■ かかとが不調です
今日はお天気良く、朝の散歩はもう夏でした…(^^;)
週末はお天気が悪いかと思いきや、良さそうで、土曜日にどこかに出かけたいのですが、実はかかとが痛いのです。
下山のキックステップかなぁ…。 疲労骨折も可能性としてはあるのですが、別の疲労骨折した人に聞いてみたら、お医者に行っても、特に何も治療してくれないのだそうです。
先輩に相談したら、様子を見たら?ということで、しばらく安静だけができることみたい・・・(><)
今日、試しに歩いてみたら、歩く時、つま先着地なら平気で歩けるので、平地より、斜面の方が歩きやすかったりして(笑)
とりあえず、つま先しか使わないクライミングには影響はないみたいです。まぁいいか。
土日はどこか温泉にでも行きたいですが、近場にはいいのがないのですよね。
■ 遭難と年齢
私は40代で、統計上中高年に入ります。
この年齢区分、実情とマッチしていないような気がいつもしています。
遭難を分類するとき、20~30代という分類はともかく、中高年を40歳以上とするのはいかがなものかしら・・・。40代って、50代より、30代に体力的に近いですけど・・・まぁ私がまだ41歳ってのがあるかもですが。
年齢と遭難原因は、おおよその相関関係があります。体力も年代でだいぶ違うし…40代と50代は乖離が大きいし、50代と60代になると、年齢より個人差が大きいです。
大まかな感じで
20~30代 = 「山に突っ込みすぎた」遭難 & 実力を過信した装備不足
30~40代 = 装備不足は比較的少ない。未知に対する無防備さ、技術不足が原因となることが多い。
40~50代 = 装備不足は比較的少ない。 知識・経験十分で、もっとも遭難しにくい年代。
60代 = 一番遭難が多い。体力低下と過信が原因となることが多い。持病発病と滑落が多い。
70代 = 困難な山は終わりの年代。なのにやっているため、のことが多いという印象。
山の世界では、長く中高年主体の時代が続いたのだそうです。(←よく知らない)
登山は登山でも、”ハードな登山”は、体力が要るものと思うので、たぶん、本当は体力が有り余っている、若い男性が登山の地平線を切り開いていくようなものではないか・・・と思うのですが、その若い男性…最近は、どうも頼りない印象です。
登山者は、未組織だと、遭難した時、かなりとがめられます。が、組織者でも、誰も同行者を誘わず一人で山に行く人は多いです。
若い男性は、社会人山岳会には大変少ないです。
それは、もらっていない贈り物のお返しを求められるのが嫌だから、ではないかと思うのですが...違うのかなぁ?
遭難ではないですが、最近出会った困ったチャン的登山者の、卑近な例を用いて、考えてみます。
■ 20代男性、アディダスの軽登山靴風の靴を履いて南稜へ向かう
という記事が岳沢小屋のブログに上がっており、私はこの記載の登山者に登山口で実は会っています…。なので、雰囲気が分かる。
で、「どこへ行くんですか?」「奥穂南陵」「お気をつけて」みたいな会話を交わしました。
師匠が、ちらと彼の足もとを見て「あの靴で行くのかな?」と目をむきました。私はあれはアプローチシューズで、冬靴は別に持っているんだろうと勝手に想定していたんですが・・・。どうも、違ったらしい(汗)
カンタンに、この男性の岳沢小屋の記事の要旨をまとめます。他山の石とするため。
・アディダスの軽登山靴風の靴
・「はい、これ行きます!冬もこれで阿弥陀岳に登りました、大丈夫っす!!」
・岳沢への下山予定だったその日のうちには戻ってこず、翌日も昼になっても戻って来ない。(つまり小屋を出発して30時間以上)
・明神の嘉門次小屋に着いた
・吊尾根から間違って前穂高沢を下山
・自分の現在位置を大きく勘違いしていた可能性が高い
・極めて軽装(ビバーク装備は持っていっていない)。
・コンパスもテントの中に残っていた
要点は
1)装備不足(軽装)
2)ルート研究不足
3)現在地を把握していない
4)リスク管理不足
ですね。
自分を振り返る…(笑)
■ 1) 軽装すぎていなかったか?
