Wednesday, December 31, 2014

適正な歩荷量の研究

■ 山では重い荷物を担いでいる人の方がエライ?

去年は歩荷散歩していた 20kg
山では、重い荷物を担いでいる人の方がエライという、暗黙の了解がありますが・・・

ベテランによると、実際は、それはワンダーフォーゲル部の価値観で、アルパイン志向とは対極にあるそうです。

たしかにアルパインスタイルとは、荷を軽くして早く登り、山にタッチしてダッシュで降りる形です。昔のヒマラヤ登山の包囲法とアルパインスタイルの差に近いものがあります。

そう思うと、トレランって究極のアルパインスタイル(笑)?

■ 適正な歩荷負担とは?

パーティで登山すると、当然、歩荷の負担を割り振らなくてはなりません。 

となると、適正な割り振りを知る必要があります。

当然ですが、

・より若い人のほうが荷を担ぐのは、普通
・女性より、男性のほうが担ぐのは、普通

です。が、ある程度、根拠のある数値のデータが欲しいところです。

■ 男女差について

男女差については、スポーツ科学の分野で、ある程度、信頼性のある数値が出されています。

≪Facts≫
  • 男性でも女性でも筋肉1kgあたりで出せる力は同じ
  • 男性は筋肉量が一般的に40% 女性が35%。
  • 有酸素作業能力や無酸素作業能力において女子は男子の約70%前後

(体重50kgの女性)と (体重70kgの男性) を単純に筋肉量で比較すると、

 体重     筋肉量割合  総筋肉量

45kg女性 × 0.35  =15.75kg
50kg女性 × 0.35  =17.5kg

60kg男性 × 0.4   =24kg
70kg男性 × 0.4   =28kg

となり、 

男性が28kg担ぐときに、女性が17kg担ぐのは、別に女性に優しくもなんともありません(^^;)。

計算がめんどくさいので、(筋肉1kg当たり出せる力=1kg)の仮定で、適正な歩荷負担を計算すれば、各々の肉体が持つ、筋肉量にとって公平な歩荷負担は

45kg女性 = 15.75kg 
50kg女性 = 17.5kg
60kg男性 = 24kg
70kg男性 = 28kg

となります。

これは私の今の歩荷力と同じくらいです。私は40代ですが、山歴40年のベテラン山ヤの先輩に、「40代の平均的な強さ」と言われています。 実際私より強い人いっぱいいます。でも、17~8kgまでは、歩荷それほど負担に感じません。

逆にいうと、体重47kgの私が17.5kg担いでいる時と、体重70kg男性が28kg担いでいるときは、同じくらいの負担に感じている、と言う事なんですね~!!びっくり~!!!

■ チビには負担が大きい

山の会には、歩荷訓練山行があることがあります。ある会では、女性25kg、男性35kgだそうです。

それってどういう負担なんでしょう?

仮に体重50kgの女性に25kg、体重70kgの男性に35kgの歩荷負担をさせたとすると、筋肉1kgあたりの負担量は

(歩荷の重さ)÷ (筋肉量)   筋肉1kgあたりの担ぐ重さ
女性 25kg     ÷ 17.5kg =1.4kg/kg
男性 35kg     ÷ 28kg   =1.25kg/kg

となり、体重50kgの女性への負担のほうが70kgの人より大きいということになります。なんかチビに損だな~。

ちなみに、女性が体重55kg 男性が体重65kgとすると

 女性25kg ÷ 19.25kg =1.298kg/kg
 男性35kg ÷ 26kg = 1.346kg/kg

となります。やはり体格が大きいほど歩荷は有利なようです。

こうしてみると、(筋肉1kg当たりの出せる力)は、大体1.3~1.35当たりなのかもしれません。
この数値に男女差はつけるべきでないので、1.2くらいが適正なのかも?

■ 加齢

これは加齢を加味していませんので、加齢について考慮する必要があります。

≪Facts≫
  • 最大換気量は直線的に低下し、60歳代では40~60%低下する。
  • 筋力は20歳~30歳代でピーク。30歳代~80歳代までに約30~50%低下
  • 筋力及び筋量の低下の割合は50歳くらいまでは小さく、50歳を超えると大きくなる
  • 一般成人は20歳~50歳までの間に約10%の筋量を失うが、50歳を超えると80歳までにさらに30~40%という急激な筋量減少が起こる。

なんか、50歳という年齢に一線がありそうです。しかし、それを考慮すると、計算がめんどくさいので、年1%の筋肉量喪失、と仮定して、計算してみます。

つまり、若者に甘い仮定です。50歳のラインも考慮ナシです。

また、計算が楽なので、(筋肉1kg当たり出せる力=1kg)&(20歳時ピーク)と、仮定します。

(実際は、私が40代で1kgは普通なので、20代だったら、筋肉1kgあたり、1.数キロは、担げると思いますが・・・計算が楽なので)

≪仮定≫
・20歳時 筋肉1kgあたり担げる力=1kg
・年筋肉量が1%ずつ減る

≪体重50kg 女性の例≫
年齢   筋肉減少量   
20歳 = 0%  = 17.5kg
30歳 = 10% = 15.75kg
40歳 = 20% = 14kg
50歳 = 30% = 12.25kg
60歳 = 40% = 10.5kg
70歳 = 50% =  8.72kg

計算式は、0%喪失だと ×1.00、10%喪失だと、×0.9・・・・50%喪失だと、×0.5です。

となります。例え、体重70kgの壮健な男性であっても、加齢を加味すると

≪体重70kg 男性の例≫
20歳 = 28kg
30歳 = 25.2kg
40歳 = 22.4kg
50歳 = 19.6kg
60歳 = 16.8kg
70歳 = 14kg

となります。 

実際は、20歳時点では、たいていの人がもっと担げるのでは?と思います。

私は体重47kgで40代ですが、18kgくらいまでは普通の登山道だったら普通に歩けますので。(クライミングはダメです)

でも、こうして筋肉の喪失量を仮説でもいいから計算してみると、人間、年を取ると、歩荷はつらくなるということが分かりますね(笑)。 しかし、加齢は生理現象ですので、人間は加齢には勝てません。

だから、担がなくて良い小屋泊が高齢な登山者に人気が出るのでしょう。

逆に言うと、60代でも20kg担いでいる小屋番さんなどはホントにすごいです。

そういう人は若いとき、40kgくらい担げたのかもしれない・・・ということですね。

逆に言うと、年を取ると半分まで低下するのですから、若いときは倍くらい担いでおかないといけません。伸びしろを上げておく意味で。

私は今40代前半ですが、18kgまでです。先日も自分の冬山装備と食当で歩荷負担18kg位でした。夏山でも縦走すれば、それくらいです。

登山を初めて間もないころは、何キロが適正な重さなのか分かっていませんでしたが、

 日帰り 3~4kg
 小屋泊 6kg
 夏山テント泊縦走 15kg
 冬山テント泊   18kg
 冬壁登攀     25kg

というのが大体のラインのようです。最近のテントは軽くて、生米とか持って行かなければ、テント泊縦走も12kgくらいまで軽くでき、私は夫と二人でテント泊の時は、二人合わせて22kgくらいでした。 

ひとりで夏山のテント泊1泊二日に行った時は、定着でたったの8kgです。山小屋でランチにラーメンを食べるから、ですね(笑)

縦走の時は、やっぱりもう少しありました。予備電池や水を4リットルくらい持つので、それだけで15kgくらいになります。

共同装備にすると重複を避けられるので軽くできます。

■ 試算

筋肉1kgで歩荷1kgできるという仮定でおおよその目安として

例1) 70代女性 体重45kg だと
 体重45kg × 筋肉量35% × 筋肉喪失量50% = 7.85kg

例2) 60代女性 体重55kg 
 体重55kg × 筋肉量35% × 筋肉喪失量40% = 11.55kg

例3) 50代 男性 体重55kg
 体重55kg × 筋肉量40% × 筋肉喪失量30% = 15.4kg

例4) 40代女性 体重 50kg
 体重50kg × 筋肉量35% × 筋肉喪失量20% = 14Kg

例5) 30代男性 体重70kg
 体重70kg × 筋肉量40% × 筋肉喪失量10% = 25kg

例6) 50代男性 体重70kg
 体重70kg × 筋肉量40% × 筋肉喪失量30% = 19.6kg

例7) 60代男性 体重60kg
 体重60kg × 筋肉量40% × 筋肉喪失量40% = 14.4kg

というのが、筋肉1kgあたりの負担として、公平な量になります。

ただくどいようですが、これは筋肉1kgあたり、1kg歩荷、20歳最大を仮定しています。少し弱気で控えめな仮定の数値です。

これによると、60代の普通の体格の男性と40代で小柄な女性の歩荷力は、ほぼ同じです。

■ まとめ

適正な歩荷負担量を割り出すには


(体重)×(筋肉量)×(筋肉喪失量) ×(筋肉1kgが出せる力) = 歩荷量

例: 体重50kg × 0.35 × 0.8 × 1kg = 14kg

です。
                 筋肉量
   男性 → (体重) × 0.4 
   女性 → (体重) × 0.35

さらに、年齢の係数をかける。

  20代 → 100% =1
  30代 → 90% =0.9
  40代 → 80% =0.8
  50代 → 70% =0.7
  60代 → 60% =0.6
  70代 → 50% =0.5

ですから、こうしてみると、若くてごつい体格の男性が30kg位、担いでいるのは、全然すごくありませんねぇ~(笑)

それより、体重50kgもない70代女性が、15kgも担いでいる方がすごい。

山での凄さは公平に評価されなければなりませんねぇ(笑)

しかし、男性3人に交じって、女性一人17kg担いで一番強かったあの時って、ショックだったよなぁ(笑)

≪関連記事≫
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2014/03/2014.html

この記事には後日談があります。
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2015/01/blog-post_5.html

■ 興味深い鍋割山荘の記録

http://nabewari.net/about/kusano/bokka

‐‐‐‐コピー

歴代重量ボッカ記録

1996年12月26日2斗樽酒(43kg全重)と正月用食材114kg
2005年12月16日(57才)3時間15分110kg
1995年10月 5日40kgのプロパンガス2本と
500mlビール缶と350mlビール缶の2ケース
109kg
1995年12月28日2斗樽酒と正月用食材108kg
1997年12月29日2斗樽酒と正月用食材107kg
2001年12月28日(53才)2時間48分107kg
1972年10月(四国愛媛県石鎚山、1981M、山頂小屋最高重量)106kg
2003年12月24日(55才)2時間32分105kg
1999年12月27日2時間26分105kg
1998年12月28日2時間27分105kg
1994年12月28日2斗樽酒と正月用食材104.5kg
1990年頃(年月不正確)内容不明104kg
以下 103.5~100kgのボッカを15回位、100kg以上のボッカ石鎚山時代を含めると30回位こなして居ます。
2002年6月より、すなわち2年半程前から毎日営業とし、週に6回、年間300~310回のボッカをこなしています。この29年近くで6000回を越えるボッカを行っています。ただ、2004年7月から右膝をかなりいためてしまい一回の重量が60kg以下になる事が多くなりました。オーバーユースは自然も生身の肉体も同じだなと思い知らされています。
草野さん
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Tuesday, December 30, 2014

富士山108回

■ 鳳凰三山

今日は、おと年、鳳凰三山で会った黄緑さんの下山に付き合い、桃の木温泉に行っていました♪お肌すべすべです♪

我が家は2年連続、お正月は、鳳凰三山でしたが、今年は、私が冬山合宿に出かけたので、家族のお正月山行はこれからです。

昨今は、お正月を含め、メジャーな山では山小屋が非常に混み快適ではないです。そんな中、薬師岳はちょっとおススメ。遠いから泊まる人が少ないです。

お正月あたりは鳳凰三山はまだ雪が少なく、稜線歩きもほんの少しなので、寒さや風を対策して行けば、よほどの悪天候でない限り、ほとんど樹林帯の中ということもあって歩けます。

今年は昨日の午前中が悪天候だったので、薬師小屋はたったの二人しか泊り客がなく、快適だったのだそうです。行けばよかったかなぁ。

■ 富士山108回

黄緑さんに会った時は、富士山84回でしたが、なんとこの2年で富士山108回に記録が伸びたそうです。

黄緑さんは自衛隊の方ですが、事務方で身体を使うことはないそうですので、条件は一般サラリーマンと同じ。

コツは、5,6月に3~4回、7,8月は、月1回、9、10にまた3~4回と回数を増やすことだそうです。冬の富士山はもちろん登らない。

金時山にもホームベースの山として足柄駅から登っているそうで、今回の鳳凰三山でも、健脚ぶりが発揮できたそうでした。今回は悪天候のおかげで樹氷が出来て非常にきれいだったそうです。

今年は燕岳と鳳凰三山で一年の登山を締めくくったそうで、両方ともガラガラだったとか。ちょっと日程をずらすと小屋泊でも空いているんですよね。羨ましいですね~

■ 自分の山を突き詰めよう

友達に、高所登山の経験者がいます。高い山しか興味がない。それはそれで、いいんではないかな~というのが私の意見です。

自信を持って自分の好きな山を突き詰めればいいのではないか?と。

富士山なら一人でも登れますしね。 

山岳会に来ると、とりあえずは、一度はクライミングの洗礼を受けます。が、それは、山は伝統的にそういうものだからです。

クライミングに対する熱意は人それぞれで、したくない人はしなくていいのでは?

