Sunday, August 3, 2014

薬師岳~苺平~大馴鹿山~御所山~青木鉱泉

■ インタレストグレードの高い山

今回も、またレインジャーで高山植物の調査に行っていました☆ 鳳凰三山。 

ああ~暑くて疲れた~!

けれど、マイナールートを選択したので、面白い旅でした♪

日本登山大系の編者でもある柏瀬裕之さんの本の中に、インタレストグレード、という話が出てきます。

登山をグレード分けするのに、難易度や体力を目安とした、”大きいほど良い、困難なほど良い”というアルパインの価値観を背景にするのではなく、”面白いほど良い”を価値観とした、グレーディングの試みです。

この鳳凰三山のレインジャーは、マイナールートを選んだのですが、これが、インタレストグレードの高い山、でした☆

登りに使った中道は、少々退屈な道でしたが、下山に使った、苺平~大馴鹿峠~千頭星山~御所山~青木鉱泉は、予想以上に変化があって面白い道でした☆


≪今回のルート解説≫

・青木鉱泉~中道~薬師岳: 山頂付近まで一本調子の登りが続き、少々単調。途中に御座石という巨岩と、岩峰から展望の良い場所がある。

・稜線: もちろん絶景。花崗岩のボルダ―祭り(笑)

・苺平~大馴鹿峠:悪路。すごい崩落痕が見れる。私は夜叉神からの道で見え隠れする崩落痕、どうなっているのだろうかと思っていたので、至近距離で見れてビックリ。山が傷口をぱっくり開けている感じ。 この崩落痕は沢につながる。

・大馴鹿峠付近: 笹原の気持ちの良い場所。南はのんびりしていて良いが、北面は崖。コントラストがスゴイ。

2つの小ピーク: この小ピークは、いつも地図読みで見るような、無個性な小ピークではない。れっきとした山で、かなり尖っている。木々に覆われているものの岩峰だった。ちょっとしたマルチピッチができるんでは?というくらいの感じ。岩はもろく、さざれ石化していて、登山道は歩きづらい。北面を巻く。巻くため、見た目ほど、あまり急ではない。

・千頭星山付近: また、これも笹原だが、花が多い。

・甘利山分岐~御所山: 笹原だが、花が少ない。

・御所山~青木鉱泉: すっかり里山の雰囲気で笹がなく、荒れており、登山道は分かりづらい。地図にある登山道は廃道になっていて架け替えられているので、あれた登山道を通るか、もしくは、地図読みする必要がある。 地図上の道は架け替えになっている。


















御所山では悪路でしたが、それはたぶん道が違っていたからです。1589と思っていたところはその先の尾根の頭でした。緑の線で降りれただろうと思います。下山の時は、尾根の末端の様子がよく分からないので慎重になってしまいますが・・・

ついていた道は、たぶん、電柱の作業道のようでした。登りでは使わないかも知れません。しかしずっと道を外していたことには気が付かなかった。妙に悪路だなとは思いましたが(笑)。


■ 写真集

 登り出しは林道ですが、林道を超えるとすぐに、コバイケイソウの大きな花が。
 アップです。
なんだったっけ?
 この岩は展望があります。
 薬師岳山頂でボルダリング!

 ↑ヒメシャジン

←オダマキは背中に角がある、と初めて教わりました。
オダマキアップ。

南御室小屋のわきで群落があります。

 これが、もっとも印象に残った大崩落地。

なんか、山というか、地球が傷口をぱっくり開けている感じだ。

でも雪が降ったら雪渓、と言える様子になりそう。

ここで墜ちたら最悪だろうな~。

この立っているところも、下はえぐれていて怖い。


 また見えた。

雨の痕も見える。

 一転してのどかで、穏やかな笹原の大馴鹿峠。


 その先のピークが、あまりに顕著なのに、無名でびっくり。

あれを登るのか!と、ええ~?!と思いますが、実際はそんなにキツイ登りはアリマセン。手前のピークは巻きます。

が、岩山です。すごくもろそうな感じです。

でもハーネス、ロープが必要だな~って感じ。
 岩に咲いていた車ユリ。

 二つのピークの間はこんなルンゼです。

その先にはすぐ崩落痕があり、その崩落痕の開始点をトラバース・・・

ここはフィックスロープが出ています。

そこにサラシナショウマの群落。


 同じ場所から振り返る・・・

すごい崩落だったな~!


 あんなにはっきりしたピークなのに・・・地図ではちんまり。

 サルオガセは、老木についているもの・・・

のんびりした笹原のいい感じのところです。

笹原は、鹿が食べなければ、おそらく良い感じのお花畑の草原だったんだろうな~と思わせる楽園。

 車ユリ。似ているものに、コオニユリがあります。

 千頭星山は山梨百名山らしい。
 甘利山分岐から御所山へ。
 熊の仕業?

御所山から先はとても道が悪いのです。地図読みが必要です。

1589のピークだと思っていた場所は、そこを行き過ぎた先の尾根の頭でした(汗)

地図読みして沢に向かって降りるのが良いと思います。

登山道は歩きづらく、地図的に合理性がない。尾根から降りて、沢地形の方に降りていくと急なところを避けられます。

要は丸沢の堰堤とその先にある青木鉱泉をコンパスで目指せばよい。右に行かず左寄りに行けば、コンパスも厳密でなくても大丈夫そうです。
途中、岩にイワタバコを発見。

沢じゃなくてもあるんですね~!

最後は青木鉱泉でお風呂に入り、スッキリ!

最後は双葉の天然酵母パンのプラテーロさんによって山の古書、アルプを見せてもらい、ついでにお茶にも呼ばれてしまい、ゆとりを持って帰ってきました。

初日は暑く登りでバテバテでしたが、翌日はほどよく、曇りで、花は多くはなかったのですが、色々な発見がありました。

花の名前は明日にもまた調べます☆

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