Friday, December 31, 2021

ビレイ講習 2022

以下引用です

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年明けておこなわれるビレイ基礎講習の要項が出来上がりました。

これをもとに、参加者のレベル、参加者数等を考慮して内容を少し変更して行くかもしれません。

この機会に、自分のビレイに問題点がないかどうか見直し、更新をしては如何でしょうか?

参加者数は20名を上限と考えてます。

まだ、若干の空きがありますので学んでみたいと思われる方はDM等で連絡を願いします。参加資格は設けておりません。

よろしくお願いします。



Friday, November 19, 2021

アメリカアクセスファンドのボルト再整備事業

 アクセスファンドからこんなお知らせが来ました。



日本でもリボルト進んでほしいですねぇ…。

余談ですが、”リボルト”は和製英語で、英語では、”ボルトのリプレースメント”、です。

うっかり英語でしゃべっているときに、リボルトなんて言わないようにしないといけません。

っていうか、和製英語、辞めたらいいのに…。

こちらは例によって黒田さんの論文です。

クライミングをこれからも楽しむために

Tuesday, September 28, 2021

大分県中津市 八面山の岩場  リボルト基金への協力のお願い

以下、転載

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大分県中津市 八面山の岩場 

リボルト基金への協力のお願い

北部九州の多くのクライマーに愛されている八面山。

上部、中部、下部の3つのエリアを持つ、大分県でも屈指のクライミングエリアです。

その八面山のリボルト作業が2021~2022年に行なわれます。

1990年代に開拓されたこのエリアも、他のクライミングエリア同様ボルトの老朽化が進んでおり、また開拓当時は普通に使用されていたボルトや終了点も、現在ではその強度が不安視されているものが多く含まれています。 

また、八面山は県立公園内に位置し、景勝地、名勝地でもあります。そのため、まずクライミングエリアとしての認可、次いでリボルトの許可を申請する必要がありました。

各方面の方々のご尽力があって、今春クライミングおよびリボルトの許可を大分県ならびに中津市の各関係部署からいただくことができ、リボルト講習会(2021年夏開催予定)ののちに本格的な作業に入っていくことが決まりました。

このたび本グループを立ち上げたのは、リボルトの現状をリアルタイムで広く情報提供できる場を作る必要があった事と、募金活動の母体が必要であったためです。

耐用年数と八面山の岩質を考慮すると、ケミカルボルトを使用する必要があるため、施工から丸1日(※夏季の場合)は登ることができません。どこのエリアでどのルートがいつまで使用不可であるかなど施工状況を周知する媒体としたいと思います。

募金については

既存エリアのボルトの多くはリボルト対象と言われており、かなり大規模な作業が必要です。材料代だけでも相当な額にのぼることが予想されます(※ケミカル中間ボルト1本の施工に約2000円。終了点の設置に5500円ほどかかります。1ルートだと2~3万円の材料費となります。人件費別)。

安全なクライミングエリアの存続のため、八面山リボルト基金へ、クライマーの皆さまのご協力お願い致します。

2021年6月28日

八面山リボルトTeam一同(仮称です)

ご寄付 振込先

paypay ID   mt8mem

(メッセージにてお名前入力ください)

セブン銀行

店番107 バラ支店

口座番号 2131713

※銀行口座は近年の特殊詐欺対策のため、任意団体名の口座開設が困難なため、口座名義が世話人の池田の個人名になっておりますが、ご了承ください。

※各お問い合わせはメッセージ経由でお願いいたします。

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Saturday, September 18, 2021

ボルダリングで地域おこしをしている鈴木亘さん

 ■こちらの記事から。

https://www.hida-kanayama.info/post/%E3%80%90%E3%81%BE%E3%81%A1%E3%82%BC%E3%83%9F%E3%80%91%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%A7%E9%81%8A%E3%81%B6%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%A7%E3%80%81%E3%81%BE%E3%81%A1%E3%81%AE%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%8D%E3%81%A3%E3%81%8B%E3%81%91%E3%82%92?fbclid=IwAR2vGAXS595Y2tPe6IlHKOMQhq0FWdnuNFMGNRxVyRKmK8xxdHeZp3aw-po

■現代のクライミングは負の遺産だらけ

負の遺産というのは、きちんと許可を取ったわけでもないのに、曖昧な状態のまま、クライミングが繰り返されて、地権者との関係がこじれ、アクセス問題のほうが歴史が積みあがってしまったような岩場ということです...

このようなアクセス問題の問題解決は、未来に先送り…つまり、現実逃避されている最中なので、結局のところ、前の世代がやっていることは、いいとこどり…

そんな中で頑張っているのが新しい世代…小山田さん世代の開拓者ですが

こんな奇特な若者もいるんだなぁというのが感動した鈴木亘さん…鈴木さん、頑張ってほしいなぁ。


Thursday, August 12, 2021

オリンピック選手よ!目覚めろ!

【速報版】IPCC執筆者が独自解説!「気候変動 国連最新レポート」

江守正多 

氏というのが気候変動について正確な情報を知りたい場合の、検索キーワードです。

IPCCは、各国の政治家が参考にする基礎資料とするために、各国の研究者が集まって研究成果をまとめたものです。

それを仕事、生業にしている人たちの言っていることですので、この期に及んで、目先の利益に振り回され、地球は温暖化していないなどと言っている政治家などの意見を同レベルに考えないようにしましょう…

山の業界で、お天気について聞くなら、山岳会の先輩より、猪熊気象予報士を考えるのが普通でしょう、山岳会の先輩が晴れると言って、猪熊さんが雨だと言ったら、どっちを信頼しますか?専門家のいうことでしょう…