ロープが出る山が、そうでない山より、良いとかすごいわけではない。

よりリスクがある、って言うことは言えます。また、アルパインという流れで見た場合は歴史もあります。日本のアルパインクライミングを紐解くと登って見たくなるかもしれませんが、そうでなければ、必要がないかもしれません。

山でリスクは負いたくない、趣味だから、ということが可能なように、整備が行き届いているのが、日本の山、です。登山道が整備され、一般道を普通のコンディションで歩く限り、たいていはロープは要りません。

だいたいエベレストだって要りませんし。ロープは張ってありますがフィックスで、ユマーリングしていますよね。マンガの『岳』ではそうでしたが、実際はどうなのでしょうか。

マルチピッチは転落リスクが常にあるから、マルチ(複数)ピッチずっと確保が必要なわけで、そうなるとゆっくりしか進まないのだから、体力増進を山に求める人にとって、面白いはずがないなぁ、と思ったりするのですが…。

マルチピッチが分かるようになると、たしかに山を取り巻くギブ&テイクの世界が分かるようになるのですが。

彼女はまったく悪気なく、所属している会に不義理をしてしまっていました…。連絡しないで山に登ったりですね。

それは、山は相互扶助、互いに確保し合うという、根本のところが分かっていないから。

しかし、元をただせば体力維持を求めている人と山岳会が提供するものが違いすぎるのではないか?と思います。

■ 山に危険と安心を求める人 

ロープが出る山が好きな人は、登山に体力以外のものを求める人です。ロープが出る場所と言うのは、それだけ危険な箇所ということです。

さらに、ロープを出すということは、安全・安心を求めている、ということです。ただ危険だけを求める人はフリーソロで抜けます。

登山はこのように危険な所と知りつつ、最大の安全配慮を払って入る、という矛盾した行為をすることです。

しかし、それは、人は皆死ぬと知りつつ、最大に生きようとする、という人生と同じような感じがしますね。

昔、何かの本で読んだのですが、最近の子供たちは、「先生、人間はどうせ死ぬのにどうして生きなくてはいけないんですか?」と聞いてくるのだそうです。

そのような疑問に答えるのは、山が良いのかもしれません。私は海外に短期間いたことがありますが、海外での生活と山は、リスクの点で、似ているな~と感じるときがあります。

また、ロープが出る山は、一般登山道より、人の手による整備がされていません。より自然のままの状態に近い。より自然のままが好きな人は、ロープが出る山が好きなことが多いかもしれません。

あるいは、ロープが出る山は、一人では行けません。 少なくとも、もう一人必要になります。

私はいつも夫と二人で山に行っていたし、大体普段の生活でも、二人での行動を好みます。ので 単独より二人や複数人での行動が好きな人におススメの山行形態です。

ロープが出る山は緊張が強い山でもありますから、同じ山でも、より困難なルートです。

私は前穂北尾根に行った時は、イメージとは違いました。これなら、一般ルートでもいいなと思いました。その日は空いていたからです。

岩登りが好きなら、ロープが出る山は必然ですが、そうでない限り、無理してロープが出る山にこだわらなくても、いいのでは…。

でも大抵の場合、山岳会と言う場所はロープが出る山が前提みたいなところがあります。そうでないなら、今の日本のアルプス系の山では、とりたててつるむ理由がないからですね。

余談になりますが、個人でも登れる山が日本中にある今、特に山岳会に属す理由が見いだせない、というのが山岳会が不振な理由かもしれません。





Monday, December 29, 2014

あぶないクライマーとは?

■あぶないクライマーとは?

『岳人備忘録』は46人の”岳人”のインタビューで成り立っており、『ビヨンドリスク』の日本版と言われています。

その『岳人備忘録』から、「”危ない”クライマー(登山者)とは?」というインタビュー項目だけを引用します。

以下引用。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
山野井泰史
山にいて山が見えない人。山を理解できない人。危険なことやっていても、危険を認識できない人。クライマーとしては致命的です。

尾形好雄 
己を知らない人。実戦経験が少なく、知識かぶれの人は危ないですね。

遠藤由加
危ない人、多すぎるからなぁ。クライミングや山が好きと言うより、登ったという実績や結果だけを欲しがる、そういう純粋じゃない人って、とてもあぶない。過程を無視する、無理をする、実力に合わないルートに行きたがるっていう意味で。あと、どんどん進化している新らしい技術や知識を吸収しようとしない人も多い。

大木哲
身の丈をわきまえない人。人に連れられていくだけだと自分を顧みないし、山も見ないから上手にならない。小さな山でいいから、自分で計画して登ってみるといい。積み重ねることの大切さを知ってほしい。

山田哲哉
自然とは何をしでかすかわからないからシステム化できないし、ルールもつくれないということを理解して、山の事象の全部に想像をめぐらせていかないとだめなんじゃないかな。山の状況が悪いときって、ぼくらがどうあがいたって所詮まともに相手できるものではないのに、「いや、オレはこれを持っているから大丈夫」とか。でも、ビーコンがあれば必ず助かるものではない。あれとこれをやったから、短絡的にもう次はこれをやってもいいだろうというのではなく、自分のトータルな力をもう少し冷静に見ることも必要でしょう。

若林岩雄
危ないことを知らない、というか無頓着な登山者。自分の都合だけで状況を判断してしまう人。

加藤慶信
何の根拠もなく自分にはリスクが降りかかってこないと思っている人。

ーーーーーーーーーーー


■ 安全な計画 危ないの反対は、ゆとりのある計画、控えめな計画

危ないを考えたのは、その反対の、”安全”とは何か?を思考するためです。

登山においては計画から、”安全”が始まります。

自立した登山者は、”安全”な計画を立てなくてはなりません。その場合、安全な計画とは何か?

それは、

・ゆとりのマージンが大きい計画

つまり、

・失敗しても挽回可能な計画

です。

例えば、4時間登りにかかる山に、8時に里で集合だと、その計画は、自動的に山頂を目指していないことになります。事前情報で4時間かかると分かっているからです。

8時に集合してから、登山口まで、例えば小1時間かかるとして、9時出発だと、4時間をプラスすれば、13時になってしまい、それではギリギリになるからです。

下りには登り程の時間がかからないのが普通ですが、そうと分かっている相手なら大丈夫ですが、
初対面だと登りも下りも、コースタイムより余計に時間がかかる可能性もあります。

そういう風に考えると

1)9時登山口出発のプラン →ゆとりの無いプラン

2)8時登山口出発のプラン →ふうつのプラン

3)7時登山口出発のプラン →ゆとりのあるプラン

4)10時登山口出発のプラン → 議論の多いプラン(コントロバーシャルなプラン)

となります。4)を議論の多いプランとしたのは、足が揃っていれば可能だからです。私もコースタイムより早く歩けたりしますので、余裕があることが多く、例えば一度行ったことがある山で、自分のタイムを分かっていれば、というような、条件付きでOKプランとなります。しかし、基本はやはり、控えめな計画にしないといけません。予備が必要です。

私はそのようにゆとりがあるプランのことを ”保守的なプラン”という風に呼んでいました。

しかし、師匠によると”保守的”という言葉は、あまり正確に意図を伝えていないのではないか?ということでした。

私が保守的、という言葉を使ったのは、英語的にコンサバティブというと、ネガティブな意味がなく、控えめ、という意味合いがあるからです。しかし、より正確には

・ゆとりが多い
・控えめ
・安全マージンが多い

というような計画が登山では重要だと思っています。

特に
・後戻り可能(退路を断たない)
・失敗した場合の保険がある
・不確定要因が少ない

です。

例えば、

・まったく登山道が無い未知の道はピストンを基本とする
・下山は一般道を使う

原則的には

・ゆとりがあること
・冗長性があること
・フェイルセーフがあること

を重要視しています。 自分の力が10だとすると、8の力で計画する。それを普通は一体どういう言葉で表しているのかなぁ・・・

山は早立ち早着き

と良く言いますが・・・ 危険な登山者、というのは、こうしたゆとりがない計画をする登山者ではないか?と思うのですが・・・

参考
三浦雄一郎さん
河野千鶴子さん


スヤマ尾根敗退(上松Aコース)

27日から2泊3日の予定で、冬山合宿に行っていました。結論から言うと、

完全敗退

です(^^;)。

■ Plan

今回のPlan → Do →Check のPDCAの流れを記録します。( )は、私のその時点での感想です。

プランは、上松登山口から木曽駒登頂~宝剣~三ノ沢岳縦走~スヤマ尾根下山でした。(この時点でムリな計画と思っていた)

ベテランより下山に未知の道を使うより、一般道が下山の方がベターとの指摘。(もっともな指摘ですね)

そこで、スヤマ尾根~三ノ沢岳~中ノ三ノ沢~無名尾根下山のプランに変更。(この時点で、おそらく三ノ沢岳ピストンだと思っていた)

この時点で、色々と調べ、スヤマ尾根の正月の記録を見つけました。2つの記録を参考にしました。、一つは三ノ沢岳に届くまで18時間、2日間を要した記録。また別の一つは、木曽駒まで縦走して上松Aコース下山です。山と渓谷1998年5月号に記載された記録がWeb上にあります。

記録をまとめると、

≪資料1≫
・18時間
・徒渉あり
・スヤマ尾根は快適な疎林

 → 辛い記録

≪資料2≫
・取り付きまで3時間河原歩き
・徒渉あるも飛び石
・積雪量少ない
・上部でロープ
・ハイ松藪

 → 甘い記録

でした。 

私の考えは、これらの記録を調べた結果で、一日目は、尾根取り付き幕営、良くて中腹での幕営、二日目は、終始、樹林帯のラッセル。上まで到達しないので、

・ロープが出ることはないだろう
・二日目の全荷での移動が核心

と予測、というものでした。基本ラッセル。汗かき仕様。体力勝負の山です。

お天気は
ーーーーーーーーーーーーーーーー
27日:大陸から本州付近に高気圧が移動してくる。この高気圧に覆われるため、晴れる。朝まで山域北部の稜線や北向きの尾根上では、北寄りの風が強いが、昼頃には落ち着いていく。 警戒事項:強風による転滑落・凍傷(朝のうち)、乾雪雪崩 28日:本州付近の移動性高気圧は日本の東へ進み、次第に南から湿った空気が入りやすくなる。このため、天気は下り坂。午前中は晴れるが、稜線では西から南西の風が次第に強まる。夕方には稜線は雲に覆われ、夜は風雪の荒れ模様の天気に。29日は大雪になる恐れもあり、最新の気象情報に注意。 担当予報士:小林
ーーーーーーーーーーーーーーーーーヤマテンより引用

