Sunday, February 2, 2014

支点の研究2 スリングの取説 

■ 懸垂下降ができる ≠ 懸垂支点が作れる

ラッペル(懸垂下降)の支点について、勉強したいと思って、色々ネットで文献を漁っているのですが、あまり良い情報が見当たりません・・・

懸垂下降で一番多い事故は、支点の崩壊だそうです・・・(汗)

懸垂下降の練習をする場合、

懸垂下降そのものの仕方を練習する(下降器のセットと実際に体重をかけて降りる)だけで、
自分で支点を作ってそれに命を預ける、

という経験をしない。 やっぱり支点を選ぶところから自分でしないとダメだと思いました。

懸垂下降の支点の作り方について、今まで講習に出ていても、明確に教わったことがない・・・ということに気が付きました。

(支点作りを教わったことがない)
=(懸垂下降は出来ても、懸垂支点は作れない)
=(結局自分一人の時に下降することになっても降りれない)

ということになると結局、懸垂下降できないってことですね(^^;)

「懸垂下降できる?」と問われれば、多くの人は支点を自分で作ったことがない時点であっても、「はい」と答えると思いますが、でも、支点を自分で作らず、ただ降りただけのことでは、本質的には 「No」なのではないか?と・・・

それが懸垂下降での支点の崩壊事故の多さにつながっているのではないかと・・・思いました。


■ 懸垂支点とトップロープ支点は似ている

懸垂下降の支点、私は、立木に直接ロープを回しかけ、回収するほかは、捨て縄を用いたものしかしりません・・・

捨て縄を高級化したらスリングですので、スリングの取説を見てみることにしました。


画像は、アルテリアの取扱説明書から拝借したものですので、こちらのほうがより見やすいです。

http://www.alteria.co.jp/download/pdf/ifu/C40.pdf

まぁ要点は、トップロープの支点と懸垂下降の支点の差は

 カラビナの有無

と言うことです。 トップロープだとロープがスリングを焼き切ってしまうかもしれないからですね。

トップロープでも懸垂下降でも、支点が崩壊したら、大問題なのは一緒です。

なので、

結局、トップロープの支点の作り方からカラビナを引いたら、懸垂の支点になるのではないか?

と推理しました。

この取説では、

 1) (スリング2重) > (タイオフ)

 2) オーバーハンドでコブを作ると強度が下がる
 
 3) 連結すると強度が下がる

 4) ボルト支点へのタイオフは最後の手段に

 5) 分散は60度の角度以内に

 6) スリングには動荷重を掛けてはいけない、静荷重のみ(スリングに落ちてはいけない)

ということが分かります。

それにしても、文章にすることなく、これだけの情報を伝えている取説はエライですね~!!

しかしまぁ、私はまだ支点のことはちゃんと習ったことがありません。

教わったことがないので、いざ支点を取るとなると、困ってしまいます・・・。困っている間(身についていない間)に、非常事態に陥らないか、それが本当に心配です・・・。

「確実な支点を取りましょう。 支点は2個以上取りましょう」 以上終わり!では・・・(汗)です。

問題は、

 ・確実な支点になりそうなものが見当たらず、
 ・複数のタイプの支点を2個以上連結しないといけないような場合

なのではないか?と思うのですが・・・ そうなったら不確実でもなんとかして使わないと降りれません。

体重の重い人が最初に降りてみて支点強度を確認したりするのだそうです。

■ アイスの懸垂支点

アイスでは中間支点はアイススクリューで取りますが、アイススクリューは高いので、残置したくありません。

それで有名なのがアバラコフです。

あとはくるくるポンという方法もあるそうです。くるくるポンは基本的にはアイススクリュー一本に全体重を預けることになるので、氷の質にちょっとでも疑問がある時はやってはならない、そうです。

疑問と言うのは、

 ・もろい、
 ・日向で金属の方がよく熱を通すので、溶けそう

ということですかね・・・他に何かあるかな?

≪アイスの懸垂支点≫
 ・立木
 ・アバラコフ
 ・くるくるポン 





■ トップロープの終了点 ≠ 懸垂支点 なんだな・・・

みんなトップロープで登っている時、怖いという感覚はないと思います。 私もついトップロープだから安全と考えてしまいます。

が、それも、考えてみたら変な話ですよね。 

どうしてかというと、上記のように懸垂下降の支点と、トップロープの支点はほぼ一緒だからです。

トップロープでは支点が壊れる危険性は、さして指摘されてない。

けれどほとんど同じ支点の懸垂下降では、アブナイアブナイと色々言われます。 

良く考えると、同じ支点の強度なら、懸垂下降では静荷重しか基本的に支点にはかからないけれど、トップロープの人は結構よく落ちるので、ドン!という動荷重は一本のロープで、トップロープの支点に結構頻繁にかかっているはずですよね。

うーん、どっちの支点にストレスが大きいんだ?

トップロープで支点が壊れたら、懸垂で支点が壊れたのと同じで、グランドフォールですよね~。

ああ~怖い!

こんなサイトを発見しました・・・

色々な支点

私は岩登りは一回しかまだしたことがないので、岩登りで支点が用意されているのには、びっくりしてしまいました。 え?そうなの?!

ということは、そこに向かって登れ、ということで、あらかじめルートは半分は決まっているようなものですね。

山で立木に向かって登るのと同じでしょうか・・・立木まで来たら安心、みたいな?

となると、支点があらかじめ用意されていれば、支点を発見することに関心は向かなくなるのは道理です。

たとえば、基本的にずっとトップロープの人は、終了点まできたら 「テンション」と言ってローワーダウンさせてもらうだけなので、支点について疑問に思うどころか、支点を見ることすらないかもしれません。

でも良く考えたら、トップロープ支点は懸垂下降支点とほぼ同じ・・・


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懸垂下降体験会



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