Tuesday, July 15, 2014

よく伸びるロープは怖いのか?

■ ダブルロープ、買いました♪

実は、ちょっと前からダブルロープを買う気でいたんですが、問題がありました。

廻りの人が誰も60mを持っていないことです。

会の先輩が、「今から買うなら60mでしょ」と言っており、私も阿弥陀南陵の3P目が、50mだとピッチを切らないといけないが、60mならそのまま行けると聞いていて、今から買うなら、60mだな~と思っていました。 ルートによって60のほうが楽、というのがあるようなので。

ただ、問題だったのは、一緒に行きそうな人だれも、60mを持っていなかったってことなのです。

1本だけ60mがあっても、一緒に行く人が、50mのロープしか持っていなかったら、10m分はただ重いだけで、何の利益もないのです。

じゃあ、2本買う?

まぁダブルロープは一本当たりはそう高額でないので、買っても良いけど・・・、

まだアルパインクライミングをしたことがないのに、ダブル2本も持つって・・・ どうなんでしょう(^^;)?

山岳会の代表者じゃあるまいし・・・ ロープ1本のお金で、カムを2個、買った方が役立つんじゃないか?な感じでした。 なんか優先順位が違う感じ

ところが!

昨日、一緒に太刀岡山の小山ロックに行った先輩が、

「60mのマムートフェニックス、青を買いました~」

とメールをくれたので、

「キミは黄色を買いな~」

と言う意味だと理解。 即座にクライミングドットコムで黄色のロープをポチッとしました。

まだ現物は到着していません。 まとめると・・・

≪クライミングロープ購入のポイント≫
・一緒に行く人とだぶらない色を買うこと
・一緒に行く人と長さを揃えておくこと

■ 伸びるロープは怖い?

私は今かったテンドンアンビジョン8.5mmをすでに持っているのです。30mで。

フリークライミングで、このダブルに1本でぶら下がると怖いかも・・・でも、懸垂下降の登り返しの練習などで普通に8.5mmにダブルでぶら下がるのはまったく平気でした。

一本でも当然ですが、ぶら下がれます。切れる気配は当然ですがありません。

伸びが良いロープは衝撃吸収性能が良いロープ、と言えます。落ちる人とプロテクションにかかる負担が小さい。が、逆に言うとよく伸びるのでグランドしやすい。

でも、流して止める、なんていうビレイヤーの上級テクはイラナイロープです。

流して止めるのと同じくらい、よく衝撃を吸収するってことですから・・・。

去年の今頃、縦走用に補助ロープを探し、色々とスペックを比較した結果、テンドンアンビジョン8.5mmの60mを、友人と半分こしました。

このロープで、今までアイスのルートとかピークハントに行き、結構役に立って、もう元はとれたかも(^^)。

参考までに、スペックを載せておきます。

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⑤テンドン クライミングロープ アンビション ダブル 8.5mm 60m コンプリートシールド加工 ブルー11,580円(税込)

耐墜落回数 10-11
重量(g/m) 46
最大衝撃荷重(KN) 5.5
静荷重伸縮率(%)   6
動荷重伸縮率(%) 35
ノットアビリティ 0.8
シース(表皮)SBS加工 なし
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こちらがマムートのスペック。

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③ マムート Phoenix8.0 フェニックス 60m \17,010

軽くてしなやかな防水性を持ったアルパインクライミング用の最軽量ロープ。多くのエクストリームクライマー達からも大きな信頼を得ています。

衝撃荷重:6.0kN
UIAAフォールテスト回数:8-9回
重量:42g/m
http://www.yamakei-online.com/catalog/file/book26/#page=51
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マムートのフェニックスは8.0mmとさらに径が細く、耐墜落回数はテンドンより少なく、そして、衝撃荷重は6kNと少しだけ大きい。5.5kNなので、ほとんど変わらないということですが。

マムートの方は伸び率が出ていません。 アンビジョンは、静荷重でぶら下がった時6%伸びる。 大きな墜落では35%も伸びます。 10mだったら、3.5mも伸びる。

10m登ったら、3.5m伸びる = 地上6.5mで停止。
 5m登ったら、1.7m伸びる = 地上3.3mで停止。
 3m登ったら、1m伸びる   = 地上2mで停止。
1.5m登ったら、0.5m伸びる =地上1mで停止。

まぁ理論上でしかありません。でも、1.5m以下で落ちても自然に脚で着地できますから、問題ない。


■ 伸び率比較

≪伸び率比較≫
                            伸び率    最大衝撃荷重の値
①エーデルワイス ヒルウォーカー8mm    なし       12.8kN
②マウンテンダックス ジル 8.3mm      9.2%(3位) 6.32kn
③マムート Phoenix 8.0㎜            なし        6.0kN (3位)
④エーデルワイス ディスカバー 8mm    7% (2位)    9kn
⑤テンドン アンビション 8.5mm        6%(35%) (1位 5.5kN (2位)
⑥ベアール  ランド ゴールデンドライ 8mm   なし        4.2kN  (1位)
⑦ジルモント ジル8.3mm               9.2%(3位)   6.32kn

伸び率には、

 静荷重での伸び率
 動荷重での伸び率(墜落時)

とあるようですが、ロープメーカーが出しているスペックは、テンドン社以外、二つを併記していません。(たぶん、公表していないだけで、実はとテンドンと同じくらい伸びるのでは?)

一般にクライマーが知りたいのは 動荷重での伸び率ではないのか?と思いますが、どうなのでしょう???

ちなみに私の軽量シングルも、伸び率が大きいロープです(ミレー)。

このように伸び率の大きいロープは柔らかいロープなので、トップロープでローワーダウンを繰り返すような(つまりロープを固いもので、しごくようなことが多い)用途には向きません。

ロープを痛めないためには、トップロープではなく、リードフォローで登って、懸垂下降で降りると、大丈夫です。

というわけで、伸びの良いロープはマルチ向き。

伸びなくて固い太いロープは、シングルピッチのフリークライミング向きですね。

私は後は日常のフリーの練習用に、10mmの伸びないシングルを買えば、ロープのお買いものは終了です♪ この用途にはマムートのVertexを買う予定でいます。

≪伸び率の大きいロープ≫
・伸び率の大きいロープは柔らかいロープである
・衝撃をよく吸収し、流して止めるテクニックは不要
・ダブルで良く伸びるロープはマルチピッチ向き(本チャンむき)ロープである
・トップロープやローワーダウンでしごくような動作を繰り返す用途には向かない
・TRやLDではなく、リードフォローと懸垂下降で降りれば大丈夫!

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