・1、2日快晴
・3日目下山日の朝前線通過

でした。

私の予想は、ヤマテンを参考にし、3日目は使える時間は一日ではなく半日の予想です。下山だけ。要するに2日目が核心と思っていました。2日目に出来るだけ降りておくってことですね。

私は二日目に向けての夕食と朝食の食当でしたので、この予想を基にできるだけハイカロリーにしていきました。歩荷負担は3kg強でした。ツエルトやコンロ、わかんの冬の宿泊装備一式となので、その分沢に近いということで、水を1.5ℓにして、軽量化を図りました。

■ 実際

実際は、下の地図のように進行しました。

上松Aコースの登山道は、よく踏まれ、夏道より快適に歩けるくらいの登山道でした。スタート時間は、敬神小屋で、8時です。

a点で9:33。ここからは登山道がなく、終始、身長程度の高さの笹薮の非常に濃いブッシュでした。帰宅したら、笹が顔に刺さって小さな切り傷をいっぱい作っていました。

15分後にb点で、距離的に多く見積もっても300mしか進んでいないことを指摘しました。前進するという決断でした。ベテランからは元来た道を戻るのではなく、適当に近道を求めて下るのはダメだという指摘。上松Aコースにて木曽駒という代案が出されました。

次のc地点では、すでに仕切り直しには10時半と時間が遅く、このまま前進したほうが結局早いだろうと結論(実際は余計にかかった。1時間で登れた道は30分で下れる脚力だからです)

どうやって河原に出るかを協議。尾根を下り、基本的に南進し、隣の尾根を超えて、滑川に合流できる場所を探す、で一致しました。 クリックで拡大します。










ーーーーーーーーーーーーーー
a 8:00 敬神小屋から金懸小屋方面の登山道へ進む  意見 地形通り滑川沿いを進んだ方が良い

b 9:33 使う予定の登山道が廃道 笹薮でとても進めそうにない  意見 今来た道を下る

c15分で300m程度しか進行していない 意見 戻る、下るのは良くない、典型的遭難パターン

d 少し開けた広場 ここで、もう前進しか選択肢がなくなる

e 急登から沢に降りた 11:00 ココでカメラを落としたことに気が付き、少し戻る12:00

f 少し沢を下りなんとか登れそうなルンゼから尾根の頭へ出ると道があった12:00 意見 金懸小屋へ登る

g 13:30 最終堰堤。正規ルートへ復帰。

h 徒渉 膝の高さ

i  幕営一旦沢へ降り、隣の尾根に取り付ける点を探して、ルンゼから取り付き(取り付きの発見はベテランがやってくれました)

j へつり危険部 お助け紐

K 撤退判断1回目 スヤマ尾根断念

L 大木のピークで鹿の踏み跡発見

m 撤退決定
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Fのピークへ乗った時点で、ベテランからはこのまま尾根を登り、一般道の上松Aコースへの合流が提案されました。

が、あと少しと言うことで、尾根を下りました。が、この尾根からも藪が濃く、沢が近くてかなり急な崖でしたのでルートを探し、降りれたもののギリギリと言う感じでした。

結局、最終堰堤まで来た時点で、13:30となっており、この道は、普通に林道を歩いていれば、30分の箇所でした。

つまり、敬神小屋から堰堤までの距離を、登って下るという藪漕ぎすれば、5時間半かかり、地形通りについている林道で来れば30分となったということです。

30分の道に5時間半・・・(^^;)

そこから徒渉し、さらに河原を進みましたが、河原歩きも大きな石の空隙があるので気が抜けず、スピードは出ず、15:30、幕営適地を発見。

それでも残り30分進むというので、進み、あまり距離は稼げず、これより先に幕営地が発見できそうにもない河原に出たところで、偵察隊は少し先を偵察してもらい、残りは戻って、幕営しました。(16:15)

翌日は、偵察隊の偵察通り進行しました(6:43)が、偵察隊が行けると判断した箇所は、普通の男性であっても引き上げが必要で、這いつくばって登り、アイゼンを履いてムリに徒渉したりと、かなり困難。

滑川では、要するに冬の沢登りでした。水流を避けるためのへつり、高巻きです。これは沢の経験が生きると確信できました。沢の高巻きでルートを探すからです。

一旦下山の決定をしたものの、帰りは行きに通ったへつりは高巻きしました。これで上がった尾根(標高1500)、Lがたまたま、鹿の踏み跡があり(鹿くらいは通れる道だということでホッとした)、この尾根は下山に使う予定だった尾根であることから、1時間当たり標高200を登れるだろうと予測して、尾根を登ることに合意(8:30)。予測では、幕営適地を発見し、途中で荷をおろし、山頂ピストンできるのではないか?という期待値でした。

が、そこから40分程度上がってみた(9:10)ものの、私がストップを掛けました(最高点)。非常に濃い笹薮のブッシュで直進するのにうんざりしたからです。隣の山を見ても、藪が薄くなる気配はありませんでした。

標高は1550で50メートルしか稼いでいませんでした。つまり、標高100mを稼ぐのに80分、1時間半かかります。

これだけしか稼げないということは、標高2368m、差800ある稜線に上がることは絶望的であること、同じ標高程度の隣の山を見ても、藪が薄くなる気配がないこと、稜線に上がっても展望が望めないこと、などから、撤退を判断して、9:40、下山決定しました。

下山もこの尾根を行けば、広がった扇状地のような地形に出るはずですが、地形図に現れていない小さな尾根のトラバースを余儀なくされ、そのトラバースも笹薮をかき分けながら、というわけでした。

しかし、10:16幕営地にピッタリに降りてしまいました(笑)。幕営地から河原沿いに歩いて稼げた距離はほんの少しでしたので、ほんの少しの距離にかなり時間がかかったことになります。

後は来た道を戻り、堰堤前(11:25)で、アイゼンをつけ、最後の徒渉。堰堤から敬神小屋まで歩いて30分(汗)。そこからさらに先で、軽量化のため、もってきた2日目の食事を食べ、下山完了でした。

悔しいので、帰りに温泉に立ち寄り、ソースかつ丼を食べて帰ってきました(^^)。

■ Check (検証)

さて、早速ですが、検証します。結論は

敬神小屋から、上松Aコースを上がらなくても、スヤマ尾根には取り付けなかったでしょう

です。

ココから先は、わたし私自身ならどうしたか?ですが、

1)地形的整合性優先

今回上松Aコースの登山道を使って、堰堤までいくことには最初から反対意見でした。

私の意見は河原沿いの林道を行くべきだと思っていました。上松Aコースから分岐している林道は、一見して地形的な整合性がなかったからです。

地形を読んだ場合とつけられている登山道が異なる時は、なんらかの理由があるはずで、その理由が重要です。

通常の一般登山道でも、地図読みしながら歩けば、登山道があまり整合性がない場合があります。その場合は多いのは、登山のための道ではなく、林業のための道である、ということです。

その場合よく使われていれば、早く歩けますが、たいていは、その道を行かなくても、地形を読んで歩いても、ブッシュさえ出ていなければ歩けます。登山の人が歩く場所は尾根と沢で、トラバースと言うのはあまり整合性がない。

さらに地形図にはよく廃道も載っており、歩く理由に乏しいと予想される、根拠に乏しい道は、地形に沿っていない限り、使われなくなっている=利用価値が低い可能性がある、と思います。

つまり、笹のブッシュが閉じている時点で、そういう道であることが分かります。

単純に入り口だけが見つからない場合は、15分も進めば藪が開け、道になっているはずです。尾根の取り付きではよくそういうことがあり、どこから取り付いても、地形的に整合性のあるルート取りをしていれば、後から赤テープが自分を追いかけてくるようになります。(生きた経験、黒富士茅ヶ岳東尾根

が、今回は、変化が見られない。その場合は、撤退すべきです。

2)冬季の河原歩きのリスク

冬季の河原歩きは、水量が問題です。今回は、記録より多いと見受けられました。

冬季は、少しでも濡れると命取りという状況です。

しかし、河原歩きが長く続き、水量が減る気配がない=リスクを減らすための手段はほぼないに等しい。

靴が濡れる、コケて服を濡らす、=終わりです。

おそらく記録にある時よりも水量が多かったのです。

冬に河原歩きは私にも経験が少しあり、アイスクライミングでルート経験が生きました。ルートに出ていると、濡れが一番の問題です。流れている沢に氷を踏み抜いて、足を突っ込んでしまうと、日帰りなら我慢で済みますが、特に泊まりを含む場合は、靴が凍り、その状態で稜線を歩くことは不可能なので、靴を濡らすともう撤退です。

3)藪

地図読みをする山を私も、藪山、と表現したりしますが、実際は藪はあまり漕ぎません。というか、いかに藪を漕がずに地図読みで、良いルートを歩けたかに達成感を見出しています。

4)地図読み

今回は、地図読み山行にて、自分でルートを作った経験が雪山山行で生きることを確信しました。


山行では、自分が作成したルートを歩きましたが、ケツを歩いてもらいました。一か所判断が違うことがありました。また下山で、コンパスの精度が足りず、降りる尾根を一つ間違え、北東尾根でなく北東東の、隣の尾根を降りてしまいましたが(笑)。これは結果オーライで実際は降りようとした尾根では末端が急すぎて降りれなかったです。

また地図読みでは、小さいピークとコルをつなげます。基本的に、コンパスを当てて単純に地形を無視して直進ということは最後の手段です。目標物を目指して下る場合でも、その途中の地形を重要視します。途中に危険要素があると時間が余計かかるからです。

そうした登山の経験が生きる、と分かった登山でした。

4)強行突破

行けるか?行けないか?の判断は、終始、強行突破の連続でした。

思うに、ベテランには一定の閾値と言うようなものがあります。それはブッシュを見て、コレはダメだな、と判断できる力と言うことです。少しならブッシュも突破で良いのですが、その場合は

程度と量

が問題です。

これは、若く体力があるほど、困難を乗り越える方を選択してしまいます。しかし、やはり、そのように健脚であっても、結果としては、余計時間がかかることは変わりません。

つまり登山判断力にとって、有り余る体力は、リスクを減らす要因にはならないということです。

体力がない人よりも、泥沼にハマりやすい。ちょっとした困難なら乗り越えられるからです。その、ちょっとした困難が、1か所ならばそれは良かった、という結果になりますが、今回は強行突破が終始です。強行突破は、その価値がある場合にだけ使うべきです。

体力や技術が、リスクを減らす要因になるのは、基本的なリスクがマスクされている場合だ、ということですね。支点崩壊のリスクがない場合には、登れる方が有利ですが、支点崩壊のリスクがある場合には登れようが登れまいが同じだけのリスクがあるということです。

今回でいうと、技術があってもなくても、水ポチャリスクがあります。

5) どこが二者を分けるのか?

