Sunday, August 10, 2014

三浦雄一郎さんの山のルート定数

■ 台風11号&秋

今日は台風11号の影響が直撃で、楽しみにしていた岩登りが中止になってしまいました(><)。

窓の外では、最近始まった蝉の音がウルサイですが、暦の上では秋の始まり。この台風で山はもう、ほんのり秋の気配になったかもしれませんね~。 

私が小屋バイトしていた去年は、7月の北アは、中高年がとても多かったです。8月になると、若い人のテント泊が途端に増えました。 私も7月はちょっとなーという感じでしたが、8月は自分のために山に行きたいと思います。

■ 岩場ではアプローチこそ、気を付けよう!

先日、瑞牆山に岩登りに行った時に、滑落しました。

ちょっと転んだ、というのではなく、7~8mも、でんぐり返しをする、正真正銘の滑落です(汗)。転落して、側頭部を打ち、今も固いものが噛めません。

登攀中ではなくて、岩場の帰り、というのは、よくある典型的なケース、なのだそうです。それを知ってびっくり。

岩場ではロープをつけているから、落ちるのは実はそう危険ではありません。が、岩場の前後、アプローチは登山道ではないため、整備されておらず、道が細かったり、踏み固められていなかったり、障害物があったりで、実は歩きづらいです。

が、ちょっとだから、という理由でアプローチシューズで行きます。ので、時間的に短いといえ、危険は、だいぶランクアップしています。今度から、岩場の帰りはヘルメット着用ですね。 特に下山時は事故が多いので。

■ 疲れを見極める努力

原因というか、こうした転滑落の土壌になった要因は、色々と考えられます。人間は納得したい生き物なので、どれも後から考えて、納得するためのものです。事故は起きてしまってから、何とでも原因をいえます。 それよりも、大事なのは、この経験を生かすこと、です。

直接的には

 ・ザックが重かった
 ・腹筋に力が入っていなかった
 ・登山道でない道を歩くのにふさわしい靴ではななかった(スカルパモジト)

遠因的には

 ・前日山で疲れていた
 ・体幹部のトレーニング不足

≪対策≫
・岩場のアプローチには細心の注意を払う
・帰りはヘルメットを被ったままにする
・より良いアプローチシューズを履く (モジトよりキャンプフォーが良いと思います)
・疲れに敏感になる
・自分をよく知る
・トレーニングを行う 
・重いザックに慣れる

■ 疲れを自己評価する

その疲れですが、私にとって疲れの段階を、1~10で表現したとすると、この前の日に行っていた鳳凰三山の疲れは、だいたいくらいです。結構しんどかったのですが、帰りに寄り道しているし、まだ余裕がありました。 

実は、私はそもそも、まだへばったことがないのです…。女性は100%の力を出し切る、ということが、そもそも女性という性の役割からできないようになっているそうです。

ただ、私は体質的に、子供のころから夏の暑いときは、暑さに弱いです。なので、夏山の暑い尾根は苦手です。何しろホットヨガを教えていますから、汗をかくとか暑所に馴化するとかは他の人より出来ているはずなのに、です。自己評価の感じでいくと、これが普通の気温なら、疲れは6くらいだな~と思います。

前の日も疲れが、くらいでした。前の日の方が暑くて、登りメインだったので疲れていました。

■ 山の定数

前置きが長すぎましたが、滑落した前日の鳳凰三山が、どれくらいの強度の運動だったのか?を目安として、把握する必要があります。

そこで役立ちそうなのが、山の定数です。これは山の難易度を客観的に計算しよう、という試みです。 三浦雄一郎さんの
  で紹介されていますが、長野県のほうでも提唱中のようです。

こちらに説明があります。≪信州山のグレーディング≫ ≪山のグレード

山の難易度というのは、実は各ガイドブックでバラバラです。たぶん、なんとなくという感覚的なもので、決められているようなので、誰もが同じ数字をはじき出せる公式は、山の難易度判定にブレがなくて良いのではないか?と思います。

