Friday, October 3, 2014

女性の単独行の要諦

■女性の単独行の仕方

初めに言っておきますが、単独はおススメできる山行形態ではありません。

どのような登山の本を見ても、単独は薦められていません。

しかしまた、単独行の良さを知らない男性登山者がほとんど皆無である、ということも真理…。

単独には、山と一対一で向き合える、という、限りないメリットがあります。ホントに、山としっかり向き合えます。感受性がするどくなり、山の息吹の一息一息に、耳を澄ますことがで
きるようになります。

一人で見たい景色
だから、私は時々山切れになり、単独で山に向かいます…もう山切れそう・・・という切羽詰まった心情で、しかたなく単独で向かいますが、こういう山切れ・・・を起こしたときに、誰か一緒に行く人がいても困ります・・・一人で山と向き合いたい、というのが心理ニーズなので。

しかし、女性の単独行には、女性特有のリスクが付きまといます。それは、ずばり”性的なリスク”です。

襲われるのは誰だってごめんですが、襲いまでしなくても、付きまとう人は多いです。付きまとう人の多くは、奢ってくれたり、送ってくれたり、親切なおじさんの仮面をかぶっているので、要注意。

■ ザ・ボディガード?

女性にとって最高の山パートナーは、自分を襲わない、ボディガード的パートナーです。

男性登山者は基本的に襲われる心配と言うのはしなくて良いと思いますが、女性登山者は、結構、深刻です。

その点で最適なのは、既婚の男性です。次に年下の男性。年上の男性で、社会的な制約がない人は、どう転んでもダメです。

私は幸い、まだ怖い経験はありませんが、それは、私が目に見えないガードを張り巡らせる術に、すでに長けているから、かもしれないと思う時があります。

■ 行く山を選びましょう!

まず、重要なことは、行く山の選択です。

  • 山小屋のある山を選ぶ
  • 人がいる土日を選ぶ
  • バスでアクセスする山を選ぶ
  • テント泊はテン場で

です。つまり、日ごろ、にっくき混雑が、女性の単独行においては、逆に味方になります。混んでいる山の方が、誰かしらかが、かならず登山道にいます。

それで単独のリスク…何かあった時に誰にも発見されない…は、ほとんど解消できます。遠く登山道から離れて滑落しない限り、例え怪我をしても、誰かが必ず発見してくれます。

もちろん、自分で携帯などもっていることや、ちょっとの捻挫くらいなら、小屋まで歩く根性がある、というのは前提で、です。

■ 自分を印象付けよう!

そして、次に重要なことは、ふるまいです。

 行く先々で何らかの印象を持ってもらう

これが重要。 まず、もしタクシーに乗るなら、運転手さんの名前を連呼します。運転手さんも、こちらのことを印象深く、覚えてくれるようになります。

バスは大型の乗合なら難しいですが、小型なら、ある程度印象付けられます。バス待ちの時間などに積極的に運転手さんに話しかけ、よく印象に残るよう工夫しましょう。

さらに、途中に立ち寄る施設がある時は、必ず立ち寄ります。たとえば、北岳なら広河原インフォメーションセンターがあり、立寄りついでに天気予報でも見て、一言二言、カウンターの人と声を交わしておきます。黒岳に登るなら、天下茶屋でトイレを借りるついでに、あいさつ一言。

そして、山ですが、すれ違う登山者には、できるだけ、声を掛け、よく覚えておくようにします。向こうもたぶん覚えているはずです。

テントサイトに着いたら(小屋泊なら完全に小屋のおじさんが守ってくれます)、テント周辺のご近所さんにごあいさつ。

ここで、ぷーんとしている人は、結構変な人ですから、距離を置きましょう。時々います。俺に話しかけんなオーラを出している若い衆。でも、そういう人、意外に山慣れしていなかったりします。

一番いいのは、似たもの同士でつるむことです。隣に、同じ単独の女性登山者がいたら、心強い。翌日も、つかず離れずで、歩くことができます。

下山しても、まだ安心はできません。下山のタクシーとか、林道で、変なおじさんに連れ去られないとも限らないからです。

私は南アの林道をひとりポクポクと歩いていて、6kmの間にトラックが停止すること3回…あの時は、林道はトータル26kmも歩きました…(^^;) ああ疲れた。ハッキリ言って、嫌になりますが、疲れるけど、やっぱり歩こう! 子供にだって知らないオジサンの車には乗ってはいけない、って言いますしね~(と言っても最近は、乗りたくても、乗せてくれないです)