気候変動では、江守正多氏 が聞くべき専門家、です。



Tuesday, June 29, 2021

ザックを使った人の搬送 都岳連・遭難救助隊長・北島 英明氏の講習


親が疲れた子供を背負う場合、こどものリュックを上下反対にして、おんぶ紐にすると背負いやすくなります。

子供用速乾性化繊ウエアの考察

■子ども化繊ウエアの考察

水に濡れると、コットンは低体温症になる、というのは、常識だが…夏に沢沿いの道に行けば、当然、子供は沢にどぶん、としたくなる…。

その際、全身化繊ウエアで固めていれば、安心なのだが…。

子供用のウエアだと、高額な登山ウエアで…と親に要求するのは難しいよなぁ。せいぜい水着、っていう程度が親に要求できるせいぜいのところと思われ…

代替え案としては、乾いたウエアの着替えを持っていく、がある。が、荷物が増えて親の負担が大きくなる。濡れたウエアは帰りは重たいし…

子どもをすっぽんぽんで遊ばせれば、荷物は重くならないが、でこぼこがあって、コケたら、すぐ怪我になる沢で、無防備なすっぽんぽんは... かわいそう。

というので、色々と考えると、たとえ高額であっても、沢遊びにおいて、速乾性の登山ウエアで身を包むのは、非常に有効な投資、と思える。

沢遊び、夏に山で水と戯れること…それも子供時代に経験すること、には、お金に変えられない大きな価値があると思われるからだ。

もし、お金を使うとしたら、こういうお金の使い方が正しいのではないだろうか?




Wednesday, June 16, 2021

K2が冬期初登頂されたニュースを見て感じたことを一方的に語ります


高所登山ではなく、スーパーアルパインの時代ですね。
シェルパさんたちがクライミング力を付けたら、最強ですね。

Friday, May 14, 2021

事故原因の究明と対策が不十分な日本

 ヨセミテでも5、9で5、13登れる人が落ちていますよね。

花崗岩を登るスキルと、フェイスを登るスキルは別のスキルです。


Tuesday, April 27, 2021

私がスゴイのではなく、 レベル低下がヒドイ

 ■ スゴイのではなく、ヒドイ

今日読んだ記事のセリフ…

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例えば、スキージャンプの葛西紀明選手。

45歳でオリンピック出場を果たすという偉業を成し遂げているわけだが・・・

45歳で日本代表に選出される葛西がスゴイのか?

それとも、45歳に代表枠を奪われる日本の選手層がヒドイのか?

どっちなのかが分からないので、あまりピンとこないんですよ。

ーーーーーーーーーー

というセリフがありました…

私は38歳で登山をスタートしていますが… 

 私がスゴイのではなく、登山の世界の人たちの

 レベル低下がヒドイ

ってほうです。

念のため。

Be The Love You never received

■Be The Love You never received 

受け取らなかった愛になりなさい…

これが私がクライミングでやっていることです。

私はお金を払って山岳総合センターで雪上確保から講習を受けて、山の技術を受け取りました。”何が分からないかも、現時点ではわからないな”と自覚があり、そして山の技術を学びたいのだと、強い自覚があったから、です。そこに必要な知識を持っている講習があれば、人は学びに行きます。

しかし、教え方が… まずロープに対する信頼を作るために、ロープに体重を預けてみる、なんて丁寧なステップはなかったです。

ので、講習生はいつまでたっても、

 セルフにはずっと体重を預けているほうが安全

ということが分からないわけで、私の講習仲間や大学山岳部とかだった人でも危なくて、三つ峠くらいでも連れて行けない…。それは、

 平地の安全と足場がないところの安全は違う

からです。そこを教えそこなって、講習が進むので、行く山や、やることが高度になっても、肝心の基礎が…で、事故につながります。

私が自分で登った山で最も高度なのは、たぶん、積雪期の阿弥陀北稜単独、で、この程度だと一日2回、登ったり降りたりできそうな、楽勝系テクニカルルートの入門ですが…それでも大学山岳部でも遭難して大ニュースにしていますからね…要するに大事なのは、

理解


 体力ではない

ってことです。

ではなぜ、山やは体力に結論を求めてきたのか? 体力、体力、と結論を体力に求めるのは、単純に事故った時の生存率を高める、というだけです。つまり、そもそも、事故らないテクニックではない。雪山で耐える能力ってだけです。

しかし…それと同じ保険…つまり体力…を、事故ってもヘリを呼ぶだけで済む現代の岩場でのクライミングでやっている…日本の山の世界のおじ様連中…時代錯誤がここにもあります。

アプローチゼロ分の岩場で体力いくらあっても…関係ないですよね。それより、現代の若者の事故原因は

 自分でセルフを外してしまって落ちている

んですよ?保科ガイドでは、すでに3例くらい出ています。ガイド山行ですら、そうですからね…

いくら指導者の能力が高くても、

 自分で自分を落とす奴は守れない


っていう意味です。言われてみたら、そりゃそうだ、です。なので大事なことは、

 平地での安全と高いところでの安全は全く違う

と最初に叩き込むことです。

これが、自分が受け取らなかった愛、です。




Monday, April 26, 2021

ローワーダウンとラッペルの教え方

■ ローワーダウンとラッペルの教え方

ロープに体重を預けても安心だ

と言うことを教えるには、

平地

を使います。

具体的手法は以下です。

1)ビレイヤーがコントロールするローワーダウンを平地で教える(バディの関係を直感的に納得させる)=命は相手の手中にある

2)グリグリで自分でコントロールしながらローワーダウンすることを教える(つまりラッペル)

=命は自分の手中にある

3)同じことをATCで教える ダブルストランドで。

=命は自分の手中にある

以上で、懸垂やローワーダウンで、

自分の責任で自分の命を守ることができるクライマー

が一日で作れます。

14歳でも、これでやれば、降りれませーん、なんてことにはなりません。20代の男子でも、降りれませーんになっていますからね。あるいはコンペの選手でも懸垂下降ができない選手がいます。

