私は登山歴まだ4年と短いのですが、先輩に恵まれ本当にありがたいです。
クライミング力を上げることだけしかしないスポーツクライミングと違い、アルパインスタイルだと、山の中のいろいろな状況に対応しないといけません。
自然環境には様々な条件があります。岩もあれば、雪もあり、そして川だってあります。
それぞれの対象について対応力がついていくのが山の楽しさ。
なので、技術を色々と使い分けることがもっとも適切であり、それが山の楽しさでもあります。
しかし、初心者は様々な状況に思い至らない…という意味の無知により、自ら学ぶという備えについては、想像力の限界があります。
そこが先輩が必要な所。先輩は後輩が通ってきた道を通っているので、よく分かるはずだからです。
知らないリスクに備えようにも実感として分からない、ということがある。
私のブログもある意味、アルパイン1年生から、1年生へのバトンタッチと言えますね。
■ ATCガイドとエイト環
たとえばアルパインの要素には、岩・雪のほか、沢が入ると水という要素も出てきます。
確保はそれぞれの状況下で適切なデバイスを使うのがよろしい。
というわけで、メリットとデメリットをまとめておきます。
ちなみに、主に岩と沢では、リスク受容の考え方がだいぶ違います。沢は大変危険なのでなんでもあり!の世界です。
私は海ですがダイビングの経験があるのですが、水中でロープが流れないと溺死して非常に危険です!
≪ATCガイド≫ ≪エイト環≫
セカンドの確保 ロックされる ロックされない
デメリット ロープを簡単に流せない ロープが簡単に流せる
懸垂下降 加熱されやすい 熱くなりにくい
メリットはデメリット、ともなりえます。ので、状況に合わせるのがベストです。それを考えるのがアルパインの楽しさです。(でも、なぜそれを教えてくれる山やは少ないのでしょう?)
要点は、ロープが双方向に流れるか、一方向にしか流れないか、です。
双方向に流れない確保で、セカンドを確保していて、滝の中で墜ちられたら、ロープを早く出してあげないと死んじゃいます。
しかし、状況次第なのです。ただ考えられる状況って、実はそんなには多くないと思います。
≪状況の例≫
1)ハングで宙吊り
2)トラバースでの墜落(元居た場所に帰れないため、地上にローワーダウンしたい時)
3)斜上ラインで墜落(同上)
何らかの事情で動けなくなったら・・・?必ずローワーダウンが必要になります。ローワーダウンが必要になるとなると、ムンターが必要になりますね。
引き揚げが必要になると、3分の1システムが必要になります。別にガイドやレスキューでなくても必要に・・・。
というわけで、大雑把には、
エイト環=沢
ATCガイド=岩
として、おくとよいのかもしれません。 私は講習では「エイト環で下降してもよいですか」と聞いたら、講師は快諾でした☆
■ まずは確保力ありき
しかし、最も大事なことは、クライミンググレードを上げる前に、確保理論をきちんと理解することです。
しかし、この確保については地味な技術のため、まったく確保について理解していない人が多すぎます。
それは講習の在り方にも問題があるかもしれません。
まずもって、確保が理解できない人にはリードクライミングを教えないようにしたほうがいいのかもしれません。
登れるだけで、自分で自分の身を守ることができないクライマーが量産されている現状を最近知りつつあります・・・。
スポーツクライミングのみの人が、アルパインにステップアップするには、覚えなおしが一杯かもしれません。外の方がリスクが大きいからです。
たとえば昨日ですが、インドアのボルジムでは、終了点の確保にヌンチャクを使えと言われました(危なーい!安環ついていない!)。私が、ナイロンスリングと安環付のビナの確保を持っているにも関わらず、です。教えてくれた人は、アルパインクライミングをしない人に違いありません。ものすごく自信をもって、私のセルフがまちがっているかのようなことを言っていました。信用するべからず。
アルパインのセルフビレイは、スリング+安環付ビナ または PAS です。スポーツクライミングの人にヌンチャクで良い、と言われたら、波風を立てないために、「はいはい」と聞いておきましょう(^^;
)。 たしかにそこでは別にヌンチャクで良いのですから...。
スポーツクライミングから、アルパインに移行するにしたがって必要になる技術、その中でも確保は重要です。相手の確保ができない間は本番には行かなくていいのではないかと思います。
私はスポーツクライミングも何も知らない登山者の状態で、アルパインに入りました。
つまり、近年まれにみるオーソドックスに成長しつつある、クライマーってことですね。イマドキ珍しい人材かもしれません。
このまま沢ヤになる予定です(笑)
アルパイン |
スポーツクライミング |
http://ishidatozanjukunisshi.blogspot.jp/2013/08/blog-post_4081.html
スリングの取説にはセルフビレイの図が載っています
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