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Sunday, January 17, 2016

メンテナンスの良しあし

■ 登山はスリルを味わう遊びではない

最近、思うのだが、本来の登山は、大誤解を受けている。

その大事なこと・・・というのは、登山はスリルを味わう遊びではない、ということである。

ギリギリ、スレスレは自慢にはならない。多くの登山家は命がけの登山をしているようでいて、実は確信を持って山に臨んでいるものである。

私の甲斐駒は小さな山だ。とはいえ、一般の雪山登山者からすると、デカい。一般登山として登る山の中では大きな山だ。だから、一般登山卒業試験みたいな感じ。

単独であることで、心配した人は、一般登山の人。しなかった人は、山ヤ。

厳冬期とはいえ、正月1週間後の土日の甲斐駒、しかも快晴予報とあっては、人がいっぱい登るので、単独リスクは限りなく低い(笑)。

誰だってバカではないので、単独で行くときは、十分なゆとりを持っている山しか行かない。ついでに、単独リスクをマスクするには、他にも人の登っている山に行くことだ。

だから、他に人がいないことが予想できる地蔵尾根は断った。雪がないときに地蔵尾根に登りたい人がどれくらいいるのかな~ということもあったし、パーティで総合力で登る山のような気がする。

スリルがもたらすある種の脳内物質に依存症の人は、次から次へと同じスリルを味わわずにはおれなくなってしまう。

”次々と”、とか、”もっともっと”ということが、依存症の証だ。 

自分の中の確実性を増やす活動、それが登山だと思う。

心が満足する山の後は、満足感に浸るので、次から次へ、とはならないものだ。

■ 体力=内臓の力

ちょっと前に読んだ本だが、『体の力が登山を変える』によると、体力とはつまるところ、”臓器の力”だ。

登りは体力と言われるが具体的には何か?というと、心肺機能、ということになると、要するに

  心臓が血流を押し出す力 と 肺が酸素を取り込む力

この2つは、当然だが、誰だってできる。しかも、登山は能力の最大で登るわけではない。

ので、自分の快適ペースをよく知ることが大事だ。

それを知るにはどうしたらよいか?

一般には、感覚的に ”ちょっときついと感じる程度”と言われる。

心拍数でいえば、

 (220 - 年齢) ×0.75 = ちょうど良い心拍数 

と言われている。

実際に感じるしんどさでの心拍数が、それ以上か、以下か?というのは、日ごろのメンテナンスの表れ(笑)らしい・・・バイオロジカルエイジ、つまり生物学的年齢、と言われる。

メンテナンスの良しあしが良く現れるのが、登山と言うことらしい(笑)。

あるアルパインクライマーが言っていたが、「強いのは、毎日1時間でもいいから歩いている人」。

若ければ、誰だって歩くのが早い。でも、それは努力の結果、得られているものではない。

大事なのは資産(若さ)を目減りさせないメンテナンス。毎日続ける規律。タバコを吸わない、アルコールを控えるなどの良識。

そう行ったものは、山にしろ、何にしろ、コミットメントから生まれるものだ。

■ 体は人それぞれ 

今日は、食物アレルギーの検体を作るため、自宅で採血をした。夫は同じランセット(採血用の道具)で採血しても、すぐに血が出る。私は出ない。

体は人それぞれなんだな~を実感する。

私は毛細血管が細いらしい。通常の注射をするときも、とても難しく、看護婦さん泣かせだ。

でも、別に冷え性ではない。 のは、きっと登山をしていることがいいのだろう♪ と結論した。

・アンブロシア

■ 大雪予報

明日は大雪の予報だ。 八ヶ岳に行くようになって最初に覚えた南岸低気圧。


Wednesday, January 13, 2016

黒戸尾根 8時間

■ 年齢区分

私はBackpakerというアメリカのバックパッキングの雑誌を購読している。そこにあった年齢別のおススメエクササイズ・・・

その年齢別の区分が良いな~と思った。

Age 18-35

Age 35-50

Age 50-65

Age 65 & Up


これはとても現実的な区分ではないだろうか。 実感として、統計に使われる、40代以降を中高年とひとくくりにするには、体力差に非常に無理がある。40代と60代は倍くらい違う。

