前穂北尾根はアルパインのクラシックルートの入門ルートです。
確かに、一般道と一般道でないバリエーションルートの質の差は歴然としていました。
私は、やはり普段の山でも、マイナールートが好きで、一般道でない道も多少歩いているので、その経験は、すごく役に立ったような気がします。
わたしにとって、今回の山行は、本当に幸福な穂高との出会いであり、アルパインクライミングとの出会いでした。
連れて行ってくれた先輩方ありがとうございました☆
こうした山に登ることができるようになり、運命の不思議さに感動します。去年から1年間の努力が実った形です。
私はあんまり直線的に、”めざせ〇〇山!”と目指して努力をするということよりも、ご縁に任せて山に登りたいと思っているタイプなので、こうしたご縁をいただけたこと自体が、奇跡のような気がします。
山は、人との出会いやタイミングも含めて、山が懐を開いてくれた時に登るもの・・・そして、山が歓迎してくれている、その傍証が、素晴らしいお天気である・・・というような気がしています。
山が懐を開いていないとき、人を歓迎していないとき、何かがうまく行かなくなったり、風雪で荒れたり、と、きっとみじめな気分にさせられるものではないか?と思うのです。
そういう時は、欲をかかず、すんなり帰るべし・・・。山は逃げない、というのは、そういう意味だと。
行けるタイミングで、行ってもいいよ、っていう人が揃うことも、昨今は奇跡的なことですし、そのタイミングで快晴に3日連続で恵まれるなんて、本当に奇跡のような?!
■ 槍穂自慢 vs 幸福な穂高との出会い
「今、何座目?」って五竜岳の山頂で聞かれたときは全く興ざめでした。
槍穂って、そうした経緯で名前が出てくることが10中8、9なんですよね…(汗)
そのことには、テント泊デビューした夏の北岳で気が付きました。
だから、私に槍穂への偏見があるとすれば、それは「何座目?」と関係ない別の山で聞いてくるような人たちが、すーぐ槍穂自慢を始めるから、です。
とは、いえ、名門ルートには名門たる理由があるはずですし、私は、涸沢も知らず、岳沢から前穂に登ったことがあるだけでしたので、今回の山行で、バリエーションから穂高を知ることが出来たのは、本当に幸せな穂高との出会いでした。
恐れをなしていた混雑も台風のおかげで、それほどでもなかったし…比較的空いているルートも分かり、人気ルートは下山に使えばよいのだと、使い方も分かり、涸沢は好きになりました。
やはり山慣れた人の計画は、山のエッセンスが一杯詰まっている。
いつか夫と北穂に登りに行きたいと思います。
■ 靴
今回は、靴が少々失敗でした。
後立はシリオで縦走したのですが、そのあとシリオはつま先が広いので、細かいスタンスに乗り込みにくいと思って、岩稜帯の縦走用にスカルパのシャルモを買ったので、それを履いて行きました。
これを履いた長い山行が今までなく、小指に大きな豆を3つも重ねて作ってしまいました。足が前すべりするので、中敷きなどを工夫しないといけないですね。
先輩には歩きにくそう、と言われたので、いくらザックの重さがあるにしろ、この靴は今回の山に向いていなかったのかもしれない。
岩場は半クライミングシューズのような柔らかい靴底の靴も歩きやすいですよね。かといって岩塊斜面は、柔らかいと岩の角に乗れず歩きづらいこともありますが…。靴によって、スタンスは違ってきます。
槍穂の縦走のような道は、アプローチシューズのファイブテンイグザムガイドが良かったのかなぁ…。ミドルカットなので、一応ザックを背負ってもなんとかなるかもしれませんが…。とりあえず、どこかを歩いて確認しないと行けないですね。
■ 無駄な荷物
今回はあまりに混雑を恐れていたので、携帯トイレをたくさん持って行きました(笑)トイレ核心かと…。
行ってみたら、混雑はそれほどでもなく、小屋のトイレが使えたので、大丈夫でした。で、トイレキットって、どれくらいの重さなのかな?とふと思って計ってみたら、800gくらいはありました(汗)。
これが行動食だったら…と後悔。実は、朝、悩んで行動食のドーナツを置いて出たんですよね…。やはり入れておくべきだったなと…。今回は行動食が乾パンにしたので軽めで、そのせいもあってか、少しシャリバテしました。
シャリではなく、水かもしれないけど… 実は水の容器が漏れてしまって、使えなかったので、少し水が足りなくなったようでした。
普段の山で、アミノバイタルやヴァームを使ったりするのに、今回は使わなかったので、それもあったかもしれません。いざとなれば、小屋で食べ物があると思って、油断したかな…
しかし、先輩たちはロープや、私が持っている以外のカムなどの登攀具も、一式ずらっとあったので、もっとザックは重かったはずです。
今回持って行った中では、
- 日本酒ガラス瓶で一瓶
- ウイスキー ガラス瓶で一瓶
- 大きいサイズのガス
- 携帯トイレ
- チェストハーネス
- 傘
- サーモス
- スマホ電池 余分に1個
が不要な物でした。
これらの重さで、私の軽量シングルを背負って行った方が合理的だったかなぁ…
ギアを最小限に絞ったので、ギアはそんなに重くはなかったと思います。普段のクライミングの時は、ヌンチャクも持って行くので…
私は夏でもサーモスに湯を入れていたりもするのですが、サーモスはないなら、ないでも夏は困りませんね。湯は沸かせるので…。
■ 持って行って良かったもの
一方、持って行って良かったのは
- 海苔
- さんまのかば焼き缶
- 黒砂糖
でした。味海苔は、塩味が欲しいときにちょうどいいのかも…。おつまみにもなるし。煎り大豆は置いて出たら、先輩が持ってきていました。いりこは余らせて帰りました。和食は和食系にしか合わないしなぁ。
チーズを置いて出たので、携帯トイレの代わりにチーズを持って出たらよかったなぁ…(笑)
■ 個人化
古い岳人(と言っても、2008年のだけど)に、北穂池の特集があったので、それを借りるついでに、前後の岳人を借りてきたら、その中に、ちょっと昔はよかったな、昨今の若者は…的な記述があり、その中に、行動食が個人である、というのがありました。
え?行動食って共同装備だったの?!