そんな無責任クライマーを作ったのは、大人の無責任、です。

まずは、全部平地、でやることが大事です。ギアにも、ロープにも信頼がないのですから、フェールセーフが必要です。

次に、本当の懸垂下降の場所に連れて行き、高度感、を体験させ、

 高度感に対する対応力

をつけてもらいます。高度感があって怖い、というのは、懸垂下降をし始めた途端に減じます。高度は下がるからです。

ぶら下がっていれば安全

という感覚を持つのは、立っていれば安全という平地感覚とは全くかけ離れた非日常感覚ですので、当然、しばらくかかります。壁をトラバースする感覚なども、実感してもらいます。

(ギアや懸垂セットへの信頼の量)>(見せかけの恐怖) 

ということを納得するのが大事です。

ここで、セルフを2か所取る、というのも大事です。

リアリティがある設定でないとセルフの大事さは、なんとなくしか、分かりません。

初心者にとっては、まずは、自分が岩場で、快適に怖がらずに過ごせないと、ビレイなど人の分の命の責任を持つことなど、不可能でしょう。

Saturday, April 24, 2021

君もかっこいいクライマーになろう!スライド

 こちらに初心者クライマー向けのスライドをまとめました。

テキスト1 君もクライマーになろう! 生きる強さを作る

https://docs.google.com/presentation/d/18YVHnLuTWWlOnqgtec6ObiXBL1vDvO6gKUkCm6KBBEE/edit?usp=sharing

テキスト2 君も”かっこいいクライマー”になろう!行動指針

https://docs.google.com/presentation/d/1hdlI6ZX8Wk6l9RH8nYnQvmzOCkCyXUlFl-H1jfIhi4E/edit?usp=sharing


Monday, April 12, 2021

タケノコ取り

■タケノコvs花粉

タケノコに文句を言うような山主には、花粉被害による損害賠償を求めるべきです

というのは、日本人の私有観、自己責任論、はアメリカから輸入される時点で、ご都合主義に偏り、

 私有による権利は主張されるが責任はない

とゆがめられているからです。権利あるところ、責任あり。

開拓クライマーは、ルートにネーミングする権利を主張するのであれば、そのルートの安全性にも責任があります。

Monday, April 5, 2021

PASで作る支点

■ PASで作る支点

これをデファクトスタンダード化したらいいんでは?

間違いを内包する、スリングでの支点作りは、正しく作るのに必要な知識がたくさんあり、エリート向きかもしれないので、知性に劣る人には、難しいらしい…と、ここ数年の経験で分かったので、これなら、間違える要素が少ないので、一般向けなのでは?


https://www.lostarrow.co.jp/metolius/support/manual/OM2014_ME_PAS-Ultimatedaisy-Anchorchain.pdf?fbclid=IwAR2U3PyQnntnzaKr_vfADqCmOucb_fCSdg7jtZXQE1aWRGxhnjKN9eUBbYg

Tuesday, March 30, 2021

やってはいけない、ダメなビレイ事例

 まるで教科書のように美しく?やってはいけないダメビレイを先日、見ましたので、アップします。

■ 制動する手も確保器より上

確保器のトリセツを読みましょう。

これでは確保器を使ってビレイしている意味自体がないです。
■ ロープの屈曲が大きすぎ

この例では、90度も曲がっています。

これでは衝撃が吸収されず、登っている側が危険です。

親子クライミングでは、親が下手なビレイで、子供をリスクにさらしている、というのが正確な理解です。

子どもは分からないから文句言いませんが、理解力があるクライマーであれば、たまったもんじゃない、が本音です。

ロープに引っ張り落とされて、登れるところも登れません。

おちれば、びったんこビレイなので壁に打ち付けられて、怪我のリスクがあります。

このようなビレイは本当に多発していますが、間違い、ですので、

決してしないようにしましょう。


Sunday, March 28, 2021

Saturday, March 27, 2021

アルパインクライマーのビレイvs フリークライマーのビレイ

A)アルパインのビレイ

・先輩は落ちないからロープは持っているだけでいい

・ロープドラッグで重いからだらりん

・一度も落ちた人をキャッチしたことがない

・ロープ持っているだけの人=ビレイできる人

・クライマーの責任200%、ビレイヤーの責任 0%

B)フリーのビレイ

・落ちること前提

・キャッチした経験があるのが普通

・ビレイヤーはクライミングギアの一部

・ビレイは技術

・クライマーの責任100% ビレイヤーの責任100%

Thursday, March 25, 2021

数字で語る開拓 ルート一本作るのに、現代ではいくら必要か?

■ 関西のとあるルート

・このルートで使用したボルトは7本

・ボルトとハンガー1セットは600円程度

・終了点カラビナ・ボルト3,500円を2個。

・ドリルビット、ノコギリなどの消耗品や器具代は別(初期道具セット約10万円、消耗品摩耗含まず)

600×7=4800円
+
3500×2=7000円
=11800円

人件費別 参考 最低時給800円×2日14時間
=11200円

トータル
11800 材料費
+
11200円 最低人件費
=23000円

すごい労力が必要だそうですので、開拓された人には暖かい言葉をかけてあげてほしいと思います。

Sunday, March 21, 2021

2019年発行の『フリークライミング』ヤマケイ登山学校

もし一冊しかフリークライミングに関する本を買わないとしたら、この本が一番おススメです。


https://amzn.to/3tzLfGi

■ 開拓王 北山真さん + 杉野保さん

杉野さんは亡くなってしまい、大ニュースになりましたが…。つよつよクライマーでも、リスク管理には危うさが残る方、と伺っていました。まぁ、クライミングは危ないから楽しい、危なくなかったら、楽しくない、ので、その人が取れる危なさを許容するのが楽しさなのですが…。

