今日は、装備や安全対策に少々不安を感じたので、もう一度初心に返る意味で、沢登りの教科書を読み返した。
1)沢登り入門&ガイド 手嶋亨 最も新しく現状に即した教科書と思われる
2)沢登り 入門とガイド 吉川栄一 この本が一番好き
3)沢登の本 岩崎元朗 物語形式で読みやすい
この3つ以外にも以前読んだ本を入れると結構読んでいるのだ…
今日読み返したのはこの三つ。
■基本装備
基本装備には当然登攀具も入るのだが、トマの風の本によると
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スリング
・6mm×1.5mを輪にしたもの 3本以上
・自己脱出用スリング
・6mm×3mを輪にしたもの
・カラビナ 自由に使えるものを4枚以上 うち2枚は環付
・その他
確保器、下降器、アセンダー、ピトン、アイスハンマー
ーーーーーーーーーーーーーーーーー P024より抜粋
だそうです。
私は昨日の装備は、
・ダイニーマスリング120cm ×2、
・ナイロンスリング120×1、
・ダイニーマ60×2、
・確保器、エイト環、簡易アセンダー、タイブロック、ケブラーコード
を持って行きました。大体これが私の最小限キットなのです。本チャンでもこんな感じです。大体ギアラック兼用で捨て縄を持っています。
余談ですが、初めての芦沢横沢で、沢ではオートロックのカラビナが使いやすいと学びました。雪ではダメですけど。
沢ではナイロンよりダイニーマが水を吸わず快適です。ナイロン120はもしかしてチェストハーネスを作りたいかも?と思って持って行ったのですが、水を吸って重かったので、180の長いスリングを持って行けば良かったなと思っています。6mm3mの代わりですね。
■おススメ 岩崎元朗師匠の『沢登りの本』
岩崎元朗師匠の『沢登りの本』は読みやすく、超おススメです!この本みたいな、アルパインクライミングの本があればいいのに…と思う。
目次は
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プロローグ
とりあえず沢に入ってみよう
沢登りの服装・携行品
地形と用語
地図の種類と見かた
沢登りのための岩登り
誰と行くか、どこへ行くか
沢登り講習会
日本中沢だらけ
遡行前、遡行中、遡行後
沢に関する情報を得るには
一本のボルトが打たれていた春川万滝沢の記録
沢登りの危険
エピローグ
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・・・となっていて、面白かったのは、誰といくかの項。そうなのか!とびっくり!!以下抜粋(赤字、当方)です。
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山岳会ったって、ピンからキリまである。…(中略)
山岳会の特徴別に大雑把に分類してみると、
①オールラウンドな登山を志向する会
②アルパインクライミングを志向する会
③ロッククライミングを志向する会
④ウォーキングを志向する会
⑤沢登りを志向する会
⑥山スキーを志向する会
⑦とりとめもない会
などとなろう。今沢登りに関心を持つ君は、間違っても②、③の会に入ってはいけない。ここに属する人たちは、沢登りに対して、軽侮と恐怖の入り混じった感情を有していて、沢登りを敬遠しているからだ。
(中略)
選ぶとすれば、①か⑤か⑦の会となる。①の会はわが国で最も数の多い平均的な団体である。(中略)、これといった特徴がないのは、どうも物足りない。しかも、最近では組織が弱体化して、登山学校代わりにすらならないような会が増えてきた。①から⑦への移行が目立つのである。
⑦の会は最近とみに増加しているようだ。運営基盤がぜい弱で志向性がなく、なんとなく集っているといった体である。
(中略)
自分のことは自分でやる
山岳会に入るのがどーもと言う人は、ガイドを頼みなさいと言うものだ 特に年配の人には薦めたい。
それでもどーもと言う人は「自分のことは自分でやる」しかない。ちょっぴりリーダーシップを必要とする。身近な友人を、沢登りに引きづりこまなくてはならないからだ。
