今日は大荒れ情報が入っていた。甲府はいつものように天候の崩れが穏やかで、朝から雨ではあるけれど、お湿り程度で、気温が高い。午後3時ともなると、もう青空がのぞくようになった。
■ 気にかかっていること
しばらく前から少し気にかかっていることがあった。それは、
一般登山をマスターしていない人に、アルパインを教えて良いのか?
ということだ。
例えば、コンパスを山に持ってきていなかったり、地図を知らなかったり、沢へ行くのに沢靴をもっていなかったりすると・・・一般登山がまだなのかな・・・ということが分かる。
一般登山では色々なことを学ぶ。それが十分学べていないで次に進むのは、本人のためにならない。山には順番があるからだ。
そこで問題は、私の課題になる。ビレイヤーは欲しい・・・けれど、
アルパインを教えてもいいのだろうか? 一般縦走もきちんと自分で完結できる前に、岩やら、沢やら、アイスやら、を教えたら、それはビレイヤーが欲しい私のエゴではないのだろうか?
■ 登山学校のチラシ
考えていれば、答えは向こうから、やってくる。アンテナを張っていれば、情報がひっかかる。
先日、大同心稜へ行くのに八ヶ岳山荘の簡易宿泊所で、AGS-J登山学校という、登山学校のチラシを拾った。ここはめったに立ち寄らないのに。
カリキュラムから、読み解けることは多い。こちらが、わたしが拾ったチラシのPDF版だ。
ベーシックマウンテンコースとアルパインスキルアップコースがある。
アルパインスキルアップコースはビジター不可。
やはり、アルパインは、一般登山が出来ていない人には教えてはいけないのだと分かる。
■ 何をマスターしておくべきか?
では一般登山で、マスターしておくべきことは?というと、カリキュラムから読み取れる。
・夏山の装備
・岩場通過
・テント泊
・地図読み
・沢基礎
・食当
・雪
・雪山テント泊
・カンタンな岩
・残雪期雪
だ。 毎月机上講習があり、それは無料。やはり机上講習は必ず必要で、いきなり山に行って教えることは無理だと思う。山で装備不備があれば、その山に入ること自体が危険になってしまう。
三つ峠縦走、谷川岳一般ルート、岩稜主体の山、南北アルプス、黒部、初級雪山、雪の谷川、カンタンな岩登り、という中身になっている。
まぁ首都圏の人にとって谷川岳は外せないが、山梨からは遠い。その場合、谷川を富士山に替えればよいと思った。
(案)
4月 三つ峠縦走 本社が丸~府戸尾根
5月 富士山
6月 鶏冠
7月 北ア
8月 初級の沢
9月 南ア
10月 八ツ 紅葉
11月 黒部 テント泊
12月 富士山5合目まで雪訓
1月 初級雪山 八つ
2月 クライミング
3月 雪(小屋泊)
という具合だ。
これをコースの難易度を変えていけば、毎年くるくる回すだけでも、大まかなカリキュラムができたことになる。
夫向けに考えてみた。夫は雪は経験があるが、黒部や谷川、クライミングは今からだ。
(夫向けプラン)
4月 GW 谷川岳&三つ峠縦走
5月 富士山 (須走から)
6月 十二ヶ岳
7月 涸沢から奥穂 3泊4日
8月 伝丈沢
9月 仙丈ヶ・塩見の縦走
10月 編笠・権現、御神楽尾根
11月 室堂散策
12月 富士山5合目、またはアイスキャンデー アイゼントレ
正月 鳳凰三山
1月 十二ヶ岳の岩場
2月 赤岳 もしくは権現
3月 地獄谷
という内容。 これなら、彼にもあまり無理がないのでは・・・。ジムでのビレイ練習や、クライミングは、コソ錬。
私は夫とコソ錬するのが良いと思うので、コソ錬に付き合ってもらうようにしないといけない。
■ アルパインへの一歩はとても遠い
ベーシックマウンテンコースでも、一般登山者からみたら、上級の山だ。
雪の赤岳は、一般登山では上級レベルに入り、地図を持たない、地図を読めない人の入るエリアではない。
というわけで、アルパインスキルアップコースは、さらに上だ。
このベーシックマウンテンコースとアルパインスキルアップコースの間の、差はものすごく大きい。
例えるなら、中学数学と高校数学くらい違う。三角関数と微分積分の違いと言ったら分かりやすいだろうか?
実技講習を見ると、
4月に三つ峠でマルチピッチをしてから、翌年には冬に赤岳主稜、その後越沢バットレスでマルチになっている。これは、ものすごく急な成長だ。
もちろん、セカンドを基本にしているのかもしれないが・・・確かに三つ峠に丸っきりの初心者を連れて行かざるを得ないのは分かる気がするが、そういう丸々初心者だった人が、一年で越沢アットレスをリードできるようになるというのは、期待が大きすぎるような気がする。
それは、私が女性だからではなく、身長180あって自衛官と言うくらいの頑強な男性でもリードはさせられないだろうと思う。
赤岳主稜はこのような講習会の卒業課題に選ばれることが多いせいか、自分でリードしながら、つまり自立しながら成長している人たちには、楽勝課題と思われている。
が、前の会の先輩たちはみな11以上のクライマーだったが、赤岳主稜に行くスキルはないと公言していた。
ということは、結局、初心者同士で主稜はまだ早いということになる。
こういうカリキュラムは、色々なことが読み取れるが、そのまま右から左に転用するのはマズイ。
そこへ先導者の有無が大きく安全管理に差がでるからだ。
自分で行こう!と思うと、下積みが倍くらい必要になる。イコールパートナーと行こう!と思うと、下積みが1.5倍。連れて行ってもらうなら、1倍。ガイドに連れて行ってもらえば、0.8倍かな?
背伸びの山は必要だが、それを実力とするには、自分たちだけで行く復習山行が必要。
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