山は安定したもの、という幻想はあまり抱かない。氷結した岩の中の水分の膨張や激しい寒暖の差で凍る岩や氷のひび割れは結果として岩や氷を崩れやすくし、ホールドがもろくなったりすることを十分しっているからである。
自然の変化は、激しく過酷なものだが、その中にも一定のリズムがある場合が多い。・・・
・・・略・・・
登山者にとって最善の防御策はタイミングをつかむことである。・・・略・・・具体的には荷を軽くし、早く行動することである。
・・・略・・・
初心者が大氷壁の登攀に必要な技術を身に着けるまでに、それほど時間はかからないが、登攀を安全にやりとげるには、長年にわたる試行錯誤の経験が必要である。雪や氷の登攀実技はかなり直線的で単純ともいえるが、コンディションを正確に把握することは非常に奥の深い複雑な技術であるといえよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー引用終わりーーーー
と書いています。最後はそうした自然の法則を自ら「発見する喜び」を記して終わっています。
アルピニストとロッククライマーはどうも違う人種らしい???
以下は一般の私たちのような登山者にも役立つんではないか?という山の行動規範リスト。
ーーーー要約ーーーー(ほぼ引用)
1)出来るだけ早く移動しようという意思を持つこと
2)トレーニングによって体を良い状態に保つこと
3)嵐のために山にくぎ付けにならないように、天候や気象条件をよく把握しておくこと
4)ルートを暗記しておくこと
5)早朝に出発すること
6)休憩をとったり汗をかいたりせずに数時間にわたって行動できるように、着実なペースを身に着けること。
7)行動中トップは一番強いクライマーが務めること
8)エネルギーの消耗を防ぐために少しずつ食べたり飲んだりすること
9)ザックを出来るだけ軽くすること
10)登攀の進行に応じて必要になると思われる品物が簡単に出せるように、荷物の入れ方を工夫しておくこと
11)氷の上でのビレイの回数を減らすために長いザイルを使うこと
12)着脱に手間取るようなハーネスの使用を避けること
13)ハーケンの代わりにナチュラルプロテクションを使うこと
14)短いピッチのアイスが出てきたら、アイゼンを履く前に、なしで行けないか検討すること
15)2,3分でアイゼンをつけれるよう練習すること
16)道具は常に鋭くしておくこと
17)時間に追われている場合はラストはユマールで登る
18)下降では絶対に必要な時以外は懸垂下降をしないこと
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
現代に通じますよね。
整理してみると、
1)体力 (1~2)
2)天候への知識・判断力 (3)
3)行動規範(規律、ディシプリン) (4~11)
となっています。 昨今、登山者の質の低下が叫ばれていますが、
・ルート自体を知らなかったり・・・
・着実な行動ができなかったり・・・
・必要なカロリーや水分を取らないでバテたり・・・
・ザックが不必要に重かったり・・・
・要らないものは持っているのに、必要なものはすぐ出てこなかったり・・・
・道具の着脱に時間がかかったり・・・・
ということなんだなぁ・・・と思いました。
この本には雪上での確保技術も一通り解説されていました。
ちょっと雪上での確保をもう一回、誰かに講習してもらいたいな~と思いました。
たとえば、バケツを掘って、そこに座り、腰がらみで確保する、などです。
私はスノーボラートでもやりましたが、これ、セカンドを確保するのは、下向きなので分かりやすかったのですが、リードを確保するのは、スタンディングアックスビレイ以外よく分かりませんでした。
でも、そういう確保が必要な山ってどんな山だか、今のところイメージできません(^^;)
Wednesday, January 29, 2014
アイス用クランポン再調整
■ アイス用クランポン再調整
こないだは、アイスクライミング、ちょっとつま先に乗れず、「おかしいな~」という感じでした。
実際、2度もフォールに近い感じで踏み外したのですが・・・なんだかおかしいな~というのはアイゼンの前爪の出方のような気がします。
リンクスはブーツの長さで、調整しますが、サイズ38のブーツで、長めのDで合せていたのですが、Cに合わせ直しました。どちらでもしっかりついていますが、もちろん短めのCのほうが、ガッツリつきます。
しかし・・・そうすると、親指側の、側面の一番前の爪が、氷に噛まない!

