夏山の小屋で働いていたときですが、”事故るお客さん”と言うのは、断然、年配のお客さんでした。年を取っていて、洋服が新しい=「中高年の初心者じゃないのか?」と周囲は心配になります。
そういう人が、もし、ベテランだったら…?そりゃ、まなざしがウザいだろうな~というのは想像に難くありません。
でも、一方で、ベテランが古いものだけで固めていると・・・
・技術まで古そう
・若い人が入ってこないという会は、それも一つの原因ではないか?
との声も…たしかに一理あるなぁ。
どんな世界でも業界の一流の人たちは、常に向上心があり、風化しないものだからです。
■ 服が質素な理由
■ 服が質素な理由
しかし、服が質素なのには理由があります。
・服より道具を買いたい
・金があるなら服でなく山に行きたい
・最近のユニクロって十分高機能
・肩がらみ/腰がらみ = 服が傷むので高いウエアは着たくない
■ 肩がらみは服が傷む・・・(汗)
服に関して山の技術が関係するのはダイナミックビレイです。
菊池敏之さんの『最新!アルパインクライミング』にこのような記述があります。
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いわゆる「ロープを流して止める」制動確保は30年ほど前までは、ビレイの鉄則だった。
それは、ビレイ方法も「肩がらみ」だったからという前提がある。
中略
70年代前半~中盤で、おりしもビレイは「グリップビレイ」そして「エイト環」と大きく変わりつつあり、さらに現在のビレイデバイスが登場するにいたって、確保方法はロープを瞬間にロックする「静的確保」(スタティック)へと決定づけられたのである。
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※現代のビレイデバイス、というのは、セカンドのロック機能が付いた、ATCXPガイドやルベルソなどの確保器のことです。(チューバ―類はスポーツクライミング用)
まとめますと
・高齢のベテランは、そこいらの若者より強いんだが、洋服が新しいと、最近増えた中高年の初心者と間違われて心配されてしまう
・自分の持っている確保技術の関係で、痛んでもいい服しか着て行きたくない。
■ 見た目が9割?
しかし、人間は弱い生き物…知らない人は、見た目で人を判断します。
それは人間が社会的な生き物である、ということで認めなくてはいけない… あなたなら、
・ヨレヨレの背広のサラリーマン
・パリッとしたビジネススーツのサラリーマン
・アルマーニのスーツのサラリーマン
の誰に仕事を頼みたいですか?
ヨレヨレはアルマーニ野郎と同じくらい、「こいつに頼んで大丈夫か?」と思いますよね(笑)
■ ブランドに身を固めるのもイマイチ
私の友人の一人は、なんと全身「アークテリクス」!
アークは正直不必要に高いブランドで有名です。何しろタイアップしているのは、ビームスとかですから(笑)ビームス?え、知らない?こちらへ。ファッションブランドです。
全身アーク、というファッションがどういうメッセージを発しているか?というと、決して登山のベテランというメッセージではありません(笑) アークがファッションブランドだからです。
じゃどう見えるん? ってわけですが、自尊心に問題を抱えていそう、に見えるんです。
登山で一つのブランドだけに偏って全身を揃えていると、それは”考えていない”という風に見えます。
■ 小屋勤め経験者が語る!? これが落としどころだ!!
そうなると、
・山のベテランである
・技術もしっかりしている
ということを正確に周囲の人に、非言語メッセージでコミュニケーションするには、どこかに落としどころがなくてはならない。それには、どうしたらよいか?です。
1)ベテラン度はギアの消耗具合でアピールしましょう! 例:新品の高級ザック=初心者風。
2)ウエアはよく買い替えが発生するものなので、新旧をバランスよく、ミックスする。
3)手ぬぐいを頭に巻く
4)穴が開いたウエアはNG。 ただ焚火山行以外。
5)知る人ぞ知る定番を着る
6)靴は使い込んだもの
7)オシャレは一点豪華主義
8)カラー配色に気を使う
たぶん一番カッコいいのは、掛けるべきところにはお金を掛け、道具そのものは使い込んだ道具だ、という人です。
たとえばバイルが年季ものとか。それだけで、古くからやっている、カッコいい山ヤに見えます。だから、木のワカンが若い人に人気があるんではないかと思うのですが…
それと、登山者ならだれもが知る、ザ・定番、というものを着ているのは、「分かってるね~」と言う感じかと思います。
パリジェンヌのオシャレの鉄則は一点豪華主義です。全身豪華=”自尊心に問題”なので。
まぁ、夏の北アの小屋には、本物の山やは来ないわけなので、そもそも、誰に向けてのアドバイス?って感じではありますが(^^;)
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