まぁ、歩きやすい道とそうでない道が同じ難易度になってしまうのでは、良くないと言う気もしますが。

余談ですが、ヤマレコでは、みなが登録した膨大なGPSデータがあると思うので、それを基に、皆が歩いた実際のデータで標準コースタイムを割り出せると思います。Googleマップは実際そうなっているのではないかなぁ・・・というのは、標準コースタイムって、北アでは甘く、藪山で辛いです。やっぱり藪山を歩く人の方が、健脚なんですよね・・・。

で、数式ですが、これです。

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ルート定数=   1.8 × (行動時間)
         + 0.3 ×距離
         + 10.0 × 登り累積標高
         + 0.6 × 下り累積標高

登山消費カロリー = (ルート定数) × (体重Kg) + (荷物の重さ)

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前日の鳳凰三山に当てはめます。
8月3日 下山
8月2日 登り




行動時間:7時間15分
距離: 15.340km
登り累積標高 km:2.229km
下り累積標高 Km:3.665km

ルート定数=
 1.8 ×(7h)        = 12.6
 +0.3 × (15.34km) = 4.6
 +10×(2.2km)      = 22
 +0.6×(3.7km)     = 2.2
                  = 41.4

となります。これは大体、五竜岳を日帰りピストンしたくらいです。(片道なのにね~ ーー;)

前日の登りで、暑くて大変バテたので、その分を計算してみると…

行動時間:8時間
距離: 13.3km
登り累積標高 km:3.440km
下り累積標高 Km:2.106km

ルート定数=
 1.8 ×(8h)        = 14.4
 +0.3 × (13.3km) = 3.99
 +10×(3.4km)      = 34
 +0.6×(2.1km)    = 1.26
                =53.65

となり、結構大変です。 高尾山の3.8倍大変ってことです。

連日の登山で疲れた、というのはありそうです。ちなみに、こちらのサイトに各山のルート定数が掲載されています。 ヤマレコなどの企画ツールにも記載が欲しいですね。

参考までに各山の山のルート定数を上げておきます。

≪メジャーな山のルート定数≫
赤岳 29.4
権現 30.8
天狗岳 23.1
五竜 42.4
八峰キレット 64.0
仙丈ヶ岳 28.3
前穂 39.5
高尾山 13.9

■ ルート定数を使ってカロリーも計算できます

バテは、必要カロリーを取らなかったことでも、起こります。ルート定数はカロリー計算に使えます。

ちなみに

消費カロリー =(41.4) × (48kg + 6kg) = 2235 Kcal
消費カロリー=(53.7) × (54kg)= 2897 Kcal

となりますが、登山における、消費カロリーの計算には他の方法もあります。詳細はこちらの記事を・・・登山と体力、見える化が大事

  消費カロリー(kcal)=1.05 × メッツ × 時間 × 体重(kg)

一般的な登山は7メッツと言われています。(水泳は15メッツ)

1.05 × 7メッツ × 7H × 54(kg) = 2932Kcal
1.05 × 7メッツ × 8H × 54(kg) = 3175Kcal

登りメインの初日では、両方の計算式で、近い数字が出ていますが、翌日の下りメインの日は、700Kcal近い違いが出ました…

つまり、この山の定数は、下りに甘く、登りにカラいということですね。

考えてみると、平坦な所の歩きの定数が0.3で、下りが0.6、と、下りは平坦な所の倍なのに、登りは、いきなり10と、登りの苦しさがすごく過大評価されているような気がしないでもありません。

何しろ、平坦なところの3としたら、登りが100ですよ?33倍までは苦しくないかも…

まぁ一応の目安と言うことですが、私は暑さにとても弱いので、山の定数が40を超えたら、疲れが7くらいでも、イエローゾーンと覚えておこうかな~。

振り返ってみると行動食は、ちょっとカロリーが不足したかもしれません。

ちなみにこの計算式を計算するのは、大変面倒です。のでこんな簡易計算サイトを利用してもいいかもしれません。

登山の消費カロリー計算

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