大体ね~、ロープってものは、結ぶだけではだめで、”何かに結んで”意味があるんですよ!
で、何に結びますか? そりゃ~ カラビナに結び付けるか、自分に結び付けるか、別のロープに結びつけるか、そんなとこでしょう。
で、クローブヒッチは、結び目が動かなくて固く、でもほどくときは解けやすいのが特徴だそうです。
ので、用途その①は、自己確保用 です。
■ カラビナに結び付ける。
カラビナが安定した支点につながれていると仮定して、自己確保用にカラビナに結ぶケースになると、クローブヒッチが突然難しくなりました。
え?! さっきまで、ラクラクできていたのに・・・なんでっ?!
答えを今から、見つけていきましょう。
とりあえず、カラビナにロープを掛けます。
余談ですが、使うカラビナは、この場合自己確保を目的としているので、安全環付です。
そしてロープが動きやすいよう、HMS型、という、底辺の平べったいのが良いそうです。(使用しているのはHMS型)
そしてゲートがついている向きに着目です。
ゲートは右についていますね。これが後から効いてきます。
基本形を作ります。 よし!できた源氏パイ!
ピンボケしていてすみません。
基本形の形からすると、右の環は、左の環の上に重ねないといけません。
・・・が・・・できない・・・(汗)
このまま、カラビナに掛けると、互い違いに重ならないですね。
ココでしばし考察。
・ねじりが足りないのか? → もう一回捩じったところで、
重なり具合は変えられない。
・何が間違っているのか? 基本形はあってるぞ?
ハッキリ言って、この時点ではもう遅い!
最初から作り直しです!!
正解は、最初の基本形の選び方にありました。
最初に交差するロープが上になるような基本形を選ばないと、カラビナがある時はクローブヒッチを作れないです。
なぜなら、カラビナには掛けれる向きがあります。一度入れてしまった環の上に重ねることはできない。
カラビナがあると、入れた環の下にしか重ねられません。
ということで・・・最初から作り直し!
クロスする部分は上にします。 そうすると、あとで互い違いにするときに下に重ねることができるでしょう。
⑤
ですよね! この基本形なら、左の環の下に重ねると、互い違いに重なる。
⑥
このままカラビナに入れれば、
クローブヒッチ完成!
ちなみに輪を閉じるだけのムンターヒッチだと、どちら向きに閉じても結果は同じなので、最初の紐の向きはあまり深く考えなくても良いです。
ただ、手の動作を同じにして、最初のクロスの上下関係だけを変えるのが、体で覚え、頭考える部分をもっとも小さくできるかもしれませんね?
■ 結論
というわけで、結び目ができなかった理由は、最初に覚えた基本形が、カラビナに掛けることを前提とした時とは前後が逆だったからです。
なので、結び目の覚えるときは、最初の基本形を ”右に開いたゲートにひっかけて作る”前提で、基本形を選んで覚えるのが重要です。
なぜなら、ほとんどの人が右利きで、右手でカラビナを掛け、右手で結び目を作り、右側からセカンドの人が登ってくるという体制に、なりそうだからです。
つまり、この基本形。
カラビナに右からひっかけられる基本形 |
■ 手順で覚えない、原理で覚える
人間は概念を把握できないと、一つ一つの手順で覚えようとするようです。
しかし、ロープワークは手順で覚えるとダメです!
手順で覚えてしまうと、教えてくれる人によって、手順の表現が様々なので、教えてくれる人が変わるたび混乱します!
手順で覚えず、原理で覚える。それを再現するには、どうしたらいいか?
最初は10秒くらい考えるかもしれません。 それが5秒に、つぎに1秒に、となるほうが、この手順で覚えた、あの手順で覚えたより良いです。
なぜなら応用が利くからです。 覚えるのは一個。原理だけ。
■ 初心者に教えるとき
まずもって、初心者に教えるときは、最初に教えるイメージ図に要注意です。
そのままカラビナにひっかけた場合にも、すんなり行く基本形を与える。
そして、カラビナにひっかけるには、カラビナにいったん通したロープの上には別の環は、重ねられないので、下に重ねる向きしか使えないのだ、とちゃんと教える。
慣れている人はどっちでもいい、と最初言います。 確かにクローブヒッチをカラビナなしで単純につくるならどっちで作っても出来ますよね。
でも、実際つくる場面では、支点にくっついたカラビナに作るっていう制約があるのですから、実際はどっちでもは良くない!!
その制約がどういう風に影響しているか教えてほしいです。
カラビナのゲートは右が普通のようです。なら最初からその状況になったときに覚えなおしにならない基本形を覚えた方が良い。
ちなみに、今ここで書いているような原理のことは、ロープワーク講習会ではだれも教えてくれません!
手順ばっかり一杯教わっても、手段ばかりを与えて本質を教えない、ということに・・・。
覚えるべき手順ではなく、左右反転した環を互い違いにクロスさせる、という原理のほうです。
この記事は3部作です。
ひとつめ
ふたつめ
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