■ 白毛門
白毛門へ行けそう!というので、また谷川岳方面の研究をしています。
実は、以前、西黒尾根で雪洞泊を敢行しようとし・・・そして、誰も山行計画を練るためのミーティングに参加してくれないので、山行は没になりました。
みな、雪洞で宴会だけのことに興味があり、リスクはどこか、何時にどこに着いているべきか?という作戦を練ることが大事だと分かってくれなかったのです・・・。
以来、お預け。また、そもそも山梨から遠い上、冬壁には興味がない(というか、私できないでしょう、冬壁)ため、別にいっか~となっていた谷川連峰・・・
もちろん、雪稜と言う意味で、太平洋気候に属す八ヶ岳とは、毛色の異なる、谷川岳の天神尾根や、北ア北部の八方尾根は、転進先候補として、一応知ってはおきたい場所でした。
こういう一般ルートは、山域の概念を把握するために行くところです。
■ お天気核心
冬山は、気候条件をよく知っていることが第一です。
思うに、リーダーについて行くだけの人は、適期かどうか?の研究がおろそかになっているので、自分では行ったことのある山にも行けない。
太平洋気候 → 八ヶ岳 = 厳冬期(西高東低)は晴れ
日本海気候 → 北ア北部・谷川連峰 = 厳冬期(西高東低)は大荒れ
それに、日本海気候の場合、悪天候が長引き缶詰に。天候の読みに失敗が許されない、という意味では、八ヶ岳の比ではないです。
八ヶ岳なら、強気の判断をしない限り小屋もあります。谷川には駆け込み寺はありません。つまり、ちょっとした判断ミスが重大事故になる可能性が大きいです。
■ 谷川岳周辺の積雪期の岩稜および尾根ルート
以下、『谷川岳周辺の積雪期の岩稜および尾根ルート』と題される、本庄山の会の記載からのまとめです。
(重要な所赤字)
■ 概論
・低標高(1963m)
・アルプス的風貌
・きわめて高い困難性
・多量の積雪
・気象条件の悪さ
・複雑な地形
・無雪期は登攀対象にならない
■ 歴史
・比較的新しい
・天神尾根、西黒尾根 = 昭和初期
・1955年 古川純一 一ノ倉尾根
・1958年 松本龍雄 一ノ倉沢衝立岩中央稜
・1960年 滝沢リッジ 本邦有数の冬季ビッグルート
・1966年 幽ノ沢 中尾根
・1968年 幽ノ沢 石楠花尾根 (人気ルート)
・南面 アプローチが面倒で訪れる人が少ない
■ グレーディング
・天神尾根、西黒尾根をのぞき、容易に取りつけるルートではない
・初心者のみの入山は不可
・この地域の経験がある中・上級者のリーダーが必要
初級クラス
東尾根、一ノ倉沢1・2沢中間稜、マチガ沢3,4の沢中間稜、仙ノ倉北尾根、中ゴー尾根、幕岩尾根、幕岩Aフェース南稜
中級
一の倉尾根、一ノ倉沢4,5ルンゼ中間稜、幽ノ沢中尾根、石楠花尾根、幕岩B、Cフェース中間稜
上級向け
一ノ倉北稜、中央稜、滝沢リッジ、滝沢右稜
■ アプローチ
・夏道利用
・ラッセルの状態により、所要時間が大幅に変わる
■ ベース
・各沢の出合い
・雪崩れの危険あり
■ 下降
・下降ルートの判断が成否に大きく関与する
・登攀に全力を投入し、疲労しきってからの国境稜線で吹雪かれて、疲労凍死という事故が毎年起っている。
・避難小屋は雪下で全く使えない
・雪洞が掘れる
・猛吹雪の稜線は、方向感覚、体力を著しく低下させる
・慎重さが必要
・稜線にある避難所は肩の小屋のみ
・天神尾根・西黒尾根を使う
■ 気象条件
・冬型の気圧配置=風雪
・冬は晴天が少ない
・一日1m~3mの降雪
・気温が高く 湿雪
・12月、3月は雨が降ることがある
・好天と悪天の気温差が大きい = 装備に細心の注意を払う
■ 装備
・濡れることに対して最新の注意を払う
・ゴアテックスの雨具
・ビバークシェルター必携
・スペア手袋必携
■ 関連記事
・豪雪のタカマタギ
以前、タカマタギと言う山に行きました。八海山の転進でした。樹木がない岩尾根は、風雪がまともに吹き付けるのですが、タカマタギは樹木が出ており、悪天候でも入山可能と言う計画でした。
雪洞を掘る練習はをしていますが、雪洞泊は実現していません。濡れるし、寒いし、快適ではない、と聞いています(笑)。
雪洞泊頓挫
一般の人とのかい離
ベテランが雪洞泊しない理由
雪山のリスクマネジメント講座
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