しばらく前から感じていたことですが・・・、山は第四章に入りました。
趣味で始めた登山。ハッキリ言って逆境です。が、それでも不思議なことになぜか前進して行っています。
私にとって登山という趣味は、”祝福がある分野”です。
次から次へと面白い展開が開け、別の趣味を始めようかな~と思う時も、時々あるのですが、なかなか山が私を手放してくれません。
このブログは、まったく登山歴ゼロからの初心者からの成長日記ですが・・・大まかに、振り返ると・・・。
第一章 初心者時代
第二章 リーダーコース時代 脱初心者
第三章 山岳会新人時代
第四章 脱新人時代
という流れになっています。
■ 第一章・・・初心者時代
私は山梨に来てから登山を始めたので、まったく山経験はゼロでした。
ストローハットという山道具屋が近くにあり、たまたまそこでツアー募集があり、それに参加して八ヶ岳の西岳に行って、山が気に入り、山を始めました。
この時期は、ツアー客にならなかったこと、が勝因です。
一度行って山が気に入ったら、次からは自分たちで登山するということが大事なことです。
自分たちで行くと、カンタンなところしか行けません。それで茅ヶ岳や大菩薩嶺などが単独の山、夫がいる場合は、GWの北八つからスタートして、厳冬期は霧ヶ峰でスタートして、厳冬期の権現まで修業しました。
最終的に権現日帰りを達成し、厳冬期(正月)の山は、雪上講習が不要の鳳凰三山(観音岳まで)を自分たちだけの力で行けるまで、成長するのに3年ほどかかりました。
山としては、この時期がもっとも苦悩が少なく、単純に楽しかったです。
よく山のボランティア活動に出かけていました。登山道の整備や鹿柵設置などもやりました。
その間、判断力系では、地図読み・天候判断・やや上の雪山のための雪上訓練系、セルフレスキューなどの講習、技術系ではアイスクライミングの体験などを取り入れました。
■ 第二章時代・・・
厳冬期の鳳凰三山と、厳冬期の赤岳の違いは何でしょうか?
厳冬期鳳凰三山 歩行時間 片道7時間 アイゼン歩行 イラナイ
厳冬期赤岳 歩行時間 片道4時間 アイゼン歩行 必要
です。赤岳は体力はさほどいらないが、雪上訓練でしっかりアイゼン歩行をマスターしていることが必要な山です。滑落の危険があるからです。
アイゼン歩行をマスターしていない場合は、ロープでの確保が必要になり、よく犬の散歩のようにガイドに連れられた人が赤岳を歩いていたりします。
つまり 赤岳は
・雪上訓練でアイゼン歩行と滑落停止をマスター済みであること
が条件の山です。鳳凰三山も観音岳で辞めず、地蔵岳まで行くとそうなります。初日の歩行時間が7時間と長いため、赤岳よりも体力は必要な山です。
この鳳凰三山へは2年連続で、夫と二人で行きました。これ以上の登山をしようと思うと、雪上訓練が必要だ、ということになります。
当時の私にとって、雪上訓練=講習会でした。
誰か経験者に教わる必要があると自覚したため、登山学校を模索し、それが結果としては、一年間の山岳総合センターでのリーダー講習受講につながりました。
この講習時代は、アルパインクライミングの入門というか、超ド級の初心者時代を過ごしました(笑)。アップアップで、アルパイン入門以前です。ロープも持っていないし、エイトノットも知らなかったのです。スタカットをきちんと覚える時代です。
どういう具合だったかというと、いきなり七倉で、スタンディングアックスビレーと懸垂下降で、超ビックリ仰天です(笑)。え~!?という感じ。
まぁ、メインとなる雪については、それなりに経験があったので、技術以外は、そうおったまげもしなかったのですが、何よりおったまげたのは、確保理論が分かっている前提で、進んで行ったことです。
そもそも、スタカットが何か?を知らなかった。初めて聞く言葉だったので、クライミングのシステムが理解できていなかったのです。教わる前に実践したので、びっくりしたのでした。
ただ、アイゼン歩行と滑落停止がしっかりすれば、雪の赤岳に登れていいなって思っただけだったのに(笑)。
雪の山に行くにはどうしたらいいんでしょう?
