このブログは、山岳総合センターで講習を一緒に受けたレッスンメイトも見てくれているので、時々質問をくれます。
■ 技術はケースバイケース!
山岳総合センターでは、懸垂下降は
バックアップ付き
で、最初に教えています。つまり、バックアップは必要だ、という判断を先生たちが、すでにそこでしてあるわけです。
しかし、本当のことを言うと、
どういう技術を使うか?は、ケースバイケースです!!
そのケースバイケースを選べるようになる、というのが山ヤとして成長することです。
ケースバイケースといっても、そのケースの中から最初に学ぶひとつ目を選んで、教えなくてはならない。
その最初の一つに選ばれているのが、懸垂下降はバックアップつきです。決してこれさえ分かっていればOKってもんじゃないです。
ちなみに懸垂下降には
1)肩がらみ
2)カラビナ (数種類、フリクションの強度も数種類)
3)8環 (大きい穴、小さい穴)
4)ATC (チューバ―タイプ、ATCガイドタイプ、ルベルソ、その他)
5)ATCバックアップつき (バックアップに使う結び目のタイプ色々)
など色々な方法があります。カラビナで懸垂する方法だって、何種類もあって、それだけで一日勉強会になるくらいです。
≪過去の記事≫
様々な下降法
■ バックアップ
バックアップ付けるとなると、エクステンションが要ります。つまり、 バックアップの結び目と確保器(ATCであれ、8環であれ、カラビナであれ)の
位置関係が重要
です。
つまり位置関係を調整していないと、器具と結び目が干渉します。
バックアップの位置は、確保器の下です。上ではありません。
やってみて、ちゃんとバックアップが効く位置関係を把握していることが重要
です。
理由は、位置関係が悪いとバックアップ効かないからです。
■ 短いほうが使いやすい
バックアップに使うコードが長いと、距離が遠くなるため、確保器と干渉しないためには、さらに遠くに確保器をセットしないといけません。
この距離の調節が楽なのがPASです。
私のバックアップのコードは短いので、確保器は、一番手前のループか、一つ向こうぐらいの比較的近くに付けることができます。
バックアップのコードが長いと、巻きの回数を多くして、短くするなど調整が必要になります。
どっちにしても、それは自分のランヤードとバックアップに使うコードの長さとの兼ね合いなので、やってみて、セットに慣れている、というのが重要です。
これが ”いつもの自分のセット”という事情です。
仮に、コードを人から借りると、また距離の調整にちょっとかかります。
まぁやってみても5分、10分ですが、アルパインクライミングでは、本番で5分、10分を浪費することはできないので、日ごろの練習で、”自分のセット”を確立している必要があります。
だから、知っているけどやったことがない、というのは、やったことがある、にしておかないといけません。
■ 根拠が重要
懸垂下降でトップで降りるとき、バックアップが必要か?
いや自分は必要でない。
という人もいると思います。それはその人の判断なので、それでいいのです。
ただその判断に根拠があるかどうか?そっちが問題です。
それで手を放して落っこちると、パーティ全体がピンチに陥るからです。
新人は根拠に値する十分な経験の蓄積がありません。
バックアップがなくても、途中停止したい時は太ももに絡めて降りれるからいい、という人は途中停止を太ももがらみでするのを確実な技術にしておかないといけません。
確保器から手を離さないつもりだからいい、というのは何の保険にもなっていない。
落石で頭を打って気絶、という事態に対処できていないからです。
カラビナ懸垂ができるようにしておくのが大切なのも、初心者はよくATCを落とすからです。
初心者は良くいろんなものを落とします(笑)
ということはどういうことか?というと、先に降りた先輩の上に、色々なものが振ってくる可能性があるってことです。
経験と言うのは、手袋を落とされたら、この人はカラビナを落とすことがある、と想像する力があるってことです(笑)。
カラビナを落としたくらいでも、30mも落ちれば結構な衝撃力があります。
■ 降ってきた事例
今年は、北岳バットレスの基部に行った時、先輩の頭上を「ブーン」という風切音を出す、強烈に早い落石が10センチくらい上をかすめて行きました。まだ雪渓がある時期で、この時期は落石が多いのです。ですから、アプローチとはいえ、モタモタすべきではありません。
そして、アイスでは、先行パーティが落とした楽氷でヘルメットが割れ、私の肩に当たって、あざができました。それは立っていてはいけないところにセルフビレイとってしまったからです。安全管理超おろそかです。
アイスでは、カラビナが降ってきたことがあったなぁ…
自分自身も、ATCを落とした他、太刀岡で、セカンドでギアを回収中にカムを落としました。
先輩が、「これがバットレスならもう終わりだな」(笑)
ホントに!
