Monday, April 21, 2014

行きたいところいっぱい

■ 適期は短い!

自宅前のイチョウの木は、芽吹きから一気に青々としてきました。小さくともイチョウらしい葉っぱ。小鳥たちは葉っぱが大きくなったら来なくなりました。

季節は短い。春の花の命ははかなく、つまるところ、季節を味わう登山適期は短い。

裏山はこの3日間の雨で、すっかりグリーンです。スポンジのように大地が水を吸っているようです。

行くべきところが急にいっぱいで困っています(^^;)。そろそろ山梨も岩シーズンだし…です。

≪行きたいところリスト≫
・近所の低山 → カタクリが最後
・近所の低山 → 師匠を連れて行くための偵察
・唐松岳 → 鹿島槍偵察山行
・西穂高沢 → GW前までがチャンス
・赤岳主稜 → GW前がギリチャンスぽい
・十二ヶ岳の岩場 → 南面なのでシーズン開始
・小川山 ガマルート → 先輩が誘ってくれたマルチルート
・乾徳山の岩場 → 当面技術的に行くことはできないような気がするが…将来的に行きたいルート

行きたいところリストに、イケア、というのもあるのですが、なかなか実現せず(笑)。

大体4週あるうちの、1週は家族にあてるべきですが、残雪期は例年ハイシーズンで除外です。何しろ、厳冬期の2月は行けるところがなくて暇だったりしたので・・・(^^;)

それに一般の人にとっての登山シーズンには私は登山はお休みです。暑くて死ぬ~って感じ。

■ 山の優先順位

私が行きたいところは

1)クラシックなアルパインルート :技術的に困難でない場所、
                       来年八ヶ岳のバリエーションにステップアップするための前振り
2)ロープワークを確実にするためのマルチピッチ: これも同様
3)この時期にしか行けない山 (たとえば雪が安定する北アの雪渓)
4)フリークライミングの岩場 クライミング力をつける為
5)インドアクライミング(リード壁) クライミング力をつける為 相手がいないとできない
6)地元の山の発掘
7)花 日常の自然を楽しむ山
8)ホームグランドの山 体力をつける山
9)ボルジム

番外)ザイルパートナーと行く親睦の山 最優先

の順です。

私は、どんな山もそれなりに楽しめます。何の展望もない宝永山だって楽しめるくらいですから(笑)

■ 心の山を紡ぐ

宝永山は、相方との親交の山で、相方がどんな山をしたいのかな~というのを知りたかったから、ふたりで行った山でした。相方はずっと宝永山行きたかったそうなので、多少天気が怪しくても行く価値があります。

宝永山、私と行ってよかったんではないかな?何しろ、相方は、道迷いしそうです(笑) でもまぁ、私が地図読み力あるから、いいんですが。逆に、私にない歩荷力満点の相方…。彼女は大学山岳部なんですよね。もう軽量化とかめんどくさいことは考えないらしく、私の分の荷物、持ってもらっちゃおうかな?くらいの勢いの体力でした。慎重派の私と突っ込む派で、陰と陽です。

という山だったので、お天気は悪いのは知っていましたが、まぁお天気は度外視です。お互いにお互いの強みを生かし、弱点が補える間柄かどうか?という点が重要でした。

山ってそういう別の目的がある時は、行くだけで意義がある、って時があります。地獄谷もそうかな。

■ 私の強みはなんだろうか?

私の強みは何か?と考えると…

私の時間は、今、限りなく安いのです。働いたころは、限りなく時間は高く、お金で時間を購入しているくらいでした。時短命って感じ。

今は、”時間リッチ”な生活なので、他の人にとって、忙しいためにできないことが出来ます。それは忙しい現代社会では非常に大きな強みです。

私は仕事をしていた時と同じ生産性を仕事をしていない今も維持したいので、そういう意味では、非常に自律的に生産性の高い生活をしていると思います。いつでも仕事に復帰できるよう、爪を磨いている感じ。

なので、このブログもまだ開設して一年ですが、もう記事数にして500くらいあると思います。

私にとっては、現在は山が仕事みたいな位置づけです(^^) まぁ山梨にいる間は、山さえやれたら後はいい、と決めているので…。(もちろん、本業ヨガも頑張るのですが、将来もここにいるとは限らないので、今スタジオを構えたりはできないし…)

仕事を持って一家を支え、なおかつ山をやっている男性の皆さんには、ホントに申し訳ない感じです。

HPの制作やパンフレット作り、などなど、一応元々ソフトウェアエンジニアですので、なんなりとお申し付けください(笑) 秘書としては、結構有能な秘書だと思います、たぶん・・・(^^)。

