- リスクを具体的に落とし込む
- 無理のない計画を立てる
- 力量に合った山にする
- ダメだと思ったら引き返す
- オーバーペースで苦しいときは、その旨、リーダーに連絡する
■ 山の世界は、曖昧表現が一杯
私が、山のベテランと話をするときに気になることは、表現があいまい、ということです。
山の”怖ろしさ”と”素晴らしさ”って 言いますが、それって具体的に何でしょうか?
山って一口に言っても北アと八ヶ岳では、(怖ろしさ)の内容が違います。 具体的に話をしないで、漠然とした曖昧な話しかできないと、それは発信側の怠慢か、力量不足です。
八ヶ岳の場合、リスクは寒さです。
冬山で、寒さがリスクになるのは、他の山でも同じです。しかし、八ヶ岳は、特別、気温が低く、雪は多くないのです。北アみたいな豪雪の山とは違います。風は冬山全部のリスクですが、気温が低くて、風が吹くと、それだけで体感温度が(気温+風速)です。
”八ヶ岳の寒さリスクは (気温+風速) で考える” と、きちんと登山者に教えているでしょうか?
ただアブナイ、ただオソロシイでは、何を教えたことにもなりません。
体感温度が風が強いと低いことは誰でも知っていると思いますが、それが、一体具体的に何度だと行動を自粛した方が良いのか?そういう具体性が重要です。
例えば、風速19mは行動しない風速だと、最近理解しました(^^;)。そういう具体的で、基本的な知識が今の登山者には不足しています。
ちなみに私は、1年を単位とする講習会にも出席し、ガイド登山にも出て、なおかつ1年も山岳会に在籍しているくらいの、けっこう勉強熱心な登山者です。
一般に、あまり鋭くない人が、八ヶ岳が初心者の冬山だと聞いて、初めてアイゼン履くのにもかかわらず、一人でぶらっと出かけてしまっても不思議ではないかもしれません。
教え方が、超漠然としていて曖昧で、教えられた側は、具体的な行動に起こせないからです。
■ 具体的な行動に落とし込むのが大事
一般的に、山ヤさんの世界は、山の哲学や山の方針など、あいまいでポエティックすぎ、具体的な行動に落とし込まれていないことが多すぎます・・・・
一般に、行動できないことは、対策できないも同じ。
というわけで、良い子は、行動に落とし込みましょう☆
1)山行前は、天気予報をチェックしよう
2)天気が悪いときは計画を見直そう
3)行って見て、やはりだめだと思ったら引き返そう
4)山行後は、きちんと自分の行動をヒヤリハットではなかったか振り返ろう
山は、PDCAのサイクルです。
ちなみに、こういう風にするのが苦にならないで、楽しい人が山好きな人で、PDCAで山を振り返るなんて、めんどくさくて嫌だわ、誰か計画は立ててほしいわ、誰か別の人に振り返りはしてもらって、自分はそんな面倒なことヤラナイで済ませたいわ、という人は、たぶん、山が好きなのではないのです・・・
そういう意味で、古い山ヤさんが嫌う、ヤマレコユーザーは山が好きな人が集まっている、と言えます。
私はヤマレコ好きです。ネットの世界は、貢献の世界です。見るだけの人はタダ乗りしています。
■ ハロー効果は疑ってかかる
ハロー効果というのは、
ーーーーーーーーーーーー
ハロー効果とは、ある対象を評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。光背効果、後光効果とも呼ぶ。
ポジティブ・ハロー効果の例として、次のようなものがある。
・Aさんが有名大学を卒業しているということと、ビジネスパーソンとして優れているかどうかは本来関係のないことであるが、実際に確認などをせずに、Aさんを優れたビジネスパーソンであると評価する
・英語ができることと、仕事ができることは本来、関係のないことであるが、実際に確認などをせずに、英語のできる人を優れたビジネスパーソンであると評価する 。
ーーーーーーーーーーーーーーhttp://gms.globis.co.jp/dic/00340.php より引用
です。
登山歴〇十年を信用してはなりません。
その証拠が遭難時の山歴です。山歴は、経験の量を示すのではなく、その人の力量の目安になるだけです。
いくら長い登山歴の人でも、きちんと山を観察しながら、リスクは何かを考えながら、歩いて来なかった人は、まったく知恵が積み重なっていません。
体力は、水ものです。結局は、人物を見て、話を聞いて、行動をチェックして、判断するしかありません。
優れた岳人は
1)黙ってリスクから離れる
2)力量以上の山には、何かと理屈をつけて、行かない