北山真さんは、言うまでもない開拓で大変有名な方ですが、私は面識はありませんが、キュ州のボルトにまだカットアンカーが使われている件をお伝えすると…「まだいますか」でした。九州では情報伝播が遅く、特に年配の人は、20年、30年遅れの情報で作業していることも少なくないです。山岳会、と言う仕組みでは、ボルトに何を使うべきか?と言うような情報は盲点になって、伝播されないからですね。クライミングの雑誌も読まないでしょうし。ひっそりと開拓していたら、補足する方法もないです。

この本では、2019年での最新の知見が詰まっていますので、それ以前のフリークライミングの教科書と見比べると、時代の流れが分かるかもしれません。

好感できるのは、カムの解説に15ページ… どこぞの雑誌で、本気チョークの特集に14ページだった、ていたらく具合と比較すると、ホントにまっとうでホッとします。チョークに粘着性を持たせようというのは、基本的発想の方向性が、エイドクライミングです。チョークの保持力ではなく自分の保持力をアップしましょう。なんならチョークレスで登ったことを自慢するくらいで、ちょうどよいです。

■ ボルダー

ーーーーーーーーー

安全対策としてのマットの出現やスポットの一般化で、最もシンプルで道具を極力排除したはずのボルダリングが、いつしか最も大きな道具=マットを使うクライミングに変化してしまったのは皮肉なことだ。

ーーーーーーーーー

若者が選び取ってきたクライミングの道が、

リスクと困難を天秤にかける遊び

ではなく、

リスクフリーでフィジカル解放の快楽追及

である、ということは、ボルダー人気に現れているわけですね。


Friday, March 19, 2021

日本開拓クライマー協会

ちゃんと機能して欲しいですね~

日本開拓クライマー協会
飯山健治、稲垣智洋、大岩純一、大岩あき子、奥村晃史、小野巳年男、加藤道浩、北山真、北山厚美、木村伸介、木村理恵、小山田大、斉藤宣夫、新原孝喜、杉田守二、杉野保、宗宮誠佑、徳永信資、内藤直也、永井久雄、中根穂高、奈良誠之、橋本覚、東秀磯、樋口義朗、平山ユージ、保科雅則、堀洋紀、山本和幸

https://www.climbing-net.com/news/180118/

Thursday, March 4, 2021

若い人の山岳会離れ その2

さて、これは私の経験した事柄です。この様子をみたら、山岳会に入ること自体が山に行くリスクを増す、ということが分かると思います。

”若い人が山岳会に入らない”、のではなく、

”単独で行く以上のリスクを抱えることになるので山岳会に入れない”

のが正しい実状です。

【トンデモ事例集】

・とある県を代表する人工壁アクシオンで使用者講習を受けたら、壁の途中でトップロープ支点を作る方法を教えていた

・〇〇県を代表する、人材輩出山岳会の〇〇県〇の会で、ゲレンデアイスクライミングの企画があったので行ったら、外岩ゲレンデに転進になり、初対面でリードして欲しいと言われ、まさか初対面でマルチピッチのリードをさせられるとは思っていなかったので、ゲレンデ向けの軽量化なしのザックで行っていたのにもかかわらず、すべてを担いでリードを強要されたうえ、一人のビレイヤーが2名のリードクライマーをビレイしている様子が、後で写真で送られて来た。間違ったことをしている自覚がないと思われる。

・矢筈岳マスターズルーフの1P目の10cコーナークラックをリードするクライマーが立ち木で支点ビレイされていたので、後でそれが支点ビレイだというものだと確認が取れてから、危険だよと、その時リードしていたクライマーに教えたら、会の悪口を陰でコソコソいうなと逆切れされました。そこは教えてくれてありがとう、というところかなと。

・小さいクライマーに最難エイドルートでリードさせようとする。会の重鎮が座ってリードをビレイしようする。立ってもらった。他にも外岩ゲレンデで、座ってビレイされているリードクライマーを見た。リードクライマーは当然のようにリードしていた。

・読図による山で、尾根一つ読図で降りたら、”うちの会のメンバーには無理”、と言われた。その会は北鎌尾根で死者を出している。ロープを出す技術はない。が、その会の人が山岳組織の上位団体の会長。そもそも登山自体を分かっていない段階なので、いつも話がかみ合わない。

・最近、新規開拓の岩場に行ったら、ボルト連打だった。1m起きにボルトが打ってあった。

・大学生山岳部、5.7の易しいところではセルフはいらないと後輩に教えている。最近の若者は18歳でもあまり登れない。おそらく、入部して山そのものの経験値がないまま、外岩で、クライミングにデビューしているのかも?

・クラックの横にボルト。岩に木っ端ホールド。岩にプラスチックホールド。

・その岩場を代表する開拓者がケミカルもどきを作成。グルーは木工ボンド。

・岩場開拓者でヒマラヤ二ストでも、立ち位置が遠く、ビレイ技術を習得しているとは限らない。

・昨今、都会で人気のジムでは、一般客ビレイヤーにATCの上でロープを束ねて持つ待機を教えていることがあった。

・昨今、クライマーがやっていないジムのほうがクライマーがやっているジムより人気。フリーファンを置いているジムはなかなかない。

…と言うような実態があります。

現代は、山岳会の時代ではなく、個人の時代だ、と、伝統ある山岳会である蒼氷の先輩すら、言っていたほどです。

山岳会を頼ることは辞め、自分で、自分個人に、能力と知識を付けましょう。

フリークライミングインストラクター協会 一般登山から、”本格的な登山”へステップアップするための新しい入り口

■ フリークライミングインストラクター協会

アルパインという言葉は適切ではないですが、いわゆる夏の山岳岩稜帯の登攀…例えば前穂北尾根とか、北岳バットレス第四尾根、とか、ですが…そういう登攀を含む登山にステップアップするにはどうしたらいいのか?