■ 山の強み

私の登山の強みは何か?ということを考えると、色々考えて

 企画力

ということだと思います。 企画力、というのは、どの山に行くべきか?というのを考える力。

まだ行った山の数が少ないのですが、知っている山域の全体像を把握し、無理なくステップアップする計画というのを考えるのは、私は非常に強いと思います。

シリーズ化したり、ベビーステップ化して、取り付きやすくしたり…。同じことで

 段取力

もあると思います。段取り8分です。段取りさえよければ、山は成功したも同然!たとえば宝永山は、15時下山と思っていましたが、14:30下山で、自分の中では「予想を上回る成功」です。段取り的に、ぴったりだとやった!とガッツポーズしそうになります(笑)。 後は、そのための

 情報収集力

ですね。まぁ市場調査を仕事にしていましたしね。下調べして、現地に出向いて、レポートを書く。山と同じ(笑)

 情報発信力

もかもしれません。レポート書くのは学生のころから、大得意です。

山は、登る前の情報収集で山の成否の8割が決まります。ので、私は下調べする力を山に来る前に、仕事でつけてきたことになります。なんか、仕事で苦労して得た学習成果が、全部山(遊び)に還元されているような(笑)?

宝永山、相方は、まさか藪漕ぎとは、と言っていましたが、私にとっては想定内でした。道迷いの報告も上がっていましたしね。心配した師匠から、アレやコレやと心配のメールが来ましたが、私は最初からルートが分からないだろうと。でもまぁ、しばらく前から、地図読みには自信を付けたのと、GPSが合ったので行きました。

 地図読み

も強みに入るかも…。 あとは

 慎重さ

でしょうかね。まぁ、人の意見に左右されないタイプなので(^^;) 

 危険予知能力

も、一般より強いかもです。それは女性だからだと思っていましたが、そうではないらしいと、相方と歩いて思いました。相方は体力があるので、危険を回避しなくても損した、と思わないのです。私は体力がないので、余分に歩くと疲れるので、すぐ道迷いから復帰したいのは体力を浪費したくない、それだけです。私は間違った時の軌道修正がかなり早いタイプです。それは日常生活でも同じです。

 ”他山の石” 力

相方はアイスの時も岩の時もヘルメットは形だけです。私はリアルに顔を切った人やヘルメットを割った人を見て、アイスのヘルメットなんかバイザー付を即購入です。見たらすぐ取り入れる。

 トータルバランス力

も入るかもしれません。企画の整合性とか、体力とリスクのバランスとか、登山スキルと技術のバランスとか、そういうのにこだわりがあります。

それは慎重なのと、色々本を読むからですね。本を読まないと断片的な情報を基にしてしまうので、たまたま条件の良いときの山の情報を聞いただけで、自分も行けると思ってポッと行ってしまいます。
登山ということの全体像を見たい、という思いが強いから、本を読むわけですが。

これらを、全部、逆にすれば弱みになるわけで(笑)

 体力 
 登攀力

は、一般登山者のレベルは、たぶん十分ありますが(積雪期黒戸尾根が平気な人は体力に問題があるとは言えないでしょうし…)しかし、健脚と言えるレベルには達してはいません。世の健脚者が、どれだけスゴイかってことですよね~。 健脚には全然達していませんよ。

登攀力って、5.10以上が意味があるので、ないも同然です。

まぁこの辺は、既に40代で成長期と同じ戦略は使えませんし、伸ばすより、「あるもので何とかする」的発想も多少は必要かと思っています。

それって、アルパインらしさでもありますしね。そうなると、相性が合うパートナーは私に欠けているものを補ってくれる相手になりますかね。

あとは、山で命を掛けない、というのは最低の条件です。家庭人は山で死んではいけない。独身の人はギリギリ系、頑張ってください…(笑)

登山と言う世界の限界を伸ばすのは素晴らしいことですが、それ以上に素晴らしいのは、自分のものさしで楽しみを見つけ、それを人に伝えることができることだと思います。

具体的には、家族を泣かせて夢に掛け未踏峰を踏むより、近所の山の魅力を伝えられ、多くの登山者を育成する方が社会的に価値があると思います。

藪山魂など一つジャンルを作ってしまったって感があります。それってすごいイノベーション

■ 縦糸

私は山行計画を立てるときは、横糸だけでなく、縦糸も重視しています。

横糸というのは、空間的、つまり場所のバラエティ。100名山型の人ですね。100名山行脚の底の浅いのは、それぞれの山に何の必然性、つながりもないからです。

一方で、縦糸と言うのは、その山に行くべくして行く、という山の必然性です。

たとえば高尾山に登って、その次にいきなり穂高行きませんよね? 最近の人は行くらしく問題になっていますが…

阿弥陀北陵行ったら、次は赤岳主稜だね!とか、そういう感じ。赤岳だって、その山、全体を味わい尽くそうと思うと、どの尾根も歩いてみたくなります。大体一般ルートの赤岳はそのために歩いている山なんですから。尾根の縦走はその山域の特徴を把握するために行う、というのが基本的な位置づけになるかと思います。

赤岳行きました→他の尾根も歩きたくなりました→そのためには必要なスキルは何か?と、考えるのが普通です。

すると、今度は岩を勉強しなくてはいけないので、岩場に通う、というようなことになりますよね?普通。 が、そういう岩場はトレーニングの場なので、近場の…となる・・・ような?

