■ 自信がなかった
私が山岳会に入会したのは、師匠の強い薦めや、魅力的な先輩の存在もありましたが、根底を正すと、
どのアルパインルートなら行っても良いのか、自分の判断力に自信がなかったから
です。
■ 依存的かどうかは、組織・未組織によらない
未組織登山者は、技術は山岳ガイドの講習会を受けて学び、困難なルートは自分で登る努力をせず、ガイド依存なのでは・・・と思われていますが、それは、先輩がガイドに置き換わった、ということです。
しかし、山岳会の新人さんも依存体質は強く、自分で登る努力をしようとしない、という点では、お金を本人が出していない分だけ、ちゃっかりしており、山岳会の方が依存については、悪質かもしれません。
突き詰めると、組織者・未組織登者に係らず、依存的かどうかは当人次第、だと思います。
依存的な人は、山岳会へ行っても、ガイド登山へ行っても、結局、どこへ行っても依存的です。依存者を必要とする人もいます。共依存の関係にある場合です。山岳会は新人確保という依存、ガイドの場合は収入という依存です。
依存的か、自立的か、関係性を決めるのは、当人であって、受け入れる側ではないです。
お金がない依存者は山岳会へ、お金がある人はガイド登山へ行くのかもしれません。ガイド登山者でも、依存的でない人もいます。
特に、クライミング系のガイド講習修了者は、依存度は、マチマチと思われます。
■ 判断する材料を未経験者はまだ十分持っていない
私が何より恐れていたのは、自分自身の登山に対する視野が狭いために、
まだ行くべきでないルートにそうと知らずに行ってしまうかもしれない、
ということです。その辺の判断は、未経験者にはつきづらいです。
自分が行くことができない実力のルートに行くことになってしまったら、目も当てられません・・・。
それを防ぐには、山岳会という山のベテランの庇護の傘が必要だと感じたのです。なぜなら、ベテランの方が、より俯瞰的に、全体像を見て、物事を判断できるからです。
自分で登り続けてきた人にとって、アルパインは、一般登山者時代の判断力が全く当てにできず、ゼロから経験を構築して行かないといけない分野になります。
一番難しい判断は、どこのルートに何ができるようになったら行っても安全か?ということです。
それは、判断する材料を未経験者はまだ十分持っていないからです。
例えば、越沢バットレスは4級しか出てきません。私は5.8はリードできますし、トップロープなら5.10bまでは登れます。(11bは間違いと思います・・・)
しかし、4級しか出てきていないハズの越沢バットレスではリードのお許しが出ないです。
それは、リードするということは、単に登れると言うだけでなく、ゆとりを持って登れる必要があるからです。
どれくらいがそのゆとりなのか?というのが難しいのです。 イレブンが登れる人でも、それが年に一回のことなら、お許しが出ないかもしれません。
ベテランは、細かいことはめんどくさいのでイチイチ言葉にしません。
でも、この人はまだアブナイな~と思うから、連れて行けないだけです。
私はハッキリ、あなたには難しいと言ってもらうほうが好きなタイプなので、いつもそう言ってもらっています。
言ってもらう方が、よし!登れるようになろう!という励みになります。
上手に導く先輩は、次は〇〇に行ってきなさい、と言います。15時間歩いたら、次は17時間ね、という具合。
が、〇〇さんにはまだ早いよ、と言われるのを嫌う人や、そう言うとすねる人がいるために、先輩たちは、ハッキリ言わず、「今日はゲレンデにしようよ」とお茶を濁しているのかもしれません。
■ 実力以上のところに行ってしまうリスクをどう避けるか?
その実力以上のところに行ってしまうリスクをいかに避けるか?についても、色々考えましたが、山岳会が会員を守る盾になっているか?というと、なっていない・・・です(^^;)。
結局、私は個人的に親しくしていただいている人たちの意見も色々と総合して、自分が行っていいか、どうか判断しています。
周囲の人の情報も参考にしています。どんなスキルの人がどんなところへ行っているか?です。
以前、丸三年ずっとセカンドでマルチピッチに行きつづけたと言う話を聞いたときは、もしかして、2度目で、もう三つ峠でリードしているのは、まずいのではないか?私も3年くらいは、セカンド専門で下積みした方がいいのではないか?と不安になりました。
しかし、3年ずっとセカンドはやりすぎで、例外のようですね。
■ 練習台
では、いかに成長するか?ですが、
普通は、大体ロープの出し方が分かるようになったくらいで、レベルを一番下の、ロープがなくても登れるくらいの難易度に下げて、ロープを出す練習をします。
もし、その時に、まだ5.6程度も満足に登れないような初心者の人が来たら、その人はロープをしょっちゅう出して欲しがるわけで、ロープを出す練習台になってくれる人なので、都合がいいのです。ですから、登れなくて怖がりだからと言って、悪いと思う必要はありません。
フリーソロしてはいけないところまで、フリーソロしてしまいがちな人が多い中で、練習台になってくれる人は貴重な存在とも言えます。
そうやってロープを出す練習をしつつ、自分自身のリード経験を積むわけです。
今私が必要としているのは、このような段階です。
・私自身が絶対に登れる自信があるところで、リード経験を積む
・登れないところを登れるようになる
の2つの方法が必要な時期に入りました。
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