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Friday, March 6, 2020

杉野保さんの死

■ 杉野保さんの死

今日は衝撃のニュースで幕開け。杉野保さんの事故死のニュースだ。ご冥福をお祈り申し上げる。

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ロッククライミング中、転落死亡 命綱つけず 静岡・伊東

2020.3.5 22:26社会事故・火災

 5日午後3時20分ごろ、静岡県伊東市八幡野の海岸で、ロッククライミングをしていた神奈川県横須賀市のロッククライミングインストラクター、杉野保さん(55)が約5メートル下の岩場に転落した。杉野さんは約3時間後に崖の上まで引き上げられたが、その場で死亡が確認された。

 下田海上保安部によると、杉野さんは正午ごろから、同行の女性とロッククライミングをしていた。事故当時は杉野さんが単独で、命綱を着用せずに登っていた。女性が110番通報した。


 当時伊東市には強風注意報が出ており、風にあおられた可能性もあるとみて、同保安部が状況を調べている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーhttps://www.sankei.com/affairs/news/200305/afr2003050040-n1.html 
より引用

なぜ、杉野さんの死がそんなに衝撃か?と言うと、杉野さんこそは、ほとんど反論する人のいないクライマーの手本中の手本だったからだ。バランスのとれた考え方のクライマーと言うことだ。(関連記事:山のほんとにすごい人)

クライマーというのは、基本、ボルダラー、フリー、クラッカー、オールドクライマー、ニュークライマー、などなど、自分のスタイルがすべてだと反目しあっている人たちの集まりである。

事例:
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対物ビレイ全盛の、リングボルト1本で対物ビレイしていた輩に注意した藤原雅一氏が、「アルパインやったこともない人にそんなこと言われたくないね。」と罵られたというのは有名な話だが
ーーーーーーーーーーー引用終わり

こういう登りはクライミングの本質じゃない!という主張が強いうえ、その主張がすべてだと思っている。

それが嫌で、逆に、どんなスタイルも尊重するという人は、ただの節操のない思想に陥っている。例えば、宴会主体の100名山行脚でスタンプラリー登山で山を汚し続けている人などを批判すると、人の価値観を犯すな、と言われたりする。”それが俺の価値観”と言えば、山にゴミを持ち込もうが、一升瓶かついで飲んだくれ、仲間を凍傷に陥れようがOKのご時世なのだ。他人に怪我をさせたらダメ、という不文律すら、”価値観”の一言で犯して良いのだ。

ところが、杉野さんは、どの年代のどのようなクライマーにも好かれる一種の理想像を体現していたクライマーだった。

古くから活躍しているから、オールドクライマーが、なぜ自分さえ登れたらいいという支点構築になってしまうかという事情も、現代は時代が変わり、ラッペルでの支点まで、同じ思想でくくる必要はないのでは?と言う点、クライミングガイドをしながらも、きちんと講習生にはスキルを与えていると思われる点(私は受けたことがない)、様々な点で、この人なら正統な、オーソドックスな山や、と思われた…

杉野さんの文章
http://cliff.world.coocan.jp/story/bolt.htm?fbclid=IwAR3hQX6GJXvv6-3dOxOo1svum9bcsP3ctR_nE3-WbD0bdATnbOp3yz17B-M

安全管理にもスキがなく、登れて、開拓もできる、スマートな頼れるクライマーと言う印象…

の人がまさかの、フリーソロ中?の事故死。(偵察中だったようです)

■ 簡単なところでロープをつける

事故と言うのは、本当に、難しいところではなく、こんなとこ、簡単、という箇所で起こるものです…

事例:5.8の愛情物語で死亡事故 https://www.big.or.jp/~arimochi/info.99.10.18.achp1.html?fbclid=IwAR0xG0TeVl7s6WtZ2X4qTV9df8tj1xhbMRYvKFoxtLOW6-8RNHtr-xJjLBk

ロープは何のためにあるのか?