これだと親指の延長上に一番右の爪がなく、ブーツの先端が氷に当たってしまいます。ガッチリはついていますが・・・
横から見るとこれ。
前のバインディングを爪ひとつ前にずらしたかったのですが、硬すぎて無理!
なので、サイズ合わせをDに戻しました。
これだとちゃんと親指の下に横の爪の一本目が出る。
微妙すぎますかね?
でも、これだけで全然氷への乗り具合が違います。
体験したので本当です。

つま先はこれくらいで親指と最初の横爪が一致していないと・・・靴ばっかりけり込んで氷に乗れない。
氷に乗るのは、サイドの最初の爪と、2本出ているオレンジの爪の内側の爪の2本です。
アイスではクランポンの調整は何より重要だな~と分かった、前回のアイスクライミングでした。
まだモノポイントは試していません。
バイポイント(またはデュアルポイントと言う・・・)より、登りやすい場合が多いそうですが、そうなのかなぁ~
試してみてもいいですね。
とりあえずなんとなく2本が安心感あって2本ですが。
≪参考≫
リンクスの取説
Wednesday, December 25, 2013
山行が変われば靴も変わる
■ バインディングタイプよりも保温性
靴、買い替えかもしれません・・・(涙)
広河原沢左股へいく予定があります。
アイスも始めたことだし、どうせ必要なクランポン(アイゼン)なら、今買っても後で買っても同じです。
なので、クランポンは買おう!と思ったら・・・なんと問題点が発覚。
保温性です・・・(汗) 私のスカルパ、軽量靴なので保温材が入っていない。
つまり、じっとしている時間が長いような山行(クライミング系)には、適していない。
実は、去年、天狗~北八つを10時間くらい周遊して歩いて、足指がちょっと凍傷になりました(><)。
最初に靴を買った時、「登山靴の保温性はあまりあてにできない」と言われたので、脚が靴の重さに負けるかなと思ってスカルパのサミットライトにしたんですよね… 一つ上のランクにしておけばよかった(汗)
■ セミワンタッチかワンタッチか?
バインディングの方法は、あまり大きな問題にはならないようです。ワンタッチだと前のコバにひっかけるワイヤーが壊れたらもう終わりですが、プラスチックのバインディングなら取り換えパーツで取り換えられます。外れるということはないみたい。
つまり靴は前コバがあってもなくても、クランポンは、セミワンタッチタイプでも問題なさそう。
なので、ワンタッチが付く靴にセミワンタッチをつけることになるかもしれませんが、クランポンはもう靴との相性で選ぶだけです。
■ アイスクライミング中の事故
アイスクライミング事故は、ホントに恐ろしいですね。
先日八ヶ岳のジョーゴ沢乙女の滝で死亡事故がありました。
アイスクライミングのリスクを考えてみます。
・落ちたとき、アックスが体に刺さる
・確保支点が崩壊する
・落氷
・寒さで体の動きが鈍い
・寒さで力が出ない
・手袋で操作性が悪く時間がかかる
やはり、アイスでは、滑落は許されないです。
私は一回目のアイスでとなりのトマの会の若い男性が盛大に顔を切っていて、ガムテープを張り付けて止血しているのを見ました。誰も彼を介抱していなかった(汗)…ので、「よくあることみたいだな・・・」と思いました。私なら顔を切ったらすぐクライミングはやめて家に帰ります(笑)
この事故を見たということは、神様が「君も備えなさい」という意味だったと思うので、価格が高かったけれど、ペツルのバイザー付ヘルメットを買いました。
実は前回のアイスで、さっそく助かりました。前回は氷が固くて、顔の方に墜ちてきたんです。バイザーにこつんと当たって飛んでいきました。
普通に下に立っているときに、滝下へびょーんと氷が飛んできて、こつんとヘルメットに当たった人もいました。
が、一緒に行った女性、ヘルメットがかっこ悪いと思っているのかすぐ脱ぐんです(汗)。毛糸の帽子をかぶっているとはいえ、それで滝下でちょこまかするので、気になりました。 ほんの親指大ほどの石や氷でも当たると結構怪我になります。特に人間の頭皮は薄いので。当たり所が悪い(急所)にあたると小さい力でも死んでしまいますし・・・
