■そろそろリード
昨日はアイスクライミングに行っていて、
そろそろリードしないといけないなぁ…
と思った。
基本的に、パンプしにくい登りを目指すのが、アイスクライミングだが、昨日は6本登って、一度もパンプしていない。
スクリューは、自分のを持って行ったが、混んでいて、ラインを占領すると悪い感じで、練習する箇所がなかったので、一回打ってみただけだ。
■ 去年と今年
去年も一本目のアイスは南沢小滝だった。しかし、私はその前の年に1度、保科ガイド主催の体験クライミングの経験があるだけで、まったくクライミングそのものが初心者だった。岩も知らない。人工壁も知らない。むろんリード経験もない。
去年の一本目のアイスは、そのような初心者がいきなりビレイを任される、という、これまた、”トンデモ”な部類に入りそうな状態だった。
ちなみに人工壁でも岩でも行ったことがないのだから、当然だがビレイしたことはほとんどない。トップロープでのビレイが1、2回のレベルだ。
その状態で、生涯で2度目のアイスクライミング&ビレイヤーデビュー。行くときはハイキングに誘われて出かけたので、そんなことになろうとは、想像だにしておらず、おったまげた。
今思えば、この事態は危険だ。安全マージン=ゆとり、が少ない。しかし、知らされていないのだから、その無謀さが分かりようもない。
幸いなことに、去年小滝には顔見知りの若手ガイドさんがいて、初心者講習中だった。
たぶん、事態を敏感に察して、のことだと思うが、ロープを貸してくれた。ついでにアレコレ技術指導までしてもらったような・・・? 仕方ねーなーってヤツ…ですね。ホントに山は助け合いの世界ですね。
お金を払って講習を受けている人には申し訳ない。が、そういう人達はエリート育ちで、エリートたちはすごく上手だ。羨ましい。
お金がない人は、私のような、アブナイ橋を渡ながら成長せざるを得ないので、ある意味、登山を続けている、ということ自体がサバイバルだ。いつ死んでもおかしくないカモ(笑)?
しかし、このような初心者でも何とかなったのは、アイスだから、でもある。アイスは登山を知らなくてもできるクライミングだ。アイスは難しいけれど、登山経験は要らないのだ。
http://ishidatozanjukunisshi.blogspot.jp/2013/02/blog-post_25.html
要約すると、
私自身もも ”ダメダメ路線”×”非常識者”丸出しだった
わけで… 人のことは言えない。
去年の今頃は、そのような状態で、私は岩さえ知らず、いきなりアイスでビレイヤーデビューしてしまった。次に2回目の小滝に行った時には、すでにもう教える側だった(汗)。
そのような混沌とした状況だったので、師匠がアイスでリードさせようとすることに、根本的に不安が抜けなかった。
なにしろクライミングの安全管理についてまったく無知だったし、アイスと言えば、ベテランが危険だと言って、かなり嫌がる活動だ。なぜ嫌がっているのかは、教えてはくれないが、危険が大きく嫌だと言うことは、小耳に入っている。
何がどう危険なのか?
全く分からなかった。それはつまるところ、危険から自分の身を守ることを知らない、という意味だ。
それを自覚していたので、怖ろしかったのだ。
■ リードについての理解が進んだ今年
しかし、今年の夏は、縦走ではなく、ずっとクライミングしていたおかげで、だいぶクライミングシステム自体に、理解が進んだ。つまり、
何をして良くて、何をしてはダメか?
が分かった。
分かっていない人は、分かっていない場所に立つし、それは分かっている人から見れば自明だ。
アイスにしても、岩にしても、危険が分かる人に、リードさせた方が良いと思う。
もしかしたら、どんなに教えても、一生分からない人もいるかもしれない。
しかし、今年の私は、去年の私とはずいぶん違う。色々と分かっている。説明するのは、非常に難しい。何が、どうした、と話をまとめれば、一冊の本が書けてしまいそうだ・・・。
だが、分かってきたのだ。
なので、そろそろリードしないといけない。
リードが必要なのは、リードが本来の登り方だからだ。 山にトップロープがあるわけがない。
それ以外に理由はない。リードが特別難しいのではなく、その逆だ。トップロープが特別楽なのだ。
しかし、トップロープが必要なのは、リードでの危険性を理解していない人を騙して登らせるためだ。
つまり、トップロープクライミングは、悪魔のささやき、だ(笑)。
■ ビレイヤーがいない…
しかし、ビレイヤーがいない…。
”信頼関係”というが、それは、もしかしたら、単純にクライミングを分かっているか、いないか?っていう問題に過ぎないかもしれない。
クライミングの安全管理が分かっていない人には、初心者のリード練習はビレイさせられない。
初心者だけに落ちる可能性が大きいからだ。落ちたら止めてもらわなければいけない。止める気の無いビレイをする人にはビレイはさせられない。
となると、思い浮かぶ顔は、ほとんどいないと言うのが実情だ。
リードのビレイはシビアだ。特に初心者であれば、どのような氷であっても、自分の限界グレードで登っているリードになるわけで、信頼できないビレイヤーのビレイで、限界グレード近くに行けるはずがない。
アイスは特にシビアで、去年もリードのビレイで落ちて人が亡くなっていたりする。アイスのビレイは少々普通のビレイとは、ことが違うからだ。
≪アイスクライミングの危険≫
1.フォールの危険性 → テラスがあれば、グランドフォールの危険がある。スラブと同じ。
2.氷の見極めに経験が必要 → 支点崩壊
3.支点作業が長い → スクリューを打っても、効いているかどうかの判断が難しい
4.ビレイの難しさ → リードが落ちた時の状況を想像出来る人にでないといけない
5.落氷の危険 → ビレイヤーはクライマーの真下に入れないこともある
6.終了点作業が難しい → アバラコフ
7.手袋での作業 → ダブルロープを連結してトップロープにする。
しかし、安心してリード練習に挑める信頼できるビレイがーがいない・・・本当に困ったな。
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