私が常日頃、疑問に思っていることは、

多くの人が同じ経験をし、同じような教育を受け、同じように機会を与えられるにもかかわらず、結果には人によって大きく違いが出る、

ということです。

登山はリスクをはらんだ遊びです。リスクがないところに楽しみもなく、その楽しみの追及は悪いことではなく、その二律背反のバランスこそが醍醐味といえる部分もあります。

しかし、人には、山ヤになる人と、ならない人がいます。積雪期北岳に行ったほどの人でも、何年も何回も、山行を重ねても、「連れて行かれる」から「連れて行く」に転換することはできません。必要な技能が積み重なって行かないからです。積み重なっていかなければ、自信にもならない。

今、老練で熟練した登山者でも、かつては若く、イケイケの登山判断をした登山者だったでしょう・・・そうした若い判断力に掛ける登山者が、どのような思考のプロセス、あるいは、経験値を経て、的確な良い意味での”弱気”の判断力を身に着けるのか?そこに興味があります。

なぜなら、それは後進を育成する場合に重要なキーポイントとなるからです。

私は自分では保守的な判断をする登山者だと思っていますが、去年ゲストでセックンに行った時、リーダーが迷ったというので、5mほど登山道を外れて登ったら、こっぴどく叱られました。しかし、私自身は私がリーダーの時に他の人が、「ちょっと見てくる」と勝手な行動をしてもあまり腹が立ちません。それは自分もそうするだろうからです。つまり、イケイケかどうか?は、どこを基準にするかに寄ります。私も、一糸乱れぬ統率や厳格な命令への従順を求める人とは合いません。

私の登山の喜びは自分で引き受けるリスクの量を加減しながら、登山の成果を最大にする、というところにあるからです。

■ 私の学び

今回は、

1)積雪期であっても、雪が少ない山の場合は、登山道(藪払い)があるほうが良い

2)雪がしっかりあれば、登山道がない山も良い 

3)冬の沢は水量次第

4)合理的な説得には数値による説得が必要

5)進退の判断は、実績ベースの行動時間、実際の状況判断に寄るべき

です。

今回は、濡れについては、事前に師匠が近いコースを歩いていたこともあり、汗による内側からの濡れを対策して行き、雪による濡れはさほど心配していませんでしたが、それは正解でした。

また、徒渉にネオプレンソックスを持って行ったのは正解でした。

ただ、撤退を薦めるときに、合理的な数値による説得がもっとも説得力があるので、私は暗記が苦手で、あまり数値をさっと計算しないので、コレは反省が必要だと思いました。

リーダーは最後まで、甘い記録を基に行動を組み立て、判断していました。すでに実績ベースの数値がそこに出ているにも関わらずです。メンバー側は、そういう場合、もう少し数字ベースで話をしないといけません。そうでないと無駄足が増えます。無駄に体力を浪費してしまうことになります。

6)ケツを歩いてくれる先輩は良い先輩だ

と、私は常日頃思っています。安全の傘の下で失敗を重ねる必要があるからです。そういう意味で、この完全敗退の山行は、我会が非常に良い教育システムを持っている、という傍証になるのではないでしょうか?

また、

7)危険個所の判断は穂高の縦走路ベース

です。今回はいくつもいくつも、「これはないな」と言う箇所が連続しました。つまり、通常の登山で一か所、2か所の核心部と言えるような箇所が何度も連続します。

沢でお助け紐を出すような箇所です。このような個所が多いと時間を食いますし、一か八かが増えるということは、帰りも一か八かだということです。

8)行きに使うルートが退路として有効かどうか?を常に考える

予測のつかない、未知の道を行く場合、私はピストンを基本にしています。これは横山厚夫さんの著書にも基本方針として掲げてあります。

今回の場合だと、行きに使うルートが藪の時点で帰りに使うのは、合理性がありませんから、行きでは、このルートが退路として有効かどうか?を考慮しながらルートを組み立てる必要があります。

■ まとめ

ひとりの自立した登山者を育てるのに、どういう技術をいつごろ、どのような形で教えるべきか?

当然個人個人に習得の速さの差はあっても、一つの型とでも呼べるようなものがあれば、そこから応用系を派生的に作って行くことができます。

最近私が学んだのは、

 ただ山行回数を重ねただけでは、経験の蓄積にはならない

ということです。

 登山者育成の視点には、体力だけでなく、登山マインドの育成が必要

ということは多くの事例が証明しています。

また

 教える順番(ピッケルより地図読みでしょ)も重要ではないか?

と思っています。そうでないと、クライミングが出来ても、道の無い山は歩けない登山者になってしまい、道のない山を歩けなければ、基本的な遭難時対策ができていないということで、その人は一生誰かに安全対策をゆだねなくてはいけなくなり、つまり自立はできないことになってしまいます。

そこで愉しみを優先するほうに、安全対策はいいや、と開き直ると、凄い山を自慢げに登っていても、実際は山ヤ的な成長はしていないということになってしまいます。よくニュースでも山歴〇十年のベテランが・・・とあるようなケースを育成してしまうということです。

しかし、自立した登山者には、多くの小さな失敗の経験が必要です。

それが”経験を積む”ということの意味です。

経験を積んでいる間に死なないようにするには、どういうマインドが必要か?と言う質問には多くのクライマーが

 弱気 

と答えています。私は”保守的な判断”という言い方をしています。

また実際

 強いクライマーほど撤退判断が早い

です。中山尾根に行った時は、降水で、6:30撤退判断でした。すぐ転進しました。

師匠が広河原沢左股へ連れて行ってくれた時は、ラッセルで中央稜に上がる予定でしたが、5歩くらいで、登ってきたルートを下降に決定しました。私も相棒も、もう少しラッセルできると思っていたので、見くびられたようで少しびっくりしましたが、リーダーの判断に従いました。

一方、私のほうがより保守的な(弱気な)判断をしたこともあります。金峰山黒平での下山決定のプロセスです。ピストンを提案されましたが、メンバーの消耗具合を考慮して、より弱気な3時間で下れる一般ルートにしました。ヘッデン下山を避けた格好です。

意思決定には、色々な要素が付きまといます。そして、意思決定こそが登山の安全性を高める非常に重要なファクターです。

これについては、良く考えて考えすぎることはないのではないか?と思えます。

黒平での撤退判断 この時は先輩より保守的な判断をした

中津川滑沢 沢で濡れると怖い

黒富士 ひとり地図読み

茅ヶ岳東尾根 一人で地図読み













Friday, December 26, 2014

クライミングの分類

■ クライマー礼賛

今日は感激することがありました。

それは、ちょっとしたクライミングの質問をした方から、封書をいただいたことです。

最近は、なんでもメールの時代です。例にもれず、私も何でもメールで確認します。

しかし、メールは気軽な手段なので、その内容の確実性については、当然のことながら、少々の用心くらいは必要です。例えば、本に書いてあることと、雑誌に書いてあることは重みが違いますよね?そういうことです。

私がしたのは、ちょっとした質問で、その質問の内容は解決しませんでしたが、メールに添付されたPDFが見れなかったのです。それでなんと実物を郵送で送ってくださいました!!

この方は、K2にも登られたことのある、経験豊かなクライマーです。

私はいつも思うのですが、登山やクライミングって、長く続けているだけで、その人の生き様が出ると思います。

つまり、いい加減な人だと、早々にクライミングという劇場からは退場となるのではないかと思います。いい加減が許されないのがクライミングなんですよね。

なので、長きにわたって、クライミングをしていること自体が、その人には、尊敬に値する何らかの資質が備わっているという意味だと私は考えています。

もちろん、他者に安全管理された環境、つまり、ベテランについて行っているだけの人やガイド登山の人、ゲレンデクライミングの講習会だけの人は含みません。しかし、自立したクライミングをしている、ということは、それだけで、人間を育てるのだと思います。

そのことが実感させられる事件でした☆ やはりベテランクライマーは素晴らしい方なのです!

■ プロとは裏とりすること

「分からなくてもいいから、訳して!」

これは、翻訳では、良くあるケースです。私はソフトウェアのエンジニアでスタートしましたが、英語ができることから、テクニカルライターとしても仕事をしています。で、苦言になってしまいますが、世の中の翻訳に対する認識の程度は低く、この程度のものです。内容が分からないものを一体どうやって訳すというのでしょう?

例えば、日本語でも、「流動分散」って知っていますか?普通の一般日本人が、”流動分散”という言葉を知っていることはないです。

ところが、これが翻訳者になった途端に知っていて当然ってことになるんですね~(汗)

ちなみに流動分散は ”self equalization”です。 

で、クライミングをしたことがない人が、こういう言葉を知らずにただ字面だけを訳すと、とんでもない訳文ができます。(ちなみに翻訳者の定番辞書、英次郎では”荷重分散”でも”流動分散”でも、でてきません。流動分散はクライマーなら誰でも知っています)

私はもともと産業用ロボットや携帯電話、ソフトウェア販売、化学原料、などの会社にいたのですが、面白誤訳などはたくさん見ました・・・。

例えば、インストールという言葉は、今では「ソフトウェアをインストールします」と、すでに日本語に定着した言葉ですが、理系というのは文系代表の翻訳者にとっては遠く、インストールという言葉を知らない人がかつては多くいました。そうするとどうなるか?というと、インストールを導入と訳せばまだいいのですが、”分割払い”と訳してしまう人もいます。installmentが分割払いだからです。

実はこれは原本のミスでした。昨今は原本もパソコンで書きます。すると、パソコンには、スペルチェッカーが付いていますが、そのリストにinstallation と出たときに、間違って、installmentを押してしまったらしいのです。

しかし、内容を吟味せずに字面だけを見て翻訳していると、こうしたミスが拾えません。「論理的に分割払いなんておかしいよな~」とは、思えないのです。それで、摩訶不思議訳が出てきます。

だから、ソフトウェアの翻訳ならソフトウェア開発者自身が、化学原料ならその会社に勤め、製品情報を良く理解している人が翻訳することが大事です。

産業翻訳の分野は、古典的な文芸翻訳の世界とはまた違って原文が100%あっているとは限らないこともありますから、とくに論理思考が欠かせません。

というわけで、翻訳と言うのは、書かれた内容のダブルチェックにも実はなります。ソフトウェア開発で言うと、緻密なバグ出し、って感じ。編集の世界の言葉でいうと、緻密な校正です。

疑問点は、作者にチェックしたり、より事情に詳しい人にチェックしたりするわけですが、そのプロセスにコミュニケーション能力問題解決力が必要になります(笑)。

特に私は思うのですが、英語を日本語に訳していると、より分かりやすく平易な日本語訳をさがすために

言い換え 

を探します。「ということは、易しく言いかえるとどういうことか?」と、思考します。だから、読みが一歩深くなると思うのですよね。

クライミングではその先を一歩よむことが重要で、それには翻訳するというスキルは、とても役に立っていると思います。

■ クラッギング

最近、私はClimbing誌を購読していますが、Craggingという言葉をよく見かけます。

英語そのものとしても定着していないようで、クラッギングって何ですか?という質問掲示板があるくらいです。

クライミングの世界では、普通の用語みたいですが、日本語ではクラッギングはまだ定着していませんね。

たぶん、日本語で、「今日はもうスタートが遅いし、遠出は無理だから、岩でもやる?」というようなときの”岩”です。

ショートピッチの岩ゲレンデで、中間支点が3つ4つ程度の、岩登りですね。基本的に整備されたゲレンデでの岩登り、のようです。

つまり、十二ヶ岳の岩場や日和田、城山みたいな感じですかね。マルチピッチは入らない。登って、ローワーダウンで降りたい、という岩場です。

■ ロッククライミングの分類

名称が大事なのは、名前がないと、指し示すことができないからです。例えば、初心者が

「岩がしたい!」

と言っても、

「岩にも色々ありまして・・・」

となってしまいます。その点、英語の”ロッククライミング”は、日本で区分されているより、細かく区分されているようです。

Aid climbing  エイドクライミング
Free climbing フリークライミング

   Bouldering  ボルダリング
   Solo climbing ソロクライミング
   Deep-water soloing (DWS) ディープウォーターソロ

Free soloing  フリーソロ (ロープ無しでもっとも命知らずなクライミング)
Roped solo climbing ロープ有りのソロクライミング (やりたくないけど、レスキューで必要)

Lead climbing リードクライミング (いつもリードで登りましょう)
Multi-pitch climbing マルチピッチクライミング (複数ピッチ)
Sport climbing スポーツクライミング (支点がしっかり)
Traditional climbing トラディッショナルクライミング (スポーツクライミングの反対語?)

