Tuesday, August 26, 2014

セカンド力 < リード力 < リーダー力 < ガイド力 のピラミッド

週末は色々なことが起りました。消化するのも時間が必要です(^^;)。

■ セカンド力 < リード力 < リーダー力 < ガイド力 のピラミッド

まず一点目は、

 実力とは何か?

ということ。 結局、総括すると

あるグレードの課題をセカンドで登る力が10だとすると、(登攀力)

ゲレンデのリードで登るには、20くらいの力が必要です。(登攀力+精神力)
 
ルートの内の1ルートをリードで登る力は、40くらいの力がさらに必要 (登攀+精神力+ルートファインディング力+技術力)

ルートを含む山行全体を成立させるには、50くらいの力がさらに必要 (登攀力+精神力+ルートファインディング力+技術力+体力+知識+判断力) 

ということだと思います。

 ・支点をどうしようかと考えたり、
 ・ロープの流れを考えたり、
 ・フォローはココで苦労するだろうと予想したり
 ・これでは振られると想像したり
 ・雨が降りそうだから急ごうと思ったり

・・・色々と他にも心配する要素があるので、ただ登れるだけでは、その先が読めず、アップアップになります。

トップロープ(セカンド)で、A課題が登れると、技術的には、その課題が登れることになります。

しかし、これでは、ただその課題が含まれるルートに連れて行ってもらう、ガイド登山してもらえる力にすぎません。私の5.9ですね。

そのA課題をゲレンデのリードで登れる、ということは、ルートファインディングしなくていいなら、登れることになります。ゲレンデだと支点があらかじめ設定されているので、どこへ向かって登るか?というのは、まったく考えなくて良いからです。

しかし、ルートでは、支点が整備されていない。ので、登攀的には易しくても、どう進むか?自分で考えないといけません。ルートファインディングに加え、支点作成、ロープワークが必要になりますし、後続を確保するのにも、後続の確保が的確でないと確保にならないです。

さらに、A課題が含まれる一泊二日等の山行が成立できる、ということは、クライミングに加えて、さらに、山行の成立に、必要な企画力や情報収集力、無理のないコースタイムを組む力、、地形や天気についての状況判断力、生活技術、装備の選択、パッキング、ペース配分、などの山行全体の経験力がモノを言います。

登れても、パッキングが悪く、ヘッドライト出すのに30分もかかった人を見たことがあります。アイスですが、これではルートだけは登れても、時間管理がお粗末なので、高山には行けません。ヘッドライト出している間に仲間が凍ってしまいます。

なので、山のトータル力というのはこういう意味です。これがあって、自分で山行を成立させる力がある、ということで、仲間同士で、つるべで行ける、という力です。

仲間がいれば、自分の欠けている能力を補ってもらうこともできます。たとえば地図が苦手でも、得意な人が一人いれば、道迷いリスクからは解放されます。ロープワークが苦手でも、やりたい人がいれば、やってもらえます。つまり、グループ全体で総合力が山行を成立させる力になる。

ところが、他の人を自分がリーダーとして連れて行こう、とすると、さらに10の力が必要になります。他メンバーに補ってもらっていた部分も自前になるからです。

安全対策力(情報収集能力、解析能力、登山全般の知識、危険を回避する動物的勘(経験?)です。リーダーはパーティの安全にメンバーより大きな責任を負います。リーダーが面倒がって、ロープを出さず、メンバーが転んだら、やっぱりリーダーの判断が間違っていたのです。でも、これは山岳会なら、転んだ個人の責任です。

ところが、転んだ当人の責任に帰すことができないのが、いうなれば、ガイド山行。 この場合は、相手の登攀力を見極めて、的確にアシストする力も必要なので、人間観察力とこういう登り方をしているなら、これくらいは登れるだろうという経験も必要になり、さらに実力の意味するところの中身が濃厚になります。 自分のことでいっぱいだったら、人のことにかまけている暇はない。

