今シーズンは夫と歩いている山が少なく、夫はまだ八ヶ岳に一回も行っていない!これはちょっと!
というわけで、15,16は、赤岳展望荘に予約をいれていましたが、大雪で愛宕山の二人ラッセルになりました(笑)
こういうことがあると、少しくらい風邪気味でも、鉱泉のアイスキャンディフェスティバル行っておけばよかったな~とか考えてしまいます。
ひとりで歩くべきか、それとも二人で歩くべきか、それともみんなと歩くべきか…?それが問題だ!!っていうのは冗談です。
一人でも歩ける人が、二人以上集まったら、愉しい仲間になる。
相手の考えることが大体分かるからです。
そうでないとたぶん楽しい仲間にはならない。 まぁ結婚と同じですね。
0.5 + 0.5 = 1ではないのです。 1 + 1= 2より大きい、それがパーティ。
■ 命題 ひとりの方が山は楽しいのか?
たまにそうかもしれない…と、私なんかは思ったりしてしまうのですが、よく振り返ってみると私は一人ではそんなに歩いていません。だから山の成長に時間がかかっていますが、焦らず行くことにしています。
人は一人では生きていけない。
けれど、一方的に与え続けないといけないと言う関係はやはり違うと思う。
私はソウルメイトというような親友を持ったことが2度あり、それは一人よりは確実に素晴らしいもので、かつ、お互い我慢がほとんどいらないくらい快適だった。
クライミング山行は絶対に一人では行くことができない。
Z式とかソロイストとかありますが、そもそもクライミングシステムは二人がスタンダードな単位。そこまでして一人にこだわるのは、二人より一人が良いと言っているようなものです。それはそれでかっこいいけど、そういえるだけの技術が要ります。メスナーみたいな人ですね。
一人で行っても安全な山はいっぱいある。
単独行がダメ!なのは、山の常識が身についていない初心者の段階の人です。
初心者の人は行ってはいけない山に行ってしまう。そもそも、そこに単独で行くことが初心者の証っていうことをしでかします。(たとえば小屋がない厳冬期の三ツ頭に単独とか)
そう、山と言う山が全部、”一人で行けない山” ではない。
たとえば高尾山に一人で行けないか?
まぁ高尾山はルートが多い山らしいので(行ったことがない)ひとけのないるーともあるのかもしれませんが、一般的には、一般ルートで人がわんさか登っているような山に一人で行ってはいけないと言うのは正直行き過ぎている。
年中人の足が絶えない山というのはある。冬の八ヶ岳というと、知らない人が聞いたら「そんな危険な!」と十派ひとからげだが、そういう人はスキー場に行くというと安心する。
が赤岳鉱泉周辺は、もはや、冬のスキー場と何ら変わりない。実際、北横岳にはスキー場があり、歩く時間なんて山頂まで、45分くらいであり、正直な所、先日登った膝上ラッセル状態の裏山より歩行時間としては短いくらいなのである。開始点と終了点に人の気配があると言う意味では、山のキワモノ度は北横岳の方が低い。
■ ひとりのメリット
≪ひとりのメリット≫ (『ひとり歩きの登山技術』より抜粋)
・自然をじかに味わえる
・楽しい
・マイペースを守れる
・いつでも好きな時に行きたい山に行ける
・好きな時に休憩して、好きな時に歩き始めることができる
・撮りたい時に写真が撮れる
・好きな場所でコーヒーを沸かして飲める
・陽だまりで昼寝できる
・静かに俳句を読むことができる
・ウグイスの声を聞いて立ち止まれる
・自然への観察力が鋭くなる
・植生の分布や刻々と変わる雲の動きが面白いように見えてくる
・山を歩いて自然と対話すると、自分を取り戻せたような気になる
・組織の中で見えなかった自分が見えてくる
・いかに自分の力がちっぽけなものか気づく
・自然を一人で歩くことによって、その向こうには自分が見えてくる
・自立心が出てくる
■ 観察力の問題
こうしてみてくると、“観察力”というのはひとつのキーワードのような気がしてくる。
仲間と歩くと、仲間に合わせることに人間は注意力の何パーセントかを向けなくてはならなくなる。そうすると、自然への注意力はもちろん、そがれることになる。
そうすると、天候の悪化の予兆を読み逃したり、悪いことの前兆に気が付かなかったりして、危険が増すことになりかねない。
自分の実力一杯一杯の山でも注意力はそがれる。 これはクライミングも同じで、ギリギリグレードだともう周囲のことは目に入らない。誰だってそうなる。
でもステップアップして実力の余裕が出てくれば、自然と注意力のキャパシティも大きくなり、この問題は解消されると思われる。
だから、観察力の問題は、実力の少し下のランクの山を選んでいれば大丈夫なはずだ。特に初めて一緒に行く人とは、実力よりだいぶ下の山に行く方が良いと思う。
■ 好きな時に…の問題
これは気の合う二人なら、たいがい問題ない。
パーティ登山で問題になる…人数はおおむね5人以上だろうか…8人とか9人とか、もうウンザリで、私は4~5人以上の登山はごめんだな~と思う。
最大許容できて6人くらいだな。それ以上になると人に合わせるにしても、合わせる幅が広すぎてどこにも合せようが無くなり、みなが勝手にし始める。グループが幼稚園化してしまうのだ。
山小屋でバイト中何組もそんな大の大人を一杯見た。そういう人たちが使った後の部屋というのは、まくら投げパーティでもして、過ごしたんじゃないか?という荒れようだ。
30人を束ねようと思ったら軍隊式以外不可能だと思う。
■ 自己との対話
単独行でのもっとも大きなメリットは、残りの部分 ”自己との対話”だと思われる。
でも人と出かけて自己と対話していたら、その人は相手を無視していることになる。
誰かと出かける山で自己と対話する、なんてありえない。そういう人はコミュニケーション不全症だ。
しかし、もし単独のメリットが自己と対話すること(山と向き合うこと)にあるのなら、その人はそういう山を選ぶべきだということになる。
つまり自分と向き合うことだけに集中できる山、だ。裏山でもいいわけだ。
■一人歩きは危険か?