西穂高沢も鹿島槍鎌尾根も、ほぼ同じ装備で出かけました。「夏と冬が同居する春山」がテーマ。
靴: 当然冬靴。私の冬靴はスカルパのサミットライトで、保温材が入っていないので、1月の八ヶ岳 の沢筋などでは寒くて指が黒くなってしまいましたが、残雪期は暑くなりすぎず良いようです。
ボトムス: 冬ズボンでアンダータイツなし。アンダータイツは履くなら、濡れによる体温低下を意識し たもの(ファイントラックなど)が良いようです。GWで厳冬期用のタイツを履くと暑いと思う。私はあま り寒がりではないので、厳冬期でもノースの3シーズン用の圧迫のないものを履いています。冬ズボ ンは裏起毛。綿無。
トップス: アンダーウエアが速乾性なのは必須として、日中登るときは半そでの人がいるくらいです が、この時期、何より対策しないといけないのは日焼け、のような気がします。私は汗冷え対策にフ ァイントラックのアンダー、その上に直接、パタゴニアのビーチ用のSPFが高いウエアを着ていきまし た。
これは正解であまり日焼けせずに済みました。
防寒着: 夏と冬が同居するのがGWなので、天候の急変が命取りなのですが、温かさを取るとダウ ンですが、GWは雪が降ってもすぐ溶け、濡れるので、濡れ対策ができる防寒着の方がいいかも…。 私はパタゴニアのナノパフ(化繊なので濡れに強く温かい)を持って行き、念のため、ロングスリーブ のウールのTシャツを防水して持って行きました。(使わず)
手袋: 冬用グローブをシェルだけで使いました。中のウールのインナーは暑いかも。化繊の替えの インナーグローブは、握ればジュッと水が絞れるくらい濡れました。
靴下: ウールにファイントラックのインナーソックス。靴の中まで濡れてひどいことになった。寝る時 用にあったかソックスがあるといいかも…つま先が冷えると寝れないので。
帽子: 紫外線対策の帽子。これは正解でした。あまりひどく焼けずに済んだ。
サングラス: サングラスがないと春山はツライと思います。雪目になりそう。
日焼け止め: 日焼け止めは必携で、SPFが最強のが要る。忘れてならないのは日焼け止め入りリ ップクリームです。
シュラフ: もうGWだから暑いと思いきや、夜は冬なので、ウエアは薄着、シュラフはマイナス対応が いいのかも? 薄手は、万が一天候が荒れた夜につらいかも?
まとめ: 暑さ対策、雪対策、濡れ対策、紫外線対策。 リスクは突然の冬と夏と変わらぬ日差し。
■ 2)ルート研究は良かったか?
他山の石: 同じアプローチで登れる他のルートは把握していく
西穂高沢はまったく研究して行っていません(笑) スイマセン。前穂や西穂独評には登ったことがあったのと、主要メンバーではなく、ゴマメと思ったので、気楽に同行してしまいました。
岳沢からピストンで日帰りできる健脚向けルート、沢(ルンゼ)ということしか知らずに行きました。
前に岳沢には行ったことがあったし、ルートの性格も分かっていると思って、あまり心配せずに行きましたが、岳沢の概念図くらいは把握していくべきでした。
把握のポイントは、
・同じアプローチで登れる他のルートを理解していく
ということだと、今回理解しました。
たとえば、岳沢アプローチだと、もちろん、私たちが前に登った前穂は一般道の代表的なものですが、
コブ尾根、南陵、奥明神沢くらいは、分かっていたら本人がもっと楽しいかもしれません。
この辺の現代登山全集も、登山大系も持っていないんですよねぇ・・・すると、図書館に仮に行くことになり、私のような暇人でも億劫になります。
ましてや、一般のサラリーマンの若者が、概念図を把握していなくても仕方ないかも・・・と思うのは、甘いでしょうか?
私的には、ヤマレコみたいなサイトで、概念図くらいネットで入手できるようにしてくれたらいいのに・・・と思ったりもします。
がここは微妙で、概念を把握してほしいがバリエーションルートだと、情報だけで行ってしまう人が出ると危ない。たぶん、阿弥陀南陵とかはそうですよね。ネット情報だけで行ける行けないを判断してみんなが行ってしまう・・・ ので、情報を出すか出さないか、出すならどのような形で出すかは、とても微妙です。
情報の成否は受け取り手が決める、のが王道ですので、受け取り手が、間違って受け取ると、遭難がむしろ広がります・・・。
でも、研究はして損はないです。
実際、私は鎌尾根では十分ルート研究して行ったので、東尾根もダイレクト尾根も、赤岩尾根も、実際の尾根を見れば分かる状態にあり、すれ違う登山者との会話もスムーズでした。
一方、西穂岳沢では明神西南陵と聞いても、「ふーん・・・」(笑) そういうので、「分かっていない登山者」とすれ違う人から判断されるのかもしれませんよね。
■ 3)現在地は把握していたか?