このレベルがガイドさんと言う事なので、逆に言うなら、ガイドさんと登るならば、連れて行ってもらう側は、それだけ力が要らないということですね。歩くだけ、登るだけ。それも連れて行ってくれる人は保守的に連れて行く側の力を勘案しています。

私も自分で登るときは厳冬期の鳳凰三山とか行きますが、人を連れて行くときは北横岳です。

だから、ガイドさんと登っても、全然、実力にはならないってわけです。何になるか?というと下見になる。

セカンド力 登攀力
ゲレンデリード 登攀力+精神力
ルートリード 登攀力+精神力+ルートファインディング力+支点作成力+ロープワーク
ルートリーダー 登攀力+精神力+ルートファインディング力+支点作成力+ロープワーク
+行程管理能力+危機管理能力
山行リーダー 登攀力+精神力+ルートファインディング力+支点作成力+ロープワーク
+工程管理能力+危機管理能力+山の知識+状況判断力+体力+安全管理能力
ガイド 登攀力+精神力+ルートファインディング力+支点作成力+ロープワーク
+工程管理能力+危機管理能力+山の知識+状況判断力+体力+安全管理能力+相手の力を見極める力+登らせる力(経験)

こうしてみると、ガイドさんってホントにスゴイ人たちですね!

大きな差は、危機管理能力です。ついていくだけの人は、リスクに無頓着です。リスクに無頓着な人は、ついていくだけしかできません。

そういう意味では単独で始めると言うのは、リスクについて最初から大きく数える癖がつくので良いことだと思います。

■ 人工壁vs本番

そして、2点目はやっぱり、登山における歩く力、と同じように、基礎力は、クライミング力だ、というところです。

 登山 = 歩く力
 登攀 = 登る力

クライミング力があると、セカンドになってもらうのに安心できます。リードする人も勉強中だし、自分のことでいっぱいいっぱいであることが多いからです。

さらに言えば、危機管理能力などの、他の要素は、周囲の人が補うことができるけれども、登攀力だけは本人しかどうしようもない。なので、登攀力さえあれば、他の能力がイマイチでもセカンドの候補者としては成立します。

しかし、トレッドミルの上で歩くのと、山で歩くのが違う、というような差が、人工壁で登るのと自然の岩場で登るのが違うというくらいの差があります。

 歩き  トレッドミル vs 山
 登攀  人工壁 vs 外岩

先日、三つ峠で会ったクライマーは、

 外岩3:インドア1

くらいの割合で練習すると良いと言っていました。そうできたらいいですが、実際はそうはできません。割合は 逆に、人工壁3、外岩1みたいな割合になってしまいます。

 人工壁=出っ張ったホールド ホールドを探さなくて良い スタンスも固定 2点支持
 外岩=ホールドを探さないとならない スタンスは自由 3点支持、外部環境の影響を受ける

登り方自体もだいぶ違います。外岩は押す、インドアは引く、です。外で引いたら岩が外れます(--;)。

これは易しい岩稜を何度もこなすことで力が付いてくるものではないかと思います。

■ 背伸びの山から学ぶこと

私にとって、太刀岡山左岩稜は、初めての本格アルパインルートでした。 (にしては、難しい場所に行ってしまいました・・・)

ところが、びっくりしたことに、カムに体重を預けることを今ではまったく不安に思っていません。カム、当然化。

私、自分のカムは完全にAゼロ用(笑)になっていましたので、カムが信用できなくて、体重が預けられない!なんてこと言っている場合では無かったんです…(^^;)

気が付いたら、ハンドジャムの代わりにカムを入れてました(^^;)。信用できない不慣れなハンドジャムより、信頼できるカム(笑)。片手ジャム+カムって感じです。

これは、初めてアイスクライミングの体験クライミングに行った時と同じです。初めてのアイスでは、たった3登しかしていないのに、腕がパンパンになってしまい(当時はクライミングジムも行っていない)、気が付いたら、ロープを完全に信用して、ぶら下がっていました。

