Tuesday, June 2, 2015

分かりづらい地形について

■ 分かりづらい地形

中津森の下りの尾根、尾根が薄いルンゼに吸収される箇所があり、そこが地図では、あまり顕著には読み取れないので、難しいです。

その解説。


これは、今回歩いたときに、何を考えていたか?を示すもの、です。

まずコンパスを当てたときに南西に見える顕著な尾根に向けて当てたのが失敗の第一要因です。

下図の緑色のラインに向けてコンパスを当てました。すると急な個所がでるので、逃げると、隣の尾根に入ってしまいます。

最初は青のラインにコンパスを当て、のラインの終点付近で、緑色の尾根に乗りなおすべきでした。


作戦は、

1)ほぼ真南に標高100m降りて尾根の頭に出る(青のライン) ★
2)次は緑の線が載っている尾根に出るために南西に50m降りる、緩やかな個所
3)そのまま南西の尾根に50m緩やかな傾斜を降り、
4)そのままの方角で薄いルンゼ(下の写真)に入る。標高差150m。★
5)そのあたりで左手側にガレの開始点があるはす ★
6)傾斜が急になり顕著になった尾根をそのまま250m下る。

★が難しい箇所。

緑の尾根の後が、また問題です。 ここは騙されます。 地図上ではほとんど等高線は水平ですが・・・

実際の写真はこれです。


すごく緩やかな谷地形です。 左右から稜線が真ん中付近に向けて落ち込んでいるのがうかがえるでしょう。 

ここは地形図では、10m以下の誤差は拾わないので、水平にしか表現されないのです。

今回の板敷渓谷からの下りでは、こういう地形が見える時に、尾根を探してしまったので、一か所、だいぶトラバースしてしまいました。

それは、ここまで急なはずはない、と気が付いて、復帰したので問題がなかったです。

その”ここまで急なはずがないおかしい”という感性が、墜落事故から自分の身を守るもの、という気がします。

私はGPSを一応確認しましたが(スイマセン、初心者なので。初心者は、自分の感性に確実な裏付けが欲しいものです)、ベテランと歩いて、やっぱり違うね、と合意して復帰しました。

降りるべき尾根が見つかれば後はどんどん降りるだけです。

■ 地形のだまし

地図読みは、中津森の登りはそう難しくありませんが、下りは、地形を細かく見ないと、結構だましがあります。



1のところは、

 壁状になった斜面に突き刺さる尾根=痩せていることが多い

という事例で、2の字がある尾根が痩せています。壁に突き刺さっているからですね。こういう地形は壁状のところに落ちると危険です。 下のルンゼまで落ちてしまいます。

2の尾根は

 岬状の尾根

です。登りだと

 だましピーク

です。 3以下は難しいところはありません。 登りでも、大滝上の崩落地形は見えません。下りではそれに突っ込まない、という配慮が要ります。

地図読みは、

 登りは楽勝ですが、下りは難しい

です。

 とくに下り始めは細かくコンパス出すべき

ですね。今回は下りはじめと、3の当たりで失敗しましたが、

小さく間違えながら証拠を集めて修正して進むものなので、疲れるけど、現在位置さえ把握していればそれで構わない(ベテラン談)
と私も思います。

なので、この間違いを鬼の首を取ったように「地図読み完璧じゃないじゃん!」などと、言われると困ります…(--;) 間違いを内包しつつ進みますから。

山歴30年でも、こうして間違いを含みつつ進むのが普通なのですし、100%間違わない地図読みを期待する人はガイド登山か、一般ルート限定です。

正直言って、最近山を始めた人は、アルパインをするような人でも、そのような人が多いです。

補正しながら行く、というと、全部登り返しになってしまいます・・・(汗)

 そういう山は全然楽しくない・・・(^^;)

です。

正しい道以外は一切嫌って人は、一般ルートだけを歩くしかないです・・・。地図読み不要。目の前に道があります。それでも道迷いする人いますからね。

こういう山で、大事なことは、思考のプロセスを共有しながら歩くことです。思考を放棄してしまうと、それは依存になります。

ただし、夕暮れ時にはやらない方が良いそうです(笑)

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