Thursday, October 8, 2015

分けるとうまく行くのでは? ・・・ 山岳会を考える その9

■ ミスマッチです・・・

山岳会を見捨てないで欲しいと言うコメントをいただき、なんだか悪いなぁという気持ちになってしまったのですが・・・(^^;)

私は、所属していた山岳会は良い会と思うのです。家庭的でした。なので、簡単に言えば、アルパイン指向の人は、

 行きたい山行がない&一緒に行く人がいない=ミスマッチ

なのです。(山岳会なのにアルパインをしないというのは変ではという指摘はこの際、除外)

ただ、問題は、家庭的なあまり、連れて行く/行かれる、という関係が成立、固定化し、それが、登山者として成長する、ということとは逆の方向に作用していることでした。

これでは、アルパインをしたい人は今よりさらに逆境になっていくことが目に見えています。何しろ、登山って、一旦落ち始めた坂から、止まるのは大変です。つまり、前には〇〇に登れたのに、今はもう登れないと言うことを受け入れるのは難しいことです。

その上、会内で連れて行ってもらうのが当然だという意識が共有されてしまうと、「なんで私は連れて行ってもらえないのっ!」という嫉妬が生まれます。

それは水平方向だけ(同期どうし)ではなく、垂直方向(昔は行ったのに今は行けない)も、係ります。

そうすると、連れて行ける人の数は、いつも相対的に少ないので、連れて行く人ばかりがツラくなります。

そうなると、今度は負担の分散を望むため、その人はもう無理!と万歳してしまうかもしれません。

会の求心力の源泉になっている方には、そのようなツライ立場に立っている方が多いのではないか?と推測しています。

そうなると、他に連れて行ける人はいないか?ということになります。ハイキングの人の要望だったら、どこかのガイドさんに連れて行ってもらってほしい・・・と言うことになります。

実際、山岳会に所属する人がガイド山行にも行っています。

■ ハイキング部とアルパイン部を分ける

私が思うには、そもそも、山の好みが違う人種を一つのくくりで、縛ることに無理があるのでは?

ハイキング部とアルパイン部は分けるべきと思います。

というのも、分けていてうまくいっている会をしっているからです。

その上、もしかするとフリークライミング部も分けるべきかもしれません。

ハイキング部: 誰でも入部できる 

アルパイン部: 一日10時間、10kg以上の荷を背負える人しか入部不可。基本のスタカット、懸垂下降、自己脱出、宙吊り脱出などは習得し、最低5.9をリードできないと、山行に同行はできない。アルパイン部の人はハイキング部の山行にはいつでも参加できる。アルパイン部の月例山行はなく、個人山行を会員間で行う。入部者が出る度に、ひとつ前に入った人が新人を教える担当(復習)となり、その前に入っている人が先輩役としてフォローに入る。アルパイン部では、基本的に毎週クライミング練習会がある。参加不参加は自由。

フリークライミング部: アルパイン部のように歩けなくても入れる。クライミングしかしない人の集い。毎週のクライミング練習はアルパイン部と合同。参加は基本的に原則参加。毎月一回、外岩でのクライミング山行がある。(クライミングシーズンは毎週)。これには、ハイキング部の人も、アルパイン部の人も参加できる。

OB部: アルパイン部のOB会。ゲレンデ的に登れる易しいアルパインに行く。自己判断。会の新人に山行計画書について助言を与える。アルパイン部の後輩が同意した場合、ロープを担がせても良い。

こんな風に分けると、うまくいくのでは?

よく年齢制限を設けていますが、年齢で分けると、選択肢が狭まります。何しろ、今主力で動ける人たちは、高齢です。65歳でもアルパインに行ける体力がある人もいれば、50代でもアルパインはもう終わりの人もいます。

逆に30代でも、トレーニング不足でよわよわの人もいますし、体力で切り分けるのがもっとも現実的で公平であるのではないか?と思います。

■ そもそも、なぜ山行が危なくなるのか?

というか、今の山岳会は、この区分でいくと、アルパイン部が限りなく小さくなり、ハイキング部が大きくなっている状況なわけですが・・・

明瞭に分ける、ということで、いらぬ混線を防ぐことが、事故の防止につながるような気がします。

そもそも、なぜ山行が危なくなるのか?というと、アルパインに必要な知識や技術、あるいは体力を備える必要性を理解しないで、山に行くからです。昨今は若くて技術がなくて行く人より、体力がないのに行ってしまう高齢者の過信が問題になっています。

ポイントは必要性を理解しているかどうか?で、すでに何もかもが出来上がっている人材である必要性はない、ということです。

必要だと分かっていれば、自分で自己研鑽するからです。そうでないと、ずっと教えてもらえるもんだ、と思って、何もしないで待っている人材になります。

高齢者だと、体力が減っているのに、足慣らし山行をしないとか無理な山行計画を組むかもしれません。

何もしないで待っている人はアルパインには本当に向きません。というのも、-25度の冬山で待っていたら、本当に死んじゃうからです。

フリークライミングとアルパインは、基礎と応用の関係にあります。

沢とアイスの位置づけですが、両方アルパインに入れて問題がないように思います。沢は総合力ですし、アイスは昨今のアルパインでは必修項目で、なおかつフリーとほとんど同じです。

アイスのルートはとても難しく、冬壁と良い対照になりますが、冬壁のほうが風雪に晒される分、大変ではないかと勝手に想像しています。やったことがないので想像の域をでません。







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