3)質問に的確に答えることができる
4)自己顕示欲のために山に登っていない
5)どのような内容の山も楽しむことができる
6)登山者を体力(クライミング力)で判断しない
7)一緒に行く人に助力の労を惜しまない
勲章のように、ひとつの成功経験を持ちだすのは、ハロー効果を狙っているかもしれませんので、逆に要注意です。
■ 家に帰ったら
家に帰ったら、山行の報告を書く。 そういう習慣づけ、が大事です。それには、ネットは最適です。
ヤマレコでも、個人ブログでも 何でも良い。とにかく最初は書く習慣をつけ、次は、考える習慣につなげていきます。
2回同じ間違いをしない、という心掛けをするだけで、人は成長できます。
やりっぱなし、行きっぱなしにしてしまうと、もったいない。
また、山行の報告から、その人が山の何を見て、どう考えて行動したのかが、かいま見れます。
安心感があるのか、紙一重だったのか・・・
同じ山行でも、中身の質のほうが重要です。 今の時代は量ではなく、質の時代です。
西天狗へ・・・ |
こんばんは
ReplyDelete少し協力させていただきたいと思います。
•リスクを具体的に落とし込む>予測する・考えることが大事ってことですね。いろんなリスクが溢れてくるでしょう。私の経験では、体力がないのが一番のリスクです。
•無理のない計画を立てる>自分の、自分たちの力量を知り、そして山の情報を得てプラニング
•力量に合った山にする>自分の、自分たちの力量を知り、そして山の情報を得てチョイス
•ダメだと思ったら引き返す>引き返せない状況、動いたら危険な状況に深入りしない>動いたら危険な状況とは?いろんな状況があります。それを知るには経験を積むこと、経験者の話・記事や本から知るのもよし。
•オーバーペースで苦しいときは、その旨、リーダーに連絡する>そうですね。体調不良や尿意もね。
行動を自粛すべき寒さ>天候・山域・防寒具・標高・気圧配置(風)にもよりますけど、稜線に出るならマイナス5度から要注意でしょう。夏山の雨で低体温症とか個人差もあるので。
昭和に比べたら今は装備も進化してますし、情報も得やすく、共有しやすいとおもいます。
また山に行けますように。どこかの山で、また会いましょう。
ハゲオヤジさん、再度ありがとうございます。 ベテランの方の協力に 注文を付けるのもナンなんですが・・・ ベテランの方が、もう少し具体的に表現してくれたらなぁと。
Deleteどうも今の山ブームの人たちは、体力がないってどういう状態か?とかそういうのが分からないみたいなんですよ。 力量って言ってもどうやって分かるの?とか、引き返せない状況が想像できない、とか、知るには経験を積むこと、の(経験)を具体的に語る人が激減しているのです。
今回の遭難を救助した隊長さんから、別の遭難ですが、直接に八ヶ岳バリエーションでの遭難で何が起こったか?を聞きました。今では怖い話をしてくれる人がいなくなり、いい話しか聞かないし、こうした情報がネットに出ても、良いところしか読まないで自分の気に入るところしか読まないみたいなんです・・・
ベテランの活躍の場は、山もですが、こうした場もかなぁ・・・と思わずにはいられません。
連盟でパシリとかペーペーなどとは呼ばれず、「ポイズン」と呼ばれる私がズバリお答えします。(ハロー効果)
Delete体力がない=自分で思っているほど登れずに予想外に時間がかかり、行程がずれたり幕営地変更やビバーク、撤退を余儀なくされる ということと思ってください。
そんなにはやいぺーすでのぼれない、荷物背負ったら登れない、その場合、コースタイムに縛られずゆとりのある行程、ルート、ハイキング山域で計画をたてれば楽しめると思います。楽しんでください。自然との融和を感じてください。山はあなたをまもってくれるでしょう。
山に挑めば死ぬでしょう。山で自分自身に挑めば痛い目に遭うでしょう。
リスク=体力がない と厳しい書き方をしましたが、平地でロングウォークをしたり室内でスクワットをしたり、山に行くなら鍛えてください、平地のトレーニングでしっかり準備しましょう、どこらへんで諦めモードになってしまうのか自分の体力・メンタルウィークポイントを知りましょう、寝不足でも歩けるのか、心拍数はどうなのか、とか、登山で体力が重要な要素だということはもちろんなのですが、つまり、体力を備えることが自分自身を知ることにつながりますので。己を知らないことが、無理な計画になり得るリスクを抱えています。
