Wednesday, May 21, 2014

ザイルを伸ばすということ

■ 未知との遭遇

今日は甲府は雨です。

昨日はボルダリングジムに行っていました。が、ボルダリングはほとんどせず…。

驚いたことに、リード以外全く興味が湧かなくなっていました。

ドウシテダロウ???

私にとっては登山が新鮮だったのは、自然を怖いと思っていたからです。変な思い込みがありました。

子供の頃のキャンプ体験は悲惨体験ばかりでした。暑さ寒さも不快だし、キャンプ場は不潔だし、蛾は寄ってくるし、私は虫大嫌いです。子供は自己防衛力が弱いからですね。子供が自然を嫌うのは、生命の保存の原則に従っているだけなのかもしれません。

そういうわけで、やまというのは、私自身にとって、未知なもの(それゆえに怖いもの)である、自然におそるおそる近づいて行く…そして、実はそんなに怖いものではなかったという発見をする、そして、自分がだいじょうぶ、快適だと思える領域を広げていく…というアクティビティなんです。

その安心領域の広げ方…が、登山だと、最初は小屋泊し、それからテント泊へと安心領域を拡大していきますが、岩だと、ヌンチャクのクリッピングでした(笑)

私にとって、ぬんちゃくはまさに、恐る恐る出かけたハイキングの一歩に当たるもの…

ぬんちゃくを掛けるたびに安心。さらに一歩。さらに一歩とロープを伸ばしていく。気が付いたら、岩の上。

自分が確実に登れると思える範囲が少しずつ広がっていくというのなら、グレードが上がるというのも分かる。


そうやって、あら?なんだか自然って思っていたより、いいやつじゃん?という意外性が面白いんですね。

テント泊縦走なんて、苦行と言われていますが、やってみたら超快適活動でしたし…。

私にとっては未知との遭遇なんです。思い込みを覆す活動。自然を再発見し、自然が自分にとって危険なもの、怖いもの、でなくなっていく活動。

■ スキルアップ目的にはなれない

スキルが上がっていくのが面白いわけではない。スキルなんて上には上がいるもの、なので、一等賞になろう!を求める気持ちにはなれません。

まぁ実は私は昔からスキル向上には興味がないタイプで、英語もTOEIC925点を持っていますが、900点を超えたら、別にノンネイティブとしては十分なので、急速に興味を失いました。実は、専門家としては、ここがスタートという地点なんですけどね。でも、別に外人と話すのに苦労はもうないので、勉強する気がない…(笑)。だから、専門家としては二流です(笑)。

プログラミングも似ています。自分にとって快適に使いこなせる知識とスキルがあるのでそれ以上、専門的に突き詰める気持ちにはならない。一般人から見ればプロですが、プロからみると、広く浅く知っていて、専門性が低い。

私はスキルや能力は、何か他の目的のために使う道具であり、それ自体が目的でないと感じているのです。

スキル習得や能力向上そのものが目的となりえない。 

私は私の自然に対するスキルを、人と自然が共存共栄していくことに使いたいのです。自然破壊することには使いたくない。

■ 山や1年生が目指すべきレベル

英語でのTOEIC900点越えみたいな、一応の実用レベル、が登山においては何か?というと、

5.9リード (5.11くらい登れれば余裕ができ楽しくなる)
標準以上の体力

みたいです。先輩からこのようなメッセージをもらいました。

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ボルダリングだけしていてもなかなか実際の高山のバリエーションには繋がらないと思いますが、

インドアリード→外岩リード→外岩マルチピッチフォロー→外岩マルチピッチつるべ 

と進んでいけば、バリエーションへの道が確実に開けると思います。

登山全般のスキルが必要なのは勿論のことですが、やはり最低限の岩登り能力が無いと、雪稜でも岩稜でも、何でもない岩のパートがその人の核心になってしまいます。

標準以上の体力と同様に、初級者以上のクライミング能力は、バリエーション的なルートに出るのであれば必須だと思います。
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ぜひ他のアルパイン1年生のみなさんもご参考に。 

アウトドアで自分が自信をもって存在できる領域を広げていきましょう。

そういう活動が、自然とともに生きることから切り離されてしまった現代人の、自然に対するゆがんだ視野を矯正していくと思います。

自然に対する思い込みは、自然に接することでしか、正常化して行かない。

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