現代の山岳会は、高齢化しており、そこには指導者はいません。

一般登山、つまり、ピッケルが出ない山ですが…を自力で一通り、登り終わった人たちにとって次に必要な技術は何でしょうか?

 クライミング技術(安全を確保しながら高度を上げていく知識と技術)

 ムーブなどのクライミングパフォーマンステクニック

です。

というので、結局は、クライミングを誰かに教わらないといけなくなります。

その際の受け皿ですが、

 クライミングガイド ではダメ

 クライミングインストラクター

である必要があります。

なぜなら、クライミングガイドはリスク管理が100%ガイドです。クライミングインストラクターは、自分でリスクを引き受けられるクライマーを育成することを目的にしているので、リスクは講習生が受け取ります。

というので、私のように師匠が向こうからやってくる、なんてことが起こらない人の場合、叩くべき戸は、

クライミングインストラクター

です。

こちらにフリークライミングインストラクター協会のリンクを張っておきました。


 フリークライミングの能力は、安全なアルパインクライミングの基礎

となるものです。

 https://climbing-instructor.jp/member/?fbclid=IwAR2eBMONi94-4QIL1WH5VDqM_VNC5Ox-flozrT8zR6L_LkSwpaHAhH2nPjY


Wednesday, March 3, 2021

体が小さいクライマーの自衛

フリークライミング=墜落を許容するクライミング。

であるとなると、

落ちないクライマーは落ちることについて理解できない=フリークライミングについて理解できない。

先日の奥村講習で、小さい人の安全対策を聞いたら、

・1ピン目を低く取る
・アパーチャータイプを使ってもらう
・ロープにしなやかなものを使う

でした。 

師匠の青ちゃんはクライミング歴40年でしたが、私と喧嘩して意見が合わないことがありました。

それは、私に彼がプリセットしたカムでリードさせようとすることでした(ピンクポイント)。

大前提:
リードは上に行くほど安全が増す。つまり、もっともリスクが高いのが1ピン~3ピン目。

彼の言い分は、湯川はプロテクションのセットが困難だから…でした。カムを入れる場所を選ぶ岩場なんですよね。小川山でもカサブランカはフレアーしているクラックで、プロテクションのセットは難しいです。

しかし、そうやって、難しいセットを避けていたら、いつまでたっても、セットできるようにならないですよね? 

カムのセットは、カムエイドで登ることでマスターできます。それより、人のセットで登るほうが納得いかないですよ。何しろ一本目が一番怖い場所なのに、一本目の位置が高すぎますよ。大体、カムの位置は、3ピン目以降で、大体同じになってきます。つまり、地面から離れるようになって、やっと同じになる。

1ピン目が、地面に近いのは、クライマーの背が低いから当然で、仕方ないです。

それを何回、訴えても分かってくれなかったよなぁ。

きっと自分はカムに手が届かなくて回収すら困難っていう経験がなかったんでしょう。

Tuesday, March 2, 2021

かかりつけクライミングインストラクターのススメ

昨日は講習に出て思ったのですが…どのような関係の濃さであれ、

かかりつけ医

ならぬ、

かかりつけクライミングインストラクター

を持つのは、大事なことです。クライミング業界に長く、歴史的経緯も分かっていて、現在地を正しく位置づけられる人。最新技術の導入も怠らない人。

山梨なら、フリーならピラニアが、アルパインなら佐藤さんがその役割を担っています。

それぞれの地で、きちんとしたかかりつ、かかりつけクライミングインストラクター、にかかっているということが大事だと思います。

Monday, March 1, 2021

Sport route and Sports climbing

■ 区分がややこしい件 

スポーツとスポートの使い分けです。英語では、Sport routeです。大体Tradの対比。おおざっぱにボルトルートと理解されていると思います。

ラッペルで開拓されたボルトルート=スポートルート

スポーツクライミング=人工壁

ああ、紛らわしい~。ラッペルルートとか、フレンチルートとか、分かりやすくしてほしいわー。
ーーーーーーーーー
スポーツクライミングとスポートルートという言葉の紛らわしさ
やはり人工物を登る「スポーツクライミング」とトップダウンで築かれた「スポートルート」はかなり紛らわしいですね。

でもこれが今一般的に使われているので仕方ないのですが。

ーーーーーーーーーー

じゃ、グランドアップのボルトルートは何というのか? 英語では、SportRouteに含まれてしまうと思います。グランドアップルートとでも、書いておくべきなのか?要するに、エイドルートがフリー化された場合は、グランドアップになるのでは?

■ 岩とプラスチックの区分

海外では、Prasticで通じるような気がします。

ーーーーーーーー
岩とプラスチックを区別するのに使う言葉として、ロッククライミングとスポーツクライミング以上に適切なものが思い浮かびません。
ーーーーーーーーーーー
https://micki-pedia.com/classify-freeclimbing.html#outline__4_2

Thursday, February 18, 2021

最新刊『UIAA 総合登山技術ハンドブック-夏季アルパイン-』

http://www.jwaf.jp/upload/info/484.pdf

やっと出ましたね!

60周年記念とは知らなかったですが・・・

しかも安い!たったの2000円だそうです!

ぜひ、お買い求めください!


https://stps2snwmt.blogspot.com/2017/11/uiaa-alpine-summer.html

file:///C:/Users/kinuy/Downloads/%E5%AE%A3%E4%BC%9D%E6%96%87%20(2).pdf





UIAA登山総合ハンドブックを図書館に

クライマーの皆さんにご協力のお願い

しばらく前にUIAAから『登山総合ハンドブック』が日本初出版となりましたが、この本、一般の書籍と流通ルートが違うので、図書館が、この本の存在に、なかなか気が付かないようです。

現在、登山技術で最も信頼がおける書籍なのに…。

そこで、もし図書館などに行かれることがありましたら、購入本のリクエストに上げていただけないでしょうか?

