Monday, June 15, 2015

本間沢 ヒヤリハット

■ ガイドブックを鵜呑みにするとアブない???

昨日は、丹沢の本間沢に行ってきた(こちらが記録)のですが、

『東京起点 沢登りルート120』 に記載されている沢基本セットの意味は

 1)沢登り基本セット(沢靴、ヘルメット、雨具、ザック、地図、コンパス、ヘッドランプ、行動食)
  +
 

 2)基本登攀具(ロープ、スリング3~4、ハーネス、エイト環、カラビナ数枚)

のことです・・・ 基本セットは1)だけだと思っている人が多いようです。

沢をするなら当然、登攀要素がない沢でも、お助け紐くらいは持って行きます・・・。ナメラ沢はヘルメットを車に忘れてしまったので冷や冷やでした・・・(><)

沢ではウォーターウォーキングでない限り、お助け紐程度(7mm×15m)は必要です。もしかして、下りで地図読みして降りたら、懸垂下降が必要になるかもしれません。私は用心深い性格なので、懸垂下降をマスターする前は、地図読みの山さえ行かなかったくらいです。

※懸垂下降だけならダイナミックロープでなくスタティックで大丈夫です。

8.5mm×30mなら、たったの1.3kgほどです。30mあれば、15mの滝を懸垂下降することができます。

■ ガイドブックの難易度

当然なのですが、ガイドブックは、

 ベテランによって記述

されています。しかも、岩と違い、沢の難易度はかなり主観に依存するもので、

1級の沢としては
丹沢・水無川本谷、奥多摩・鷹ノ巣谷
2級は
奥秩父・大常木谷、谷川・ヒツゴー沢
3級は
奥秩父・東のナメ沢、谷川・湯檜曽川本谷

たとえばA沢という沢は何級かと言うとヒツゴー沢感覚的に同等と思えれば2級となります。少し易しいが水無川より難しいと考 えれば2級下となります。

・・・という具合に超いい加減です。

私は、登山を雪山で始めました。通ったのは八ヶ岳の権現岳です。雪の権現日帰りまでに3年かかりました。でも、厳冬期に甲斐駒黒戸尾根に行っても特に苦しいとか困難だったとは感じませんでした。

初めて地図読みで不整地を歩いたときは、「ええ~?!こんなところを歩くの~??」と思いましたが、2度めに歩いたら、「あら?簡単」と思いました。

つまり、歩き慣れると、慣れていない人に取って難しいところも易しく感じるようになると言うことです。

だとすると、ベテランが著者のガイドブックはベテランの感じ方でグレーディングされているはずです。

なので、初心者でも行けると書いてあったときは、ワンランク厳しめに見積もる必要があります。

ちなみに昨日入った、丹沢の早戸川本間沢は、ガイドブックによると

・初心者にうれしい!連瀑もスッキリ登れて大満足
・日程 3~3.5時間
・滝のほとんどが水流沿いに登れる
・初心者・初級者の滝場練習には大変適した沢である
・核心部は、1000m付近のゴルジュ帯で、急こう配のトイ滝や10m級の滝がかかり、突破に不安と期待が入り混じる。初心者同伴でも要所でザイルを出せば安心して遡行を愉しめる。
・不安があればロープで確保し水線登攀を愉しもう

とあります。この書き方では、

  登れない人はロープ要 = 登れる人はロープ不要

と聞こえてしまいます。 しかし、

ロープの出し方も知らない人が、たまたま運が良くて登れたからと言ってロープ無で登れても、運が良かっただけ

です。 

今回は私は嫌だなと自分が思ったところは勝手に巻きました。男性は登ろうとして、結局辞めた滝がありました。あれをフリーソロで行ったら、レスキューになったかもしれません。

沢のレスキューは大変だそうです。今回は、ヒヤリハットくらいで済みましたが、

 ・ヒルに食われず済んだ
 ・滝登りが面白かった


■本間沢は事故多発沢

本間沢事故体験談
F9体験談

・・・・”毎年1、2件落ちている” そうです(汗)

余談ですが、今回は会山行で先輩同行だったので、先輩の山経験が期待できると思い、私はこのような事故情報は知らずに臨みました。しかし、ザイルを出して、と言ったのは私だけです。

私の沢経験は浅いですが、出す出さないの判断を中心にベテランを観察してきたので、その意味では、私の判断の方が的確だったと、事故情報を後で知り思いました。手前味噌ですいません。

しかし、皆のこんなところでワーワー言うなという視線は間違いだと思います。易しくても高ければ落ちたら、大変な怪我になり、そうなれば、一生後悔してもしきれません。

ガイドブックがあると、ガイドブックに合わせなくては自分が下手くそである、というように感じるのが、もっとも危険な点であると思います。

またガイドブックがあると地図を見ないです。

 自分の目で見た情報を基に考えなくなる

ということが一番危険な要素だと思います。

最後の詰めも、ガレが危ないと思ったので尾根に逃げるべきと提案しましたが、ガイドブックにないからという理由で却下。おかしな理由です。

あきらかに尾根のほうが安定して足場が良い場所です。沢の源頭は当然ですが、大抵の場合ガレで、急で危険です。最後は勾配が緩やかな所を探して尾根に乗るというのが常套手段です。

尾根は逆に末端が急であることが多いので、末端部では最後はルンゼになることが多いです。

≪まとめ≫
・ガイドブックはきちんと読む
・ガイドブックはベテランが書いているため、グレーディングは参考程度にする
・自分の目で山を見て、もっとも安全だと思う判断をする
・詰めは尾根に逃げる
・尾根の末端は急なことが多い

≪教訓≫

・次回から、”沢名 × 事故” で検索してから出かけること

・どのピークに突き上げるか、きちんとピークを大事にして山に行くこと

・縦走=バリエーションの偵察

F9 ここはザイルを出しましょう 15mはあります

こんな話もあります・・・

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本間沢ヒヤリハット2



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