講習会は一時的な集まりであることは当然ですが、そのような一時的な仲間と、例えば雪洞泊するような、雪の山に行くということの限界も分かり、継続的に一緒に努力できる仲間を求めて、山岳会に入会しました。
この当時は、三つ峠で知り合った方が山の師匠になってくださり、その方に色々とアドバイスをもらいながら、自分がどう成長するかを選択していました。
山岳会に入会したのは、その方の強い勧めがあったのも一因です。
■ 第3章
この時代は、山岳会での新人として過ごしました。例えるなら、トップロープ時代です。1年6か月ほどでした。
山岳会は入会時点で、慎重に、現存する選択肢の中では、最良と思われる会を選んだハズでしたが、すこし失望のお別れとなりました。
第一義的には、一緒に成長して行ける人材がいない。入った時から連れて行く側です。次は一緒に行く方が、危険にさらされて危ない。
という2つの理由で退会しました。ビレイで両手を離していたり、引っ張り落とすような人とは山には行けません。結局、山岳会の人より、他所で見つけた人と行く方が信頼でき安全でした。
一方、先輩にはとても感謝しています。
どうも、今の山岳会は、連れて行ってもらいたい依存的な人が行くところになってしまっているのです。それは誰のせいでもなさそうでしたが、そういう状態なのはよくあることのようです。
私にとっては、一般登山と比べて、アルパインクライミングがいかに難しいことか、いかに適性というものが必要か?山岳会とはどのような組織か?などの知見を得た時代でした。
依存的な人は本当にアルパインには向きませんが、強く個性的なリーダーは依存的な人をどうしても引きつけてしまうものです。
■ 第四章
今はまた自分で山に登っています。
一緒に行く相手は、自分で見つけてきた人たちです。少ないですが、少数精鋭です。自分で見つけてきた人と言うのは、例えるなら、自分が面接官となり、採用した人です(笑)。それに相手の方も合わないな~と思ったら、誘っても来ないでしょう。
いつ失われてしまうとも知れない関係ですので、砂上の楼閣ですが、逆に純粋に馬が合うということが言えると思います。何しろその人と行かなくても何も困らないのですから。
山岳会の最大のデメリットは、山に行く相手を選ぶことができないことです。この人と行くと危険だ、と思っても、断ることができない、という意味なのです。仲間を選ぶことができません。
自分の身は自分で守れるようでないと、仲間のミスで死ぬこともある、ということです。たとえば、反対側の尾根を降りてしまう、などは、小さなミスですが、雪山では死に直結します。リーダーにお任せだから・・・と自分で考えず、反対側の尾根に降りてしまい、ビバークになってから文句を言っても遅いのです。それで凍死しても、間違いに気が付かなかった自分のせいなのですから。
そういうわけで、仲間は大事です。仲間と急がず、焦らず、確実にビレイで止めてもらえると感じ、イケイケではなく、ヒューマニティにあふれ、合理的な判断をしてもらえると感じられることが大事です。
そもそも、山というのはレジャーであり、愉しみでいくものなので、山頂への執着心が強すぎると、山煩悩となってしまい、合理的な判断ができなくなってしまいます。
もちろん、失敗というのはあり、失敗を含めて共有できる、互いの失敗を許し合える間柄である、ということも大事なことです。
例えば、体調が悪いとか、体力・行動時間・山の困難度の読みが間違っていた・・・とかです。間違いを犯すことが、悪いのではないのです。悪いのは、間違いを認めず、そのままつっこんで敗退しないことです。
地図やコンパスを持たずに山には人の後をついていくのが当然だと思っている人は山仲間ではなく、便乗者です。ロープも同じです。
とりあえず便乗が許されるのは、1回目だけです。誰しも最初は何をすべきか分からない。そこは許されていますが、そういうキャラだから、自分はずっとついて行く側でいい、ってのは無しです。
逆に、経験者の意見をより一層尊重すべきところがあります。初心者はどこへ行くべきか?という山の選定の判断です。
未知の場所については、行っていいのか行けるのか?判断が非常に難しいです。行ったことのない人には、判断の材料がないためです。
そのために、山岳会の先輩が経験により、判断してくれる、ということになっています。依存というより、尊重しなくてはならないのはその点です。
行きたいところではなく、行けるところに行かないと死んでしまいます。
つまり山の先導者ではなく、アルパイン道の先導者、というわけですね。
第四章に入り、スキル的には、フリーを頑張る時期に入りました。今時点で、5.10Aが課題によってはリードできます。
≪現時点の課題≫
・心肺機能のアップ
・カムの使い方をしっかり覚える
・クライミングを体で覚える