大抵の図書館では、購入する本を市民からのリクエストで決めており、リクエスト本を書くところが儲けられています。

各県に1冊でもあれば、登山技術に迷うことがあったとき、確かめるリファレンス的な役目を少しは果たすことができるのではないかと思います。

ぜひご協力よろしくお願いします。こちらが購入先リンクです。

収益は、すべてアルパイン教育に使われるそうです。

Thursday, January 28, 2021

二子山開拓記 新時代クライマーの息吹


クライマーのクライマーのための、クライマーによる自治団体…。みんなで岩場を作っていく!守っていく!ということですね~

素晴らしい活動だな!って素直に思います。

Friday, January 15, 2021

各登攀スタイルによる違いのまとめ

項 目        アルパイン
クライミング(注1)
フリー
クライミング
スポーツ
クライミング
ボルダー(外)
墜落の意味 死。墜落は許容されない 落ちながら登る。
墜落は当然視される
日常 頻繁
確保の意味 墜落時、ボディを見失わない グランドフォール
を避ける
ムーブの失敗を許容し、技術向上に資する ムーブの失敗を許容し、技術向上に資する
クライマー側の責任 200%
クライマーが登攀の全責任を負う
100% ビレイヤーの吟味もクライマーの責任。ビレイヤーが悪いと登れない 0%
どこで落ちても確保に失敗するのはビレイヤーのミス
無限大
落ちなければエルキャップを登っても良い
ビレイヤーの責任 0%
落ちなければ確保はスキル不要で形式的になる
100% 良いビレイを提供しないとクライマーは登れなくなる 200% どのような時も落としてはならない。原則、クライマーのミスはありえない 不要
落ちたときのリスク 死もしくは 大怪我。大規模なレスキュー前提 グランドフォールすれば大怪我。しかし、死に至ることを稀。捻挫等は頻繁 よほどのことがない限り、負傷に至ることは稀 上手に落ちること自体がスキル。スキル不足だと捻挫等が頻繁
ヘルメット 着用が当然 着用しない人とする人がいる。ベテランほど着用しない傾向があり、着用しないことが自己PRになる 着用しない 着用はありえない
クイックドローのタイプ アルパイン
ヌンチャクやスリング+カラビナの組み合わせ
(場合によってはスノーバー等)
通常のドッグボーンタイプ。
ドッグボーンが固いスポーツクライミング寄りと柔らかい外岩寄りがある
壁に固定されている 不要
中間支点の在り方 プロテクションとして信頼できることは稀。

クライマー自身が作成
プロテクションとして信頼できることが前提。(日本ではそうなっていないことが多い)
クライマー自身が作成することは、ボルトルートではない(トラッドではある)。
プロテクションとして、当然信頼でき、施設管理者により保証されている 該当せず
ピッチ数 通常、複数回、ロープが出る。途中歩くことも多い。歩きでもロープはつけっぱなしが多い ショート(1回)
マルチピッチもあるが通常はクラッギングと呼ばれる1ピッチのみの登高を目指す
ショート 関係なし
安全マージン 常にオンサイトグレードで登る。ギリギリにはトライしない ギリギリにトライすることが面白みであるので、ギリギリにトライしないのでは意味がない ギリギリにトライすることが面白みであるので、ギリギリにトライしないのでは意味がない ギリギリにトライすることが面白みであるので、ギリギリにトライしないのでは意味がない
終了点 自然物が多い
残置にやむを得ずなる
自然物利用から強固な既成アンカーまでさまざま。残置なし(クリーンクライミング)が基本 強固な既成アンカー以外ありえない
アンカー崩壊はありえない
不要
終了点に必要な強度 クライマーの懸垂下降を支えるに十分な強度
落下係数2は必要ない
懸垂下降だけでなく、ローワーダウンとトップロープに必要な強度 1.7倍 ローワーダウンとトップロープに必要な強度 不要
ビレイポイント セカンドのビレイポイントはパーティの最後の砦 常に地面から。軽いビレイヤーや不安定な大地など必要に応じて後ろにビレイを取る 地面 不要
終了点 非常に強固であれば1点もありうるが推奨はされない 通常2点から取る
脆弱性が高い場合は3点
常に管理下に置かれているので1点もありうる。通常2点。脆弱であることはありえない 不要
終了点に必要な強度 クライマーの懸垂下降を支えるに十分な強度 懸垂下降が出ることは稀。ローワーダウンとトップロープを前提とした終了点強度が望まれる ローワーダウンとトップロープに必要な強度 該当せず
アンカーの数 通常2点だが、強固であれば1点も可能。バックアップを回収つつ下降する 通常2点