(中略)
さて、どこへ行くか。自分とパートナーの実力を考えれば、易しい沢登りルートになる。初心者向きの沢をまずは10本登ってみてほしい。
丹沢: 葛葉川本谷、源次郎沢、水無川本谷、勘七の沢
奥多摩:真名井沢、割沢、鷹巣谷、小雲取谷
奥秩父: ナメラ沢、笛吹川東沢
以上のような沢を登ってみると沢登がどんなものなのか肌で感じられるし、丹沢、奥多摩、奥秩父といった比較的アプローチしやすい山域(初心者は、まず自分がアプローチしやすい山域に焦点を絞った方がいい)の概念を把握でき、自ら次に登るべきルートが浮かんでくる。初級クラスの10本をあげてみよう。
丹沢: 鳥屋待沢、原小屋沢、キョウハ沢、小川谷
奥多摩: 海沢、犬麦谷、唐松谷、大雲取谷
奥秩父: 谷津川本谷、三条沢
以上のような沢が不安なく登れれば、体力、基本的なクライミング技術やルートファインディングなど、合格ラインにあると言えるだろう。そろそろ欲が出てくるころだ。中級クラスとして、登攀要素の大きい沢、総合力を要求される沢をそれぞれ10本選んでみよう。
登攀要素の大きい沢
丹沢: 大山川、滝郷沢、円山木沢、同角沢、悪沢、下棚沢
奥多摩: 滝谷、小常木谷
奥秩父: ヌク沢、鶏冠谷
総合力を要求される沢
奥秩父: 豆焼沢、水晶谷、大荒川谷、真ノ沢、東ノナメ沢、大常木谷、井戸沢
大菩薩: 小室川谷、大菩薩谷
谷川岳: ヒッツゴー沢
この6割をこなすことができた人には及第点を与えても良いはずである。 P106
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つまり
1)最初の10本
2)次の10本
3)さらに次の10本
が指南されているのだ。これを自分の地域に落とし込めばいい。
私が思うには、段階的なステップアップについての指南が余りないのが、沢を始めることのむずかしさであり、特に沢登りの会は、東京に集中しているため、それ以外の場所で沢をしたいとなると非常に不利になる、ということは否めないと思う。
≪沢登り入門&ガイド 手嶋亨に紹介してある沢登り中心の山岳会≫
わらじの仲間
鈴蘭山の会
ろうまん山房
遡行同人梁山泊
逍遥渓流会
グループ沢胡桃
ぶなの会
山登魂
相模山友会
新潟稜友会
私は沢に関してはあまりステップアップ志向ではなく、一年くらい掛けてじっくり初心者向けの沢を味わい尽くしたいと思っている。何事も急ぐと怪我の元のような気がするからだ。
雪だって、別に急いだわけでなく、あっという間に天狗岳から鳳凰三山まで行ってしまったわけなので、沢だって同じかもしれない・・・。
ただ教育的山行は要所で入れなくてはならないと思う。技術を学ぶことを主眼にした山は確実に普段の山に生きると思う。地図読みなどは其れだけを目的にした山が良いし、ロープワークやレスキュー、焚火や宿泊もそうだ。 テーマを絞った時はそのテーマに集中して、無理をしないことだ。
私は、特定の山域を地域研究的に歩きたい、ホームベースが欲しいと思っていて、それには、たぶん、金峰山の南面や瑞牆、増冨や川上村周辺あたりがいいかな~と思っている。
あるいは甲武信岳の周辺。芦川周辺、大菩薩周辺もその次のステップとして視野に入っているのは流域にはちょうどよくアイスもできる可能性があるから、という訳だ。
が、当然普通のピークハントの山で偵察しておくべきだと思っている。そうなると、ハイキングは偵察ということになる。
■ 欲しいものリスト
沢に行くと非常にモノが汚れるので、やはり兼用ではなく、沢だけのザックがあったらいいなと思うようになった…靴もザックも服もホントによく汚れる(笑)。
今欲しいもの・・・
カム一式
冬用ダブルブーツ ファントム6000
沢用ザック
沢用バイル
沢用ハーネス クーロワール
マイクロトラクション
沢用補助ロープ15m
タープ
とまぁこんなところで、全然オシャレウエアに回る予算なし(笑)
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