Monday, April 15, 2013

中津森 地図読みハイグレードハイキング

■ 奥昇仙峡 中津森

中津森という山は、まったく知りませんでしたが、地元のハイキングの会では、とても有名で行きたい人がたくさんいるのだそうです。 そうなのか・・・ 今回のヤマレコ

中津森は、昇仙峡の奥のほうにあり、金峰山の前衛というような小さな山々がたくさん連なるエリアにあります。エアリアの山マップには、奥昇仙峡・・・として載っています。

奥秩父の端山ですね。麓には、板敷渓谷といって小さな渓谷に遊歩道が整備されているのだそうです。夏は涼しくいいかもしれませんね。

今回は地図読み山行。
地図に磁北線を引いていない人がいたので引いています。                                                 プローブで引いてる・・・(笑)
■ 取り付きが核心部

 この中津森、実は取り付きが核心部(汗)。
中津森の尾根の端はトンネルが貫通しています。このトンネルの上に尾根道の登山道があるわけです。 どうやってそこまで行くか? 

ルンゼを登っている三上ガイド
落石防止のネットの脇から少々の崩れを通って、尾根に 乗ります。 ・・・って、ここ・・・普通の人は絶対に通らないよな~(汗)。

私はとりあえず、先週マルチピッチのシステムを習ったところだったので、なんとなく、どういうことになりそうか、想像くらいはつきましたが・・・いや~初めてだったら、こんなところ行くの?!とアセるだけでしょう…。普通の人はこんなところ、歩きませ~ん。そこまでして行くか(笑)?

①ロープをつけた最初の人が登り、自己確保します。
②登ってきていいよ、と言われたら、次の人が最初の人のところまで登ってい行きます。
③途中、最初の人がひっかけた中間の支点を回収します。
④全員同じところに来たら、あとから来た人も自己確保します。
⑤拾ってきた支点用のカラビナとスリングを手渡して、また①に戻る。

という手順でこのがけ崩れを登り・・・4回同じことを繰り返してやっと登山道に着きました。

とっても急なので、登っていると、スリングやカラビナを踏みそう・・・ 整理整頓の重要性が分かりましたとも!

 自己確保中。支点は木がもっとも強い。石はコロコロ転がって危ないです。

この場合、一つの支点に2人が確保しています。
やっと登山道にのったところ。 支点に結んだロープ。 今私のもっぱらの興味は支点の取り方です(笑) ロープがきれいに折りたたまれているところが、好感度高し。

■ 地図読み

この中津森が地図読みに選ばれたのは、小さなピークとコルがいくつも続き、地図読みという名の地形読みに良い場所だからです。 

普段の山でも、地図読みしようと思うので、よく地図は見て、初めて行く山には、工程表さえ書いていったりしますが、一般的な登山道では、山が大きいと次の地形的な特徴が出てくるまで、だらだらとした登りを1時間・・・などと言う具合になってしまい、あまり地図読みには向いていません。

さらに登山道のつけ方に、あまり地形的な合理性がない場合もあります。

地図読み(道をあるくのではなく、地形に合わせて歩く)に向いた山は、小さなピークがいくつも重なり、道標や赤テープが整備されていない場所です。踏み跡がない場所です。

余談ですが、このような場所はなかなかないらしく、地図読みを教えたくても、どの山もピンクテープがびっしりで結局地図読みを教えても、参加者がピンクテープに魅かれて行ってしまう・・・という問題はよく聞きます。 地図読みって教えるほうも、適した場所を探すのに一苦労なんです。

中津森の地図はこちら。


崖を登りきったところが、南西の尾根の端っこ、地図の左下です。どんどん北東に進みます。

■ 古くても人の息吹のある道

私は、里山歩きの趣味には全然目覚めていませんが・・・、こういう道は古くても人の息吹が感じられる道です。

こんな祠がありました。 こんな重いものを担いでよくここまで運んだものですね。

生活の糧をくれる山に感謝してのことなのだそうです。 

現代人にとって、生活の糧をくれるものは、会社であり、経済ですが・・・、我々がそういった仕組みや世界に感謝しているか?というとしていないと思う・・・。 

会社に感謝している社員なんて聞いたことがありませんし、経済システムというのも感謝する対象と言うより、否応なく巻き込まれている対象という方が正しく・・・ お金を稼がせてくれるありがたい仕組みとは思っていない。 