強固であれば1点もありうるが通常2点 不要
支点ビレイ セカンドは常に支点ビレイ。 リードを支点ビレイすることは勧められない。ハーネスがない時の緊急用 通常ありえない。やってはいけない危険なビレイとされる。例外はマルチのセカンドのビレイ。 考えられない 該当しない
ギアに対する思想 軽量化のために限られたギアを効率的に活用する能力が求められる 通常ギア不足は、怠慢とされる 通常、ギア不足は初心者の無知以外ありえない。必要なギアは少ない クラッシュパッドは一人一枚持ち寄る
多いほど安全なので多人数が集まると安全性が高まる
スタイル オンサイト重視。
初登は常にオンサイト
困難重視。オンサイトは重視されるがグランドアップのルート以外では、初登者もオンサイトはしていない。RPなど様々な価値観が混在 オンサイトにこだわることは、コンペ以外稀 ビデオトポがあるほどで、ビデオトポを見れば、オンサイトはありえない
ロープ 通常はダブル
例外的にシングル
通常シングル
例外的にツイン
シングルの太径で墜落前提 不要
ロープの軽さ 重視される クライマーの体重との兼ね合いによる 軽さより耐久性が重視される 該当しない
ロープは誰が持ってくるか クライマーとビレイヤーがそれぞれダブルを持ち寄る 自分が登るために持つ 自分が登るために持つ 該当しない
プロテクションは誰が持つか 各自が自分用のプロテクションを用意する 各自が自分用のプロテクションを用意する(人のプロテクションでは登らない) 壁に付属 該当しない
外的要因 山岳気象と隔離性に大きく左右される 山岳ではない気象に左右されるだけで隔離性は高くないことが多い 外気温程度の左右されるのみ 場所によるが多くは平地
アプローチ 数時間、長くは数日 1時間未満の場所が多い 平地で歩くことが問題になる距離はない 場所によるが大抵は1時間以下
岩登り(クラッギングの位置づけ) 本番に対する練習 クラッギング自体も目的とされる。登頂が目的でないクライミング。 コンペなどを主体とするクライマーにとってはご褒美。 人による
両方を楽しむ人もいる
初心者像基本は18歳男子大学生が前提現代の初心者は年齢性別も様々。
子供でスタートすれば有利
高校生でスタートすることが多い。子供でスタートすればするほど有利高校生でスタートすることが多い。子供でスタートすればするほど有利
初心者の取り扱い リードが取れるようになるまで3~5年 初心者はトップロープからスタートし安全なルートを選んでリードへ進む
初心者が登る課題の選び方 2グレード下をリード。

敗退を前提とする。
1本目から落ちれることが原則だが、現実的には3ピン目以上から落ちれないことが多い。課題の見極め力が必要。特定の課題への愛情があることが多い。 自分に合ったグレードを登れば良い 自分に合ったものを登れば良い
結び替え
(通し八の字)
アルパインでは出てこない必修技術出てこない不要
懸垂下降失敗が許されない必修技術大抵はローワーダウンで済ませられる出てこない不要

注1)アルパインクライミングは山岳地帯における山頂を目指すクライミングという意味なので、岩登り以外にも、沢登り、雪稜、アイスなどの様々な形態がある。ここでは一般的な無雪期の岩稜のマルチピッチを想定 スノーバーやボラートなどの確保は比較のため、例外的としている。

Tuesday, January 12, 2021

どこからロープを出すべきか?甘い判断が失命につながった事例

■ヒヤリハットの具現化
 
九州の友人に、初めて行った北鎌尾根で、墜落で山仲間を亡くした人がいます。その人は大変つらかったようで、初めて会ったときに話をしてくれました。

今日は、散歩していたら、天啓のように、なぜ、彼女が死ななくてならなかったのか?が分かりました。

ハインリヒの法則は別名ヒヤリハットの法則。300件のヒヤリハットがあって、1件の重大事故が起きる、という法則です。(参考 https://blog.mcdata.plus/preparation/hiyari-hatto-guide/

九州の人は習慣として、易しいところでロープを出さない。

そして、それは、おそらく、いまだにヒマラヤ向けに山をしているからなのです。

日向神で簡単マルチに行ったとき、ここはどう見ても、0.1%の失敗も許されないところがありましたが、懸垂しないで、皆、リスクを冒して降りているようでした。私がロープを出して懸垂すると、え?こんなところで?という顔を古いほうの山ヤさんはされました。一方、新しい基準の方は、当然のようにロープで降りました。

登るほうは何ということのない、4級もないような尾根のルートです。ボルトもなくハーケンやリングボルトです。

こういう易しいところは、学習の狙い、としては、安全管理を学びに行くところ、ということで、私は初期に清高さんに阿弥陀中央稜や広河原沢左俣で教わったことでした。大事なことは、めんどくさがらずに出す、です。

山の会の人と行った比叡でも同様でした。これはロープを出すべきところ、と私が、客観的に判断できるところで、ロープを出さない。そして、私が拒むと意外な顔をする、ということがありました。

実は私の先輩も、一緒に行った大長征では、上部の2級トラバースでロープを外そうとしていました。が、それは、まぁ仕方ないかなと思いました。2級だからです。私はガイドとしての知識と見識がすでにある一方、彼は事故経験がなく、12まで登っていて、安全マージンの設定が1軍です。2級トラバースは、岩に引っ掛けてビレイ代わりにするのが定番ですが、そんなこと、ちゃんと教える会あるのかな?彼、山岳会で登った経験値も少ないですし…。

どこからロープを出すべきか?というのは、ある程度、合意したラインがあります。

どんなに簡単でも、失敗が一ミリも許されなければ、念のため出す、が鉄則。

易しいところは出さなくていい、とやっていると、本当に必要な時に素早く出せない…出せないロープは持っていても無駄、です。300:1の法則です。

とはいえ、山岳会でロープを出す基準と登山ガイドが出す基準では、2グレードくらい違います。山岳会だと4級は出さないです。具体的には、赤岳地蔵尾根では出さない。ガイドは出します。対象…登る人が4級がマスターできていないからです。私の九州久住での積雪期ガイド講習でも出しました。なんと3級程度のところでした。

九州の山ヤたちはロープを出す基準が、確実に簡単なところでは出さない系、です。

■ 原因

この原因は何か?と考えると、いまだにヒマラヤ時代を生きているから…のような気がします。時代遅れ、というと言いすぎでしょうか?現代の若い人が、エクストリームアルパインへ進む場合は、アラスカルース氷河などが定番で、ヒマラヤの時代はとうに終わっています。

ヒマラヤの偉大な歴史は、リスペクトするべきですが、現代のヒマラヤ初登ブームは、2番煎じです。ハイキングパーミットで登れるような山が初登されているだけですので、20代の若者が目指すべきチャレンジではなく、私のようなおばちゃんですら、ガイドと一緒なら登れるよ、って山です。

