明日は師匠の誕生日、明後日は私の誕生日です。明日は山に行きたかったのに、雨の予報でがっかりです。
しばらく前から、現実的で地に足がついた目標を考えるようになりました。
- 三ツ峠一般ルート右をリードできること
- 三ツ峠中央カンテの3P目クラックをリードできること
- 春のもどり雪3P目のクラックが安定して登れること
- 十二ヶ岳の岩場に親しむ
- カムとクラックの幅の感覚を覚える
これらの場所が私にとって課題になるのは、
これらができれば人を連れて行ける
からです。
そうすれば、私は初歩の岩登りを指南することができるようになり、山岳会の先輩たちも、もう少し難しいルートから、後輩の世話をすればよくなります。
■ グレードはテストの点みたいなもの
グレード 5.××がリードできる、という設定の仕方の目標は、どうも、私には馴染まないみたいです。
というのも、私が英語を身に着けたプロセスを考えてみるとそうなんです。
決して、ひけらかすわけではありませんが、英語については、目の前のことをコツコツ片づけたら、2年たったらTOEIC925点になっていました。これは上位1%ですから、自分でもびっくりしました。
いわゆる、ガリ勉はしたことがありません。
振り返ってみると、私は、英語科3年生になり、大学の旧式の暗記勉強法に不満がありました。「このやり方で勉強してちゃ、どうやっても話せるようになんかならない!」と思い、海外に行きました。が、海外でも「英語学校になんかいちゃ、話せるようにならない!」と思い、働いているか、ボランティアして、ネイティブと接する時間を最大化していました。自分で、住むところを探したり、仕事を探したりして、四苦八苦して覚えたのです。車の免許も向こうで初めて取りました。渡米1週間後でした。教えてくれる人を探してきたのも自前です。
他の日本の人は、たいていは、出国前に日本の英語学校に行き、海外では現地の英語学校に入ります。色々な面倒なことはみな誰か他の人にやってもらうのです。でも、そのやり方では、せっかくの学習機会をみずみす自分から手放していることになりますし、現地の学校にいるのは、先生以外は全員外国人ですから、練習相手に事欠きます。
私はベビーシッターとボランティアをすることで英語を覚えました。一人の時は新聞を読み、カフェで誰彼に話しかけて、先生になってもらいました。日本語環境にないので、最初に見た英語の夢は、ストレスで悪夢の夢でした…(汗)周囲には日本人は一人もいませんでした。
それで、帰国して、就職に際し、英語力を証明しないといけない、というので、TOEICを取ったのですが、初回が850点でした。一回はテストがどんなものか理解するのにかかるので、すぐに2度目を受け、925点(満点950点当時)だったので、テストの点を上げるために頑張るということは、その一回目のテスト以外は、一切しなかったのです。
これが、もし2年前から、”TOEIC925点を取ること”を目標に掲げていたら、テストの点を取るための勉強になったでしょう。
そして、決して2年ではこの英語力を身に着けることはできなかったのではないだろうか?
妹は6年海外にいても、いつも周りに日本人ばかりなので、2年しか海外にいなかった私より話せるようになりませんでした。
私が大天才、というわけではないのです。ただ、カリキュラムを自分で組み立てる、自分で考えて、自分で自分に教えているだけです。英語では、TeachYourself という言葉で表現されています。
そういうやり方だと自分の学びの進捗度合いを知るために、数値が必要になります。決して、目標ではないのです。
そうしたものは、
成果を計るもの
目安
であって目標にするべきものではないのでしょう。
私は以来TOEICはもう受けなくなりました。岩で言えば、11登れたし、5級マスターになれた、って感じかもしれません。
■ 成果を実感する
こないだは、1月に落ちた十二ヶ岳のディエドルが登れました。易しかった…。
十二ヶ岳の岩場のルートは、
右から
- ノーマンベイツ 5.10c
- アンソニーパーキンス 5.7
- ジェネットリー 5.8
- サイコ 5.9
- 北北西に進路を取れ 5.10a
です。この順番で行くと、私はサイコをリードしたことになるんだけど…ルート名が一致しているのかどうかは分かりません。ずっと、名もなき、5.7をリードしたと思っていたので…
でもグレードは問題ではなく、前に登れなかったものが楽になっている、というのが大きなことでした。
余談ですが、『Psyco』(サイコ)っていう映画に、ジャネットリーっていう女優さんが出てくるんですが、この岩場のルート名って、ここからきているんでしょうか?最後北北西…だけ、ネタが尽きたのでしょうか(笑)。
ここは西湖(サイコ)の岩場だから、だとは思いますが。岩場の総称はヒッチコックにしたほうがいいかもしれません。
■目の前のことをコツコツ頑張っていたら、思いがけず見えた高みに登る
私は、憧れを温めて登る山、も好きです。
甲斐駒は4年温めていました…もちろん、黒戸尾根からの冬の甲斐駒です。
でも、甲斐駒黒戸尾根に向けてトレーニングしたことはありません。
でも、体力や登攀力だけなら、登れる実力がたぶんあった3年目の冬にきた誘いも断っています。これはいっしょに行く人のリスクを私は負えないと思ったからです。欲張っていたら、行ったかもしれません。
私にとって北岳バットレスは、甲斐駒のような山であるべきで、それ以外であるべきではありません。
しぶとい山ヤになるコツは、
弱気
と言われますが
欲張らないこと、
も入るかもしれません。
目の前のことをコツコツ頑張っていたら、思いがけず見えた高みに登りたい、と思います。
≪成長の記録≫
目標設定 2013
目標設定 2014
登山の達成感を考える
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