Bottom rope climbing ボトムロープクライミング (リードと何が違うのでしょう?)
Top rope climbing トップロープクライミング 

Crack climbing クラッククライミング
Face climbing フェイスクライミング
Slab climbing スラブクライミング
Simul climbing サイマルクライミング (同時登攀?技術書に出てきたことありませんねぇ・・)
Via ferrata ヴィアフェラータ 

Indoor climbing インドアクライミング (今はやっているクライミングジムのこと)
Outdoor climbing アウトドアクライミング

http://en.wikipedia.org/wiki/Rock_climbing より引用。

■ トップロープとリード スポーツクライミングとトラッド

この辺は、私も初心者の頃、?????とエンドレスに”?”マークが続いていました・・・(笑)

特にボルジムがクライミングだと思っていたり、トップロープがクライミングだと思い込んでいるところから、リードへ移行するのは、ちょっとした、パラダイムシフトでした(笑)

リードを始めたら、トップロープはリードしてみて、やってみてできないときの解決手段になりました。

外岩はまだその境地には至っていませんが・・・。

いつか外岩でもそうなるのでしょうか?アイスのリードでもそうなるのでしょうか・・・?

■スポーツクライミング

スポーツクライミングも一緒で、最近になってやっと、スポーツクライミングはビレイを習得するために必要なのだ、と分かるようになりました。

外岩では落ちれません。

安全な環境でしか、ビレイの習得はできないのです・・・

だからスポーツクライミングでの、人工壁が必要なのですね・・・



Thursday, December 25, 2014

Merry Christmas!

■ 冬山合宿

今日はクリスマスですね!皆様にとって、楽しいクリスマスとなりますように!

私は3月に山岳会に2つ入会しました。

そのうち一つは、パートナーが入っている会だったので入った。

ので、パートナーシップの解消とともに退会しました。

現在は、御坂山岳会だけで活動しています。

みなさん、御坂山岳会は、今、入りどきです。

私は、雪で山を始め、ステップアップし、雪の山に行きたいから、山岳会にきたんです。

ので、冬山合宿は重要です。

が、さすがに入会して一発目の合宿が冬山合宿と言うのは、まずかろう・・・と思ったので、入会後の合宿は、とりあえず、春山にしました。無難な路線で(笑)

ですから、今回は実質、本格的な合宿は初参加です。


中央アルプスの三ノ沢岳です♪

最初、木曽駒、宝剣と聞かされた時は、絶対ムリ!って思いました。宝剣なんて遭難で有名な場所です・・・(^^;)


でも、スヤマ尾根になって、

「あら、いいんじゃない?」

とヤル気に(笑)

若い間にラッセルしないで、いつするんでしょう(笑)?

テントが水没ならぬ雪没

タカマタギのラッセル
黒平のラッセル
良く考えたら、ラッセル山行はほんの少しの経験しかありません。

タカマタギと金峰山黒平です。

タカマタギは地図読みで行ったのですが、核心は下山後の車の脱出でした。車の上の雪が1m。ピッケルが見えなくなるくらい雪が降りました。

金峰山黒平は、最中雪のハイハイラッセルでした。

コースタイムの読みが甘かったんだよな・・・。3月でしたが、踏まれていないので、

2時間半の道に6時間

かかりました・・・(^^;)。

今回もだいぶかかるのではないか?と思っています。

徒渉があるので、ネオプレンのソックスが要りますね!
裏山ラッセル
 ■ 分け与える日

今日はクリスマスにケーキを焼きました。

去年は、忘年山行で、焚火&ケーキでした。

それから、自分のために使うはずだったお金(17200円)で、エボラ熱の対策のための募金を。

募金については、今まで黙ってやることに意義があるような気がしていましたが、公開することに方針を変えました。



分かち合いは重要です。より困っている人を助ける、という精神は、登山と同じ。

私は運が良いなと感じるときがあるのですが、それは募金のせいではないか?とよく思います。勤めがある時は、毎月少額を募金していましたが、勤めを失ってからはできるときにしています。運が欲しい人は喜捨をしたらよいのかも?

2014年のケーキ
上手にできたな~♪

専業主婦が、クリスマスにケーキを焼かなかったら、誰が焼けると言うのでしょう(笑)?

ケーキを焼くのは、子供のころから好きで、12歳の時に、クロワッサンと言う雑誌の何かで賞をもらったくらいです。

今回は、スポンジが上手にできて会心の出来!

スポンジを上手に焼くのは難しいのです。コツは、水あめをいれることかなぁ。

私はいつもクリームには一匙のヨーグルトを入れます。味が洗練されるのでおススメ☆

デコレーションはあまり評価に入れないでください(笑)







2013年のケーキ
これは去年のケーキ。山に生クリームとケーキと、苺を持って行き、その場でトッピング!どうだ!ってやつ。

冬は生クリームおススメです。ぜんぜん使えます。

今年は、1月の月例山行で、念願の

 チーズフォンデュ

 &

 ホットワイン

 やります!

 河原木場沢です♪

Wednesday, December 24, 2014

2014 Lookout

■ クリスマスは感謝する日です

いや~今日はクリスマスイブですね! 

今日も図書館に行って古い山渓を借りてきました。 1998年5月号に、スヤマ尾根の記載があるからです。

さて・・・クリスマスが終わると、合宿で、もう年末です。年末は他のことも忙しいので、暇な今のうちに、今年のまとめに入らなくてはなりません。

というわけで、今年を振り返る・・・

■ 2014年の振り返り

1月 華やかな成功でスタートした月 

  ”団体ツアーのおばちゃんたちが来ない山に登れる自分になる”を決意し、達成。地図読みも一皮むける。

主な山行:
  甲斐駒黒戸尾根
  茅ヶ岳東尾根
  十二の岩場のアイゼントレで岩デビュー
  広河原沢左俣

2月 新天地へ向かう月
 
 毎年この時期は行くところがなく困っているが、大雪でラッセル山行がなくなり、先輩の山を知ってから山岳会に入会する、ということができなくなる。ためしに先輩を地図読みに誘ってみる。感触を知って、山岳会への入会を決断。

主な出来事:
   記録的な大雪で裏山ラッセル
   中津川滑沢 アイス
   燕岩岩脈 地図読み

3月 ”はじめまして山岳会”な月

 入会した会の山行企画実行。基本的に新人歓迎の意図があったはずだが、企画が私になったため、内容的には私のリーダーデビュー戦となった。 つまり”私の山”の提示。

主な出来事:
   山岳会入会
   八ヶ岳地獄谷 権現岳 瑛太ルートで初の会山行 
   南沢大滝 

4月 ”いらっしゃい新人”な月

合宿は、”いらっしゃい新人”。西穂高沢は大きな経験値になった。バリエーションの練習ゲレンデ三つ峠にデビューし、いよいよバリエーションの扉が開こうとする瞬間って感じ。

   春山合宿 鹿島槍鎌尾根
   三ッ峠 マルチデビュー
   西穂高沢

5月 岩登り事始め クライミングの夏がスタート

富士山は難なく陥落。 クライミング元年のスタート。週2でクライミングジムに通い、週末は岩。リードしか興味がなくなる。パートナーとの時間が始まる。

主な出来事:
   初の富士山 
   ロープ購入
   小瀬クライミング場認証
   春のもどり雪
   クイックドロー購入
   リードしかしなくなる
   パートナー成立

6月 クライミングをより理解 脱入門者となった月

ずっとクライミング。

主な出来事:
   小川山レイバック
   確保理論を理解

7月 さらにクライミングを深める月 無茶や無謀を理解しはじめる

主な出来事:
   PAS カムを購入
   カサメリ沢で滑落
   ダブルロープ購入 

8月 挫折と成功の月  

大きな転換が訪れた月で、パートナーとは行きたい山の相違により、パートナーシップ解消。個人的にはクライミングの効果が出て、行きたい場所に行ける自分になっていた!という成功の月。

主な出来事:
   パートナーシップ解消
   大鹿沢ズミ沢
   太刀岡山左岩稜

9月 充電の月

9月は毎年体調が悪い。今年も悪く低調なため、おとなしくしていた。ホントはここで、ロングなアルプス系の縦走を入れるべきだ。

主な山行:
     和名倉山

10月 努力が実る月 新たな見地を与えられる月

先輩が見かねたのか、初の本格的バリエーションへ。前穂北尾根&北穂池というご褒美が。ただ体験が大きすぎ、その後、少々もぬけの殻に。山の秘密が暴かれた気がした。

主な出来事:
    前穂北尾根&北穂池 
    兜山地図読
    伝丈沢

11月 新しい出会いの月 更なる自立への一歩

新しい友達との山行など、楽しい月。出会いが楽しい。第二章。 マイナーバージョンアップ。

主な山行:
    権現岳御神楽尾根
    シングルロープ購入

12月 プランニング&内省の月    

暦では一年の総括の時期だが、実は山スケジュールではシーズンインでスタートの月。去年からの成長を実感する月となった。 PDCAのPlanの月だ。

主な山行:
     アイス 南沢小滝

全体的に

Plan 12月 9月
Do 1、2、3、4月の雪とアイス、5,6,7月の岩、10月のバリエーション
Check 8,9、11月
Assess 8,9,11、12月

な感じで、PDCAサイクルが回っているが、もう少し時間を有効に企画立案と実行ができそうな気がする。

でも、まぁ今年も良く遊んだな! 成長したと思う。去年とは別人だが、根本的に変わらない部分も確認できる。

■ アメリカの2014Lookout

これは個人的な視野の狭い世界での話である。ちなみに、これはアメリカの2014年の振り返り。

マリファナ合法化
ウクライナ暴動
オリンピック
マレーシア航空機370便行方不明
ロシアのクリミア侵攻
ナイジェリア学生拉致事件
ドナルド・スターリング人種差別発言疑惑
南極の氷床融解は制止不可能
ワールドカップ
マレーシア航空17便事件
エボラ
ハリウッドフッドスター個人情報流失
エイズ
同性婚容認が広まる
健康保険問題
移民在留資格厳格化
マララ・ユスフザイ
地球温暖化進行

つまり、私が登山で自己実現している間に、世界はより暴力的に、より過激になり、少女がノーベル平和賞を最年少で受賞した。今もっぱらの話題と言えば、エボラ熱である。今日、明日にも募金しなくては・・・。

世界について無関心で良い、とは言えない。が、こうしたニュースは、

今ここにあること

の機会としての、起りがたさ、ありがたさを感じさせられる。日本にいること、山梨にいること、山岳会に所属していること、師匠がいること、夫と二人健康で暮らせていること・・・などなど

生まれた場所が悪ければ、紛争に引きづり混まれたり、エボラ熱に冒されたりしているところかもしれないのだ。

日本人は日本に生まれただけで、とてつもない機会に恵まれている、ということに、なかなか気が付かない。

平和と言うことは、本当に得難いものなのだ。命の危険がない、というだけで、どれだけラッキーなことか。

そうした機会を生かして、真に価値ある活動をしなくてはならない。

日本で山登りができるということは、本当に幸せな、ありがたい、起こることが難しいことなのだ。

その機会に感謝して、今年も山登りを続けましょう☆

世界のニュースは、平和とは、信じられないような良い境遇である、ということ、ありがたいことなのだ、というものを教えてくれるものである。






登山マインドを育てよう!

