■ クラック
今日は真砂尾根で知り合った友人と、小川山へ。友人は沢ヤだが、山岳会には所属せず、個人で登っている。
小川山は、ほとんど知らないということだったので、私が今回は案内役。沢=クラックというわけで、クラックの岩場を紹介。今回のヤマレコ。
秋晴れでもったいないような日だったが、不思議なことに八ヶ岳は雲を被っていた。帰りは分厚い雲に覆われて展望ゼロのようだった・・・
小川山はほんのお向かいという位置関係なのに、この大快晴!
二週間前と比べて、唐松の紅葉が見事できれいだった。が、登山道が落ち葉で埋まって見えない・・・。
■ ハコヤ岩へ
クラック初級ということで、ハコヤ岩へ。
ここはトップロープを裏から張れる課題があるので、なんとか初心者同志でも取り付ける。
この赤い印がある岩が目印。
ここが入口。
森林浴 5.8(Ⅴ級プラス)
ここは、出だしがシンクラック(指しか入らない)で、難しいのだが、5.8しかない・・・
の秘密は、ほとんどフェイス的に登れるから!
ハンドジャムなどはあまりイラナイ。
そういう意味では、あまりクラック的ではない。
トップロープを張り、互いに1回登ったら、9時半に岩場に着いたのに、11時半になっていた・・・
岩場は平日だから独占か?と思いきや、うるさいおばちゃんたちが来てビックリ!
60代のおばちゃんたちで、隣の5.9をちゃんとリードしていた。クライミング力はエライなーと思ったけど、何しろウルサイ・・・
おばちゃんはどこでもおばちゃんで、クライマーとて違いはないのだと分かった。
クライミングは、才能。
悲しいことに、山ヤだからと言って才能があるとは限らない。
クライミングができるからと言って山ヤであるとも限らない。
だから、遭難は減らない。
二人とも2トライ目のほうが下手くそになっていた・・・(^^;)
これはあまりこだわらない方が良いと思い、小川山レイバックへ移動。
相方は腕が疲れてしまったらしいので、スラブを・・・と思ったが、手ごろなスラブが遠いので、今日は、大日駐車場から近いレイバックへ。
マルチ&クラック用のクライミングシューズ。
アルパイン系の人は、みなコレ。
クラックだと、くるぶしをいつも岩にぶつけてしまうので、靴下を履いた方が良い。
今日は、テーピングの方法を彼に教えた。
去年私も教わったところ。
登っているところ。
カムは、何番がどんなところに良いのか覚えるのが重要なので、トップロープとはいえ、差し込みながら。
ギアラックもぶら下げながら・・・
とっても新鮮。
トップロープで登るだけだと、
上澄み
しか知らず、楽しい面しか見えない、ということが良く分かる。
オンサイトでリードできる人はエライなぁと思う・・・
例え5.8でも!
ベテランはこういう易しい課題は、さっと終わってしまうが、初心者は5.8でも決死の覚悟だ。
でも、それはベテランが、もっと上の課題で決死の覚悟になっているのと、あまり変わらない心情のはずだ。
焦っても仕方ない、ここから、ここから。
しかし、トップロープのグレードとリードのグレードの開きがありすぎるのは、心理的問題がとても大きいことを示していると思う。
滑落したりして、自分のクライミング力に信頼が置けなくなっているのだ。
■ 小川山レイバックへ
小川山レイバック(5.9 Ⅵ級-)に移動して、14時。
ここは初めて触れたクラックで、意外にハンドジャムが決まるなーと感じたところだった。
それで、カムをセットしながら、の初のマスタースタイルでのリード。
前回、トップロープで、苦労せず登ったから。
ところが、取り付くと、怖い!
トップロープだと、多少足ジャムが決まっていなくても、だましだまし登るし、ハンドが決まっていなくても、だましだまし登る。
だましだましは、リードでは通用しない!
効きの甘い、自分のハンドジャムより、効きの良いカムのほうが信頼できる。
結果、怖いので、カムにテンションかけかけになってしまった・・・。
だから、Aゼロしながら登って行くわけだが、前進にカムを使ってしまっては、A1のクライミングスタイルと同じってことだ。
エイドであっても、このクラスを登るのは、本当に大変。
フリーで登れるのに、なぜエイドしないとダメなのか?
そこは
確実性
という問題があるからだ。
決して落ちない、という確実性を求めると、エイドになってしまう。それでも、途中までは上がった。上のバンドに行きたいと思ったが、行ってしまうと立てるところだから、トップロープ支点作りがややこしくなるし、バンドから上はかぶっているので、辞めておく。
バンドの下1mほどで、カムを3つ決め、ローワーダウン。ここまででも、ハンドジャムや足ジャムで、登る楽しさは分かるので、同行者にトップロープを愉しんでもらう。
同行者は初めてだったから、苦戦していた。リードの苦労が分かってもらえて良かった・・・
その後、カム回収で再度トップロープ支点まで登るが、登りはラクラク。TRだもん、気が軽い。
■ トラブル! カムが外れない!!
ところが、3番のカムが、バチギキすぎて回収できず・・・苦戦すること、10分・・・一旦、セルフをとり、ビレイ解除し、ナッツキーを取ってきてもらうも・・・やっぱり苦戦。
どれどれと、同行者がロープクランプで上がる。なんとか回収。
あ~焦ったなー。カム残置ってないなーと思うので。私が閉じすぎたカムをキツキツでセットしすぎて、バチ効き過ぎたのだ・・・
後はカムを架け替えしながら、ローワーダウン・・・
気が付いたら、もう16時半で、何を遊んでるんだ~というわけで、とっとと帰る。
ナナーズでパタゴニアに立ち寄り、明野で解散。
楽しいクライミングデーだったが、リードするための精神的支柱は、確実なフットスタンスと思った今日だった。
トップロープでも確実な登りをマスターしたいと思った有意義な本日。
クライミングは、このような精読の日と、数多くこなす多読の日が必要だ。
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