日本の統計は、10歳ずつを区切りにしているが、あまり現実に即しておらず、数字がゆがんで表現されてしまっているのではないか?と言う気がする。

自分を振り返っても、18~35歳の間は、バレエをしても、ヨガをしても、すんなり成長できた。35歳以下の時ほど、体を酷使したいとも思わないし、無理をすれば、体は抗議してくるようになったが、かといって、衰えを感じることはあまりない。

60代の人たちを見ていても、60代前半では、とても元気だ。しかし、70の声を聴くようになると、12時間行動どころか、10時間でさえ、たぶん、まともには歩けないだろう。

長時間行動を可能にするために、睡眠薬を取ったり、道中で運転は任せて寝たりして、体力温存に勤めなくてはいけない様子だ。

■ 黒戸尾根 8時間

先日、甲斐駒の黒戸尾根に登ってきた。特にコースタイムを気にせず、自分の脚が楽なように歩いて、トータル13時間だった。

行きは、登り一方で、5時間半、帰りは2時間程度の登りと5時間程度の下りで、7時間半だった。

これは周囲の様子を見ると、特に遅くないコースタイムのようだった。登りでも、下りでも、だいぶ追い越した。それは、見るからに山岳会の人たちも含んでいたし、テント泊者にはかぎらなかったようだった。

なので、このコースタイムは一般的なコースタイムだと思う。

ところが、この時、18才~35歳のメンバーで構成される若者部隊は、9時間半で、日帰りであるいたのだそうだ。

しかも、山ヤと言われる人たちは、8時間程度で歩くのだという。

この日黒戸尾根にいた人たちで、8時間、もしくは、9時間半で歩ける脚力の人がいたのか?というと、いなかったのではないか?と思われる。

過剰な快適性は、山そのものと反するような気がするが・・・たとえば、6cm厚のスリーピングマットが夏山で出てきたときは、夏だしそんなのいらないんじゃないかな~と思ったが・・・最低限の適切な装備と言うものがあると思う。

山は、どちらかというと、不要なものをそぎ落とす系の活動で、ミニマリスト的な価値観が似合う。

シンプルに、不要なものは持たず、必要な物だけを持つ。

そういう風にするのは異論はないが、必要なものを削らないと早く歩けないのであれば、単純にその場合は、早く歩く能力がない、ということなのかもしれない。

私は空荷にしても、黒戸尾根を8時間もしくは、9時間半で登りたいとは思えない・・・

■ ピークを高くしておくと長く登れる

とこれが、なんで年齢と言う話につながるか?というと、

おそらく、18-35歳という年齢は、黒戸尾根、8時間を目指す年齢なのではないか?と思うからだ。

若いときには、自分に制限を設けず、どんどん伸びるままに能力を伸ばしていくのが良い。

どこまで行けるか、やってみるのは大事なことだ。

私はまだ、65歳UPというような時代のカラダ感覚は分からないが、おそらく、若いときに8時間で歩けた人は、65歳になっても、16時間で歩ける。このコースタイムなら、1泊二日で黒戸尾根は、何歳になっても登れる。

倍のコースタイムがかかってくるようになっても、最初のピークが高いから、倍の値も違うのだ。

最初に13時間の標準コースタイムがかかる人だと、65歳UPになれば、26時間かかるようになり、それでは1泊二日では登れない。2泊するような施設はないので、黒戸尾根は登れないということになるだろう。

山の楽しみを長く続けたければ、若いときのピークを高くしておく、というのが良い、そういう理由で、若いときには無理をさせるのではないだろうか?

現在若さが手元にない人が、若い人と同じことをしようとするのは、大きな間違いに違いない。

体に無理を強い、パンクしたら医者に駆け込む、というような姿勢は、登山以外でも、どんな運動分野でも見られるが、運動の本当の目的は、健康の増進にある。

ヨガでも、ヨガをして整骨院に通うようになる人がいる。そういう風にならないように、ということが大人にとっての最大の課題であるように思う。

そう思うと、いかに長い期間、登山を楽しめる体を維持できたか?ということ、引退の遅さ、が、登山者の能力のもっともよくあらわれる数値なのかもしれない。