■ 体力と登山マインドは、自立登山の両輪

伝統的に登山の世界では、

体力

が基礎能力として強調されてきた。たしかに歩けなくては話にならない。

しかし、

登山マインド

と言えるような基本的なマインドセット(モノの考え方)が無ければ、


  • 登山に必要な体力や能力が十分にあり、
  • 山岳会から十分な機会が与えられたり、
  • 運よくベテランの専属パートナーになるなど、


成長の機会がふんだんに与えられても、その登山者は自立した登山者になれない。つまり、


  • 万年セカンドであったり、
  • 単独行ができなかったり、
  • 一か八かの登山から抜け出せなかったり


する。これらは結果だ。

その理由は、性格によって異なる。代表的なものは「自信のなさ」「根拠のない自信」である。

つまり

出来ていることを出来ていないと思う・・・・危険は少ない
出来ていないことを出来ていると思う・・・・危険は多い

という、事実の誤認に基づいているという点では、どちらも同じ。着地点も同じで、万年セカンドである。

したがって、登山教育においては、体力と並行して、登山マインドの育成が重要だ。

同じ知識や技能を学ぶにしても、その意味や目的を意識するのとしないのとでは、結果に大きな違いが出るからだ。

余談だが、どちらが安全かというと、もちろん、出来ていることを出来ていないと思う登山者だ。

■ 登山マインドとは何か?

登山マインドとは、結局のところなんだろうか?

 リスクを慎重に評価しながら、前進する戦略を描けること

かもしれない。

これには登山レベルは関係がない。自然の中であれば、登攀であっても、ハイキングであっても、悪天候やコースタイムの管理、犯罪、動物との遭遇などの山特有のリスクから逃げることはできない。お天気はハイキングだからと言って、易しくはならない。

登山レベル1の遊歩道でのハイキングから、しっかり、リスクに向き合っていることが重要だ。そうでないとレベル1で、すでに挫折していることになってしまう。

逆に言うと、ハイキングの目的は、自然界の基本的なリスクを学ぶだ。

つまり、同じようにハイキングで、登山に必要な知識や技能を学ぶにしても、(自然界の基本的なリスクを学ぶのだ)と意識するのとしないのとでは、結果に大きな違いが出る。

なんとなく楽しく終わっただけだと、また行きたい!と思っても、自分で行ける!とはならない。

逆に言えば、自分で行ける!というレベルがその登山者の真の実力だ。

■ 登山マインドの育成のためには何をすればよいか?

登攀なり、ハイキングなり、何なり、山行に行くと結果は必ず二つに分かれる。

 1)また連れて行って! ⇒ 万年セカンド
 2)また自分で行きたい! ⇒ 自立した登山者

実際は、白黒とはっきり出るわけではなく、1回のリハーサルで次回から本番に進めるはずもないので、その間に小さくブレークダウンしたプロセスが必要で、そのプロセスを「また連れて行って」という言葉で、表現する登山者もいる。

しかし、万年セカンドと、自立した登山者の差は明瞭だ。いくら機会を与えても、自立しない人に欠如しているのは、自覚、だ。実力が十分にあるのにそれを自覚していない。または実力がないのにそれを自覚していない。

山岳会は、そうした人材の温床となってはいけない。逆でなくてはならない。

つまり、実力がある者には実力充分であり、自立の時がきたことを自覚させ、自覚がない者には身につけなくてはいけない技能を身に着ける動機を持ってもらわなくてはならない。

■ 自立した登山をするのに十分な能力とは?

どこから、自立した登山をするのに十分な能力がある、と言えるか? つまり、リーダーとなるのに十分な基礎能力があると言えるか?だが、これは

 一般ルートをコースタイム以下で歩ける

だと思う。 (このラインには議論があっても良い。)

昨日、明昭山岳会のランク付けを見てそう考えた。

現代は、中高年登山が全盛だ。となると、多くの中高年はコースタイムで歩けない。それは山小屋でアルバイトをして理解したところとも一致する。また、実際、コースタイムで歩けない若い人も多い。だからコースタイム通り歩ける、というのは、基本的に偏差値50以上なのだ。もちろん、そのコースを踏破するのに必要なギアはすべて担げることが前提のタイムだ。

想像だが、これは昔の登山の世界で標準的とされた体力よりかなり下なのではないだろうか?

また、昨今のコースタイムは実際のところ世相を反映して、甘くつけれれているので、より客観的な指標とすると、

 一般的な登山装備を背負って、300mの標高差を1時間で歩ける体力、

とする必要がある。

■ 必要な基礎能力

次に必要な基礎能力の開発に入らなくてはいけない。それは

  登山計画を立てる (歩けるか?どうかの判断)

が最初のステップだ。このプロセスを欠いた人は行きたい山がない。

行きたい山がないと、計画が立てられない。

行きたい山が実力以上だと、その間を埋めるために努力することになる。これは良いことだ。というか、これこそが登山活動そのものだ。次が

 地図読み      (どこを歩くか?)

だ。地図読みができない人にクライミングを教えるのは、より小さなリスクをつぶす前に大きなリスクに対処することになり、危険をより大きくしてしまうので教えるべきでないかもしれない。私は教えるべきでないと思う。そうでないと、登攀では自立できても、地図読みの面で自立できない登山者を作り出してしまう。つまり北岳バットレスには行けるのに、自力で北岳ピークハントはできない、という登山者だ。こうなると、自己肯定感がもてなくなってしまう。

地図読みは奥が深い。なので、何ができれば地図読みができたのか?は言いづらく、ベテランは言い表すことができない。地図読みには、終わりがないからだ。

ただどこかで一線を引かないといつまでも、次のステップに進むことができないので、継続的学習努力は必要としても、

・地形図によって進路決定し、現在地の把握ができる

となったら、次のステップに進むようにしないといけない。 ここまでくれば一通りの知識がついているはずだ。つまり、磁北線って何?って言う人や尾根とコルが見分けられない人はいないはずである。

次は実際の山行。山行の途中でルート維持、ルート決定を行うことで、計画段階の思考の漏れを発見することができる。

この発見が、登山の喜びにつながるし、自分がよく学んだ、という自信にもつながる。また次回の山行につながる。PDCA(Plan⇒Do⇒Check⇒Assess)の流れが出来ていることが重要だ。

■ 意図をよく知る = 相手の立場に立つ 

若いときに積雪期に北岳に行ったほどの実力がある人が、地図も読めない、というのは、何を示しているか?というと、登山教育の失敗を示しているのである。

(ただ断っておくが、一つのことができるようになるのに、1年かかっても、10年かかっても良いのである。地図読みが1年で出来る人もいれば、10年かけてやってもよいのである。重要なのは意図だ)

積雪期北岳に連れて行くのは、どんなに優れたリーダーであっても負担が重い。それなりに脚力があり、判断力も相応だ、と思った相手しか連れて行くことができない。だから、能力はあったということを示している。この人は、地図が読めないから、その点では基本的な登山能力に欠くが、それでも連れて行くのは、その登山者の、のびしろを取れる間に伸ばしておくためだ。誰しも、到達したことがない点は想像がつかないので、リスクへの想像力を伸ばしてもらうために連れて行くのだ。

つまり今できる体力で最も困難なケースを、普通は体験させてあげたいと思うものだ。それが親心、先輩心である。

親の心、子知らず、というが、登山も同じで、連れて行く方の心を連れて行かれる側は知らない。知識や登山マインドは後から育ってくる、と期待されているのだ。

つまり、この人はリーダー候補生だったから連れて行ってもらえたのである。

このブログでも何度も言っているが、登山は12の力をつけて、自力で10の山に登り、人を8の山に連れて行く活動だ。だから、一般縦走のリーダーになるには、初級のバリエーションでなんとかセカンドを務められるくらいの実力が必要だ。そうでなければ、縦走時になんらかの突発的なことが起こった場合に対応ができない。

しかし、期待に反して、登山マインドが育っていないと、連れて行った側の努力は水泡に帰してしまう。

この経験が重なると、連れて行く側は連れて行く努力をしなくなる。

そして、登山者の性格などの質の問題に問題が転嫁されてしまう。

しかし、才能や質、性格などに転嫁してしまうと、一切の努力は今後無駄だということになってしまう。

私の個人的な信念として、大抵のことは、能力の問題ではなく、方法論の工夫で乗り切ることができると思っている。

多くの人が自立できないのは、思い込みの結果だ。

ものの見方の転換(よくパラダイムシフトと言われる)が起らなくてはならないのだ。

自信がないのであれば、何ができれば自信ができるのか?を問う。そうすれば、性格の問題ではなく、技術の問題に落としこめる。

出来ていないことを出来ていると思っているのであれば、出来ていないことを、誰かが指摘しないといけない。出来ていないことをできることに変えるのは、単純な技術的問題だ。

傍から見て、どんなに小さな成功、達成であっても、それらを積み重ねることでしか、人は根拠のある自信を積み重ねることができない。

根拠のある自信を積み重ねることができなければ、その人は自己肯定感を持つことができない。

自己肯定感は人の幸福感に強くリンクしているので、登山で自信を積み重ねてきた人には、自己肯定感による幸福感が強い人が多い。平たく言えば、やればできる、という根拠を持っているのだ。

実は逆の事例も多く起っている。根拠のない自信(末っ子で可愛がられた人や甘やかされて育った人、大きなラッキーを受け取ってそこから学び損ねた人に多い)によって、周囲の人を危険にさらしていても、本人が気が付かないという事例だ。この場合は本人は自己肯定感が非常に強い。が強すぎて、実力未満なのを分かっていないのだ。

例えば、ビレイになっていないビレイで間違いに気づいていなかったり、赤岳に6本のアイゼンで来たりしてしまうと言うことだ。

この古典的事例の帰結は、『八甲田の雪中行軍』だ。認識不足が招いた過去最大級の気象遭難だ。これは、合理的根拠がなくリスクに備えていないのに、行ける、という判断を下した事例だ。

■ バランス感覚

どんなに優れた登山者でも、出来ていることをできないと感じたり、出来ないことをできると感じたりすることは人間であるかぎり当然ありうる。

そのため、バランス感覚は重要だ。自己チェックのみならず、他者の視点を入れようという姿勢がなくてはならない。バランスがとれているかどうかは自己と他者の二つの視点が必要なのだ。

自分でも5.9が登れると思い、実際に5.9が登れ、皆が見て5.9が登れれば、やはり、5.9が登れるのだ。登れないとすれば、リスクを取る勇気の問題かもしれない。


  • バランス感覚の重要性を認識している
  • 自己を客観視しようとする視点を十分持っている
  • 他者の視点から自分がどう見えているか?を指摘を良く聞き入れる

登山と人生は似ている。

登山において、リスクを十分勘案しながら、前進して行く、ということは、人生において、何が犠牲で、何を得たいのか?勘案しながら、前進して行く、という事と相似形だ。

登山においては、自分に歩けると思うから、そのルートを選びチャレンジする者は幸福だ。一方、同じルートであっても、与えられたルートがきつすぎると言って文句を言っている者は不幸だ。やっていることは同じだ。

人生において、子供が二人欲しいから、子供二人の家庭を築く者は幸福だ。5人も子供ができてしまったから、経済的に重荷だと文句を言っている者は、不幸だ。自分が選択した人生であるにもかかわらず、その認識がないからだ。

人生の幸不幸は、選択に対する姿勢に左右されるものだ。

不満や不幸は与えられるのをただ待っているから起る。人生は、自分の選択の結果だと受け入れていないために起ることなのである。

自分にはきついと思うなら、その山を選ばなければ良く、また5人の子供の負担が自分には大きすぎると思うなら、作らなければよかったのである。

そういう意味で、人生の姿勢は、登山の姿勢に現れる。

その人がどういう登山をしているか?を見れば、その人の人生さえもが透けて見える。

登山とは実は恐ろしいものなのだ(笑)。



さらに、敢えて一歩先に進めば、逆に言えば、幸福でありたいと思えば、

自己選択

を受け入れるしかないのである。つまり、自立した登山者になる以外ないのである。



Tuesday, December 23, 2014

わたし的山梨名ルート

■優位性を生かす

私は、山梨に夫の転勤で転居してきたために、登山を始めました。

山梨という地の利を生かす

ということを考え、最初ワイナリー巡りをして、大阪に帰るころにはワイン通になってやろう、と思っていましたが、車だとテイスティングできないため、挫折しました(笑)

