Monday, April 15, 2013

リアル地図読み体験 カシミール活用法


昨日は地図読みの勉強に山に行ったのですが…忘れないうちに感想を。今回のヤマレコ

■良かった点

★実物の尾根の大きさと、地形図上の大きさが、体感できた。

ことでした。

地図読みって、実際地図そのものを読む部分は、ほんの少しで、実際は地形を読む、というようなことになります。

が・・・地形を読むのは難しく、尾根の一つや二つ間違えるのはたやすいです。ということを、登山を始めてすぐのころ、大手の地図読みツアーに参加して学びました。

2Dである等高線の並びから、3Dの映像が浮かぶ・・・そのように、地形が想像できないといけない。

・・・のですが、つきつめると、サイズ感が分からないために、地形を見間違うことが多い。

山の1kmと町の1kmは違う。 というよりも、実は、山では距離より、標高差で考えた方が正解に近い。

なので、三種の神器は

 ・地図
 ・コンパス
 ・高度計

です。

昨日は、1プロセスごとに進む距離と標高差をあらかじめ計算してから行きましたが、実際歩いた時は、あまり距離と標高差を意識しておらず、もう少し意識が行き渡るべきだな、とは思いましたが、まずは地図読み山行の手始め、としては、まぁまぁだった気がします。

■ 反省点

★現在地の把握に、遠くに見える尾根を利用する
★現在地の把握に、ピークとコル以外のもの(道路などの位置関係)を利用する

私は、意識の上で、現在地の同定は

 ・今歩いているルート上のピークとコル

とだけ考えていたので、ルートを外した場合に、外したことに気が付くために、遠方のピークとの位置関係や、道路などの人工物の位置情報を利用する、という発想が欠けていました。

せっかく、「あれが○○っていうピーク」と言われても、「はぁ・・・(そうなんだ~)」っていう程度にしか反応できない。

反省して、予習に、周囲の位置関係をいれることにしました。予習がおろそかで、どう進むかのルートに対しては、注意を払ったものの、位置関係については、あまり意識をしていかなかった。

よって、正しい地図読みの予習法は・・・

≪正しい地図読み予習≫

①ルート上の現在地把握ポイントを記していく(行程に分ける)

②そのルート上から見えるはずのピークや人工物などをあらかじめ理解していく。違うものが見えたり、見えなかったら、ルートに乗っていないことがわかる。


①は正解へ至るため。②は不正解に気が付くため。 両方揃って、初めてリスク管理が万全ということになりますね。 

私はフェイルセーフが欠けていたのです。だから、正解のルートに乗っていても、目標点に到達するまで安心できなかったってわけですね。

ところで、予習以前ですが、地図読みの山行では(以外でも)、これくらいは準備が必要です。

≪基本の地図読み準備≫

 ・地図を用意する (2万5千)
 ・山や折りする
 ・磁北線を引いていく
 ・防水処理する
 ・水線と尾根線の概念図を作っていく


■ カシミールの利用のススメ

≪ルート作り≫

地図ソフトのカシミールで、ルートを作ることは、地図読みの良い予習になります。

なぜなら、マウスでルートを引くときには、ワンクリックで、ルートが引けることは絶対にないので、
マウスクリックで、細かくルートを分けます。

そのときクリックする点は、かならず、ルートのパターンが変わる点です。たとえば、方角が変わったり、緩急が変わったりする点ですね。

なので、マウスクリックの一つが、1行程、1プロセス、1ピッチ、というようなことになります。

こういう感じ。



1行程の取り方は、それぞれ個性があってよいと思いますが、おそらく、ピークとコルにだんだんと収束していくでしょう。 

ピークとコルはもっとも初歩的な現在地同定ポイントなのです。 その他、緩急が変わるところ、
支尾根との分岐点も方角が変わるため、1ピッチとなりやすいです。その他は、渡渉点。

・ピーク
・コル
・支尾根との分岐
・尾根と尾根がぶつかるところ
・渡渉点


ので、登山用の一般道であっても、カシミールでルートを作ってみることは意味がある。

これに慣れると、標高差や距離で山の難易度も分かるようになりますし。

グラフ表示では、緩急の差が表現されており、どれくらい登り、どれくらい下るのか?急なのか、ゆるいのか?をあらかじめ知ることができます。

≪3D表示≫

カシミールではある点から見える景色をカシバードで3D表示できます。

これは非常に便利な機能で、隣にある尾根が、今乗っている尾根から、どう見えるか、隣のピークがどう見えるかをあらかじめ知ることができます。


が、注意点は植生までは表現されていないので、実際には植生が邪魔してあまり見えなかったり
することもあることです。また人工物も立体的に見えるわけではありません。

が、位置関係の把握には大変良いです。特に威力を発揮するのは遠くの山座同定です。

主要な有名山岳であれば同定できます。が、問題は、地名です。名前が地図に載っていないと、もちろんですが、名前は表示されません。

≪復習に役立つ≫

カシミールでは、時間情報を照合させて、写真をルート上の位置に落としてくれます。


ちょっとみづらいですが、この画像のカメラマークがあるところでとった写真がこれです。あまり顕著な特徴のなさそうな、緩やかな尾根の上です。隣の崖は東寄りに行っても見えませんでした。



しかし、地図上の尾根、谷の感覚ではこのような画像しか得られません。 ずいぶん違いますね。

赤い角が見えているのは、次の目標点や遠くの山のピークがあちらにあるということを示しています。 この画像の場合は、目標点の中津森山頂のピークと、金峰山の山頂が大体同じラインにあったようです。



ので、実際に取ってきた写真をみると左右の二つの尾根は、地図で見るよりもっと顕著で、尾根らしい感じがします。

そして谷になっているところは、広い斜面です。 このような場合、とりあえず目標地点に向かっていれば、どこを歩いても良いです。歩くときは歩きやすい場所を選ぶます。 

これはちょっと、混んでいる梅田の御堂筋駅でどう改札にたどり着くか?に似ているかもしれません(笑)

つまりライン取りは自由ってことですね。 このように地図でみる地形と、実際の地形がどう違って見えるか?

そこを埋めるのが、地図読みの楽しさのうち、まずは初歩的な楽しみ、と言えるかもしれません。


■ 関連ページ

地図読みで中津森へ
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2013/04/blog-post_14.html

ハイグレードハイキング中津森
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2013/04/blog-post_7452.html

地形的な特徴と見つけづらいくぼ地
http://stps2snwmt.blogspot.jp/2013/04/blog-post_4211.html


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