私は大した登山者でもクライマーでもありませんが、そんな私ですら、ロープが出ないなら面白くないな、と行く前から分かってしまって、つまんねーと判断してしまうような山です。なにしろ、K2ですら、エベレストのように高所遠足化しているそうです。もちろん、未知の喜びはあると思いますが…困難さが足りず、面白くないと感じさせられてしまいます。

ちなみに私が経験のある、ロープが出る山でもっとも困難な山は、GWの鹿島槍鎌尾根と黒部渓谷の横断がある、立山の真砂尾根です。この程度の山の経験しかなくても、2番目の師匠によると、デナリは、君には、たぶん退屈するよ、ってことでした。

一般ルートとそうでないバリエーションでは、それくらい違いがあるのです。言ってくれた当人も行ったものの、退屈したそうでした。(一緒に炬燵でNHKのデナリのスキー滑走の記録を見ながら、のことでした…)

ということで、一般に

  中高年登山の上がり、とされているのが北鎌尾根

ですが、ロープを出すか出さないか、ちょうど基準が図りにくい微妙な難易度のところです。

・登山者が4級も登れないような場合は出す
・念のため出す
・足が揃っていたら出さない

ヒマラヤに将来行く前提でトレーニングを積んできており、5.9ならどんなところでもオンサイトでき、40kgが担げる1軍レベルの人なら、北鎌尾根くらいノーロープでソロで行けないようでないとダメです。

しかし、高尾山すら一人で行けない山ガール(おばちゃん)を連れて行くのなら、当然ロープを出すべきです。

なにしろ、ヨーロッパからの登山者はジャンダルムですら、ロープがないと歩かないくらいです。その登山者はフリークライマーで、ロープを付けたら、華麗なムーブでスイスイ登って行ったそうです…。そんなところを、普段、クライミングに触れていない、中高年の運動能力も落ちた登山者が、いちかばちかで歩いている、というのが、日本の中高年登山者の、上がり、の姿です

Monday, January 11, 2021

山が最も美しい時間は、何時か?

 ■山がいい時間は、何時頃か?

山が最高にきれいなのは、8時、と誰かが言っていた…。

この言葉を聞いて以来、いい時間帯に山にいよう、という気持ちが大きくなった。

今日は散歩に出たら、9時半くらいがそんな時間帯のように感じた。これを言っていた人は夏山しかしない人だったから、彼の感覚の、いい時間、は、日の出から逆算すると3時間後。

夏の日の出は、5時頃、そして、冬の今は、7時半ごろ。ちょうど、1時間半遅れ…で、日の出から3時間後。

日の出から3時間後に山のいようと思うと、まぁそれは、必然的に下の方、麓の方になるわな。

皆さんは、何時ごろの山が好きですか?

私はやっぱり朝、登山口に立っている辺りの時間帯が、今から会える山がどんな山かな?と、ワクワクしているし、すごく好き。

山頂にはあまり興味がなく、登山口に立ってから、山頂に着くまでに、どんな物語に出会えるのか?というプロセスのほうが、ときめくなぁ…。

今日は平地を散歩して、山の良さは往路より、復路のほうが短いことだと思いました…

何しろ帰りはいつも、あっという間…。登りが楽しい…。


Tuesday, January 5, 2021

”山名” × ”遭難” 検索のススメ

■ 山岳会

私の周囲の人を見渡すと、山岳会には所属しない人のほうが、基本的に本格的な山を実践しており、山岳会に入っている人のほうがハイキングレベルに位置し続けているようです。

クライミングが出る山を自己責任で登れる才覚がある場合は、基本的にはその登山者は自己責任で山を登ることができている登山者、と言うことができるので、そのような帰結になるもの、と思われます。

さて、このブログでは、多数の読者が属すべき山岳会を探して、参考になる意見を探して、リーチしてくださっているようです。私の結論としては、

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技術的面で言えば、ハイキングの段階から山岳会に行く必要はないだろう
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というものです。ガイド登山も同じ。日本の里山クラスの山は、どこも個人的学習でカバーできないほどの危険はないので、個人で学習して山に向かうほうが、

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 自分らしい山登り
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ができてお得です。最初の一回目くらいは、手軽さを選んでも構わないかもしれませんが、山登りが気に入ったなら、後は自分で調べて登ることで困ることはほとんどありません。

仲間を得たいというのは、人間の自然な欲求ですので、仲間を得て、さてその後、ということになりますが…


1)準備で、全員が分担して下調べし、必要な予備知識や装備について調べる。

2)体力作りは、 自分 のプログラムを作成してみる


が、有効な対策と思われます。
 
参考:http://sangaku-osaka.com/kouhou/mt-osaka/08/175/osaka175.pdf

■ 手法

その際に、おススメは、

”山名” × ”事故” 

”山名” × ”遭難”

とGoogle検索を掛けてみることです。 そうすることで、必要な対策がピンポイントで出てくることが多いです。

例えば、

   富士山 × 事故 

検索したら、ヒットした記事の一覧画面を見るだけで、基本的なリスクが、

   冬、落石、混雑、甘く見ること、単独

…等と分かります。

というので、このように現代のネットの力を活用することで、リスクをあらかじめ洗い出すことができます。

■ 参考サイト

ダーウィン賞
https://news.yahoo.co.jp/byline/shinoharashuji/20200607-00182182/




Monday, January 4, 2021

歩荷3kg増= 膝に20kg負担が増える

 ■ 歩行時は3倍、階段では7~8倍

端的に言えば、歩荷3kg増、つまり体重が3kg増えると、膝には最大で20kgもの負担が増える、ということですね。

中高年登山においては、体重増こそが、最大のリスクかもしれませんね。



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Saturday, January 2, 2021

年始のご挨拶【為末大学】

明けましておめでとうございます。

最近為末大学にハマっています。山やの在り方、みたいなものも、どなたかピオレドール賞級の方が、為末大学チックにやってくれたらいいのかもですね‥‥