他にも余暇を生かして、編み物の技を習得する、とか、語学にさらに磨きをかける、とか、考えましたが、イマヒトツ環境的に優位性がありません。

ヨガはインストラクター資格を取得し、教える立場になりましたが、ヨガにおいて都会と山梨で、どちらが優位性があるか?というと都会です。

他の優位性は、時間、そして図書館です。

時間は都会より、確実にスローです。が、交通の便的に東京という大都市に近いので、二重生活がしやすいという利点もあります。

全国的に見ても、山梨は図書館が充実しています。これはおそらく統計を当たれば、一人当たりの図書数や図書館数が出そうです。

またフルーツ王国ですから、フルーツ関係も(たとえば、はねだしを一杯もらって食べたり、農家を手伝ったり)も優位性がある活動です。

■非優位性

意外に優位性がないのは、家庭菜園。やってみましたが、作るほうが普通に買うより、コスト高になります。買い物も優位性がない。海外旅行にも優位性がないです。

情報にも優位性がなく、情報は無駄な情報が入ってこないのは良いですが、例えば、ネット検索の普及具合など、多くの点で何事も都会の10年遅れです。集中できる反面、取り残されます。

デザイン的なものは、すべて都会の方が有利で、非常に優れたものがひっそりと忘れ去られたように存在するのが山梨です。が、そういう意味では、隠遁生活に向いています(笑)。私は半隠遁生活をしています(^^)。スイマセンね、早期すぎるリタイヤで。

■ 山が残った

結局、山梨という優位性、を生かすと、登山、が残りました。

しかし、登山という世界では山梨は中心地ではありません。中心はやはり東京です。

しかし、登山においても、その土地らしさを生かした登山というのは可能で、東京を真似する必要はないのですから、山梨らしさ、を生かすべき。

今月号の『山と渓谷』、金峰山の案内にはガッカリしました。そこで、

  わたしならどう考えるか?

というと・・・・

金峰山であれば、黒平(くろべら)からのルートを上げます。これは深田久弥が歩き、金峰山を日本百名山に入れたルートだからです。現在は廃道です。でもしっかり整備された道です。

私は百名山はキライですが、同じ百名山をするなら、深田久弥と同じルートで登る努力をした方が良いですしね。

■ ルートの考察

山梨の代表的な山は以下です。

1)富士山 
2)北岳
3)甲斐駒
4)金峰山
5)権現岳
6)大菩薩嶺
7)三ッ峠
8)鳳凰三山
9)茅ヶ岳
10)乾徳山


これらは ”山”であってルートではありません。

私はまだこれらの山を”究めて”いないので、山を語ることはできませんが…

一方で、たった5年の経験しかないの登山者でも、これくらいは考えらえます。歩こうという、予定ルートも含め…。

1)富士山 
5月~6月の積雪期に登る富士山。日本一長いシリセードを愉しむ。
習慣として、厳冬期に佐藤小屋付近で十二月の風物詩、雪訓を行い、生活感のある富士山、高所登山や積雪期登山のインキュベータとしての富士山と、愉しむ富士山の差を味わう。

富士山を見る山として、御坂の山に冬季に登る。
 
2)北岳  
白峰三山縦走で天空の遊歩道を歩き、癒しを満喫し、北岳バットレスで実力試し。キタダケソウに出合う。

3)甲斐駒 
黒戸尾根。修験道の道に歴史を見る。日向八丁尾根でプチバリエーションを愉しむ。沢とアイスも良い山です。

4)金峰山 
黒平から水晶峠を経る、深田ルートで、仙人組合の集会所、巨岩の不思議を発見する。
 
5)権現岳 
材木尾根から登り、権現の名前の由来を実感する。権現岳は修験道の山。

6)大菩薩嶺 
狼平まで足を延ばし、喧騒と静けさのコントラストと笹原ののっぱらを満喫する。積雪期に小金沢連嶺を縦走する。

7)三ッ峠 
屏風岩で富士山をバックにロッククライミングし、バリエーション山行の見果てぬ夢に思いを馳せる。 アツモリソウの保護活動に参加する。

9)鳳凰三山
厳冬期の鳳凰三山縦走。他のルートは研究中。ホウオウシャジン。

10)茅ヶ岳
ふるさとの山、茅ヶ岳。ピストンはつまらない。無名尾根を歩いて自分のルートを作る(現在、研究中で東尾根踏破済み)。机、兎藪など。兎藪は予定あり。

10)乾徳山
乾徳山旗立岩中央稜。恵林寺に立ち寄るべき。

■番外編

岩として…

11)瑞牆山
トラッドクライミングの岩場なので、実力をつけてオールナチュプロで挑む。大やすり岩エイドクライミングを愉しむ。ハイキングならカンマンボロン。

12)太刀岡山
太刀岡山左岩稜。ここも難しい岩場なので、フリーで実力をつけて臨む。

沢登りとして…

13)東沢釜の沢 
定番すぎるので、入門ルートのナメラ沢、上級の鶏冠沢とセットで。アイスで清兵衛沢に行く。

アイスクライミングとして・・・

14)金ヶ窪沢
金ヶ窪沢でデビューして、日向山付近のアイスで研鑽をつみ、仙波の滝は一目見るべき。
黄連谷

御正体山~石割山縦走

 ■ 近くの山

今日は、御正体山と石割山を御坂の先輩と、縦走してきました☆

大平山と石割山を縦走したことがありますが、こちら側は初めてでした。

山梨では珍しくない里山の感じで、特別悪いとこも難しいところがある山でもありませんが、今日は北面は5cmくらいの雪が凍ってカチカチで、軽アイゼンの日でしたね。

サボって持って行かなかったので、

ひとり藪山

で、適当に歩きやすいところを歩いて済ませました。

登山道はつんつるてんでした。

今日はトレーニングで行ったので、水5リットルのザック。

もっと重くして行っても良かったです。と言っても水ボトルそんなにない・・・。

御正体山山頂。同志山塊最高峰。

神様の正体はインドの神としていた・・・という意味の正体だそうです。実は、神は誰の心にもあるものです。

■ 地図読み

しかし、地図読み・・・ 地図読みをしっかり行うには、机上研修が重要だと思いました。

持ってきている地図がエアリアの地図では、地図読みには使えないし、2万5千の地図に手書きで、磁北線を入れなければ、便利なパソコンは便利さが分からない。

尾根とコルが分からなければ、コンパスを説明しても、意味が分かるはずがない・・・

本を渡しても読まなければ頭には入らない。

それは山以外の時間が重要だと思いました。


■ 自信をつける

地図は基本だ。基本を飛ばして、山の数だけを積み上げても、不安は、自信にも経験にも、転換されない。

この先輩は積雪期北岳も登頂しており、初心者とは言えない。経験がどれだけあっても、実績に基づかないと自信にはつながらず、自信につながらなければ、自立できない。すべては登山者自身の自信の問題なのだ。

ロープワークだって同じだ。経験と言うものは、山の数ではなく、自信を積み上げた値なのだと思った。

やはり不安というのは実績不足の表れなのだ。

■ 以前はなかった大展望

今日は大快晴で遠くまで美しく見渡せました。前回大平山を歩いたときは、山中湖に開眼しましたが、今回は杓子山に興味が湧きました。

このルートは最後に石割山山頂で現れる大迫力の富士山が魅力です。どーんと登場って感じ。
それ以前はずっと樹林帯なので、あまり見どころは多くない。





■ 他の山岳会に会いました

西宮市の明昭山岳会の人が、団体で歩いていました。

この山岳会は、中高年の会ですが、ランク制を取り入れていて、とても賢いやり方なのではないかと思いました。 中高年のリアリティを感じるランクの内容でした。

こんな言葉が・・・
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2. 会員は「会員みんなが主人公」をモットーとするボランティア組織の構成員であること を自覚し
  「連れて行ってもらう人」ではなく「連れて行く人」にもなるよう心がける。
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ホント重要ですね~!

Monday, December 22, 2014

山梨らしい登山って何だろ?

■ 登山者@甲府駅

今日は山梨は大快晴です。朝から甲府駅前のスタバに行ったら、”今日初めて八ヶ岳にチャレンジする!”という方とお会いしました。九州からだそうです!

甲府駅付近ではよく登山者に会います。が、あまり地元ではそのことは知られていないのでは?

山梨では、”おもてなしの心”というのは、どちらかというと後回しな感じです。地元の都合が優先なのは、あまり外来者の視点に立つ、ということがないという事実の裏返しのような気がします。

甲府駅に日帰り温泉を作ったり、荷物の一時預かり所やアウトドアの店などを誘致したりなど、すればいいのに、と良く思います。駅付近のビジネスホテルでは、登山者の利用も多いですし。

甲府駅から夜叉神峠バス停まで、バスがない時期にタクシーで入ると、9000円もかかるのだそうです。バスなら1000円なのに。甲府新宿が1700円なのに。そりゃ来ないよな。たった40分くらいの運転です。送ってあげて、大感謝されたことがあります。

山梨県民は、あまり山には興味がないのですが、実は山梨は、非常に優れた山岳県です。県内には登山の世界でのノーベル賞に値するような賞(ピオレドール賞)を受賞した優秀な人が4人もいます。

その辺が地元の一般の人に完全スルーなのは、富山や岐阜、長野県などと比べて、傍から見ていても、なんとなく気の毒なほどです…。

誰かが言っていましたが、山梨では偉大な人も、田舎の”坊”扱い・・・

登山が県民に関心を持たれない理由はいくつかあると思いますが、私が子供の頃は、農家の子は肩身が狭そうにしていました。農家=ダサい、みたいな先入観があり、それが子ども心に不思議でしたが、似たような現象が山にもありそうです。

地元では山というのは、かっちょ良いスポーツとは受け入れられていないのかも?ただ今、都会では、山ブームです。それが伝播しないのは、山梨はやはり都会ではない、ということが言えるのかもしれません。

お隣、長野県は都会からの移住者が多いので、それだけ県民の感性も都会的で、都会のブームの受け入れ先にもなりやすい、親和性が良い、ということがあるような気がします。

昨今ワインの世界では、小さなワイナリーがたくさん雨後の竹の子のように出てきているそうですが、それらはもっぱら、長野や北海道であり、山梨ではないそうです。

ワイナリー総数ではダントツ一位なのに・・・。ブームとは無縁というか、遠巻きにブーム現象を見ているだけで、その恩恵を得ようと言う勢いはない、というような感じがあります。

そんな点に、登山の世界と似ていると思いました。ただ山梨はそうしたおかげで、通な人には不便だけど、”穴場”となっている事情もあるのかもしれませんね。

まぁブームに踊らされない、という意味では良いことかもしれないと思います。でも用心がありすぎて、本物のコア需要が阻害されているような気がしないでもありません。

■山梨らしい登山

私が登山をしているのは、

山梨ライフをエンジョイするにはどうするのがベストか?

と思考し、出た答えが登山だったからです。嵩じて、本格的な登山になり、今では初級のクライミングもするほどです。

登山と一口に言っても、実は幅が広い活動です。登山にもハイキングから、マウンテニアリングまで、色々ありますが、難易度で眺めず、住んでいる場所のメリットを生かす、という視点に立つと、登山にも、またその土地らしさが反映されます。例えば丹沢の近くに住むと、やはり沢をやるには他の地の登山者より優位性があります。

そうすると

山梨という土地の優位性を生かした登山とはどうなるか?