みんなはならないみたいで不思議なんですよね。

山にハマる人は、大体、そんな風にして山にハマるんだろうと私は思っていたのですが、最近違うハマり方もあるのに気が付きました。

■ オールラウンドとは何か?

山の大きさだけで、山の良しあしを判断するようになると、体力の必要が小さい、小さい山の価値が分からなくなります。

山頂への執念も、行きすぎると、濃霧でも山頂をあきらめられなくなる。

労多くして益無し、という山は確かにあります。

若いと、労多くして利益がなくても、経験という利益が出ます。

が、ベテランになると経験値は、すでにあるので、労多くして益無しの山に価値を見出すのがむずかしくなってくるかもしれません。

たぶん、オールラウンドという言葉は、すべてのタイプの山に価値を見いだせるという意味で、解釈されていると思いますが、私は、最近、違うんじゃないかな~と思いました。

登山をして最初の頃は、登山を好きな人はみんなひとくくりの人種だと思っています。アウトドアには、登山以外にも、カヌーとか、ダイビングとかいろいろあるからです。海の人、山の人、川の人、みたいな感じです。自転車の人も入るかも。

ところが、登山に慣れてくると、縦走も出来るようになり、だんだん(山キャンプの人、つまりハイキング)と(テン泊の人、つまり登山)の差が分かるようになります。

昨今は登山の山もハイキングの人に侵略されているので(特に夏山)、そこから逃げようとすると、本格的な登山になりますが、そうなると、岩が出てくると・・・今度は (フリークライミングの人)と、(アルパインクライミングの人)の差が分かるようになります。どうもこの二つの人種はいがみ合っているらしいし(笑)

アルパインの人は登山靴を履いて岩登りする人で、フリークライミングの人はクライミングシューズで岩登りする人なのかな。

アルパインの人も、K2なんかを登ってしまう(クライマー人種)と(高所遠足の人)がいます。一般人は、高所遠足の人のことも、アルパインクライマーだと思っているのですが、その違いが分かるようになります。高所遠足の人は体力以外は何もありません。というか、体力以外の何がいるの?と思っているかもしれない。結局は体力さえあれば何とかなると思っている人と、自分の持てる能力すべてをつぎ込んで山に向かう人は全然違う人種です・・・


アルパインクライマーは、どんな過酷な環境でも生き延びるためなのか、岩も、沢も、氷も、雪も、あらゆることができるようになるみたいです。

そうした人が年を取ると、体力が落ちるわけなので、山の大きさとは関係なく、山の良さを見出すようになるんだろうな。

それまではたぶん、上しか見ていないので、一種取りつかれたような感じなのかもしれません。

私のように年を取ってから登山を始めた人は、もう最初から、上はないので、自分の目標を自分で設定し、自分で乗り越えるという活動になります。つまり自己満足の山です。

そこが自分の山を突き詰めることが終わったアルパイン系の人と似てくる点です。

突き詰めると、アルパインの人は、どんな山に対しても自分なりの課題を発見し、それを克服することに喜びを見いだせる、自己満足の山が作れる人という意味なのかもしれません。

■ 課題を発見する 

私は前の趣味バレエでも「今日はタンデュを頑張る」など、その日の課題を自分で決めて参加するタイプでした。

今ヨガを教えているので、私のヨガのレッスンには、やっぱりテーマがあります。生徒さんにそれを言う時もあります。が、分かっている人ならレッスン構成を見れば、何をテーマにしているか分かるはずです。

山も似ています。 

たとえば、GW合宿は、鹿島槍鎌尾根です。鎌尾根は易しく取り付ける鹿島槍入門。イメージは白馬の主稜の鹿島槍版です。取り立てて悪条件でなければ、基本的な雪上確保と体力があれば行けるだろう、というルート。天狗尾根などは難しいルートです。

来週行く山の場合、私の中には鎌尾根があります。鎌尾根へ行くための準備を万端に、ということを考えると、唐松岳はよい選択肢。偵察になります。あるいは近場でロングルートということで、黒戸尾根にもう一回行ってもいいな、と思ったり・・・。

たとえば、去年は本番の金峰山のために、権現日帰りを行い、大菩薩嶺に行きました。つまり、山がシリーズ化しているわけです。 これが縦糸です。

そういう風に考えるわけなので・・・、今は藪尾根ではなく、やはり予行演習ということで、西穂高沢に行くことにしました。雪渓歩きで雪に慣れることができるし、なおかつ、テント泊だし…。

赤岳主稜はそろそろ雪がなくなり終わりそうです。阿弥陀北陵より、主稜の方が一般道に挟まれている分、下りの危険度が小さい。しかし、今週末行けなかったので、今週末を逃すとGW突入ですし…来年になりそうです。

色々考えると、山は逃げますね。

ホント、やれる時にやれることをやる、という普通のことは、登山においても、結構難しいことなんですよね。

去年の扇沢。

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