Sunday, November 8, 2015

南ア深南部 黒沢山~六呂場山~不動岳

■ 藪山初級&地図読み上級の黒沢山

さて、山行記録をまとめておく。

今回通過した山々は、鎌ナギの部分を除くと、危険個所はなく、どちらかというと、初級ルートと言えた。

ただ黒沢山は、のっぺりした形の山なので、地図読みは上級。

黒沢山の解説
行った方のレコ

地図読みというのは痩せた尾根、痩せたコルのところのほうが簡単であるのだ。もちろん、痩せすぎていると、危険が増える。

だが、逆にのっぺりとしていて、平坦で広いと、どうとでも歩けるため、迷いやすいのだ。

池を横切ることを思い出して欲しい。目標点がとりあえずでもなければ、歩きにくいはずだ。

黒沢山は、笹薮を漕ぎたい人に最適なルートだった。

残念ながら、私は地図読みは好きだが、藪マニアではない(笑)。


大快晴!御嶽山も見える

 黒沢山へ続く道。笹山だが、このような状態なので、ルートは明瞭で歩ける。
植林の形がすごい!

 気温が下がって、地面は霜柱が付き、コケは氷結していた。
 段々背丈が高くなってくると、気分は大冒険!

本当に迷ってしまわないようにしてください☆
なぜか立ち枯れが結構あり、北八つの縞枯れを思い出す。

夏は暑くてやってられない山なのだそうだ。

しかもヒルもいるのだと。

積雪量も多くないようだし・・・

やはり秋が良い山なのかも?

二日目の日の出

P1901 ここへ来るのが難しいです

大気が安定していて池みたいになっている

 ■ 行程2

黒沢山から鹿の平と呼ばれるお隣の稜線までは、空中廊下で連結している。

ここの稜線は、ピークとコルを読んでいればいいだけで、地図読みとしてはいたって初級で簡単です。

思い出したのは、兜山の地図読み。

去年、天野和明さんの地図読み講習で、同じようなピークとコルの連結をミニチュアサイズで練習しましたっけ~

これは実戦バージョン。 楽勝感があり、1年の成長を感じました。

兜山なら、間違っても補正も簡単。でも、ここで間違うと沢まで降りてしまうので、間違いには沢に降りる前に気が付くのが大事ですね。

← このような気持ち良い稜線を散策気分で歩きます

 ← 途中では、このような歩きにくい山登りらしい道も出てきます。

ピークを巻く道が付いていても、信用せず、ピークとコルだけを頼りに歩くタイプです。

なにしろ、巻き道、たまに素っ頓狂な方向へ行きますからね~

鹿の考えていることはワカラン。
(林業のおじさん用の道かもしれないけど)




こういうの見ると、兜山だ~と思ってしまう




■ 3日目

 二日目の夜は非常に寒く、凍えた。

朝起きたら、テントのフライシートの内側は、凍り付いていた。

これが溶けないうちに払い落としておく。
日の出

鹿の平

 出発は、予定の6:00より、1時間半遅れの7:30だった。

が、鎌ナギという難所には、早々に着いてしまう。

8:00.

なんだか稜線伝いに行くのが、もっとも安全そうに見えてしまったんだが・・・。

そもそも、非常にもろいので、行かないのが一番安全。

6時間も、う回路を探して遊び、結局、時間切れで降りる。

さっさと降りていれば、温泉と食事にありつけたかもしれないのになー。

山には二つの判断の方向性と二つの決断ポイントがある。

強気の判断 & 弱気の判断
計画時 & 実行時

組み合わせるとこうなる・・・

1)弱気の計画 & 弱気の行動
2)弱気の計画 & 強気の行動

3)強気の計画 & 弱気の行動
4)強気の計画 & 強気の行動

どれが安全だろうか???

結局 今回は、林道とはいえ、ヘッデン下山になった。

ヘッデン下山は山行の失敗を意味する。

つまり、判断が強気すぎたことを意味する。あと2時間早く降りなくては行けなかったのだ。

日没までに携帯電波が届く場所にいるべきだ。日が変わる前に帰宅しないと、各人の翌日の予定に影響が出る。

私の考える楽しい登山は、前に先輩にも話したが、計画と実際の差、差異ができるだけ少ないことだ。

計画と実行がぴったりマッチした時、つまり、わたしなりの予想が当たった時、とても楽しい。それは判断する遊びを楽しんでいるからかもしれない。

体力、スキルに適切にマッチした計画であれば、どんな山も危険を感じることなく、楽しく山そのものを味わうことができる。

実力の見極めが客観的で正確であれば、よほど想定外のことが起らない限り、ヘッデン下山にはならない。

ヘッデン下山は、裏返せば、実力の見極めが甘いという意味なのだ。残念ながら・・・

≪関連記事≫
ヘッデン下山について
西天狗
南沢小滝




このような景色が見れます
■ 鎌ナギ尾根

エスケープに使った鎌ナギ尾根は、一般道で印もついているが、山麓のほうで一部不明瞭。

コンパスを最初に充てていれば、問題なく降りれる。進行方向の変化は、全くと言っていいほどない尾根だ。

ただし、この尾根の下部は針葉樹の植林地なので、暗くなると心細くなるし、ルートを見失うだろう。

したがって日没までに最低でも林道に着くこと。

林道とて、暗い中歩くのは、安全とは言えない。まして紅葉を楽しめるのに、もったいない。

早めの下山を心がけよう。 早く降りれば、温泉にも入れ、疲れを取ることもできるのだし!

こちらの図が分かりやすい。これであれば鎌崩は見るだけで通らないので、地図読みさえできれば誰でもOKルート。(とはいえ、地図読みも怪しい人が多いので、そういう人は例え脚力があっても行かないでください)


http://www.geocities.jp/hiroaki_kawaji/kamanagidake/kamanagidake.html より引用。

こちらが今回のヤマレコ。