それ以前は、ロープ自体が怖かったのです。でも体験クライミングをしたら、トップロープにぶら下がるのは、前提になっていました。こんな細いロープにぶら下がるなんて、こわーいとは全然考えなくなっていたのです。

背伸びの山に連れて行ってもらうのは、こんな意味があるんだな~と実感中です。もうカムを信用できないなんてことはないです。それに、ジャミング練習したくなりました。モチベーション、いきなりアップです。

山ではワンランク上を経験することは、こんな風な効果があるんですね。

■ 実力相応の山から学ぶこと

ズミ沢は私の実力相応の山です。

当然ですが、登らせてもらった山より、簡単でも自分で登れた山がうれしい。

ので、こちらはとっても充実感がありました。なんというか全体像が見渡せる感じです。

この沢なら一人でも歩けるな、と記録等を読んで、判断できたのは、これまで連れて行ってもらった沢の経験からだと思います。まだ沢は、5山行しか経験がありません。うち、2つが泊まりです。

私の判断の基準は、やはり東沢釜ノ沢です。

モロクボ沢は釜の沢より易しかったのですが、一か所高巻くところがあり、それはロープが出ました。つまり、保守的な判断では、私のクライミング力では、フリーソロはアブナイってことですね。

私は河原のゴーロ歩きも今上達しないといけないという段階にいるので、ウォーターウォーキングが、今、私の実力にマッチしている沢です。

ズミ沢は、ゆとりがある山なので、興味がわき、地図を調べたり、色々な楽しみ方ができました。

そこで発見したのが曲り沢。ズミ沢は滝子山登山道沿いですが、大谷ヶ丸に詰める沢です。同じ山に詰める、稜線向こうの沢で、曲り沢があります。この沢は歩ける沢なので、とても行ってみたくなりました。というのは、沢継続が作れるかもしれないから。

というわけで、こういう実力相応の山(自分の山)からしか、こうしたら楽しいかも?ああしたら楽しいかも?という発想の発展性というのは、望めないものなのかもしれません。

■ 易しい岩場としての沢

外岩は自然の気象条件にも快適度が左右されるので、正直、真夏と真冬は岩シーズンではない、です。岩はオフシーズンです。 

だから高山のマルチに皆行くので、高山が快適なシーズン突入前に、実力等、準備が出来ていないといけないですね、本来は。

ところが、岩を志向する人むけに、オフシーズン対策として沢という手があります。岩オフシーズンに、易しい岩登りの経験を積む手段としての沢です。 

沢は危険が大きいですが、アルパインの岩稜も同じくらい危険が大きいです。

水があるかないか?の差くらいです。支点も乏しいし…危険についての認識は、岩尾根より、より多く、必要なくらいです。滑りやすいですし・・・。

沢だと易しい岩登りが何回も出てくるので、ルートファインディングの練習になります。実際の地形を見る力は現場でしか培いようがないので、インドアより沢のほうが実力が付くような気がします。

なにより、夏は暑いので、近所で岩登りの練習をしたい!=沢になります(笑)。

私は沢登りで、チャレンジ系の沢に登りたいというのはないので、沢の位置づけとしては、山の自然の造形を愉しむ、夏の楽しみでいいと思っています。

こんなところが私が登りたいなという沢です。

≪ご近所沢リスト≫
・御坂 四十八滝沢 少し難しいが御坂山岳会所属だし、知らなかったらモグリかな~と。
・御坂 コウモリ沢 同じ理由
・奥地秩父 伝丈沢・金石沢 裏山の初級の沢
・奥秩父 滝川本流 
・奥秩父 ナメラ沢 地元
・奥秩父 ヌク沢  地元
・釜ノ沢 西俣   地元
・奥秩父 赤川水系大若沢 
・芦川 横沢 やや中級
・芦川 濁沢 
・芦川 蛇沢
・大菩薩 曲り沢(WW) 歩ける
・大菩薩 大黒茂沢   興味あり
・大菩薩 釜入沢 

遠出系
・白毛門沢
・米子沢  景観に魅かれる


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