Tuesday, August 12, 2014

山は総合力 バットレスは1年目では難しいですね

■山は総合力

山は総合力なんだが、そのことが分からない人は多い。

というのも、総合力って言われても、漠然としていて、つかみどころがないのがその理由だ。

総合力その1は、行き先を自分で選べる力だ。 

ガイドブックを見ても良いから、自分の現在の力にあった山を選べなければ、すぐ遭難してしまう。

よくガイドさんの苦言にあるのは、高尾山に行って、その次にすぐに北穂に行ってしまう若い人など。それを自分で選べない人が増えているのが、昨今。

高尾山は山の定数13くらいだが、北穂は60. つまり5倍ほど難しい。天気をシビアに判断しないといけないし、装備もそうだ。

自分に何が出来て、何ができないのか、見極める力、が必要だ。

■ 本チャンクライマーを作る、現実的なプラン

私は今年がマルチピッチ1年生です。一般的に登山をする人は、クライミングをしないので、クライミングは元年です。

最近、北岳バットレス第四尾根を目指して頑張っていますが、1シーズン目での達成には、無理があると結論しつつあります。

一般に

1年目: 単純にスポーツクライミングを愉しむ
2年目: 外岩スポーツルートのリードを開始: (クライミングを始めてから1年後)
3年目: アイスのリード、マルチピッチのリード

となるのが、現実的で、無理のない自然な進捗のようです。そうこうしているうちに、先輩に色々連れて行ってもらって、

 ・マルチピッチのクライミング自体の経験値を積む

となるのが理想でしょう。マルチピッチは特に経験だと思います。

私の経験から行っても、バリエーションは一般ルートと違い、現場でしか分からないことが多いですから。

会の女性クライマーは、マルチを自分でリードしようと意識し1年かかったそうです。

逆に言えば、プレッシャーではない、内発的な自覚を期待するためには、漫然とよく分からないまま、セカンドとして、先輩の後について、丸2年くらいは、経験値を積むために下肥として、入れてやる必要があるわけですね。

もちろん、そのまま漫然と先輩について歩くと 万年セカンド、になりますから、漫然とではなく、意識的に、自分がトップで登るつもりのほうが上達がより速いわけですが、特に早くトップを登れと言うプレッシャーを与えなければ、自分でトップを登れるという自信が、自然発生的に生まれるのに、これくらいはかかるという意味ではないでしょうか?

クライミングの筋肉は3か月ではつきませんし、マルチではスポーツクライミングのゲレンデと違って落ちれません。

≪本チャンつるべデビューの条件≫
①外岩スポーツクライミングのリードで10a
②支点の作成や懸垂下降が正確に行える
③危険予測が出来る(落石、天候など山の総合力)

です。

そのために必要な経験、を蓄積するために必要な期間が

・楽しいクライミング1年
・意識的な外岩リード1年

だと思います。

三つ峠マルチピッチをセカンドで1度、連れて行ってもらっただけで、2度目にリードしている私は、急ぎすぎだと結論しました。

私は、登山から、一つ一つステップアップしてきた登山者なので、危険予知能力が優れています。

その危険予知能力と言うのは、このままのペースで行けば、怪我をするな、とか、このロープワークの稚拙さで行くと、時間がかかりすぎ、ヘッデン下山になるな、などを含めた危険予知能力です。

ほとんどのセカンド専門登山者の人に欠けているのは、これです。なぜ危険が認知できないのか?というと、ずっとトップに何もかもお任せなので、

自分が出来て、何ができないのか、見極める力



そのために自分でプログラムを考えて努力する力

が欠けているからです。 単純に言えば、独学力、です。

もちろん、教えてもらわないとできないことは教えてもらう、という判断を含めて、の独学力、です。

上記の本チャンつるべデビューの条件を考えてみると、私は

①スポーツルート まだ5.7リードレベルです。今は5級マスターを目指しています。

②支点、懸垂下降は、アルパイン1年生としては十分なレベルです。 

③危険予測はできますが、予測できた危険に対応する力が、未対応かもしれません。

四尾根は途中で敗退しても、登っても同じくらい時間がかかってしまい、逆に敗退の方が、落石などの危険が大きく難しい、というリスクがあります。

となると、落雷が迫ってきそうだったら、ぬれねずみでビバークするしかなくなります。
時間切れで夕方になってしまったら、夜間登攀はありえないので、またビバーク。

ルートを間違ってしまったら???ビバークして済めばいいけど、進退窮まりますねー。

ギリギリ山頂についたとしても、一般道の下山も夜間は危ないので、できれば、しないほうが好ましい、となると山頂ビバークです。

①はそう急いでもつくものではありませんし、何より、自分の登攀力は、自分自身を守るものです。

他の二つは自分を含め、パートナーを守るものです。

No comments:

Post a Comment