東稜の最低鞍部から振り返る |
計画が来た時、まっさきに北穂池に興味を持った私は、翌日、さっそく図書館に出かけたが、登山大系に北穂池は記載がなかった。無収穫で帰り、他に資料はないかと、探したら、岳人の2008年6月号に特集があるのを教えてもらい、再度図書館へ。
ネット検索では結構引っかかるが、信頼のおける筋の情報が欲しかったのだ。ネットの情報は玉石混交で、しっかり裏取り、複数のソースを当たらないといけない。
私はマイナールート好き、どちらかというとあまり人が知らないところに行きたい。これは他のことでも同じで、メジャーよりマイナーが何でも好き。
というわけで、私にとっては、北穂池はご褒美山行だった。わくわく探検の旅。
北穂池へはアプローチは大まかに二つある。
1)横尾本谷を詰めるケース
2)北穂東稜を乗っ越すケース。
このような所を通ります |
- 北穂東稜の最低鞍部へまず上がる。そこから、P2814へ。1.5時間
- そこからは、薄い踏み跡がある。小さなケルンもある。こうしたルートに慣れた人なら、見つけられると思う。
- 池が見えるので、適当に歩きやすいところを探して降りる。
このどこを歩くか・・・考えよう! |
一つ目の池が見つかると、二の池、三の池は容易に見つかる。
地図には北穂池は3つ表示されているが、実は4つある。最後の四の池は、私は雪渓の水たまりを四の池だと思ってしまい、見落としてしまった…またリベンジに行かねば。
このルートは登攀ではないので、ロープは出さないが、ルンゼを通るので、一応の登山常識と言うか、どういう場所に立てば、先行者が落とした石に当たらないか、考えながら歩くくらいの思考力は必要だ。ただ盲目について歩くタイプの人は、歩いていたら、知らずに自ら、危険落石エリアに入っていたりするかもしれない。
池は素晴らしく、景色を満喫。楽園だった。南岳の展望が素晴らしい。
池からの脱出も、ルートファインディングが困難というか、勘や経験が必要だと思う。
基本は落石の危険がより少なそうな尾根沿いの歩きやすそうなところを上がる。ここの登りは、本当に落石が怖い。北穂北壁を見上げながら上がる。
この谷は、登攀で墜落して、命を落とした人が転がり落ちて、停止するとしたら、ここだろうと思わせられる場所で、案の定、慰霊碑があった。
オレンジ色のふろおけのようなものがあったので、昔はここから取水していたのかもしれない。
一つの岩をずらしたら、全部の岩の積み上げが連鎖的に請われそうで怖い岩塊斜面を、恐る恐るトラバースし、大キレット一般道上のA沢のコルへ。これは滝谷の沢だそうだ。
これをルーファイして最低鞍部まで上がります |
慰霊碑 もう一つあった |
北穂北壁 上は縦走路で大キレット、難関 |
雪渓の雪解け水がきれいでした |
全然飲めて冷たくておいしいのです |
こんな岩塊斜面を上がるのですが、大変です・・・岩雪崩れをおこしそうです |
A沢のコルに出ると笠が見えました |
滝谷・・・うーん、こんなところを登る人がいるとはすごい! |
池が小屋のテラスから見えます |
小屋のテラスから槍 |
岩ひばりが遊びに来ていた |
■ 大キレット
私は大キレットを歩くと言うことはあまり認識しておらず、あんまりよく考えもしないでいた。私にとっての核心は、北穂池のルートファインディングだったので。
先輩は「今から大キレットを通る」と、そんなことも知らないの~、と呆れ顔。すいません、北穂池しか考えてなかった。
一般道ということで、あとはただの下山、って思っていました(^^;)。
一応、一般道では難路とされる飛騨泣きは、そう難しいとも感じられず、ふつーに通過してしまった…。通過してから核心と教わり・・・。
うーん、感動がないぞ。
これはやはり、非一般道の方が緊張が強いからで、一般道は安定していて歩きやすいなーと、その落差の大きさを感じたからだ。
その後、北穂山荘で、おしるこを一杯。北穂でヤッホーして、下山はラクラク一般道、って感じに降りた。
14時下山で安全登山完了。
上から見ると、黄色いテントが半分くらい・・・まだ2時になっていなかったから、まだまだ上がってくる人が増えるはずだ、という状態でコレ・・・そんなに混んでいない。
その後、後発と合流できるか心配して、テント付近でしばらく皆でウロウロしてみたが、時間が早すぎるようで、到着はまだ先だろう、とあきらめて、小屋でビールでも飲みながら待とう、という話になったところで、通りがかりにめでたく合流し、生ビールにありつく。
小屋でおでんが売っていたので、がんも150円、ちくわ100円を・・・。ポテチやおやつを出してきて、暗くなるまで宴会。
夜はテントへ戻り、夕飯。早めに就寝して、寝ました。この日は雲が全くなく、月が出る時間も遅いので、星がとてもキレイでした。