力量=人間力 です。ちょうど、あなたがこちらのブログでハゲオヤジの意見をうまく引きだしておられることも力量のうちです。
引き返せない状況=ドカ雪・雪崩のことで、結局は天候判断ミスで行ってしまうことです。豪雨増水で中州に取り残されるのもそうです。
暴風雪の中、1ピッチ登って予定変更で下降してベースに引き返さず頂上に出てしまう・ホワイトアウトでルートミスというケース(推測)も心理的にそうでしょう。
経験談になります。
積雪期の低山単独(丹沢ハイキング級)山行で数日テント・コンロ・食糧・寝袋一式背負って彷徨い自問自答を繰り返したのが私にとって良い経験になってます。そんなにいい景色の写真が撮れたわけでもなく、寂しくて痛くて辛かったかも。靴ずれでアキレスの下が血だらけになりました。地図見ても自分の現在地がわからず、途方にくれて野うさぎの足跡についていったり。寒くてテントから出るのが億劫で、テントの中でビニール袋に放尿して朝捨てればいいやと思って置こうとしたけど、ほんのりあったかくて。「あ~カイロだー^^」と両手で大事に包んでいたあの頃が懐かしいです。
女性、中高年のかたには少し無理がかかると思うので、好きな季節でハイキング級を別々の登山口から入って幕場合流とか、頂上ランデブーとか、途中を部分的に単独で登るというのを、力量アップにおすすめしたいです。
携帯の電波が入るところがいいですね。
学習院大の遭難から
4年1人に、1~2年4人なんですよね。コーチ、OBを付けないと大変だろうということを監督・大学当局の部長も認識してたのではないのかな。いろんな意味で。4年が動けなくなったらどうするんだよ?って思います。晴れても気温が低い八ヶ岳では特に、ビレー中に凍傷はよくありますから。
こちらのブログをご覧になるとおわかりでしょうけど、冬の八ヶ岳は寒いです。
凍傷・低体温症になりやすいのです。ビバークするなら短時間。一晩は危機的だということを理解しておくべきです。
推測ですが、明るいうちに北稜を回れると慢心して、ヘッドランプをベースに置いてきたと思われますが。変に余裕がありすぎるんです。
南稜に出てからの様子も不可解でして。遅れる1年をロープで引っ張る、、ホールドの位置、足を置く場所が1年には出来なかった?だから4年が前だったのか?
そして1~2年の3人を先に行者小屋に向かわせているんですが、パーティーを分けるなら3人のうちの動けるほうの2人を救助要請に出すべき。3人のうちのナンバー3の部員は残して。コルの風が弱いポイントでツエルトにくるまって待つ選択肢はなかったのか。交代でおんぶして5メートル刻みでも南稜を下って立場山まで逃げる選択肢はなかったのか。
3人行かせたということは、その3人が本隊ということ?そりゃ違うでしょ。遅れてる部員がいるほうの組を本隊としなければサポートしきれないです。これは私のセオリーです。
3人は小屋に午後到着して21時に監督に連絡したそうです。ということは、真っ先に救助要請してなかったんですね。長野県警への要請が23時。
遅れている1年は自分が低体温症になってることに気づいていなかった、4年もチェックしてなかった、と思われます。
4年はあくまでも、行者小屋に連れて行くことしか助ける道はないと思ったのでしょうか。
記事では、署は、滑落した後雪崩に遭った可能性もあるとみている。 とあります。
私の推測はそうじゃない。
意識がなくなった1年、まだ絶命していない。しかし危険な状態で、痙攣、硬直して断末魔のような顔。
4年リーダーとしての判断が裏目裏目に出てしまって。もう背負って動く体力は無く。
叫んでいないと、何かして動いていないと、錯乱したかもしれません。
最後、4年は1年を助けようと一か八か、ルンゼ下降したのではないでしょうか。
ザイルを1年の両脇にくくるようにして。頭が下にならないように。
荷物をロープで降ろすように。
雪が谷を伝うように、最短距離で麓に連れて行こうとしたのではないでしょうか。
最後は必死だったと思ってます。
ハゲオヤジです。
Delete学習院大の遭難の私の推測ですが、すみません、謎ゆえに、死亡事故ゆえに、かなり美化してました。
しかし、最終報告書が出されて、彼らは山を甘く見ていたということがわかり、非常に遺憾に思ってます。
分析も対策も甘いくせに、廃部になっていないようです。
だったらスポーツジムのクライミングウォールとか冬はせいぜいアイスキャンディー登る活動に留めておけよ。
小手先だけの力で山には行くな。
これ以上迷惑かけるな。
と言いたいところです。