色々考えると、リスクって見える人にしか見えないものかもしれません。見る意思がある人というか・・・。
こんな危険なことをするので、山岳保険は必須です。 普通のハイキングなら山岳保険はわざわざ入らなくても、国内旅行用の傷害保険に実は他の保険の付帯で入っていたりします。
けれど登攀の要素がある山や冬山は、”旅行”の範疇には含まれていませんので、それ専用の保険に入っておかなければなりません。
リスクというのは、怖がるのではなく、よく内容を知り、備える対象、です。 リスク対策出来てこその楽しいクライミングです。
靴、買い替えかもしれません・・・(涙)
広河原沢左股へいく予定があります。
アイスも始めたことだし、どうせ必要なクランポン(アイゼン)なら、今買っても後で買っても同じです。
なので、クランポンは買おう!と思ったら・・・なんと問題点が発覚。
保温性です・・・(汗) 私のスカルパ、軽量靴なので保温材が入っていない。
つまり、じっとしている時間が長いような山行(クライミング系)には、適していない。
実は、去年、天狗~北八つを10時間くらい周遊して歩いて、足指がちょっと凍傷になりました(><)。
最初に靴を買った時、「登山靴の保温性はあまりあてにできない」と言われたので、脚が靴の重さに負けるかなと思ってスカルパのサミットライトにしたんですよね… 一つ上のランクにしておけばよかった(汗)
■ セミワンタッチかワンタッチか?
バインディングの方法は、あまり大きな問題にはならないようです。ワンタッチだと前のコバにひっかけるワイヤーが壊れたらもう終わりですが、プラスチックのバインディングなら取り換えパーツで取り換えられます。外れるということはないみたい。
つまり靴は前コバがあってもなくても、クランポンは、セミワンタッチタイプでも問題なさそう。
なので、ワンタッチが付く靴にセミワンタッチをつけることになるかもしれませんが、クランポンはもう靴との相性で選ぶだけです。
■ アイスクライミング中の事故
アイスクライミング事故は、ホントに恐ろしいですね。
先日八ヶ岳のジョーゴ沢乙女の滝で死亡事故がありました。
アイスクライミングのリスクを考えてみます。
・落ちたとき、アックスが体に刺さる
・確保支点が崩壊する
・落氷
・寒さで体の動きが鈍い
・寒さで力が出ない
・手袋で操作性が悪く時間がかかる
やはり、アイスでは、滑落は許されないです。
私は一回目のアイスでとなりのトマの会の若い男性が盛大に顔を切っていて、ガムテープを張り付けて止血しているのを見ました。誰も彼を介抱していなかった(汗)…ので、「よくあることみたいだな・・・」と思いました。私なら顔を切ったらすぐクライミングはやめて家に帰ります(笑)
この事故を見たということは、神様が「君も備えなさい」という意味だったと思うので、価格が高かったけれど、ペツルのバイザー付ヘルメットを買いました。
実は前回のアイスで、さっそく助かりました。前回は氷が固くて、顔の方に墜ちてきたんです。バイザーにこつんと当たって飛んでいきました。
普通に下に立っているときに、滝下へびょーんと氷が飛んできて、こつんとヘルメットに当たった人もいました。
が、一緒に行った女性、ヘルメットがかっこ悪いと思っているのかすぐ脱ぐんです(汗)。毛糸の帽子をかぶっているとはいえ、それで滝下でちょこまかするので、気になりました。 ほんの親指大ほどの石や氷でも当たると結構怪我になります。特に人間の頭皮は薄いので。当たり所が悪い(急所)にあたると小さい力でも死んでしまいますし・・・
色々考えると、リスクって見える人にしか見えないものかもしれません。見る意思がある人というか・・・。
こんな危険なことをするので、山岳保険は必須です。 普通のハイキングなら山岳保険はわざわざ入らなくても、国内旅行用の傷害保険に実は他の保険の付帯で入っていたりします。
けれど登攀の要素がある山や冬山は、”旅行”の範疇には含まれていませんので、それ専用の保険に入っておかなければなりません。
リスクというのは、怖がるのではなく、よく内容を知り、備える対象、です。 リスク対策出来てこその楽しいクライミングです。
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