今日は甲府は朝から晴れて久しぶりに山恋しい。
・・・ところがウラヤマ散策は自粛中・・・(--;)
春山合宿のための歩荷散歩をしていたとき、山頂付近で、あるオジサンに会った。そのおじさんとは他の散策者も交え、ちょっと話をした。
オジサンは今から裁判所に向かうところだと言う・・・え?と聞くと、取引していた会社が7億5千万円強の負債を抱えて、自己破産してしまったのだと・・・。オジサンの経営する会社では1500万円の不渡り、だそうだ。
それで裁判所に行くのに少し時間があり、のんびり空を眺めているのだそうだった・・・。どうせ、戻っては来ない1500万円がどうなるか、せめてもの自分の納得のために裁判所にいくのだそうだった。
そうか~、そういう事情なら、”少し時間を割いて話を聞いてやってあげないか”という神様の采配かもしれないなと思った。私は身の上話、聞くの上手なのだ。
おじさんは誰かに不幸を話したい気分だった。それは至極もっともなこと。人類愛で、おじさんの話をフンフンと聞いてあげた。
不渡り・・・「1500万円も損失したら、わたしだったら、立ち直れないなー」 「働いてなんとか穴埋めするしかないね」「オジサンは本当に働き者なんだね」
妻はタイ人で嫉妬深いのだそうだ。「でも、そんな遠い国から一人で来て、オジサンしか頼る人がいなかったら誰だってそうなって普通だよ~」
・・・という具合。要するに私はオジサンが発したすべての問いに、オジサン自身が心の中で用意したのと同じ言葉を発してあげただけだ。
正しい傾聴。誰だって、悩みに対する解は、分かってはいるけれど、他の人に代弁してほしいものだ。
私はこういうシビアな状況に陥った人を慰め、元気づけるのは、なぜか上手なのだ。どうしたらいいか分からないと言うことはない。
たぶん、自分も普通の人には、絶体絶命と思える場をくぐってきたからだと思う。(ただ断っておくと、愚痴りたいだけの人も、その分、分かってしまうので、その場合容赦なく切り捨て)
・・・という事件があって、その日は春山合宿の前の日だった。
それで、私は、ちょっといい、プチ人助けをしたな~と自負して帰ってきたのだが・・・。
最近、後日談が・・・なんとそのオジサン、私のマンションの周りをウロウロしているらしいのだ・・・(汗)
子供が二人いる、同じマンションのママさん友達が教えてくれた・・・「なんかヨガの先生をしている人がこのマンションにいないかって探しているオジサンがいたよ」
いや~まさかストーカーにはならないと思うが・・・しかし、何があってもおかしくない、ご時世なので、怖くなり、一人の近所の裏山外出は当分自粛だ。
・・・というわけで、晴れても散歩は自粛。 私が行方不明になったら、南アルプス近辺にラチされたと思ってください(笑)。
■ 女性パートナー求む!