この男性は、なぜか明神という南北が反対側に降りてしまっていています。
さすがに、私はこんなにひどい間違いはしないという確信がありますが・・・周辺のピークくらいは、分かっているので。コンパスをテントに置いていくなどはないです。 GPSで現在地は常に確認できます。
が…
最近、ルートを事前に研究しているせいで、いちいち細かい現在地は気にしていなかったりします。
これはまずいかも???
一応、標高は見ていますが、参考程度で、高度計を合わせるのはしていないし…。
初期の頃は、ピークとコルを数えていました。が、最近はそれもしていないで、取り付き&稜線に乗り上げるところ、くらいしか考えず、「今半分くらいかな~」と大雑把な把握に傾いています…それはたぶん、O型で、すぐガードが甘くなる性格というのがあると思うのですが…道に迷ったことがまだないし。
GPSというハイテク機器が使えなくなった時のため、ローテクの開発も並行しないといけませんね。
■ 4)リスク管理は良かったか?
ビバーク装備を置いて行ったということですが…私は常にツエルト、コンパスは携帯しています。
が、最近、ツエルト泊をしていない…(汗)久しぶりに使って使えるかというと疑問ですねぇ。
どうも、冬はツエルト泊が楽で良いらしく、ツエルト泊、また練習したいな~と3月から思っていますが、思っているだけで実現していない。思ったことはやらないといけない。
久しぶりだとツエルトって貼るの難しいですし… 稜線で張れるかというと張れないと思うなぁ・・・。
風が強い状態でツエルト張るのって、不可能な感じがします・・・
■ まとめ
1)装備 → 私は全く該当していない
2)ルート研究 → 10点中 9点くらい?
3)現在地の確認 → 10点中 7点くらい?
4)リスク管理不足 → 10点中、7点くらい?
総じて、良識あると言ってよいと思います。できることはやっている。
■ 山岳会に入ると、これらのリスクがどう補てんされるのか?
さて、ここからが本題です。
私は、西穂高沢も、鎌尾根も、山岳会と同行しています。
一般に未組織登山者が、未組織のままなのは、これらのリスクが、たとえ山岳会に入ったとしても、どう補てんされるのか?見えないからではないか?と思うのですが…
実際のところ、補てんされません。
1)装備 → 装備のアドバイスが来ることは、ない。
2)ルート研究 → ルートの説明が来ることもない。
3)現在地の確認 → リーダーがやってくれる。
4)リスク管理 → リーダーがやってくれる
一般に、装備にアドバイスが来ることはないと思います。ルート研究なんぞしてこない人の方が山岳会でも普通ですし、現在地の確認は、リーダーの責任とされているようですし、リスク管理もリーダー持ちのようです。
補てんされていると言っても、それは山ヤ教育があるわけではなく、単純に、他の誰かがやってくれる、のを見て盗めって内容のようです。
1~4まで、山行前に8割が終わっている作業で、一緒にルート研究するわけでもないので、連れて行かれる人は一生連れて行かれるまま、だし、コンパスなんて、山岳会に数年いるような人だって使えない人の方が多いのではないでしょうか?
リスク管理も、個人では考えていないのが普通のようですし…パーティ全体でどう考えているか?も、顕在的に共有されるわけではありません。
つまり、山岳会って入っても、リーダーと平社員の距離が乖離していく力学構造になっている、って
事だと思います。
ただ、この力学構造をじゃあ、どう回避するか?山行でどう後輩に伝えるか?というと、かなり難しいです。
何しろ、山行の前に8割は済んでしまっている内容がほとんどです。しかし、現代人は忙しいので、山行の前には、時間を掛けられない。
普通は、この情報共有が、登山計画書で行われるはずです。しかし、「忙しいから・・・」という理由で、登山計画書は一目見て終わりになる可能性の方が高い。
山行の説明会でも開かない限り、山行のポイントやリスク管理情報は共有されないと思います・・・。
しかし、本当に難しいですね。 連れて行く人と連れて行かれる人に乖離した情報の不均衡を健全化するのは・・・。
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