不安な単独行 を 幸福の一人歩き に変えるポイントは
・事故があった時に助けてくれる人がいない
というリスク。
それには 行く山を選べばよい、ということになる。
たとえば私も単独で最初に行った山は大菩薩嶺。その次は北岳に行った。次は八ヶ岳。厳冬期八ヶ岳。北アのテント泊ソロ縦走。
どれも登山道で単独になりようがない。誰かがいるのである。なので厳密には単独行とは言えない。
単独で行ける雪山なら、八ヶ岳がある。小屋がある山。あるいは人足が絶えない山。それが単独を選ぶ人の山だ。
近所の山では、大菩薩嶺、瑞牆山、茅が岳などは大概誰かが入っており、平日に入らなくても、土日には誰かが通っている。
そういう山は単独のリスク=事故があっても誰にも発見してもらえない、がないので、こういう山を選べばよいと言うことになる。
それは間違っても真冬の誰も来ないようなマイナーな山ではないし、非一般道から歩く山でもありえない。
■ 事故に備える
また、事故になった場合、単独の人は
事故の原因は転滑落が最も多い
と言われている。 が、これはリスクをカバーしようがない。
どんなベテランだって足を踏み外す時には踏み外すし、それは危険な所ではなく、普通の危険がないところでむしろよく起こるのである。
だから、転滑落は運みたいなもので、登山者自身ができることと言ったら、日ごろのクライミング練習と、よく注意して登る(下る、下りの方が事故が多いので)くらい。
後は滑落した時にどうするか?だ。
■ 慎重さ
・・・というわけで、一人で歩く資格というのは必ずある。
その1)第三者に迷惑を掛けない (所属山岳会を含めて)
その2)山を選ぶ
・人が多い山
・一般ルート
・小屋がある山
その3)万全の準備
・遭難しないために慎重に計画を立てる
・装備に抜かりがない
・岩場などの難しいところでは臆病なまで慎重に対処する
・起こる可能性は全部を考えて行動する
その4)気力
・たとえ骨折しても這ってでも自力で降りてくる気力
・事故を起こさない慎重さと弱気、常識
その5)事故の備え
・登山届を出す
・山で出会った人に話しかけて印象に残っておく
・携帯電話などの連絡手段を常に確保している
・山岳保険に入る
その6)山に対して謙虚に構える
最終的には、山に対して謙虚であること、に集約されると思います…
私はよく一人で歩いているように見られます。が、ほとんどは夫と二人で歩いており、一人で歩いている山は、手あかがついたと先輩に悪口を言われようとメジャーな山ばかり。藪山を一人歩きするように誘惑?されても頑としてはねつけてきました。
別に今、地図も地形も読めるけど、地図が読めたところで、ひとけがない山で遭難しても誰にも見つけてもらえないという現実は変わらないので行きません。
ただ変わったのは、行けない、のではなく、行かない、ということに真実味が出てきた、ということです。
地図も読めるし、懸垂下降も出来るけど、行かないよ、そんなとこ。
一人歩きの自由さだけを見て一人歩きを始めるとけっして良い結果を生まない、と思います。
そこには、何かからの逃げ、が含まれているような気が・・・。
ちなみにこの本にはひとり歩きの心構え十か条と言うのがありました。そのまま、登山グループに当てはまると思うのですがどうでしょう?
≪一人歩きの心構え十条≫
1.第三者に迷惑を掛けない
2.自分のレベルを常に客観的に見れるようにし、レベルを超える無謀なことはしない
3.計画、装備、体力、知力、などレベルアップに努める
4.計画を簡単に変更しない
5.天候悪化や体調悪化など、無理をしないで引き返す
6.分からないことは自分だけの判断に寄らず第三者に尋ねる。遠慮しない
7.他の登山者の良いところは吸収するように常に注意深く観察する
8.計画表を作成する
9.山は場数。間を置かないで登ること。慣れが怖い。
10.万が一遭難しても、常に冷静でいられるように日ごろから訓練し、事態を正確に判断し、自分の力で切り開く能力を身に着けておく。
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