5.6で易しいところだからイラナイのではなく、つまり落ちないからイラナイのではなく、単純に高いところだから、要るんです…。

杉野さんは、なんと5mの転落でお亡くなりになったようです。5m…これでは、ロープをつけない、ヘルメットをかぶらない、それでも、誰も危険とはおもわないでしょうね。

城ケ崎の行く末が気になります。



■ リンク集

https://micki-pedia.com/sugino-tamotsu.html

http://yukiyama.co.jp/mountain/2020/03/sugino-tamotsu-accident.php

http://climber319.blog89.fc2.com/blog-entry-3209.html

https://ishidatozanjukunisshi.blogspot.com/2020/03/blog-post_7.html

Tuesday, July 16, 2019

ツインゲートでグランドフォール事故

 ツインゲートのカラビナでの事故がありましたが…。

入間クラックで、トップロープ中にグランドフォールと言う事例だそうです。

← こちらはFBより拝借したツインゲートのカラビナ事例。

ツインゲートのカラビナ自体、そうメジャーな製品でないので、見たことがない人もいると思いますが、このようなお品です。



前にベースキャンプに行ったときは、環付きビナがトップロープには設置してあったと思いますが、なんでツインゲートになったのかなぁ…。

こちらは、同じくFBで回覧されてきたものです。事後かもしれませんが、メーカーの取説には、

 ビレイループに掛ける →  ×
 タイインループに掛ける → 〇

と出ているようです。ビレイループはビレイ器を掛けるためのものです。タイインループは、自分とロープをアンザイレン(英語ではタイイン)するためのものです。

当然トップロープの場合は、タイインループに掛けるのが普通です。

エイトノットを結ぶときも、いつもビレイループじゃなくて、タイインループに掛けますよね。

ビレイループを、ビレイ以外の用途(タイイン)で、推奨してくる人もいます。すべてのハーネスの取説を確認したわけではないですが、ハーネスで、ビレイループとタイインループと言う二つのループを用意しているからには用途が違うのでしょう、と思います。

私は、ビレイループにタイインするように言われても、やっぱりタイインループにアンザイレンしてします。この事故の人もそうしていれば、起こらなかった事故かもしれません。



Friday, November 23, 2018

ロープのすっぽ抜け事故

■ 習慣づけ=思考停止

ロープの末端を結ぶ(すっぽ抜け防止)という、原則を守っていないのがいけない、と結論することは簡単ですが…。

その思想には、なんだか、手抜き(=思考停止)を感じます(笑)。

大体、日本の岩場は距離が短く、結ばないで問題がないことが9割だからです。1割のために、習慣化=自動思考するのは… というのが、多くの人が現状落ち着いていることでは?

すっぽ抜け事故には、日本独特の文化的デメリットがあるように思います。

1)トポの不備
一般に、日本のトポには、その岩場で必要になるロープ長が書いてありません。海外のトポには書いてあります。したがって、

”外岩に行く際に、ロープ長を気にする”

という基本の基本ができていないのは、トポによって習慣づけられていないため、ということにも、原因があるように思います。

2)リーダーに金魚の糞
日本での外岩は、知っているリーダーについていくという”金魚の糞”形式をとることが多く、その上、リーダーが質問を嫌う文化的な背景があるため、質問しづらい。そのため、結果的に、相手が強いリーダーであればあるほど、すべて丸投げという外岩経験しか積めない、という結果に陥ることが多くなります。例えば、外岩歴5年なのにロープを持っていない人なども起こりえます。

3)事故情報が共有されない
リーダーの下では守られているため、事故を知ることがないです。事故を見かけることもない。

4)変なボルトを自分で見極める手間も必要ない
ボルトの種類は、ピンキリで、その質を見極めるニーズも生まれないということになり、たぶん大丈夫、というのは、誰かほかの人が行った判断をなぞることになります。

結果、海外ではクライミング1か月の人ですら知っているような、稚拙なすっぽ抜け事故がクライミング歴5年の人に起こりえます。

すると、いつも言われるのは、ロープの末端を結ぶ習慣をつけましょう、です。

これは前述のように、そもそも9割必要ない習慣なので、実際、分かっていてもやっていない人は非常に多い…すると、「分かっているけど現実はね」みたいな建て前vs本音論に落とし込まれてしまうことが多々ありますが、そうではなくて、本当に、9割がた必要がない習慣づけなのです。残りの1割のために、9割無駄なことをする、という方法で、事故を防止することも、もちろんできますが、なんとなく、やる気になれない人も多いハズ。なにしろ、ほぼほぼ問題ない訳ですから。

じゃ、肝心の1割をどうやって無くしていくか? ってことが大事になります。

■ 当然のことを当たり前にしていく

そもそも、ロープ長に思いが至らないのは…なぜか?ということがむしろ意味があることかも?

