Wednesday, February 18, 2015

インタレストグレードの考察 その2

今朝は起きたら大雪で真っ白!を期待してたら、ハズレました(--;)
 
去年と違って今年は雪が少ないですね、去年が多すぎか。

■ 登山の幸福学

昨日考察したレーティングですが、登山家の柏瀬さんが提唱しているインタレストグレードに習って
インタレストグレードと呼んでみます。

ただ私が上げた点は、”天気”や、”本人”などに左右されていました。 

 展望 ⇒ 天気 に左右される
 ひとけ ⇒ 人出 に左右される
 冒険性 ⇒ 本人の未知、に左右される
 発見性 ⇒ 本人の目利き力 による
 チャレンジ ⇒ 何がチャレンジか?は本人による

≪欠点≫

・客観性に欠ける指標である
・指標の中身が主観による

最近は、巷では、『幸福学』というものが流行っているそうです。しかるに、その中身は?と言いますと・・・・・色々と大雑把に省略すると・・・

  幸福の基準を自分自身で持ちましょう

ということです。たとえば、モノの所有、つまりお金持ちになることを幸福の条件とすると、どこまで行っても幸福になることが後回しになるよ、ということです。世界一になる、などの目標も同じです。ないものがある、自分の外のこと、を幸福の条件にしてしまうと、人は幸福になれないらしいのです。

まぁ単純化して言えば、幸福の基準が自分以外にあると、人は幸せになれない

と結論されています。つまり幸福は主観的なものであり、主観的に幸福になるしかない、ということです。

そこで、インタレストグレードの内容を考えると、5つのうち、3つが主観的な基準です。

ということになると・・・ これはいいことなのではないか(笑)? 

■ 経験の作用

ただ、経験がネガティブ要因に働く可能性がある項目が気になります。

 冒険性 ⇒ 経験がマイナスに働く
 発見性 ⇒ 経験がプラスに働く
 チャレンジ⇒ 経験がマイナスに働く

冒険とは、未知の場に足を踏み込むこと、それも道案内なしなら格別、です(笑)。
 
国内には幾多の未知のルートがありますが、経験と言うのは、初めてではない、という意味で、やはり新鮮な驚き!を失わせるものかもしれません。

しかし、未知のことがもうないな、冒険性がないな・・・と感じるまで、天狗岳は7回も行ったのですから、まぁ卒業と言っても良いかもしれませんネ。

私は山に行くときは、何かしら新しい要素、チャレンジする要素を作るようにしています。今回は、ソロテント泊がチャレンジ!雪上のテント泊はすでに何度も経験がありましたが、積雪期のソロ、というのが初めてでした。

ソロって何でも特別心理的負担が大きいものです。初めて一人で山に行くのは、結構大変な冒険です。

このチャレンジという要素も、経験を積むとやったことがあることばかりになって、チャレンジすることがなくなってしまうのかもしれません。

ベテランの方はどうなのでしょうか・・・(ちょっと不安)

■ 目学問力を高める

最後に残るは、発見性ですが、この力は、経験や学習で確実に高まります。

発見を何に求めるか?ですが、

 ・山小屋の様子
 ・他の登山者の様子

などは、文系の視点です。 食べ歩きとかと同じです。

 ・山そのものの様子
 ・空の様子
 ・動物
 ・花、雪などの自然物

などは、理系の視点です。これは、教えてもらわないと苦手な人が多いかもしれません。

今回は風速と言う視点を持ちました。 風速についての観察がいくつもありました。

目学問で自ら学んだことと、誰かに教えてもらったことには、喜びに雲泥の差があります。

自ら学ぶと人はとっても幸福です。目学問はとても面白いものです。

私は文系で人間性への洞察力に優れるわけですが、その優れた人間観察眼は、山と言う環境では、ヤダッタとマイナスの結論を導き出すことの方が多い。

ですから、そうした観察眼を引き出さずに済む、空いている山に行きたいわけですね。

■ 会心の山

この天狗岳は会心の山でした。

何が会心の要素だったのか?

 ・天候のチャンスをよくとらえたこと
 ・リスクへの理性的判断
 ・チャレンジと熟達のバランス 

です。チャレンジを一つか二つの項目に抑えるのが、私の計画の立て方です。頑張る項目。一人に一つは最低必要です。

今回は

 ・中山峠 (夫)
 ・ソロテント (私)

でした。

しかし、この

 展望 
 ひとけ 
 冒険性 
 発見性 
 チャレンジ

という5つの指標によると、その会心さが表せません・・・

山そのものについての評価と、山行についての評価も混じっています。

そこで、修正&加筆を加えてみます。

 展望 → 展望
 ひとけ → 自然度
         快適度
 冒険性 → 冒険性 
 発見性 → 発見度
 チャレンジ → チャレンジ
           安全マージン度

増やした項目は、基本的に相反する項目です。自然度が高ければ、小屋がないので快適性は下がります。

チャレンジすれば、安全マージンは薄くなります。安全マージン度はご無事度ということです。安全マージンが薄すぎた山行では予想できる負傷をしています。
 
するとこういう形になりました。

今回の山を、会心の山にしたのは、

チャレンジと安全マージン度、

です。快適性を取ると人が多いのは予測できるので、快適度が下がるのは致し方ない面がありますが、それを分かっていて取りました。

何しろ、夫は素泊まりはだったので(笑)テント泊と素泊まりが両方一緒に入れる小屋でないといけませんから。

硫黄だけを選ばず、まだ宿泊したことのない根石岳山荘を選ばず、鉱泉も選ばず、だったのは、意識的選択です。

山行は選ぶところから、勝敗が大体見えているな、という気がします。


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