山ガール成長中・・・ |
と言ったのは、入会した会の先輩だった・・・が、当時私は自分を”山ガール”と認識しておらず、「?」と思っただけだった。
登山を始めて4年。2年目くらいまでは、しょっちゅう 「山ガールが来たから道あけて~」と言われた。
言っている相手は、中高年が多くて、別に深い意味はないのだろうけど、私は「はて?」となっていた。
ガールと言うには、年をこちらも取りすぎているからだ(笑)。
でも、実際、山では 年齢は 相対年齢 ということが、最近は分かってきた。
巷では、若いとは20代のことを言う。山では30代、40代は若い。それは60代から見るからだ。
最近は、「道をあけてあげて~」とは、言われない。のは、道を明けてもらう必要がない、誰もいない山しか行かないから(^^v)。
都会の”ホンモノ”の山ガールの人たちは、一体どうしているんだろう・・・?と思って、ちらっと聞いてみたら、”西穂~奥穂と北鎌尾根を歩いたら上がり” なのだそうだ…。
師匠と私 |
なるほどなぁ。 なんとなく、やっぱり感がある。というのは、歩ける”ガチ山おばちゃんたち”もそうだからだ。山岳会に来るような、登山を一人でやってきた男性もそうだ。なぜか皆、最終終着点は北鎌尾根。
でも、実は、山って、そこからがスタートなんだけどなぁ・・・。
みなさん、登山大系を読みましょう☆
でも、ワカラナイでもない。 今の社会には、成長した山ガールの受け皿がない。
バリエーションに行くような人は、どうやって成長して行ったらいいのだろう?
山梨では、山岳会を6つも検討し、2つに入会した。
けれど、やっぱり、高齢化の波は押し寄せているなぁ、という感じはするし、パートナーになってくれそうな同年齢の女性クライマーは、どこにもいない。
パートナーがいないとバリエーションはいけないし、いても男性だと、一緒にテント泊できない、など、宿泊がネックで、同行者としては不適だと最近わかった。
山の人の中では、同じテントなんて、普通で、恋愛関係なんて、一切なくても、そう思ってしまうのが、下界の考えだからだ。
それでも、やっぱり会に入らないよりは、入った方が、絶対に山は広がり、会の先輩たちには、とても感謝している。それに師匠にも感謝している。
■ 登山初心者 vs 地図読み初心者
昨日は、読図講習会に出てきたのだが、地図読み講習会って、何も分からない登山初心者と超ベテランの接点になっている。
地図読みは、一般に初心者向けと書いてあるので、”登山の”初心者が来てしまう。
でも、実は、”登山初心者”と”地図読み初心者”は違う。
登山の初心者ではなくても、地図読みの初心者の人は、世の中にはたくさんいる。実は、その人たちの方がむしろ、まったく登山初心者の人たちより、道迷いリスクが高い。
登山初心者は、ガイドブックで、難易度1や2の、道が明瞭な山しか行かないからだ。
でも、登山初心者じゃなくても、地図が読めない人たちは、自分は初心者じゃないと思って、講習会には来ないだろうなぁ・・・と思う。
■ 地図読みはベテランの技
教える側から言うと、地図読みはベテランじゃないと教えられない。
- 開催する山が非一般道
- そのためリスク管理が高度
- 開催する山を知っている
の3つがベテランの技を要するからだ。
連れて行きやすい山ではない。
大体、日本中の歩きやすい場所は、すでに歩かれているので、ピンクテープがない場所を探すと、登山道と比べて、傾斜が急だったり、手がかり足がかりがなかったり、倒木が多かったりして、歩きにくい道になりがちなのだ。
ので、登山初心者の人が参加すると、道が悪くて、びっくりするだろう。 高齢の人が参加しても、歩きづらくてびっくりするだろう。
昨日使ったのは、きわめて歩きやすい山だったけれど、参加者のおじさんが「雨がふったら難路」と言っていた。
でも、あれは雨が降っても、”易しい”に分類される道だった(笑)。
やはり、非一般ルートは、一般ルートしか歩いていない人にとっては、大変なんだ、と思った。
■ 女性であるメリット
思うのだが、会の男性や同僚は、こうした講習会には参加できない。
少しでも、山ヤのプライド、が生まれてしまうと、講習会などは参加しなくなるし、娯楽の山を優先すれば、学習する山はおろそかになる。
貴重な休みをどちらに使いたいか?というのは、価値観だけでなく、時間そのものの重みにもよる。仕事で疲れていれば、休みくらいは自分の愉しみに使いたいだろう。ただで先輩から教わることに慣れてしまうと、たった4000円も高い、という人もいる。