■ 低山の方がアブナイ

ロープウェーがあったり、バスが出ていたりするのは、低山ではなく、むしろ高い山です。上高地はバスでしか入れないので、上高地Inだと同行者ができやすいです。

北岳は実は単独行には大変おススメの山です。何しろバスで、誰かと必ず一緒になります。その誰かが、怖い人である、という可能性も無きにしもあらずという声も聞こえてきそうですが…それはほぼ考えなくて良いでしょう。広河原インフォメーションセンターもあるし、小屋も豊富だし。ただ、一緒になるなら、ご夫婦登山の人とか、グループがいいです。単独のおじさんは辞めておきましょう。オジサンが誤解するとまずいので。

ダメなのは、人里に近い低山です。たとえば、御坂山塊は、車でのアクセスが良く、登山をしない人でも、小屋の無いピークにけっこう気軽に入れます。こういう山は、結構アブナイ…良く分からない怪しげな宗教活動をしているような、何をやっているか分からない施設が立っていることが、可能な立地はアブナイです。密室度が高いからです。

一方、登山好きな人しか来ない、玄人な”静かな山”は意外に大丈夫です。たぶん、昨今は犯罪者も、楽な山重視なのでしょう(笑)たとえば、三方分山は変な人も入れるが、和名倉山は、変な人はわざわざ5時間も歩いて、こんな辺鄙なところ来ません。

というわけで、要注意なのは、里山です。女性は、熊より、人が怖いのです。

藪山になれば、男性もリスクは同じで、人に会って、その人が変な人であるリスクではなく、けがをしたとき、誰にも発見してもらえないリスク、のほうになるので、山岳会に届け出を出しておけば大丈夫です。

■ 私の単独行

私はもともと単独好きです。一人で海外旅行、行っちゃいます。

初めての海外はパリですが18の時一人で行きました。パリはその後2回行っていますが、一度行きたいという女友達を連れて行き、振り回されてひどい目に遭いました…その人は、一人になれない人で、私が行きたいところに、行く時間がなくなってしまったのです…(汗) パリとはいえ、英語も話せないみたいだったし、待ち合わせも一人では、怖いと言うし…。大変でした。もうこりごり。

私は、パリも、アメリカでの2年間も、ニュージーランドの旅も、近年のメルボルンの旅も、全部一人です。

海外出張も市場調査をしていたので、タイやベトナムには、一人で行っています。開発で行ったカンザスやニュージーランドでは、大所帯のまとめ役で、一人になりたくてもなれず、逆に、それがストレスに。お願いだから一人にして、というタイプなのです。

女性はお買いもの友達がいることもあると思いますが、私は都会暮らしでも、お買いもの友達はいない人でした。買い物はいつも一人がはかどります。

カフェも一人で入るし、梅田では串カツ屋も一人で行っちゃうし、男性が入るような牛丼屋には入らず、一人で、カップルか接待しかしていないような、フレンチレストランに入ってしまいます。いわゆる、”おひとり様”。それが好きなのです。

そういう人は、たぶん山でも単独行が向いています。そうでない人は無理をしない方が良い。

単独で必要なスキルのほとんどは、ヒューマンスキルです。地図読みはもちろん、出来た方が良いですが、イマドキの一般ルートは、ルートが明瞭なので、ルートを外して道迷いになる可能性など、一般的な常識のある人には必要性、皆無です。分岐で標識はちゃんと見ましょう。

それより、何より重要なのは、人に自分を印象付ける、というスキルです。

それさえできれば、Let's Enjoy単独! 

ソロの喜びは何物にも代えがたいもの、ソロは、心の充足をもたらします。

自信がつくこと、請け合い。 

何しろ、行く山を選び、バスの時間を調べ、自分で運転し、何から何まで自分でやらないといけないのです。

頼る人はおらず、自分だけが判断の拠り所・・・判断するのは、自分であって、それ以外ではないのです。

人が自分のことをなんて言っているか、なんて、まったく気にならなくなりますよ!!

No comments:

Post a Comment