これは古い本ですが、どこかの山ヤさんのサイトで推薦されていたので、取り寄せて読んでみました。
フリー・クライミング上達法 ヴォルフガング ギュリッヒ (著)
この本、どれくらい古いか?というと・・・1986年ドイツで初版。現在2014年。28年前です。
1986年というと、リン・ヒルの『クライミングフリー』によると、ヨセミテスタイルのボトムアップのクライミングvsフランススタイルのラッペルダウンによって起こされたルートの是非を争う、”大ディベート(大論争)”がクライミング業界の重鎮を招いて公の場でディスカッションされた年だそうです…。
今でも、ラッペルしてハングドッグしてムーブ解決するのはけしからん…なんて話は耳にしますが(汗)、それって、30年前にホットだった話みたいですよ…。
私は、技術が古いか古くないかで議論するのは、本質的ではないと思います。が、古い技術には、その技術が古くなった理由があるわけで、その理由を分かっていることが重要ですよね。
たとえば棒フレンズは横のクラックには使いたくない・・・のは、ステムに柔軟性がないので、てこの原理が働くと壊れちゃうからです。 今カムを買う人は、棒のは買わないだろうし、買おうとしても売っていませんし・・・ 色々過去の反省や改善点が含まれているのが、現代の製品で、それは、登山学校で教えられる技術内容だって同じでは・・・?
ということは、古い技術の人は、色々考えた上で、その技術を選んでいるのか?それとも、自分だけ良ければまぁいいや、みたいな理由で選んでいるのか?そこが分かれ目です・・・合理的な選択の結果ではなく、怠惰の結果であれば・・・ああ、残念・・・って感じですね。
結局、向上しようとせず、サボっていた・・・って話ですもんね(^^;)。
でも、まぁ登山の技術は、私がみたところ、ほとんど変わっていません。半マストをムンターって言ったり、マストをクローブヒッチって言ったりしますケド・・・一緒じゃんね? そのややこしい用語使い辞めて欲しいデッス(by新人)!
ハングドッグでの解決は、フリークライミングの精神を犯すものだ!という主張は、どうもリンヒルの著作に寄れば、86年時点であっても、13以上のエクストリームクライマーの話みたいで、一般人はたぶんなんにも関係ないと思われます(^^;)
10とか11で楽しんでいる日曜クライマーには関係がないというか、そんな感じですが…(私はまだ10やっとなので、もっと頑張れって話で、完全、他人事ですが・・・^^;)
これは、私はトレーニングの考え方を知りたいと思って取り寄せたのですが、むしろクライミングコツ集として、優れているような?
私のように言われないと分からないタイプの人にはいいカモ…
たとえば…
”原則的には、前腕の、つまり肘の向きが、常にホールドへの荷重方向を決定する”
ほへ~肘の向きなんて考えたことなかったよ…。っていうようなことが書いてあります。
あとは、参考になったのは、初心者、上級者、エキスパートの区分です。
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初心者: 無駄な筋力やムーブを含め、そのグレードがとりあえず登れるだけの人
上級者: そのグレードがリードできる。動作はまだ完成されていない。”ヨーヨー”を取り入れ、場合によっては核心部の動作を暗記しなくてはならない。体の消耗を抑制し、より正確にルートを登れるようになる。
エキスパート: 初見ルートをリードし、完登できる。フラッシュできる。悪条件であってもムーブを組み立てていくことができる。
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つまり、各グレードについて、初心者→上級者→エキスパート、というプロセスを繰り返していくってわけです。
たとえば、10Aが限界グレードのワタクシは、10Aではまだ初心者ってわけです。あの40度11bの課題をずっと登っていますが、一向にエキスパート化していませんねぇ・・・(^^;)
この考えで行くと、やはり、クライミングって、すごく反復練習が重要なアクティビティなんですね。
やっぱり、私に必要なのは素振りだ、というのはあっているんだな~と思いました。
合理的で無駄のない動きができるようになりたいです・・・。
しかし、この本にも”バレエ”と同じだ、というような趣旨のことが書いてありますが(汗)、クライマーは、バレエやったことがあるのかなぁ???
そこんとこが、私には超謎なのですが・・・何しろ自信満々に書かれているので・・・私はバレエとクライミングの接点はクライマー側からだけの一方的なラブコールのように思えて仕方ないのですが・・・。
絶対バレリーナは岩、嫌いだと思います・・・(汗)
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