1)岩場に行く前に、登りたいルートの、ルート長さを考える
2)自分で登るルートは、自分のロープで登る

ロープを購入すれば、自分が登りたいルートに必要な長さを買うだろうと思います。

日本では自己責任とか言いながら、どうも責任の所在があいまいです。そもそも、ロープを持っていない人を外岩に連れていくのは感心しない習慣です。

でも、なぜか持っていないでもいいことになっているような?

■ 登ってしまったあとで、足りないかも?と気がついた場合

さて、登ってしまったあとで、ロープ長がギリギリだった場合、どうするか?ということを考えておくことが大事です。

どうしていいか分からなくなると、クライマーはすっぽ抜けで落ちるしかありません。

1)ビレイヤーが上がる
2)クライマーがどこかの支点にセルフを取り、ロープを引き抜いて懸垂で降りる

一番簡単なのは1)です。ビレイヤーが上がれば、良いだけです。日本の岩場は傾斜地にあることが多いので、ビレイヤーが、地面であっても上に上がれば、クライマーはその分のロープ長で安全に降りることができることが多いです。

■ ロープは60mを買う

あと、私のお勧めは、60mのロープを買うことです。

私は、60か50かの選択肢があったとき、50を勧められましたが、私は後輩には60を勧めます。

なぜなら、ロープは傷んだ端を切って使うことが多く、50m→45mとなったときに、あ、そういえば切ったんだった!というすっぽ抜け事故に発生することが多いからです。”前にこのロープでこのルート登ったよね”という思い込みが起こす事故です。

日本では50mで登れないルートはほとんどないから、というのが、50を勧められた理由でしたが、クラックやっていると、なんと”斜めの課題”があるのです!長方形の腸右辺よりも、斜めのラインのほうが長いことは数学で習いましたよね。

ので、まっすぐ上に登るばかりでないクライミング。60mあるほうが何かといいです。

ただし、10m分は重くなりますので、その分体力つけましょう。

Saturday, August 11, 2018

小川山で墜落事故

昨日ヘリが3往復しているのを見ました。父岩なら、初めての小川山での定番、小川山物語かなぁ。

一般的にフリークライミングの岩場では、中間支点もアンカーもしっかりしているので、ビレイがきちんとしていれば、フォールしてもキャッチしてもらえ、大怪我には、ならないはずです。

私は、登山から入ってクライミングしていますが、外岩にデビューする前に、ビレイ技術の習得が必要だと考え、そのためだけに人工壁に通いました。人工壁でのリード練習に通ってビレイを習得する時間は、週2で半年、週1で一年程度だと言われています。

それを設けず、山に行くのと同じ感覚でフリークライミングの岩場に出かけてしまう人が多いように感じています。

特に山から入った人は、ビレイなんて先輩は落ちないからロープを持っているだけでいい、と、ビレイ習得への意欲が低く、ビレイ=技術だと認識する以前に、五級AIで表現される山の岩場と同じ感覚で、デシマルグレードのフリークライミングへ進んでしまっている印象が強いです。

インドア壁にちゃんと通わないとビレイは習得できないのです。それはインドア壁での強固な支点がないと、気軽な墜落は許されないからです。

小川山へ行く人は、ビレイ習得ずみを第一条件にフリークライミングへ進んでほしいものです。

世間の傾向として、クライミング力への注力、賛辞は大きいですが、守りの技術であるビレイ習得に関する情報や強調がほとんどなく、事故が多いのは、そうした社会の在り方の反映でしかないと思います。

※後日、これは、すっぽ抜け事故ではないかと思われる情報がありました。