■ 熟達度=ケチ化
登山の熟達度と言うのは、何で計られるのだろうか?と考えたとき、
どれだけお金を掛けないで山を愉しめるか?
がある。お金を掛けないほどベテラン。
というわけで、今回いくらお金がかかったのか? 改めて計算してみた。
■ 費用
交通費 3000円 (削れない)
下山費用 2000円 (温泉&一服費 削らない)
食費 2000円 (2食 二人分)
軽食費 3000円 (ドリンク、ランチ)
宿泊費 6800円(テント泊1000円、素泊まり5800円)
合計 18200円
■ ケース1 二人とも小屋泊一泊二食付
いわずもがな、で最も高額となる。大名登山のケース。小屋泊代は8500円なので、小屋泊代17000円。交通費や下山費用などその他は今回と同じと想定すると
合計 22000円
■ ケース2 二人ともテント泊
今回は夫は小屋泊素泊まり。二人ともテント泊で寒さを我慢することにすると、ランチを小屋に世話になったとしても、
総額 13400円で済む。
最も高額なケース1と比較して、9000円の節約。
■ ケース3 二人ともテント泊でAll自炊
もっとも安いケース。9400円で済んでしまう。ただし、寒さを我慢し、水を4リットル担ぎ上げるか、融雪になる。
余談だが、このケースで小屋に1000円のテント泊代を払う理由を見出すのは難しいだろう。
■ 考察
①節約ポイントは何か?
今回の山行を考えると、節約できそうなポイントは、軽食だ。3000円は高い。
ラーメン700円はともかく、ホットゆずレモンなどのドリンクに2000円は高すぎる。しかし、これを節約すると、約1.5リットルの水を担いで上がることになる。たった1.5kgの負担増にしかならないが、担いで上がれるか自信がないと、2000円プラスになるわけだ(笑)
②食費はいくらが正当か?
小屋は一泊二食で8500円、素泊まりだと5800円。だから、差額の2700円が食事の費用だと考えているらしい。もちろん、これはコストではなく、利益の上乗せが含まれている。
例えば、一ヶ月、昼食を除外すると、30日×2食で60食となる。500円だと月額3万円、1000円だと6万円。ひとり6万円もの食費を掛けている家庭はあるまい。我が家のように 二人家族だと12万円!の食費になる。どんな贅沢な家か?という話になってしまう。
一般大衆的な実感では、大体、食費は二人で5~7万円ほど。一食あたりにすると、500円から、ちょっと奮発をして倍にしても1000円程度か。
今回は、私たちの夕食朝食は、2000円、一人1000円だった。ひとり一食500円。安いほうに入る。
結論は、食費は、700円/人/食が妥当なラインだろう。
余談だが、ここから、小屋は食事を提供する利益を、コストのほぼ倍で考えている、ということになる。
■ 対策
軽食費を節約しようと思ったら?
① ベースを水が無料の場所に変える
今回の山は定着型と言っても、ベースまで4時間もザックを担いで上がっている。ベースは水場がなく、そのため水分を使う軽食費に費用が掛かる。
そこで、通常のテント泊山行のように、ベースを重荷を背負って歩いてもあんまり堪えない程度の場所にすると、シラビソ小屋のみどり池のテントサイトが浮かぶ。テント泊700円水無料。
ここでテント泊すると、一般的に水が自由に使えるというメリットがある定着山行になる。
それだと、中山峠もザックなしで超えることができる。稜線でのテント泊で、風に吹かれることもない。同じ一泊二日の山行を想定すると、ひとりが素泊まりだとしても、マイナス約4000円できる。水分は高い。
14200円となり、同じ山行でも軽量化も出来て、楽に山を愉しめる。
② 日帰りにしてしまう
日帰りにすると、もちろん、宿泊費が要らない。マイナス6800円。テントを担いだ重さを水分を担ぐことに決め、2リットル持って行くと、3000円は節約になる。ので、マイナス1万円。
約8400円で天狗岳の大展望が楽しめることになる。
③ 日帰りにして、水分も担がないでファースト&ライトを金で買うことにする。
これが最も楽なケースで、約12000円。ザックは3~4kgにしかならないだろう。渋の湯から入ると2時間しかかからないのだから、年をとってもこれならできるだろう。
■まとめ
①大名登山 22000円
②素泊まり&テント泊 18200円
③素泊まり&テント泊 水場あり 14200円 ※②の軽食ランチを節約する場合