しかし、洗濯物がカラリと乾きそうなのは、気持ちが良いことだ。
最近色々と思うのだが、私に限らず、女性は、自分と同レベル・・・つまり、初心者・・・の男性とは、パートナーを組むことはできない。
それは、リーダーシップの問題があるからだ。
女性と男性、日本では、どちらが優れていても、男性がリーダーシップをとることになっている。
登山に必要な体力と知力を男女が、それぞれにそれぞれのレベルで持っていた場合、組み合わせではこうなる。簡単な確率論だ。 体力とは登山に必要な体力、知力とは登山に必要な理解と知識、判断力だと思ってほしい。
≪4つのケース≫
男性が体力が上で知力も上の場合 リーダーシップ問題なし
男性が体力が下で知力が下の場合 不成立
男性が体力が上で知力が下の場合 よくあるケース 問題ありのケース
男性が体力が下で知力が上の場合 体力が下降気味の熟達者 リーダーシップ問題なし
考えても見てほしい。小学校6年生で、男女のどちらが賢かったかを・・・。同じ年齢なら、10中8,9、女の子の方が概して、しっかり者で、大人さでは勝っているものだ。この年齢の男の子は子供っぽい。いや、この関係は大学に入学した時も変わらないし、大学を卒業した時も変わらない。60歳で定年するときも変わらない。もちろん個人差はあるだろうが、一般的にはそうだ。
私には2歳年下の弟がいた。彼は身長180cm、水泳は5歳からで、県大会のメダルいっぱい持っているような、超逆△の体型。
そんな彼も、5歳では、お母さんが見えないと「ママ~」と大泣きに泣いて、手がつけられなかったし、それは、私が親から自立した年齢より遅く、おねしょは10歳近くなるまで治らなかった。
精神的成熟と言うのは、年齢ではないのだ。それが登山のなんと関係があるか?というと、大ありなのだ。
登山では、結局、クライミングシステムをよく分かってくれているか?何が危険で何が危険でないのかを分かってくれているか?という”理解”や冷静な状況の判断力が、危険から身を守る。
・・・のだが、一般的な目で見ると、男性登山者のクライミングシステムに対する”理解”を妨げているものは、
オレ、平気で登れるから、ロープなんていらね~
みたいな”プライドだ。その”余計なプライド”のおかげで、1年で分かるようになることも、1年以上かかってしまうようだ。
”登れるからいらね~みたいな話じゃなかったんだー”と分かるのに、登れる人は、それだけ時間がかかるってこと。
登れるなら要らないのなら、15mの人工壁は、5.7ならロープイラナイって話になるでしょう・・・でも、そんな単純なことも、現場では分からなくなる。
ちゃんとした人なら、15mの人工壁は、裸足とかクロックスで登っても、ロープはちゃんとつけていくでしょう。そーゆーことです。どうして分からないのかワカラナイが、そこは男性諸君には、理解が非常に、難しいらしい。
ロープと言うのは登れないからつけるものだと勘違いしており、おそらくその勘違いが起点だと思うが、引っ張るんです!!クライミング中に・・・。引っ張られると、例え、トップロープでも、登りにくいってば!登るために登ってんのに、引っ張られたら、楽しくないってば!テンションって言ってないでしょ!
しかし、これはおそらく、”登れない彼女をオレが行って引っ張り上げてあげなくては・・・”と思っているに違いないのです・・・
違うんです・・・姉さんに必要なのは、ひっぱってくれる人じゃなくて、墜ちたときに、しっかり受け止めてくれる人なんです。ちなみにねえさんでなくても、誰だってそうです。
・・・と、まぁこういう状況において、理解度という点でどちらが上か?というと、姉さんが上になってしまうんです。状況の理解度も同じ。
ところが、男性と言うものは、一般に 俺についてこい! と思っているわけです(汗)。
ついて行くと、余計あぶないからねーという状況を分かっていない・・・しかも、意気揚々なわけです(^^;)。
ねえさんは困ってしまいます・・・もちろん体力も登攀力もねえさんが下なのですから、フォローでいいです。
でも、ねぇ、君のアブナイビレイについて行ってあげたいのは山々なんだけど、フォローだとしても、墜ちたら、そのビレイでは、ダメですからねぇ・・・
・・・ということになります。 私が知っている男性は10中8,9こうなのです。それはクライミングだけでなく、登山計画においても、単純な読図においてもそうなのです・・・
なぜ彼らの中で、突破力上=俺についてこい!なのか訳が分かりませんし、その自信が何に基づくのか分かりません。
それより、先にザイルが的確に出せる人になってほしいです。
そーでないと、必要もない初級のところが、Xグレードになってしまいますからね!
