Saturday, November 8, 2014

山の落としどころ

■サーバー不調

どうもブロガーのサーバーが不調のようで、投稿はできるのですが、表示ができません。

DNSサーバーエラーになってしまいます。あんまりしょっちゅうこのブログを更新するので、終に我がブログは、パンクか?!と思ったら、そうではなく、他のブロガーのサイトにもアクセスできません。


つまりアクセス集中のためではないようです。そんな人気サイトだったらいいのですが(^^;)。

そのため、いったいどんな投稿結果になるのか?確認ができないのですが、とりあえず、毎日アップの原則を維持。

今日は穏やかなお天気で、夫とちょっと調べものに、県立図書館に行きました。

駅前では蚤の市をやっていました。作家さんのコーヒーカップ一客2000円を2個、購入しました。忍野村の方だそうです。具だくさんのスープなどをいただくつもりです。

また、D&Departmentでは全国各地のコーヒー豆を販売していたので、一つゲットして帰ってきました。

青年小屋の竹内さんが豆を買っていると思われる焙煎屋さんで11月のコーヒー豆をネット通販してみました☆

■ 笹嵓尾根(ささぐら尾根)

師匠曰く、古道を登るときは、昔の人のことをしのびながら登るべし、だそうです。 確かにそうですね~!

でも、明治38年に、武田久吉が権現に登った…って、どうやって彼が明治38年に登ったと分かるんだろう???

こういうのは検索では分かりません。それで、出典を教えてもらいました。

平凡社ライブラリーの 『明治の山旅』 だそうです。

でも、これは読書家が覚えていてこそ、できること。

Aという山に登った過去の人をネット検索で調べることは今の技術ではできません。

そういうのが検索可能になったら、すごいですね~!

Google社は、過去の書籍(古典)を無料閲覧するサービスを持っていて、世界中の”知”を検索可能にしたいという、すごい野望をもっているそうです。たとえば、シェークスピアとか、今でも無料で読めます。

その野望が、山の古書に向けられる日が来る前に、紙の書籍が朽ちてしまわないことを祈るばかりです。

この明治の登山を読んでみたくて、今日は図書館に行ったのですが、当時の権現の様子は、高山植物が多い以外は、それほど今の御神楽尾根と変わらない様子でした。

材木尾根(別名、御題目尾根)で登って、笹嵓尾根(ささぐらおね)で降りているのですが、お天気がイマイチの日だったみたいです。

笹嵓尾根と出ているのは、御神楽尾根ではないか、と思います。発音も似ていますし。笹と岩の尾根でしたし。

■ 小さくなった山

当時の登山は、ずいぶん下から、スタートしたようです。 それでも、その当時より、さらに昔は、もっと長く山麓歩きがあったようで、小海線が開通して、山が小さくなったような回想が述べられています。

だから、昔の紀行文は一向に山に登り始めず、登山口に至る以前に色々なドラマがあるのですね。なかなか現代で言うところの登山口に来ません(笑)。大体、東京の中央線の駅の改札とかの話が出てきたりします。

今のように車で登山口まで行けてしまう登山のことを、昔の人はどう思うのでしょう・・・?

よく飛行機が発達して、「地球は小さくなった」と言いますが、「山も小さく」なっていますよね。

だから、トレランが流行るのではないかな?

それでなくても「小さくなった」山は、体力がある人たちには歩き足りない思いでしょうし、「小さい山」を走ってしまえば、さらに小さくなり、それは一瞬で登れて、一瞬で駆け降りれる山になりますから、安全圏との時間的距離はさらに近くなり、危険は最小、運動量は最大。

現代的ニーズにマッチしているということになります。今の時代は誰もが忙しいので。そして、運動を必要としています。

ただ、時間的距離は近づいても、山は山。天候の急変など、自然のリスクは変わらないわけなので、リスク対策はした方が良いという意味で、トレランは、昔気質の登山家には、疑問視される運命にあります。走れば小さい山も、走れなくなれば、携帯の通じない非日常。救援は来ません。

