私は企業としては、ノースより、パタゴニアのほうが好きなので、イヴォン・シュイナードの『レスポンシブル・カンパニー』を読んでいます。
この本は、ビジネス界でも有名な本でしたが、未読でした。ビジネス界で読むべきとされている本はいろいろありますが、ドラッガーやポーターは教科書級の一方、副読本として選ばれることが多いのが、こうした成功した企業の考え方を知るための本です。ジョブス本もそのうちですね。
私はグリーンコンシューマーを目指しているので、いつもウエアはパタゴニアを選ぶようにしています。パタゴニアを着ているのは、パタゴニアが環境に配慮する会社だから、だけではなく、それを先導して行く会社だからです。甲府に来てからは、山の服以外の服を買うことはほぼゼロです・・・。
山を愛する人は、自然を愛する人なのですから、これ以上、地球温暖化が進まないよう、グリーンコンシューマーになるべし!と思っています。
シュイナードさん、おいくつになったのでしょうか?1937年のお生まれのようですから、77歳ですね。この年齢で時代の最先端を発信し続けていることがエライ!です。人は何歳であっても、進化し続けることができるのだという例かな?
この本は、2012年に出された本ですが、3年前でも先鋭的だったと思いますが、今でもまだ先鋭です。3年ではあまり時代は進化しないか・・・(すこし残念)。
■ 環境問題、ダイレクトな実感は天候
環境問題、山梨は自然が豊かなので、山梨にいる限り、南極・北極の氷がどれだけ溶けているか、ということは実感しにくいのですが・・・明らかに、温暖化は進行しているようです。
最新の気象庁による南極・北極海氷面減少の調査報告書
登山の良さの一つは、人間は自然の力には勝てないということを学ぶことですが、それは、ある意味、お天気に振り回される、ということです。視界の無い日、嵐の日は行動は避けましょう。
他に山梨で肌で感じる環境問題としては、温暖化による、桃、ブドウの生産拠点の変化があります。
桃もブドウも、県の南部や勝沼ではなく、以前は寒冷で適さないとされていた北部の方に拠点が移動しつつあります。
■ 林道いっぱい
山梨で環境破壊といえば、筆頭は、林道、です。山梨県には、使われていない林道が一杯!
これは、公共事業のバラマキ行政の結果と思われますが、ホントに林道はいっぱいです。
しかも、冬季でなくても閉鎖されていて、動物たちの便利な通行に使われているだけになっている林道も多数です。
こうした実態などは、登山をしない限り、憤りを感じることはないと思います。ホント、林道だらけでビックリです。
ある山小屋のご主人によると、山の生態系を壊すのは、道路、だそうです。ご主人は国道を言っていたと思いますが、原始のままの自然、という意味では、日本にはほとんどのこされていないかもしれません。
そういう意味では、沢は比較的手付かずの自然が残っている分野かと思われますが・・・それも最近は堰堤だらけとなっています。
山と比べて河川は河口までその影響を見てみないことには、環境破壊なのか、必要なものなのか、も良く判別できないですが・・・。
■ 人権問題
最近、パタゴニアが川上村のナナーズの敷地内にできました。
川上村と言えば、レタス豪農で知られているそうです。
そこで人権侵害の噂を聞いたので、ホントかしらと思って調べてみたのですが・・・、火がないところに煙は立たない、という感じです。
こちらに、日弁連(日本弁護士連合会)から、川上村にあてた勧告書がありました。
事実関係を追及すると、申し立てをした本人がどこにもいないようですが・・・おそらく労働が過酷であったというのは否定できないようです。
日本人がしたくない仕事になってしまっているレタス栽培。有名な話に年収2500万円というのがありますが、年収ではなくて、年商です、と言っているコメントも見ましたが、年商でもそれだけ上がる農家はいないと思われ、労働の改善は、なんとかならないものでしょうか。まぁ農業と言うのは最初から大変なものではあるのですが。
外国人の労働に頼る理由の一つは日本の国内労働者が集まらないという理由らしいのですが、普通の市場原理によると、労働の対価が上がれば必要な労働力は得られるはずなのですが・・・農薬を使うそうなので、命を危険に晒してまでとなるのかもしれません。