ということが焦点に上がるわけですが、それには代表的な山梨の山とは何か?を知らねばなりません。

1)富士山 
2)北岳
3)甲斐駒
4)金峰山
5)権現岳
6)大菩薩嶺
7)三ッ峠

ざっと知名度が全国規模のものを集めるとこうなります。甲府盆地からと東西南北の山です。

1)富士山 ⇒ 高所登山 
2)北岳 ⇒ トレッキング、高山植物
3)甲斐駒 ⇒ 険しく高い山
4)金峰山 ⇒ 岩がちな山
5)権現岳 ⇒ 険しい山
6)大菩薩嶺 ⇒ 歴史のある山 草原
7)三ッ峠  ⇒ 岩場、高山植物

ただ、富士山は半分は静岡ですし、八ヶ岳も大部分は山梨ではなく、長野に属します。金峰山は長野側では、”きんぽうさん”と発音し、山梨側では”きんぷさん”と発音しますが、今は山梨県側から登る、かつての表参道だった登山道は廃れ、登られなくなってしまい、山梨の山という印象は薄いです。まぁ山が外輪山のように取り巻いているのが甲府盆地ですから、どの山であっても、盆地から見れば、他県との境界、つまり辺境化してしまうのは仕方ありませんから、これは考慮しなくて良い要素かもしれません…。

色々と総合すると、やはりザ・山梨の山!と言えるのは、北岳かもしれません。日本第二位の高峰だし。同じ南アの甲斐駒は黒戸尾根からより、長野の伊那側からの登山道の方が良く登られています。

これらに加え

8)鳳凰三山
9)茅ヶ岳
10)乾徳山

は、地元の誇る故郷の山として付け加えるべきかと思います。

私が思うには、これらの山々は山梨県の登山者たるもの、毎年最低一回は登らなくてはならない(笑) これだけでも一か月に一個登っても10か月持ちます(笑)。

■ 岩と沢とアイス

山ヤなら、岩登りは難しいところへは行けなくても、そういうゲレンデがある、と言うことくらいは、知っておきたいところです。

瑞牆山
太刀岡山

が山梨の代表的な岩場です。岩登りができなくても、瑞牆山や太刀岡山にハイキングで足を延ばすのは、地元の資源を知る意味で悪くない選択肢です。

山には尾根だけでなく、沢もありますが、山梨では、同じ沢登りをしても、急峻な山並みに囲まれているため、のんびりした場所と言うより、岩登りに近い登攀要素の強い沢が多くなるのだそうです。

山梨の代表的な沢は、なんと言っても

東沢釜の沢

です。近くに観光向けに西沢渓谷があります。

そして、乾いていて(つまり雪が積もらず)寒さが厳しいという土地柄でのみ楽しめる活動がアイスクライミング。

山梨で全国規模に有名な滝は

仙波の滝

があります。芦安や日向山周辺、三つ峠、昇仙峡の奥の黒平にもアイスクライミングのフィールドがあります。

アイスクライミングは特に積雪が多いとできず、逆に温かい土地柄でもできないので、乾いて寒いという山梨らしい気候が生かせる遊びです。

総じて、山梨県はクライミングには非常に向いた県です。

また高所順応に向いた富士山があるので、高所登山を志向する人にも向いています。

■ 冬が良い

山梨の気候を考えると、山梨の山の真骨頂は冬ではないか?と思います。冬のほうが山梨は快適です。甲府盆地は山に守られた快適な日向になっています。

寒暖の差が大きいのも、山に守られている印・・・空気が乾燥しているのも山のおかげです。乾燥しているおかげで枯露柿はとってもおいしいです(^^)。

■ 拠点として考える

これらの山は拠点を移動せずに行けるという視点で選んだ山ですが、山梨を、あちこちに出かけるための拠点として見ると、北アにも意外に近いんです。

八ヶ岳
北アルプス
中央アルプス
小川山
丹沢

は、実際山梨からアクセスが、とても良いエリアになります。谷川方面は遠くて山梨からだと不利です。南ア深南部はどこから行っても遠い。

しかし、これらの山々に行く人にとっては、どうしても都心から見ると、山梨は、最終ディスティネーション=行き先、ではなく、通過点化してしまいます。つまり足止めさせるには魅力が必要です。

大抵の人はスルーしていそうです・・・昨日八ヶ岳PAを通ったのですが、山梨のおいしいワインは売っていないし、お土産で山梨らしいのはあまり見当たらず、ちょっと残念でした。

長野は東京大阪からの移住者が多いので、その分商売上手で山梨よりいつも一枚上手な感じは否めません。

■冬山合宿

やっと冬山合宿の行き先が決まり、登山準備に取り掛かれる・・・と、ホッとしています。

場所は中央アルプス。

私は中央アルプスは行ったことがないので、愉しみですが・・・。大丈夫なのかなぁ???超不安。

なにしろ最初宝剣とか言っていました。冬行くとこだっけ?

私はラッセルを愉しむ山で、冬の恵那山に行ってみたいな~と、お正月の帰省で通る高速道路から思ったりしていました。

今度行くところはココです↓ 

スヤマ尾根~三ノ沢岳
http://kac1920.com/2012/sannosawa.html

ゲっ!徒渉あるんですけど!! 厳冬期に徒渉… やだな~。 はぁ…まぁ今から色々調べます。

しかし、昨今はネット検索が何でも出来て、便利になりましたね。

余談ですが、見るだけでネット社会に貢献しない人が多いのは、大変残念ですね。(ROM:Read Only Member)

ネット社会は元祖ボランティアの世界です。

私の大好きな山岳地図のソフト、カシミールも無料ソフトです。ありがたいことですね~!





Sunday, December 21, 2014

善五郎の滝、偵察

■ 夫とお出かけ

週末は久しぶりに夫と出かけてきました。温泉旅行です。

夫は今年昇格研修で忙しくしています・・・見ていて気の毒なほどです。 

山に行っていたら慰安にならないので(^^;)、夫の希望で温泉。夫は温泉大好きです。普段のお風呂も長いです。

私もこのところ少々疲れていたので、温泉ですっかり癒されました☆

■ 平湯温泉


 こんな雪道でした。 久しぶりの雪道走行です。

やっとスタッドレスになった・・・
 坂巻温泉の少し手前あたりなのですが、すごい巨岩が斜面にあって、いつも怖いな~と思いながら通る・・・

平湯温泉は、安房トンネルを使うのがお金がかかるのが癪ですが(^^)、いつも寸志で入れる、源泉かけ流しの温泉があって、とても気に入っています。

平湯の湯。寸志 300円くらいです。

温泉はアツアツです。

いつ行っても大体、すいてる。 
 かやぶき屋根がステキなのですが、雪かき、おいつかないみたい?

この日は雪の後に、雨だったので、木の枝についた雪が落ちて、その衝撃で、積もった雪が落ちてさらに大きな落雪を作ると言う具合で、温泉に入っていても、それを避けながら・・・とスリル満点でした(笑)

ヌードで雪崩に埋まったら、切ないだろうなぁ・・・。

こんな鉄褐色のお湯です。
 大根が干してあるのが絵になります☆
 旅館から、ちょっと散策して、たるみの滝、というのを見に行った。
ライトアップですが、すごくお金がかかっていそうでした。

本物の滝の方は凍っていなかったのです。

夫にもっとちゃんとした滝(笑)を見せてあげたくなりました。

南沢大滝、小滝、もっと凍っています。

八ヶ岳の方が寒いのカナ?!







翌日は快晴。

谷あいの古い宿場町からみると、山は”日本昔話”の風情です。
 これは穂高方面ですが、何岳かは不明。
 松本方面の方が曇っている。
 帰路、善五郎の滝に寄ります。

ここはアイスで着たいと思っているところ。

夫に 

凍った滝きれいだよ~

と主張するためです(笑)

道路から徒歩15分です。
 個性的な熊注意の張り紙。

こういう模様のラーメンを見たことがあるような?!
 実は予定外の行動だったので、登山靴も長靴もない!

夫は普通の町靴でした・・・

でも、前日の雨のおかげで、雪がしまり、沈み込みは1cm!

これなら、15分だし、歩けるね~
と、私のクロックスを貸出し、
私は登山靴に履き替えます。

私は普段でもずっとアプローチシューズか、登山靴しか履いていないのですが、夫はまだマイナーチェンジしていないんですよね(^^;)。
 こんな遊歩道です。
 クロックスで入った人が前にもいるらしい・・・(笑)

ただ、超重装備の、スノーシューツアーの方たちに会ったので、悪いな~って感じ。

ただ、工事現場の足場で組まれた、簡易梯子はスノーシューだと歩きづらそうでした。
 歩くときは

どんなに易しそうでも注意深く歩きましょう。
 キノコができてた。

でも、下に水流も流れていました。
 善五郎の滝全景

 この標識の右側に道がついていて
滝に取り付けます。


アップです。

今日はしぶきが飛んできて、濡れるので
おススメでないです。

1月中旬以降は十分に寒いのかも。

アイスで滝が溶けていると、雨降っているみたいで、切ないです。

柔らかくて差しやすいけど、支点崩壊しそうで怖いし・・・。

前日は登れたのかもしれません。

この滝は気温次第なのか?!

この後、湯けむり館という温泉施設に行って、乳白色の湯に再度癒され・・・
 合掌という蕎麦屋さんで、ランチに
お蕎麦を食べました。

天ぷらそば、1200円。

自家製野菜のてんぷらがとてもおいしかったです。
 帰りは美ヶ原方面はこんな青い空でしたが、北アはまた雪で、どんよりでした。

八ヶ岳方面も雲に覆われていました。

今年は寒い年ではなくて、雪が多い年みたい・・・

雪の出足が早いとはうれしいですね。

去年はアイスに良い年だったのかなぁ・・・
 もう半分くらいになっちゃったけど、お土産の日本酒。

天領。 日本酒は純米なら何でもおいしいです。

私は鼻が良いので、醸造用アルコールが入った日本酒なんて、とても飲めません・・・スイマセン。
カモシカに立ち寄って、冬靴をいくつか試着しました。

高額な買い物なので、即決は難しく・・・ファントム6000はサイズ在庫なし・・・

・スクリューの持ち運びケースと
・アバラコフを作るための治具
・長いヌンチャク

を買って帰りました。

楽しい週末でした♪


Friday, December 19, 2014

山梨ワイン講座

今日は山梨ワイン講座の最終回でした・・・

私のもっぱらのテーマは

今を生かす

です。山梨に夫の転勤が決まった時には、お先真っ暗!と思いました。

それは私の失職が確実だったからです。執筆や、マーケティング、広報、翻訳や通訳などと言う仕事は、基本的に本社機能に属すので、本社=都会、田舎では、仕事がないことは確実。

九州では福岡だったのでプチ東京でどうにか仕事はありましたので、商社で新事業場開発部という部署にいました。

しかし、そういう”本社”が期待できない土地にいては・・・・というので、仕事をすることは早々にあきらめました・・・

一時は東京に出稼ぎに行ったくらいですが、一か月で2点居住は意味なしとあきらめました。かくなる上は、とメルボルンに留学しましたが、内容が易しすぎて微妙・・・アメリカを知っている身には難しく・・・・

結局、山が残りました・・・ が、やはり山梨はワイン王国なので、ワインを買う生活は続きました。

山梨では山梨産ワインもいいけど、輸入ワインのレベルも高いです。ワイン販売店が多いからかなぁ?

今はもっぱら、山でワイン、を目指しています。山梨の山小屋ではおいしいワインがもれなく飲めるといいですね~。県産ワインにこだわらなくていいのでは・・・

地域資源という言葉の中に、山梨の人の意識の中には、山が全くない!それは本当に驚異するくらいないです!

なんでなんだろう?!

大町や富山と比べ、山梨県民は山なんてまったく度外視です。枯露柿のほうが意識に登るくらいです。360度山なのに! 

山麓にぶどう畑を作り、ぶどうに適した乾いた気候は、太平洋気候と内陸型の気候・・・つまり八ヶ岳、南アルプス、そして東アルプスに要塞のように守られているからこそ、なのに・・・。

灯台下暗しとはこのようなことだなぁと思うワイン講座。農を営む人が山の恵みに思い至ることは、かくも難しいことなのだ!と思う今日でした・・・

山梨でワインが美味しいのは山のおかげです。