■ ロープワークのこと

去年一緒にアイスのルートに行き、三ツ峠で、マルチピッチの岩デビューを一緒にした友達に、基本のスタカットを教えようと思っていましたが、今回は中止しました。

なんだかちょっと嫌なことが会社であったみたい…。実は、ロープワークは教える側も大変で、命がけです(^^;)。 教わる側が集中してくれないと、落とされちゃうかもしれない。

教えようと思っていたのは、
  • 何はなくともセルフビレイ
  • 懸垂下降 (エクステンション、バックアップ付き)
  • 確保理論 読み合わせ
  • 基本のスタカット(流動分散、セカンドの確保)
です。

私は、カラビナ懸垂から教わったので、スリングでの簡易ハーネスや、鎖場の通過の仕方など、教えたほうが現実的に役に立つかもしれないと思ったのですが、私のような素人が考えたベストプラクティスより、プロである山岳総合センターの先生たちが、角突き合わせて考えた、上記の3つのほうが、プロの思考を経ている分、教えるに値するだろう・・・と結論しました。

懸垂下降は、エクステンションつきバックアップつきなのは、トップで降りること、つまりリーダーであることを主目的にしているからです。

普通にセカンドで降りるときは、確保器だけで、バックアップは使わないで、降りてしまいます。そのほうがカンタンで早いし、下で引っ張ってくれるので墜落はないからです。

アンカーは流動分散は教わりましたが固定分散は教わっていません。セカンドの確保も、ATC-XPガイドを使った現代版です。折り返しビレイやムンターのビレイはしません。

基本以上のことを一気に押し込んでも、覚えられないと思って絞ってあるんですよね。

私は、全体像を見て細部を位置づけないと覚えないタイプなので、あれこれ調べて、やっと腑に落ちました。

初日は、懸垂下降を覚える為、公園で懸垂のセットを確認してから(安全だから)、ビレイの練習のために人工壁に行き、翌日、三つ峠の天狗岩での実践を考えていました。

天狗岩は段々になっていて、基本的にフリーソロでも全然登れるのですが、懸垂下降で最初降りないと取り付きまで行けません。 懸垂下降はセットで一番ミスが多く、セットミスは致命的です…自分で自分を落としてしまいます。

この分野では最近、国立登山研究所の笹倉孝昭さんが、『大人の山岳部』と言う技術書を出しました。

これは今一番新しい技術書です。文登研の『高みへのステップ』も持っていますが、古くて使えません(笑)

この方です↓ YouTubeで検索すると動画がいっぱい出てくるので、全部再生してみてみるのがおススメです。初日の夜は動画再生ナイトにしようと思っていました。

 



 ■ 半年くらい時間がかかるんです・・・

どう教えるかは、かなり悩んでいました。

というのも、私はかなり勉強家なほうですが、それでもロープワークって、納得というか、腑に落ちるまで、半年くらいは、集中して、そればっかり考えていたからです。今年の夏は、それこそクライミングばかりしていました。

普通にお勤めがあって、他に考えることがある人が、しっかりロープワークを身に着けるのは、結構、大変で、時間も私のようにゆとりがある人よりは、かかるのでは?と思います。

中途半端な覚え方で困るのはビレイです。

ビレイが確実でないと、教える側(つまりクライマー側)も危険にさらされるからです。

なので、まずビレイを期待しないでもよい、簡単な場所しか登らないですが、それだと教わる側が真剣味がなくなる…という運命にあります(笑)。

自分がビレイしなくては、この人は落ちたら死んじゃうのだ…

そういうところを分かって真剣にやるのが大事ですが、それがなかなか理解できなかったりもします。

リスクが見えないと、あまりに簡単な岩場なので、力が入らないんですよね。とは、言っても、岩場は岩場。やっぱり転落したら、危険なのです。が、最初は転落死の危険はクライミングの易しさにまぎれて、見えないもののようです。

