モノゴトというものは、その人にとって、特別な意味がいつもあるものです。
私にとって大人から始めたバレエは一つの自己変革でした。
小さいころ、私はいとこのお兄ちゃんのお下がりを着せられていたし、フリルやピンク色とは全く無縁で、男の子と間違われる子供でした。
女の子らしい、可愛らしいというのは、妹の専売特許だと思っていたのです。それに運動も弟の専売特許と思って育ちました。
そのため、バレエは、「女の子らしいこと=恥ずかしい」という構図を克服するための、一つの課題でした。
闘志を燃やすスポーツにも、柔らかな女の子らしさにも、否定的とまでは行かなくとも、自分とは無関係なこと、という考えを持っていました。
■ 古いアイデンティティを手放す
ある人が、何かに先入観や否定的な考えを持っている時、それは、自分のアイデンティティが脅かされる、と感じているのだと思います。
たとえば、女性の登山者を自立した登山者として扱わず、特別扱いする人は、自分の男性性が脅かされるように感じるのかも知れませんし、このインターネット全盛時代に、ネットを毛嫌いする人は、自分の技能が古くなっていくことへの脅威と感じるのかもしれません。
私は女の子らしさを否定することで、自分の何が脅かされると考えていたのか?
可愛らしさ、ということは、母の役に立たないという事でした。つまり、かわいい”だけ”ですね。
私は役に立つことを自我の拠り所としていたのです。役に立たない私なんて、誰にも求められないと思っていました。
運動が得意な立場は、弟に明け渡していたので、私は自分の担当は勉強だと思っていました。
それは、結局は、母の思想、母が想定した子供たちへの役割を反映していたわけで、私自身の得意不得意を反映したものではなかったのです。
自分の可能性を否定するのはよくありません。
■ 岩
登山の中で、私にとって、岩は同じような感じです。古いアイデンティティに対するチャレンジです。
私の古いアイデンティティとは
・あんまり夢中になるのは怖い (統制がとれた状態が好き)
・闘志を燃やすのは好きでない (岩では、ここぞという時にハイパワーがいるようです)
・無理が嫌い (岩では多少の無理は当然のようです)
でも、まぁ私は確固として、雪が好き。それに沢もしたいのです。
そうなると、3級が楽に登れるくらいまでは岩頑張らないといけません。
効率よく岩登りに上達するには、一時期クレイジーな時期を過ごさねばならないそうです。
クレイジーになる… もしかして、これが私が一番苦手なことかもしれません。Let it go です。もう、アメリカでは嫌になるほど、Let it Goと言われました・・・日本では、もっと型にはまれと言われるんですが(汗)
何しろ、私の一番の強みは、中庸。中肉中背。良識。可もなく不可もなく。統制がとれたスキルセット。
つまり、私は通知簿に例えるとぜーんぶ4のタイプです。何か一つ得意科目があって、それが5っていうタイプではないのです。英語も数学も国語も4、みたいな優等生タイプ。それは、逆に言えば、子供のころから、自己統制がかなりイケテるという意味です。子供大人だったわけですね。
なので、今、私は大人になって、大人子供をしないといけなくなったのです・・・。子供に戻れと。困ったなぁ・・・。
でも、もしかして、岩、そんなに苦手じゃないのかもしれません。
それとも、すっごい苦手かもしれません。
それは、正直な所、どっちなのか、やってみないと分かりません。
つまり、未知なる世界なのです。 なので、自分に制限を設けないのが大事なのですが、それが私にとって、とっても難しいのが岩。
女性の先輩の後姿を見て、マネしてついていく・・・というのが、作戦かな。
No comments:
Post a Comment