今の時代、テントが個テントになっていることが問題視されていますが、それは立派に理由があり、個テントだと、スペースがなくなるんですよね…テン場の。
それで、テントは皆で同じテントに寝るのが合理的だと思うのですが、行動食が共同だったと言うのは、わたしにとっては、どこが合理的なんだか理由が分からず、ビックリしました。
まぁ合理的かどうかは別として、時代が進むとともに、個人化は進行中です。問題は落としどころをどこにするか?ですが、
- 朝・夕は食当で共同
- テントは共同
- 鍋、ガスは共同
- 行動食は各自
- お酒は各自
が、一般的な落としどころなのではないかと思います。行動食、必要な量も違いますしね。
お酒も飲む人と飲まない人がいますし・・・。各自自分の分を持ってくるのがいいのでは?
今回は私の共同装備は
- ガス&ストーブ
- 米3合×三食
- ツエルト
でした。テントのフライシートとか、ポールとか分担して担げるような気がします。
今回は、新人の務め、”バテナイ”が少々犠牲になってしまいました・・・(^^;)。
もう少し歩荷力欲しいですねぇ。 女性25kg 男性30kgが、合格ラインという会もあるそうです・・・私はまだ22kgぐらいまでしか経験がありません・・・18kgを超えるとスピードに影響があるしなぁ・・・
次回は、もう少し賢く重さを配備できるかなぁ・・・。何事も経験ですね。
ガラス瓶からペットボトルとかに移し替えたら軽くなりそうですね。
ReplyDelete腹八分目に習って、アル八分目にしようと思いつつ
「足りなかったなぁ」と思った次の泊りの谷では ついつい余裕をもって用意してしまい
呑み過ぎてしまいます。。。
そうなんですよ。ただ連れて行ってくれた先輩が、「酒の瓶も味のうち」という思考の人だと聞いていたので、持って行きました。以前冬の合宿でワインを瓶で持って行ったら拍手で歓迎されたので・・・
Deleteでもあまり飲む人がおらず残念でした。
お酒が足りないと切ない(寒い)ですから、やっぱり少しあまるくらいがいいのかなぁ・・・
瓶のワケがあったんですね。そりゃそうですね。
Delete今後は切なさを味わっていこうと。守れるか自信は無いですけど。
そうそう、この前、初めて一緒に谷中泊した人が「ワタシは呑みません」って。
数度、一緒に居酒屋に行った時は呑んではったんで、「山でも呑む」と思い込んでたわけなんですが、この時のほうが酒量不足よりも切なかったです。
うわ~かなり切ない! 私は最近は大体1合くらいです。家ではおちょこ一杯しか飲んでいませんが、毎日晩酌しています。ワインか、日本酒。ビールは夏以外はほとんど飲みません。夫は飲みたがるので、一応冷蔵庫に入れていますが、”ごちそう”扱いです。山でもビールおいしいですよね!ビール以外は飲み干せない。冬山では、ウイスキーもおいしそうです。
Delete私は山宴会でよっぱらうためにお酒を持って行くのはどうかと思いますが(吐いたりとか・・・)そうではなくて、気持ち良く寝入るためにはいいかな~と思ったりします。
先輩たちも、むかしは大いに飲んでいたみたいなのですが、もう飲まなくなったみたいです。無理、無茶、無謀の時代はすぎて、安心登山の時代に入ったのかなぁ・・・・なんて(笑)