となると改めるべき点は色々ありそうです。
シュイナードの本にも、以前、児童労働で児童虐待で有名になってしまったナイキが、反省して違う取り組みをしていることも取り上げられています。
誰だって過酷な労働は嫌なので、人権配慮するということは、国際レベルで共通でないといけないと思われます。
小川山にクライミングに行くクライマーも、パタゴニアにならって、こうした事実は事実であると、目をそむけないでいる、ようにしたいものです。
それこそ、レスポンシブルなクライマー。
■ クリーンクライミング
フリークライミングの分野では、クリーンクライミングと言って、自然の岩の形状を傷つけないクライミングが発達しました。
支点をピトンから、カムなどの岩を傷つけない方法に変えたのです。アメリカンエイドは和製英語だそうですが、言うなれば、クリーンエイド。
支点の回収のこともクリーニングと言います。
一方、歩きの分野では、そのようなムーブメントは、まだないようです。自然を傷つけないように山に登ろう!ということの筆頭は、
少人数で登ること
だと思います。30人の団体が1回入るより、3人が10回通った方が環境に対する負荷は軽いのです。
山でゴミを捨てない、森林限界以上でお花摘みをしない、などは常識かと思いますが、いまだに、”沢山の人に山に来てもらいたい”というのは、だんだんと時代遅れになってしまっているかもしれません・・・。なにしろ、一度にたくさんの人が来ると山の回復力・自浄能力の限界を容易に越えてしまいます。
環境保護を考えると、やはり、大事なことは、ばらける、ということで、団体ツアー式の”みんなで行く”は、そぐわない気がします。
自立した登山者と言う言い方は、もしかしたら日本にそぐわないのかもしれません。日本では依存は信頼の証とされてきた、文化的背景があるので・・・それに代わる言葉としては、
レスポンシブルな登山者(責任ある登山者)
がいいのかな?
≪用語≫
・ポール・ホーケン
・LEED認証 グリーンなビルのこと
・社員のニーズ
・オールドエコノミーvsニューエコノミー
・GRI
・エコ・インデックス
・ゼロウェイト・アライアンス
・ヒポクラテスの宣誓
・EPI 新環境パフォーマンス指標
・BTコットン 遺伝子組み換え綿によるコットン
日本企業の環境報告書サイト なぜか環境省ではなく、経産省だけど・・・
≪おまけ≫
2015年12月現在 ”環境報告書”とGoogle検索してヒットする会社。環境について認識が高い企業は、”善玉”と判断されたがっている、ということがうかがえる。大学名が出てくるのが意外。
1P目
富士通
イオン
東芝
ブリジストン
信州大学
2P目
キリン
名古屋大学
愛知教育大学
クボタ
JR東日本
アサヒ
三重大
3P目
キッコーマン
森永製菓
YKK
理科学研究所
岩手大学
ヱスビー
矢崎グループ
Jaxa
パナホーム
広島大学
■ブラック企業
一方、”善玉”の反対、”悪玉”をヒットする検索キーワードの発掘は難しく、単純にブラック企業と入れてみた。
過去にはウォルマートが、マッキンゼーの調査で消費者への不人気を露呈し、それによりグリーンへ転換した例がある。こうした企業も汚名を返上することで、善玉への転換が計れるのかもしれない。ブラック企業は入ってみないと分からないため、入ったらすぐに退職しましょう。
株式会社 大庄(居酒屋チェーン「日本海庄や」)
JR西日本
株式会社 ヤマダ電機
株式会社 A-1 Pictures
タマホーム株式会社
東京都議会
株式会社リコー
株式会社 秋田書店
学校法人智香寺学園 正智深谷高等学校 & 株式会社 イスト
株式会社不二ビューティ(たかの友梨ビューティクリニック)
株式会社ゼンショーホールディングス(すき家)
ノミネート
ワタミフードサービス株式会社
株式会社クロスカンパニー
株式会社ベネッセコーポレーション
株式会社サン・チャレンジ(ステーキのくいしんぼ)
株式会社 王将フードサービス(餃子の王将)
西濃運輸株式会社
株式会社東急ハンズ
国立大学法人東北大学
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