たとえば、前穂北尾根は、ガイド登山だと、5,6のコルからロープをつけるそうです。私たちは3峰からしかロープを出していません。1峰、2峰はコンテですから、つまるところ、その意味はロープをつけない人もいる、ということです。

■第一目標はちゃんとしたビレイヤーになること

昔かたぎの山岳会は、まずは、ちゃんとしたビレイヤーにならないと、どこへも連れて行っても、くれません。(と、講習会で、先生に教わりました)

が、初心者は、普通は、ビレイをマスターしに来ているという認識はゼロ。登ることしか考えていません。

…ので、そこで行き違いが起きてしまうんですね。なにしろ、言葉も”クライミング”で、”ビレイイング”ではないのだし。

自分はビレイしなくて良くて、してもらって当然、と思っているのが、なぜか初心者なのです…。それは私もそうでしたから、分かるのです。

私は今でも登攀力はほとんどゼロで(^^;)、全然、登れません。が、確実になったのは、ビレイ技術です。

そして、スタカットで手順が分からなくて、つまづく初心者の時期はもう脱しました。

それが技術力が少し上がったと言う意味です。でも、これは基本のキにすぎません。

クライミング力は後回しでいいのです。確実なビレイヤーになってから、登れるようになればいいのですから。

というわけで、今度は私が教える番に来た感じなのですが、会には私より後輩はいないので、それは、しばらく先になりそうです。

■時間的な配慮

ただ、スタカット、今秋に、初心者の時期を過ごさなくては、来年の盛夏で、アルプス系の高山のマルチピッチのハイシーズンに間に合いません…。半年以上は、ロープワークの理解にかかると思うので…。

”分かる”と”できる”は違う。分かるのに半年かかり、出来るのにまた時間がかかります。

”出来る”ようになるには、慣れが必要で、ある程度のまとまった時間の量の練習が必要なので、来年の8月に穂高とか、北岳のバットレスに行きたい!となると、今ぐらいの秋にロープワーク初心者の時期を過ごし、冬の間は適度に忘れないようにクライミングに行かないと身につきません。

エイトノットはともかく、クローブヒッチムンターはやらないと、とっさに出てこないですが、この二つのノットって、日常的にクライミングしていても、マルチピッチをやらないと、でてこないので、忘れます(^^;)。

■ 環境を整えること&淡い願望ではなく意思を持つこと

何かの本に、バリエーションを続けられた人は環境を整えるのがうまいのだ、と書いてあり、講習会に行っていた去年、なるほどなぁ・・・と思っていました。

せっかくスタカットを覚えても、一緒にマルチを登ってくれる人がいないと、練習もできないんですよ。

で、そうした環境を設定するには、やはり山岳会に所属するのが一番です。

世の中に山岳会を嫌う人は多いですが、なんと自分を守ってくれる山行管理がめんどくさいから、というのがその理由。逆ですよ~。山行管理は、本人の安全のためにあるのです。めんどくさいから嫌なのは会の方です(笑)。

山岳会は、相互心配システム、なのです。

山岳会で、仲間が見つかるのは、本当です。山岳会に所属しないでいると、山は自分一人でも行ける場所にしか行けない。それに気が付くか、気が付かないか、という問題はあると思います。

講習会仲間でうまく一緒に練習できる仲間が見つかればいいのですが、最近の講習会は、かなり居住地が拡散した人たちが集まっているので、日常的に練習するメンバーを得るのには、あんまり向きません。

あとは、最近私は思うのですが、何事も風向きが良ければやってもいいな、という程度の日和見主義ではなく、”やりたい”という漠然とした思いを、”やるのだ”という意思にまで持って行くのが大事なのではないか?と思います。