だから、”生かされている”という感覚が希薄になり、”感謝”という気持ちも希薄になるんでしょうね。 感謝の気持ちが持ちづらいのが現代社会かもしれません。 

でも・・・感謝の気持ちが薄いと幸福感も薄くなってしまうんですよね。

生きることが奇跡の連続と思えなくなる・・・生きていることが特権だと思うと幸せですが、当然の権利だといつまでも満たされません。

いうなれば、こうした祠などは、現代人が、”失業しませんように”と思うのと同じ気持ちで、山に持ち込まれたものなのかもしれません。

■ 明るく快適な端の山

中津森は明るく快適な山梨らしい森でした。 途中、熊棚のハッキリした様子を発見。

 結構、しっかりした踏み跡でしょう。



快適そうでしょう。


もう少ししたら山つつじが満開になりそうでした。 
今回のガイドツアー主催してくれている、三上ガイド。旗振り観光ガイドツアーみたいな山ではなくて、泥臭く、山ヤらしい山を案内してくれる。地図読みは、特に重要な基礎的な技術なので、力がある人から学びたいと思います。地図読みは教えてくれる人がとても少ない。

顕著な熊棚

 さっぱりした山頂の標識。手作りのボランティアなのだそうです。作ってくれた人の感謝ですね。
 字が消えかかっていますが。
でも・・・・
一升瓶が一杯捨ててあってイケテない・・・・
一斗缶もいっぱいあった。なんで?

 こういう岩が出てくると、奥秩父らしいなと思います。
 御巣鷹山山頂。

 結構展望の良い山でした。


明るいダケカンバの森はホントに山梨らしい。 


この辺の山の盟主、金峰山はその代表です。 麓は明るいダケカンバ、中腹は石楠花と岩の仙人集会所。山頂はストーンサークルで宇宙と交信するミステリーゾーン。 

御巣鷹山や中津森は、金峰山の前衛の山ですね。

 岩の上に一杯岩きくらげが。 下山はけっこう楽でした。

 この林道に降りました。
山梨の奥には、一般の人が入れない立派な林道が一杯あります。 使われた形跡もそんなになく、林道を作る人の収入源になる以外は何が良いのだろうと思ったりします。

黒平の集落近くでスミレの群生が。 こちらはやっぱり里より少し遅いですね。


■ 奥昇仙峡を思わせる岩峰群?!

エアリアのマップにこの辺りは「奥昇仙峡を思わせる岩峰群」とあります。

それは和尚殿のことかもしれません。 女和尚、男和尚という名のついた岩があるそうです。

 女和尚。


男和尚。

金峰山の中腹にもいっぱい突き出た岩峰群があります。一番わかりやすいのは瑞牆山。

この辺はホント岩でできた山なんですよね。 昔は岩登りする人もたくさんいたのかな?

余談ですが、この山域の裏側、つまり北側は、長野県の川上村で、小川山という有名な岩ゲレンデがあります。 山梨側、南側だと、太刀岡山も岩登りの山と聞いています。まだ行ったことはありませんが。

今回は、地図読みがとても勉強になった山でした。地図読みは集中的に勉強した方がよく身に着くそうで、やるなら集中してやった方が良いのだそうです。

でも・・・岩登りにも同じこと言われているんですが・・・(汗) 今回は実際の山でロープを使う経験にもなってよかった。 

しかし、あの取り付き・・・普通の登山者は登れないなぁ(笑)一人で中津森に遊びに来たいと思っても、取り付きで挫折しそうですね(笑) まぁよじ登って登れないことはないと思いましたが。登れないことはないのと、そこを登りたいってのとは違うからなぁ。 





■ 関連ページ

地図読みで中津森へ
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2013/04/blog-post_14.html

リアル地図読み体験
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2013/04/blog-post_15.html

地形的な特徴と見つけづらいくぼ地
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2013/04/blog-post_4211.html

No comments:

Post a Comment