■ 女性は軽自動車
いつもは、遠出は、四駆のラシーンなのですが、先日は、一人だし、燃費がいいほうが安くついていいと思い、珍しく私のお買い物用ジーノ君(軽自動車)で、高速道路を運転したのです。
・・・で、女性登山者は高速道路における軽自動車みたいなものかもしれないな~と思いました。
登りは、軽だから、ぜんぜん出ないのです。当然です、排気量、違いすぎです。だから、次々追い抜かれて行きます・・・でも下りは、大型車も軽もそんなに変わらないみたいです。ジーノだって、気が付けば、140km出ています(汗) だから、トータルで行くとそう変わらないのです。
登山も同じで、私は小柄で152cm 体重50kg未満です。身長180cmの弟は、御飯、おかわり、3膳でした・・・そんな巨体と出力を比べられたら、困ります。体格がいいほうが筋肉量が多いんだから、パワーがあるのは、自然の理。
燃料がそれだけ違うのですから、瞬発力や心肺機能(車に言うなら排気量)が、大きいほうが有利な登りで、小さいエンジンのほうが、出なくても仕方ないです。
つまり心拍値120で登れる速度は、それぞれってことです。しかし、逆に下りでは、大型車と大して変わりがないです。逆に膝にかかる負担が少ないので、早いくらいです。
車における燃費は、持久力という話かもしれません。長い時間歩いても、私のほうが夫よりバテナイです。でも、登山についてはまだ初心者の夫の方が、登りで早いので後ろです。岩塊斜面は彼の方が今でもラクラク登山しています。下りは彼、遅くて気が付いたらはるか後方です。
耐久性でみると、女性の登山者は60歳でも、70歳でも登り続けていますが、60歳で登っている男性の登山者は希有です。
聞くと、腰痛にひざ痛。若いときに無理をするから、耐用年数でみた耐久性が犠牲になっているのです。
例えばですが、富士山に去年行った時は、須走口で登り、6時間(一般的)、下り2時間半(早い)でした。
西穂高沢では登りでも下りでも師匠がくたびれていたので、先頭交代。ところが、私が歩き慣れていない河原歩きでは、師匠断然トップ。見えないくらい先をいっっちゃってます。
歩くことに対しても、技術が必要な所で、技術がないのは、新人には普通のことです。
一方、同じような新人の若者を見ていると、歩き方、超雑です。ベテランと比べると、一歩が大きい。その歩き方で早くても、排気量で取っているだけで、あんまり効率は良くはなさそうです。
真砂尾根での山崎カールなど雪の急斜面での下りなど、急傾斜なところでは、先輩の足の方が先に痛くなり、わたしの足はまだ新中古で使い初めなので、痛くなりませんから、遅くはなりません。
ルーファイが必要な場所では、若い男性にはルーファイの面で私の方が効率よいルートを採りますが、向こうは馬力で、その無駄な距離を挽回できるので、トータルでは同じになるでしょう。
強い弱いの感覚は、そのようなものです。そんなのに一喜一憂したり、プライドがどうこうと言っていても仕方ありません。
その日でも違いますし。生理の時は、要するに出血中なので、ヘモグロビン濃度の関係で当然登りが遅くなります。だからと言って、言い訳して登ったことはありません。別に早いのがエライわけではないのですから、いいのです。
体力なんて、デカいほうが合って当然なんですから、そんなところに自信の拠り所を求めないでほしいなー。
登りは体力、下りは技術&怪我や故障のあるなし、です。
■ 究極の選択?
結局、そういうわけで、同じくらいのレベルの初心者の方と切磋琢磨しながら、本チャンへの夢を温めるという成長戦略は、一般的に女性全般にとっては、取るのが難しい選択肢のようです。
ベテランと一緒に行くと、軽自動車の私にとっては、多くの場合、技術不足のために、速度に追いついていけず、難易度ワンランクアップですが、
vs
初心者と一緒に行って、初級ルートを ”X”つきで頑張るか?
の選択となった場合、どちらがより死ぬ危険が少ないか?という観点でみると、ベテランと行く側です。
頑丈なら、多少あやふやなロープワークで、Xレイティングを付けて墜ちても、死なないかもだけど、こっちは、すぐ壊れそうですから。
不必要な精神的負担を背負って登ると、登れるところも登れなくなります。
ベテランと行けば、こちらは技術不足ですから、常にアップアップしているわけで、快適度はのぞめません。常に自分の至らなさ痛感です。
体力度でキツイとアップアップで、心配りも雑になります。それでも、Xグレードよりは良いかもしれない・・・命あっての物種・・・
最近出した結論です。
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