そういう人は連れて行ってくれる人がいないから山に行かない、というようなことは言わず、連れて行ってくれる人がいようがいまいが、一人でも山に行っちゃいます。

意思があるところに道が開ける…それをこの4年の自分の登山の試みを顧みて、本当にそうだと思います。行きたいというのはタダの願望、行くのは意思です。

これは18の頃、進学するお金がなくて途方に暮れていたときにもそう思いました。結局ないものは作るだけだと早朝からバイトを始めたのです。

本チャンへの扉はそういう意思が、先輩たちに通じて、開けた扉だと思います。

先輩たちも同じような道を通ってきたから、きっと行きたいという強い気持ちが伝わるんですね。

行けるところでいいや、と終わりなら、冬天狗とか雪の赤岳で一生終わりです。

■ 落としどころ

とはいえ、私はけっこう冷静な登山者ですから、本チャンをどんどんステップアップして行って、K2とか、あるいは冬山のグレードをどんどん上げていって、終には世界のエベレスト!なんて思っていません(笑)

そういうのは、やっぱりなんとなく素人っぽい発想のような気がします。

太刀岡山左岩稜は、車でアプローチ1時間にしかすぎませんが、クライミング力という面で見れば、北岳バットレスより数段困難なマルチピッチです。それでも5.9の被ったところが少しあるだけ…私には、かなり困難でした。ここはスリングを出してもらって、Aゼロで切り抜けています。私にはあれが、最高難度な感じです。

困難度を上げるより(つまり、命がけ路線)、私は面白い山がしたいのです。冒険性の高い山です。未知の場所に行くということです。

クライミングの核心は、突破力がある人がチームに一人いれば越えられます。

その役目が、中高年と言われる年齢で山を始めた女性に、回ってくることがあるでしょうか(笑)?

ないでしょう。そんな酔狂な人がいるとは思えません。

並外れた歩荷力もしかり。自分の荷物が自分で担げて、取り立てて、悪場でないところで、ピーピー言わなければよし、でしょう。つまり自分のケツが自分で拭ける、って意味です(すいません、汚い表現で。でも拭けない人が多いので、ちゃんとしている人は人気です)

その上で、私がチームに貢献できるとすれば、何か? それが見えたとき、山岳会の入会を決めました。

見えた役割は、ルートの発掘(笑)。渉外担当。

面白そうなルートを発掘して、会の人を一人二人連れて行ければ、貢献になります。あるいは、先日の兜山の地図読みのように、技術力アップになる山行などの企画と提案です。

ルートの情報収集という時間がかかることも、得意なほうです。また横のつながりを築くこと。女性の方が気楽ですよね。後は、啓発運動(笑)。


握力18kgの人でもこれくらいはできるんだ、となれば、腕力も体力も上回る人たちは、しっかりせざるを得ないでしょう(笑)。後ろから追い上げが来ていると思えば、怠けられませんしね(笑)。

前穂北尾根をリーダーで登れることが山岳総合センターの講習では目標到達点でした。私は今、北穂池はリーダーで登れそうな気がするので、前穂北尾根リーダーのちょっと手前です。前穂北尾根をリーダーで登れるには、クライミング力は足りません。でも、それは今すぐにはイラナイかも?

クライミング力は、今後、時間を掛けて上げていけばよいと思っています。5.9マスターの壁がそう薄いはずはないのです。

というわけで、私は総合力でのトータルバランスを目指す、ということにしています。

来年は、奥又白池から前穂、北穂東稜、明神東稜くらいに同じくらいのスキルの人とつるべで行ける力を、と思っています。

■子供にはばれないように、ホンモノを知っておく

今冬こそ、去年やれなかった子供たちとの冬山キャンプボランティアも楽しみにしています。

私たち夫婦は、子供には恵まれなかったのですが、私は子供と過ごす時間が好きだからです。

ただ、子供は偽物とホンモノをすぐ嗅ぎ分けるので、自然ボランティアしかしなくても、登山の本当のところが何なのか?その端っこだけでも知っているということは、大事なことだと思います。

登山はホントにただ自分で歩ける冬天狗レベルの山と、山岳会に入ってからの山は内容が全く違います。



今日は家の前のどぶ川の前で、マルメロの実を収穫しました。

なんと高所恐怖所の夫が、柵に登って取ってきてくれました~

すごい成長に感動です!!

幸せっていうのは、誰かが成長するのを支援している時なんだな。

No comments:

Post a Comment