だから、私が女性だと言うのは、すごいメリットかもしれない・・・ 自分にできない技術があれば、外部に教えを請うことは、あまり難しくないからだ。
去年は
・アイスクライミング講習 1.7万円
・富士山雪上訓練 1.2万円
・雪崩講習会 2.5万円×2
に参加しているし、夏の期間は
・猪熊予報士のお天気講習会 東京遠征費用 + 2000円
に参加した。
・岩講習
・沢講習
・レスキュー
にも、出たかったのだが、瑞牆山の岩講習会は雨で流れてしまった。沢の講習会があれば、仲間を得るためにも出たい、と思っていたのだが、岳連主催の沢講習会は、参加者が少なかった。
秀山荘の沢の机上講習とか、凄く出たいな~と思ってしまう。
アイスは、今年も一回は誰かの講習を受けた方が良いと思っている。去年とおとどしは、保科さんのに出た。講習会に出ると、最新のギアを試せたり、パートナーが見つかったりするのが良いところだ。
■ 山の知り合いを増やす場
裏山ラッセル中 |
でも、そういう意識で、講習会を見ている人は少ない。それは、たぶん、まだパートナーが必要な山を知らないからだ。
講習会の後、「山の知り合いを増やす会」をやってくれると助かるんだがなぁ。
ガイドさんのお客さんを奪っては悪い、という見方もあるかもしれないが、教える側も、生徒同士で山に行ってくれると、助かることも多い。
のは、何から何まで教え切れないし、安全管理上、手がかかるお客さんより、手がかからないお客さんの方が上客だからだ。心配のイラナイお客さんは良いお客さんだ。
一度連れて行った山に、生徒同士で一緒に行ってくれると、安心してステップアップした山に連れて行ける。
困るのは、自分はステップアップしていないのに、連れて行ってほしい山ばかりステップアップする人。リスクだけが上がっていく。
それに基本的には、山力が上がるほうが山に行く人自身の安全が増え、山文化が栄える。
優れたガイドは、お客さん同士が行く山と、自分が連れて行く山の質の差を分かっているから、お客の取り合いとは思わないようだ。
山は学びきれないくらい、色々な知識が必要だ。それに磨かれた判断力は、一朝一夕には身につかない。
■ 先生を得る場
醤油樽の滝 |
むかし、山岳会に蓄積していた山の知識は、先輩格の人が、みなガイドになってしまったみたいなのだ。
バレエでは、お教室に入会する前にワンレッスン無料体験を受けることができるのが普通だ。ヨガも大抵は一回目は無料で、先生や教室との相性を見てから、入会するかどうかを決めることができる。
なのに、登山ガイドをお願いするときはそれができない。
私はそれは、ガイド業において、かなりネックだと思う。見も知らない相手に命を預けることなんて、普通出来ない相談だからだ。
だから、講習会、などは、そういう意味で敷居の低いお見合いの場、としてみると、かなり有効性が高いと思う。
どんなに優れた人とでも、話の合う・合わないはあるし、上手いクライマーが教え上手とは限らない。
誰だって、一緒にいたい人と一緒にいたいのだ。
パートナーを選ぶとき、そういう視点で選んでいない人もいて、どう考えても、一緒に行けない人から誘われると困ってしまう。
■ 地図読みとクライミング
私にとって、地図読みは、まだまだ磨きたい技術の一つだ。
それは近所で、日常的に冒険的な山をしようと思うと、必要になるから。夏は沢で必要。
でも、地図読みだけでは、変わった山には、行くことはできない。
最近、伝丈沢程度なら一人で行けそう、と自信を深めているが、懸垂下降に自信がつくまでは、自分一人で、地図読み山行をする気持ちには、なかなかなれなかった。
例え茅ヶ岳であっても、だ。
それを言ったら、ベテランに心配しすぎのように笑われたが、やっぱり昨日は、私の判断は正しかったと思った。
天野さんも、
- ロープワーク
- 地図読み
両方揃って、地図読み山行にチャレンジできる、と言っていたから。
私はもう懸垂などのロープワークは問題ないので、たいていの山なら歩ける。
が、降りた後、やっぱり上の方が良かったな~と思っても、登り返しができない(笑)
だから、まだまだクライミング講習は必要かもしれないし、雪山のアイゼン歩行は、毎年それだけの山をした方がいいな~と思っている。油断は禁物だからだ。
今年も独評に行くかな~。燕岳で済ますかな~。
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