カムがない=支点がつくれない=敗退。
こういうのは、よく自分が何をしてはいけなくて、何をしても大丈夫かという経験を蓄積するというより、単純に考えれば分かることです。
でも、人間は舞い上がっている時は考えないので…そのために経験が必要。
こちらに三つ峠の懸垂で失敗した事例が紹介されています。新人に教えている途中での懸垂失敗です。
まいどです。私は、懸垂はno backupですけど、ハーケンの回収はbackup取ってます。
ReplyDeleteカムの回収もbackup取ったほうがいいですね、ハーケンより高いし。
ハーケンのbackupはホームセンターで売ってる、http://store.shopping.yahoo.co.jp/sonia/b0074.html?sc_e=slga_pla こんな感じのスパイラルホルダー(名称初耳?!)の先に200円ぐらいの軽くて小さいカラビナをつけてます。このスパイラルホルダーのカラビナがついてないほうの端っこをベストの胸ポケットにつけてます。
今年はballnutzを釜に落としちゃったなぁ。MIZOのハンマーなんか2個も落としたし。
落としまくっとるんで、ワタシ、初心者中の初心者であることを再認識しました。
昔、朝日新聞の天声人語を読んでたように このブログの記事を読んでます。タダで読めるなんてラッキー♪
天声人語!光栄です(笑)! バックアップのコード、800円以上しますね!なんか100円ショップでありそうなきがしないでもないですね。去年、わたしアイスアックの脱落防止コードに、同じようなものを使っている人をみました。でもその人アイスで墜落して、コードは切れてしまいましたけど・・・
ReplyDeleteMizoのハンマー2個も落としたんですか?!一個もらいたーい(笑) 私はまだハンマー持っていないので、来年は買わなくては、です。
今日は山梨は大快晴です☆
100均のはヤメたほうがいいです。コーナン(ホームセンター)のんのほうがマシです。
DeleteMIZOのハンマーは一個は鹿児島の霧島の小谷川、もう一個は南白山から数百m南の笹薮の中です。多分。
今は、ホームセンターのハンマーを腰につけてます。800円やったかな。
800円ですか! いいなー。私もその路線でいきたいです。 こちらは、コーナン、ほとんど見ないんですよ~。ケーヨーD2とかです。やはり関西とは違いますね。
Delete師匠はアイスアックス拾ったヤツだそうです。ハンマーも落ちているかもですね~!東沢釜の沢とかに、落ちていないかなぁ。
Yes, I love コーナン♪ Yes, コーナン can♪
DeleteI saw コーナン shop in 国分寺 last week.
I hope コーナン would expand all over the world & 山梨.
ハンマーのリーシュはスパイラルだとヤバっすね、重いから。6mmφのロープスリングがいいと思います。あくまでもハーケンとかギアの回収用ですよ、スパイラルコードは。コンパクトになるし、腕の長さ程度に伸びるから。
大快晴なら お山からスマホでアクセスなう♪ですか?
こちらは実は電話会議中です。喋ることないのに。
ですよね~私もコーナンプロセンター大好きでした☆ 今日はお買い物に行っていました♪
Deleteリーシュと脱落防止コードも紛らわしいですよね。 ハンマーはまだ先でもいいけど、私はアイスアックスの、アックステンションの用意もしないといけません。 近日中に行かないとだな~山道具屋さんに。