④2名テント泊ランチ自炊なし 13400円 ※②から寒さを取って、重さを取らない場合
⑤日帰りランチ自炊なし 12000円
⑥テント泊オール自炊 9200円 最も安いケース
⑦日帰り自炊あり 8400円
今回の実績18200円は、一番高額なケースと比較して約5000円の節約ということだ。
しかし、本来あるべき姿である⑥と比較すると、9000円も節約の余地がある。
注目すべきは、日帰りとテント泊がそう変わらない点。本来は山には山小屋はなく、テント泊しても、誰も費用を請求したりしない。となると、コストは8200円となり、実際は日帰りもテント泊も対してコストは変わらないということになる。
というより、日帰りでも交通費は同じなので、割高感が出てくるんだな。日帰りで遠い山は割高だ。
■ 結論
担げる重さは大体若さに比例する。 基本的に山小屋に依存しないことを考えると、すべてを背負って歩くヤドカリ式は、体力が充実している若い時にしかできない貴重な山行形態だ。冬山の縦走は大変と言われるゆえんだ。同じ2泊3日でも、すべてを背負っての2泊3日と、空荷での2泊3日は全然違う。
一方、軽くして走り抜ける山行形態は、年齢が高くなってもできると思う。
水場の無い稜線の小屋で、お金で解決する山行形態が流行してしまうのは、要するに豊かさの証だということが証明できたかもしれない(笑)。
それだけ、水を担いで上がる苦労や、寒さなどの不快さを、お金で解決することのほうが容易な時代になってしまったってことだ。
軽食費用は高いので、今後の節約項目はココだが、宿泊しない場合に、小屋にいくらかでもお金を落としてあげたい思いがあるのが軽食費だ。
今回の反省としては
・ビール1缶は担いで上がるべきだった
・下山用コーラは持ってあがるか、車に入れておく
・下山後のホットドリンクは自前が良い
・ランチはまぁいいでしょう
湯を沸かすだけで飲めるものを小屋に頼むより、カレーやラーメンを頼む方が利口だ。
節約によって、冬用シュラフなどのギアの購入費を正当化する、ということについては
例えば、私のシュラフだと(モンベルダウンハガー No2、24500円)、同じ形態で、約5回の山行をすると、シュラフを買った方が安かったということになる。
もちろんこれには、テント代や、マット代は履いていないので、最低という話で、何度も山に行くのではなければ、小屋泊を続けたほうが安上がりになる。
それを加速する節約ポイントは、軽食費で無駄に高い買い物をしない、ということだ。
しかし、それにしても山は高い遊びだな~
夫と二人で日帰り温泉1000円は安い。二人でピザランチ 3500円も安い。ということが分かった。
山の成長と言う意味では、あんまり成長していない(^^;)。 ただ夫も二食つきではなくなったのだし、良しとしよう。
■ データ
素泊まり冬料金 5800円
テント泊 1000円
合計 6800円
軽食費用
ラーメン 700×2 = 1400円
ホットゆずレモン 350円
ホットココア 450円
ビール 500円
コーラ 400円
小計 約3000円
コーヒー 500円 ×2=1000円
小計 1000円 (シラビソ小屋応援?)
食費
キャベツ味噌炒め 300円
ラーメン 200円
五目御飯 400円
お酒 300円
コーヒーなど 100円
行動食 700円
小計 2000円
交通費
ガソリン79km 11km/L=7.2 1000円×2=2000円
高速460+520=約1000円
小計 3000円
下山後の愉しみ
稲子湯 600円×2=1200円
チーズケーキセット 470円×2=1000円
小計 約2000円
合計 18200円
テン泊ならガス缶1個多く持って行って、雪から水作れば良いのに~。
ReplyDeleteコスト面でも、体力面でもオススメですよ。
雪からの水作りでテント内暖かくなるし、夕飯前にあの作業をしながら一杯やるのは至福の時です。
そうなんですよね。今回二人分で、水を2リットル、テルモスの紅茶を各自500ml持って行ったのですが、登りでほとんど飲まなかったので、その水で足りてしまったのです。ガス缶は1個余分どころか、大きい缶が丸ごと、余分で重いし、暇ですることないし、ガス火を使っていないと寒いし、水でも作っていればよかったな~と・・・。
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